割増賃金率の一覧を使って計算方法を徹底解説!割増率引き上げの条件とは? |HR NOTE

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割増賃金率の一覧を使って計算方法を徹底解説!割増率引き上げの条件とは?

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硬貨を積みかさねて計算している

割増賃金とは、従業員が法定時間外に労働をおこなった際に使用者側が支払うべき対価のことです。割増賃金は、法定時間内での労働に対し支払う賃金へ割増率をかけあわせて計算されます。

今回は、割増賃金率について、その概要を解説するとともに、計算方法や適用されていない場合の対処法、新たに2023年4月から変わる中小企業の割増賃金率のルールについて解説します。

関連記事:割増賃金の基本的な部分や計算方法を詳しく紹介

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2023年は一部企業を対象に人的資本開示が義務化されたほか、HR関連での法改正に動きが見られました。
2024年では新たな制度の適用や既存のルールの変更・拡大がおこなわれます。
人事担当者として知っておきたいHR関連の法改正に関する情報ですが、その範囲は幅広く、忙しい業務の中でなかなか網羅的に把握することは難しいのではないでしょうか。

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1. 割増賃金率とは

給与を計算している

割増賃金率とは、企業が従業員に対して、休日労働や時間外労働、深夜労働をさせた場合に割増して支払う賃金の割増率のことを指します。

割増賃金率については、労働基準法第37条に規定されており、「時間外労働」、「深夜労働」、「休日労働」の3つのケースに該当する勤務に対して支払う義務が生じます。

1-1. 労働の種類による割増賃金率の一覧

割増賃金率は、従業員の労働の種類によって割増率が異なります。

具体的な割増率は、以下の通りです。

労働の種類

割増率

法定労働時間内の時間外労働

なし

法定労働時間外の時間外労働

25%

深夜労働

25%

法定休日労働

35%

深夜労働をともなう時間外労働

50%

月60時間を超える時間外労働

50%

深夜労働をともなう法定休日労働

60%

深夜労働をともなう月60時間を超える時間外労働

75%

2. 割増賃金の計算方法

電卓で給与計算をしている

割増賃金は下記の計算式を基本に算出します。

割増賃金=割増賃金の算定基礎×各種割増率×対象となる時間数

割増賃金の算定基礎とは、従業員の1時間あたりの勤務に対する基礎賃金のことです。時給制の場合はそのまま時給で計算することができますが、月給制の企業の場合は算定基礎の算出に注意が必要です。

関連記事:割増賃金の計算方法を徹底解説!基礎賃金算出時の注意点とは?

2-1. 割増賃金の算定基礎とは割増賃金の計算の基礎となる賃金

割増賃金は従業員の1時間あたりの基礎賃金である割増賃金の算定基礎額を割り増して計算します。

月給制の場合の割増賃金の算定基礎は下記の式で求めることができます。

割増賃金の算定基礎=月給 ÷ 月平均所定労働時間

単純に月給を労働月の勤務時間で割ってしまうと、休日数や暦日数が月ごとに異なることから、基礎賃金が変動してしまうことになります。

一定の給与で割り増し計算をおこなうために、まず月平均所定労働時間数を算出しましょう。

月平均所定労働時間=(1年の日数 – 年間休日) × 1日の所定労働時間 ÷ 12

3. 時間外労働時の割増賃金の計算方法

時間外労働の賃金

従業員が時間外労働をおこなった場合の割増賃金の計算では、以下の2パターンで割増率が異なります。

  • 法定労働時間を超えた場合
  • 時間外労働が1ヵ月で60時間を超えた場合

3-1. 法定労働時間を超えた場合の計算方法

労働基準法32条で定められている法定労働時間(1週間40時間、1日8時間)を超えた労働を従業員にさせた場合には、法定労働時間を超えた時間外労働に対して割増賃金を支払います。この場合、25%以上の割増率が適用された賃金を支払わなければなりません。

3-2. 時間外労働が1ヶ月で60時間を超えた場合の計算方法

時間外労働が1ヵ月で60時間を超えた場合にも、法定労働時間を超えた場合と同様に、割増賃金を支払わなければなりません。

労働基準法37条1項但し書きにおいては、時間外労働が1ヵ月で60時間を超えた場合、50%以上の割増率を適用した賃金を支払うことが規定されています。

ただし、時間外労働時間が月60時間を超過した場合の割増率の引き上げは現在大企業にのみ適用されている規定です。中小企業に対しては2023年3月31日まで猶予期間が設けられています。

関連記事:月60時間超えた場合の割増賃金について手当や削減するための対策

4. 休日労働時の割増賃金の計算方法

中小企業の社員が話し合いをしている

従業員に対し、法定休日に休日労働をさせた場合には、35%以上の割増率が適用された賃金を支払う必要があります。

法定休日は、毎週1日もしくは4週間で4日以上設ける必要のある休日を指し、労働基準法35条に規定されています。

法定休日の割増賃金計算で間違いやすいのは時間外労働の割増賃金との関係です。法定休日に1日8時間、週40時間の規定を超える労働をおこなわせたとしても時間外労働の割増賃金は発生しません。

これは、時間外労働の割増賃金が、元々労働義務がある日に対して発生するものであるのに対し、休日労働の割増賃金は労働義務が元々ない法定休日に対して発生するものであるためです。

また、企業が独自で定める所定休日での勤務は休日労働には該当しないため、休日労働の割増賃金の支払い義務はありません。ただし、所定休日での勤務によって週の合計労働時間が40時間を超過した場合や、1日の労働時間が8時間を超過した場合は時間外労働の割増賃金は発生するので注意しましょう。

なお、時間外労働の割増賃金は休日の種類により対応が異なりますが、深夜時間の労働に対して支払う深夜労働の割増賃金については、法定休日、所定休日にかかわらず発生します。

5. 深夜労働時の計算方法

深夜の労働をする人

深夜労働とは、22時から5時までにおこなわれる労働を指します。この時間帯におこなった労働については、25%以上の割増率となります。

管理職の従業員であっても深夜労働の割増賃金の支払いは必要であるため注意しましょう。

6. 条件が重なった場合の計算方法

ポイントを指し示している

深夜労働時間に時間外労働を行った場合など、労働条件が重なった場合には、それぞれの割増率を合算した割増率を適用します。

例えば、所定労働時間を9時から18時とし、18時から23時まで時間外労働をおこなった場合は18時から22時までの労働に対しては25%の割増率が、22時から23時までの労働に対しては深夜労働の割増率を合算し、50%の割増率が適用されます。

7. 2023年4月から変わる中小企業の割増賃金率のルール

上を見て給与計算方法を考えている

割増賃金率のルール改定にともなって企業側が整理しておくべきこととしては、次の3つが挙げられます。

7-1. 従業員の適正な労働時間を把握する

割増賃金率のルール改定にともない、従業員の適正な労働時間を把握しておきましょう。

具体的には、タイムカードやICカード、パソコンの使用時間を記録し、確認するのがおすすめです。この方法は、厚生労働省のガイドラインでも公表されています。

自己申告制で労働時間を把握する場合には、適切な制度運用のためにも確認をおこないながらの運用が必要です。

7-2. 代替休暇を検討する

月に60時間を超える時間外労働をおこなった場合には、25%に上乗せされた25%分の割増賃金を代替休暇に変えて付与することも可能です。

なお、代替休暇を利用する際には、労使間であらかじめ労使協定を結んでおく必要があります。

7-3. 業務効率化や新たな人材採用を検討する

使用者側が従業員の労働時間を把握したら、その内容が適正かどうかの見直しをおこなうことも必要です。

一人の従業員に対して負荷がかかっているような場合には、業務効率化や新たな人材の採用を検討してみるとよいでしょう。

8. 割増賃金率の計算方法を理解し新たなルールとあわせて確認を

パソコンを持ち、グッドサインをしている

今回は割増賃金率の計算方法について解説しました。割増賃金率は、従業員に法定外労働をさせた場合に割増して支払わなければならない賃金の割増率で、労働基準法第37条に定められている重要な規定です。

使用者は割増賃金率の計算方法を正しく理解し、適正な賃金を支払う必要があります。

また、2023年4月からは、新たに中小企業でも割増賃金率のルールが適用となります。ルール改定にともない、あらかじめ企業側で整理しておくべきことを確認しましょう。

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