従業員の勤怠情報をタイムカードで管理している企業はたくさんあります。
タイムカードであれば、紙に出勤・退勤時間を書くよりも効率的かつ、正確に勤務時間を記録することができます。
この記事では、タイムカードの仕組みや使い方、合わせてメリット・デメリットを解説していきます。
目次
1. タイムカードとは?仕組みや使い方を解説!
タイムカードとは、従業員の出勤時間や退勤時間を記録する際に使用するカードのことです。
タイムカードは、1-15日、16-31日で裏表打刻する面が違うので、タイムレコーダーを通して打刻する際は、日にちと裏表を確認するようにしましょう。
また、タイムカードは労働基準法により5年間保管しておくことが義務付けされていますので、こちらも気を付けましょう。【注1】
関連記事:タイムカードの保存期間は5年!知っておきたいタイムカード保管方法
1-1. タイムカードはいつ押すべき
タイムカードは「勤務開始時」と「勤務終了時」に打刻するようにしましょう。
労働時間は、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことを指します。
例えば、9時の出社に対して10分前に出社したとしても、仕事に関係していないことをしているのであれば、タイムカードは押してはいけません。
仮に、10分前に出社し上司から仕事の依頼をされたときは、業務に取りかかる前にタイムカードを押しておきましょう。
しかし、このような判断を個人で決断するのは難しいため、社内ルールを事前に作っておくことで、従業員全員がどのタイミングでタイムカードを押すべきか明らかにすることができます。
関連記事:タイムカードを押すタイミングはいつ?タイムカードに関する疑問を徹底解説!
関連記事:タイムカードの打刻ルールは決めるべき?|事例や浸透させるコツも!
2. タイムカードの集計方法とは
タイムカードの集計方法はさまざまです。
この章では、タイムカードの3つの集計方法について解説します。
関連記事:効率的なタイムカードの集計方法とは|人事・経理から個人管理まで
2-1. 電卓による手作業
タイムカードの集計は電卓を使用して手作業でおこなうことにより、費用を抑えることができます。
しかし、集計に膨大な時間がかかり、計算ミスをする恐れもあるので、第三者による確認工数が必要となる可能性があります。
2-2. エクセルのテンプレートや関数の活用
タイムカードの集計をエクセルのテンプレートや関数を活用すると、費用を抑えられるだけでなく、電卓よりも計算を効率的に進めることができます。
ただし、従業員が増加してくることによって、テンプレートや関数が複雑になるので注意しましょう。
関連記事:タイムカードの情報をエクセルで計算する方法|メリットや注意点も
2-3. 勤怠集計サイトの利用
勤怠集計サイトでは、従業員の「出社時間」「休憩時間」「退社時間」を入力するだけで、各従業員の勤務時間などを計算することができます。
勤怠集計サイトは無料で利用できますが、広告が掲載されているため、効率よく業務を進めたい方は気を付けましょう。
スムーズな勤怠集計には、クラウドシステムの導入も有効です。人事や経理の担当者が、従業員の勤務状況をリアルタイムで確認できるため、違法な長時間労働を気づかないうちにおこなわせてしまうリスクを回避できます。
また、従業員各自がスマートフォンのアプリから打刻をおこなえるシステムもあり、双方に取って利便性が高いと言えるでしょう。
関連記事:クラウド型タイムカードとは|無料から使える打刻システムをご紹介
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3.タイムカードのメリット
タイムカードに大きく3つのメリットがあります。
ここでは、それらのメリットについて紹介します。
3-1. 費用を抑えることができる
タイムカードにかかる費用は、「カード代」と「タイムレコーダー」の購入費だけです。
システムなどを導入した際は、初期コストや運用費が莫大にかかりますが、タイムカードだと、そのような心配はありません。
また、紙のカードではなく、ICカードを使って打刻ができるシステムもあります。ICカードをもちいる打刻機には、各自の交通系ICカードを使った勤怠管理に対応しているものがあります。そのようなシステムを選定した場合には、カードの導入費用をかけずに、打刻のデバイスのみの費用で勤怠管理をおこなうことも可能です。
関連記事:タイムカードとICカードの違い|ICカードのメリット・デメリットも
3-2. 数分単位で計算することができる
労働基準法の賃金全額払いの原則に則って、労働時間は1分単位で記録する必要があります。
タイムカードは1分単位で労働時間を記録することが可能です。そのため、タイムカードでの勤怠管理は法律に違反することなく、従業員の細かい勤務時間を把握することができます。【注1】
3-3. 誰でも使いやすい
タイムカードは、カードをタイムレコーダーに差し込むだけなので、あまりシステムに詳しくない方でも簡単に利用することができます。
また、新しく入ってきた方に関しても、タイムカードを利用したことがある方が大半であるため、教育コストを削減することができます。
4. タイムカードのデメリット
一方、タイムカードにはデメリットも混在しています。
メリットとデメリットを両方理解した上で、自社の勤怠管理に適しているか判断するようにしましょう。
関連記事:タイムカード打刻のメリットより時代はペーパーレスの勤怠管理システム
4-1. 第三者による不正打刻の可能性がある
タイムカードは従業員全員がわかる場所に設置されているという性質上、他の従業員が遅刻をしそうになった時に、誰かが代わりに打刻することも可能です。
また、誰がどれだけ働いているかなどを役職にかかわらず確認できてしまうので、従業員のプライバシー保護の観点ではあまり良い状態ではないといえます。
また、打刻は客観的な記録でなければならないとされています。出勤簿等従業員が手書きで出退勤を申告する方法は、客観性を保つことが難しく、不正にも繋がるため注意が必要です。
関連記事:タイムカードの改ざんは違法!不正打刻や改ざんを防ぐ方法をご紹介
関連記事:手書きのタイムカードを使う意味?そのメリットを徹底解説
4-2. タイムレコーダーの設置場所を作らなければならない
タイムレコーダーを設置するためには、ある程度スペースを確保しておく必要があります。
また、タイムレコーダーは、定期的に故障しないかメンテナンスする必要もあるため、定期的に業務効率が落ちる可能性があります。
関連記事:タイムレコーダーの特徴・金額の比較まとめ|勤怠管理もIT化へ
4-3. 打刻漏れや記入ミスがが起こる可能性がある
タイムカードの打刻は出勤時に従業員が各自でおこないます。従業員の出勤が重なり、タイムレコーダーが混雑していると後回しにしまったり、単純に忘れていたりといった理由から打刻漏れが発生する可能性があります。
また、カードの差し込み位置が悪く、印字がずれたりかすんでしまうと正確な打刻時間が分かりません。記入ミスが発生していると、月末に担当者が集計する際に、各従業員への確認作業が必要になり、給与計算がスムーズにおこなえない場合もあります。
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関連記事:タイムカードの打刻ミスがあった場合の対処法|打刻漏れを防ぐ方法についても紹介!
5.タイムカードの15分・30分など数分単位の切りては違法?
原則として、労働時間は1分単位で計算することが義務付けられています。
労働時間を15分・30分など数分単位で切り捨てることは、労働基準法第24条の「賃金全額払いの原則」に違反することになります。
そのため、自社で定めているタイムカードのルールの中に、15分・30分など、数分単位の労働時間を切り捨てるよう定めている場合は、今すぐタイムカードのルールを見直すようにしましょう。
関連記事:タイムカードの計算を15分単位で切り上げるのは違法?勤怠管理の注意点を解説!
6. タイムカードの選び方は会社の規模によって異なる|自社にあったタイムカードを見つけよう
タイムカードの機能は「出退勤の記録のみ」や「労働時間の集計までできる」などさまざまです。
そのため、自社の規模に合わせたタイムカードを利用するようにしてください。
また、タイムカードには従業員の個人情報も記載されるため、セキュリティー面にも気を付けましょう。
タイムカードの勤怠管理に不安がある方は、サポート体制が充実している会社から提供されているタイムカードを利用することをオススメします。
[注1]e-gov法令検索|厚生労働省