割増賃金の計算方法を6つのステップで徹底解説 |HR NOTE

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割増賃金の計算方法を6つのステップで徹底解説

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従業員が、時間外労働や休日労働、深夜労働を行った場合には、割増賃金の支払いを行わなければなりません。

そこで今回は、割増賃金の計算方法について、6つのステップを紹介しながら解説していきます。また、割増賃金算出時に注意すべき点についてもあわせて紹介します。

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1. 割増賃金の計算式

電卓で給与の計算をしているまず、割増賃金の計算方法について確認していきましょう。

割増賃金の計算式は、以下の6つのステップで計算していきます。

◇割増賃金の計算6ステップ

  1. 所定賃金の確認
  2. 基礎賃金の確認
  3. 所定労働時間の確認
  4. 1時間当たりの基礎賃金の算出
  5. 実労働時間の確認
  6. 割増賃金の算出

以下、これらの6ステップについて具体的に解説していきます。

1-1. 所定賃金の確認

割増賃金の計算を行う前に、所定賃金の確認を行います。

所定賃金とは、1月分の給与や手当の合計額を指し、基礎賃金算出の際に使用します。

1-2. 基礎賃金の確認

次に、基礎賃金の確認を行います。基礎賃金とは給与の基本となる賃金のことであり、支給される賃金の額により決定されます。

基本賃金は、経験、能力、年齢や仕事内容などに応じて決定されるのが一般的です。

基礎賃金に算入しなくてもよい手当

基礎賃金には、従業員の個人的事情に基づいて支給されていることから、算入しなくても良いとされている手当があります。

例えば、以下に該当する7つの手当は、基礎賃金には算入しなくても問題ないと労働基準法施行規則第21条にて定められています。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時で支払われた賃金
  • 1ヵ月を超えた期間ごとに支払われる賃金

ただし、以下の3つの場合にあてはまるときには、基礎賃金算入の除外対象にはならないため、注意しましょう。

家族手当
扶養家族の有無や家族の人数に関わらず、一律に支払っている場合

通勤手当
通勤にかかる費用や距離に関わらず、一律に支払っている場合

住宅手当
住宅の形態によって、一律で支払っている場合

1-3. 所定労働時間の確認

割増賃金を計算する基礎となる所定労働時間には、年間の所定労働時間と月間の所定労働時間があります。

以下、それぞれの所定労働時間の確認方法について説明します。

年間の所定労働時間の確認

年間の所定労働時間は、年間の所定労働時間を計算することで確認できます。具体的には、1年間の日数である365日から、年間の休日数を引いて、年間の所定労働日数を算出し、1日の所定労働時間を掛けることで算出します。

年間の休日数を把握するためには、就業規則にある年間の休日の合計日数を確認しておかなければなりません。

月間の所定労働時間の確認

月間の所定労働時間は、年間の所定労働時間を1年間の月数で割ると確認できます。具体的には、1年間の月数となる12ヵ月で割ることにより月間の所定労働時間が算出できます。

1-4. 1時間当たりの基礎賃金の算出

1時間当たりの基礎賃金を算出する場合には、1月あたりの基礎賃金の額を月間の所定労働時間で割って計算することで求められます。

なお、給与形態によって法令等で定められている1時間あたりの基礎賃金額の算出方法は以下の通りです。

時給制の場合:支払われている時給額

日給制の場合:日給額÷1日の所定労働時間数

月給制の場合:月間の基礎賃金÷月の所定労働時間数

年俸制の場合:年俸額÷年の所定労働時間数

1時間当たりの基礎賃金を算出する際に対象外とする手当

1時間あたりの基礎賃金を算出するにあたり、家族手当や通勤手当、住宅手当の3つの手当については、以下の場合には対象外とします。

家族手当:扶養家族の有無や家族の人数に関係なく、一律に支払っている場合
通勤手当:通勤に要する費用や距離に関係なく、一律に支払っている場合
住宅手当:住宅の形態によって、一律で支払っている場合

1時間あたりの基礎賃金の計算例

ここでは、1時間あたりの基礎賃金の計算例を紹介します。

例)基礎賃金額300,000円、年間休日数125日、1日の所定労働時間を7.5時間とした場合

月間の所定労働時間数は、年間の所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12で求められるため、

(365−125)× 7.5時間 ÷ 12 = 150時間

1時間当たりの基礎賃金額は、「基礎賃金÷月の所定労働時間数」で求められるため、

300,000円÷150=2,000円

となり、2,000円となります。

1-5. 割増賃金の対象となる実労働時間の確認

割増賃金の対象となる実労働時間を確認します。

労働の種類別に、実労働時間と認められる時間について、以下に示します。

時間外労働の場合:労働基準法で指定している1日8時間を超えた労働時間
休日労働の場合:法定休日の労働時間
深夜労働の場合:22時から翌5時の労働時間

1-6. 割増賃金の算出

ここまでに算出した数値をもとに、割増労働賃金を算出します。

以下、時間外労働時、休日出勤時、深夜労働時に分けて割増労働賃金の計算方法を紹介します。

時間外労働時の算出

時間外労働時の割増賃金は、「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.25」の計算式で算出されます。

この場合、あくまでも時間外労働にあたるのは、労働基準法で定められた1日実働8時間を超えた時間数となります。

時間外労働が月60時間を超える場合には、割増賃金の計算式は、「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.5」として、算出を行います。

休日出勤時の算出

休日出勤時の割増賃金は、「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.35」の計算式で算出されます。

計算時に休日出勤とみなされるのは、法定休日にあたる日の出勤のみとなります。社内で独自に設定した休日については、上記の計算式は適用されませんので、注意しましょう。

深夜労働時の算出

休日出勤時の割増賃金は、「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.25」の計算式で算出されます。

なお、労働条件が重なる勤務の場合には、加算された割増比率で計算しなければなりません。

例えば、深夜時間帯に時間外労働をした場合には「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.5」、休日出勤時に時間外労働をした場合には「1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間数×1.6」の計算式で算出されます。

2. 割増賃金の計算式を正しく理解しトラブルを未然に防ごう

男性がグッドサインをしている従業員に時間外労働や休日労働、深夜労働をさせた場合には、割増賃金の支払いを行わなければなりません。賃金計算をする際には、正しい計算式を理解し、支払い額のミスなどによるトラブルを未然に防ぎましょう。

割増賃金額を計算する場合には、所定賃金や基礎賃金、所定労働時間を確認し、1時間あたりの基礎賃金を算出したうえで、割増賃金の算出を行うとよいでしょう。

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