人材管理とは?労務管理との違いや仕事内容、よくある課題や問題点を解説! |HR NOTE

人材管理とは?労務管理との違いや仕事内容、よくある課題や問題点を解説! |HR NOTE

人材管理とは?労務管理との違いや仕事内容、よくある課題や問題点を解説!

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人事管理とは、企業の目標を達成するため、組織や従業員の情報を管理して活用することを指します。本記事では、人事管理とは何か、労務管理やタレントマネジメントなどの用語との違いや具体的な仕事内容、よくある課題・問題点を踏まえてわかりやすく解説します。また、おすすめの人事管理システムも比較紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 人事管理とは?

人事管理とは、企業や組織としての目的を達成するため、効果的な人材活用をおこなうことです。人事管理を適切におこなうことで、従業員それぞれが持てる力をしっかり発揮できるようになり、強固な組織を作り出すことができます。ここでは、人事管理が重要視される理由について詳しく紹介します。

1-1. 人事管理が重要視される理由

組織は「ヒト」を中心として成り立っており、人事管理が適切におこなわれないと、組織が上手く機能しないことになります。近年では、働き方改革やグローバル化、テクノロジーの発展、少子高齢化による人手不足といった影響を受け、人事が担当する業務の範囲は拡大しています。このような背景もあり、自社のニーズにあわせて最適な人事管理制度の構築が重要視されています。

2. 人事管理と誤解しやすい用語の違い

人事管理と混同しやすい用語に「労務管理」「人材管理」「勤怠管理」「タレントマネジメント」があります。ここでは、人事管理の理解を深めるため、人事管理と誤解しやすい用語の違いについて詳しく紹介します。

2-1. 人事管理と労務管理の違い

労務管理とは、従業員が安心して働けるよう、職場環境を整備する業務を指します。たとえば、就業規則の整備や雇用契約・社会保険の手続き、福利厚生の提供などが労務管理に該当します。

人事管理と労務管理は、どちらも人事領域の管理に関する用語として用いられます。しかし、人事管理は、採用・育成・配置・評価など、人材の戦略的な活用に焦点を当てます。一方、労務管理は、労働環境の整備にフォーカスします。このように、人事管理と労務管理は近しい関係にありますが、管理する対象が異なります。

関連記事:労務管理とは?従業員を雇用した後の具体的な業務内容を徹底解説!

2-2. 人事管理と人材管理の違い

人材管理とは、企業の目標達成のために、採用・育成・配置・異動といった「ヒト」を管理することです。人事管理と人材管理は、同じ意味合いで用いられることが多いです。ただし、人事管理は組織全体の戦略的な人材配置や政策の管理に焦点を当て、人材管理は従業員の成長や開発、パフォーマンスの最適化にフォーカスしています。このように、若干のニュアンスの違いがあるので、理解を深めておきましょう。

2-3. 人事管理と勤怠管理の違い

勤怠管理とは、従業員の出社時間や退社時間、休憩時間などの労働時間を管理することです。人事管理と勤怠管理はどちらも、従業員に関連した業務ですが、範囲や内容に違いがあります。

人事管理では、戦略的に人材配置や人材育成をするために、従業員の年齢や住所などの基本情報に加えて、勤怠や給与など、すべての情報を管理します。一方、勤怠管理では、勤務状況を正しく把握するため、残業時間や有休消化日数などの労働時間に関連した情報を管理します。

このように、人事管理と勤怠管理は、管理する対象が異なります。対象の範囲から見れば、勤怠管理は、人事管理や労務管理に含まれるといえるかもしれません。

関連記事:勤怠管理システム53サービス比較!特徴・料金・機能・メリットを紹介

2-4. 人事管理とタレントマネジメントの違い

タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりの基本情報に加えて、経験や資格、スキルなどのタレント情報も管理して、組織の成長に役立てることです。人事管理とタレントマネジメントはどちらも従業員情報を組織の発展のために活用することを意味します。

しかし、目的やアプローチ方法に違いがみられます。人事管理では、すべての従業員を対象に組織全体の管理をおこないます。一方、タレントマネジメントでは、優秀な人材を中心に、キャリア開発を実施したうえで、企業の核となるポジションに配置し、組織の成長へとつなげます。

関連記事:タレントマネジメントとは?導入事例やメリット、効果的な運用方法を紹介!

3. 人事管理の具体的な仕事内容

人事管理に関する具体的な仕事内容は、大きく分けると「人事評価」「採用管理」「人材配置」「人材開発」「モチベーション管理」の5つの項目があります。ここでは、それぞれの仕事内容について詳しく紹介します。

3-1. 人事評価

人事評価とは、従業員の「成果」「能力」「人間性」などから評価をおこない、長所と今後の課題を見出すためのプロセスを指します。人事評価制度を構築したり、評価管理シートを用意したりするなど、人事担当者や、現場の管理者、上司が適切に人事評価できる仕組みを整備することが求められます。

関連記事:人事評価制度とは?人事評価制度の仕組みや運用方法を徹底解説

3-2. 採用管理

採用管理とは、求職者の応募から採用までのプロセスを管理することです。求人媒体に広告を出したり、エントリーシートや面談を基に選考をおこなったりして、応募者を管理することも人事管理の一つです。近年ではテクノロジーの発展により、ダイレクトリクルーティングやSNSを用いた採用手法なども普及してきています。そのため、トレンドを把握して、効率よく採用活動をおこなうことが求められます。また、内定後の入社手続きや研修の実施なども人事管理に含まれることがあります。

関連記事:ダイレクトリクルーティングを徹底解説!メリットや導入のポイントをご紹介

3-3. 人材配置

人材配置とは、従業員の適性や希望を考慮したうえで、組織が上手く機能するよう、人事異動をおこなうことです。効果的な人材配置をおこなうには、組織と従業員それぞれのニーズをきちんと取り入れる必要があります。適材適所の人材配置を実現できれば、生産性向上や業績アップにつなげることが可能です。

関連記事:人員配置とは?意味や最適化のポイントをわかりやすく紹介

3-4. 人材開発

企業理念やミッションの観点から必要な人材の人物像を設定し、従業員を育成することも人事管理業務の一つです。少子高齢化により労働人口が減少しており、外部から必要な人材を確保するのが難しい企業も増えています。このような場合、自社の人材を育成することが求められます。人材育成の手法には、次の3つに区分することが可能です。

  • OJT
  • Off-JT
  • 自己啓発

従業員の成長や希望の観点から、どのような育成手法を採用すべきか検討することが大切です。

関連記事:組織開発と人材開発の違いとは?組織改革の戦略ガイド

3-5. モチベーション管理(従業員コンディション)

従業員のモチベーション(コンディション)を管理するのも人事管理業務の一つです。従業員のモチベーションが高い状態を維持できれば、生産性を維持することができます。一方、モチベーションが下がってしまうと、生産性も下がり、業績ダウンにつながります。従業員のモチベーションを維持できるよう、人事担当者には福利厚生を整備したり、エンゲージメント調査をおこなったりすることが求められます。

関連記事: モチベーション管理とは?具体的な方法や便利なシステムを徹底解説

4. 人事管理のよくある課題や問題点

人事管理担当者は、人材の採用に加えて育成や評価、環境構築、労務全般など幅広い仕事を担当しなければなりません。これらの業務において、人事管理者は大きな課題に直面することがあります。ここでは、人事管理におけるよくある課題や問題点について詳しく紹介します。

4-1. 公平な評価制度を構築できていない

働き方が多様化していることもあり、統一した評価制度を構築することが困難になりつつあります。人事評価制度が抽象的であったり、上司や管理職の主観によって左右されたりすると、公平な人事評価を実現できず、従業員の不満につながる可能性があります。そのため、数値化されたデータに基づくなど、客観的に人事評価をおこなえる仕組みを整備することが大切です。

4-2. 慢性的に人手が不足している

少子高齢化による労働人口の減少により、慢性的な人手不足に悩まれている企業は少なくありません。また、テクノロジーの発展により、採用活動にも変化がみられており、トレンドを取り入れていない場合、競合他社に優秀な人材が流れてしまう可能性があります。このように、ビジネス市場の変化や少子高齢化の課題に対応できるよう、効率のよい採用管理が求められています。

4-3. 適材適所の人材配置ができていない

適材適所の人材配置を実現するには、従業員情報を一元管理し、分析を実施したうえで、組織と従業員のニーズの観点から配置をおこなうことが大切です。しかし、「部下の評価データは上司が管理している」「部署を超えた情報共有が難しい」などの理由により、従業員の情報が散在しているケースも少なくありません。このような場合、従業員の適性を正しく判断できず、誤った人材配置により、組織を活性化することができない可能性があります。

4-4. 優秀な人材が流出してしまう

働き方改革の影響もあり、人材の流動性が高まっています。よりより待遇・働き方を求めて、転職を検討する労働者も増えています。そのため、報酬や福利厚生など、従業員のニーズにあわせて適切な待遇を用意できなければ、自社の人材が流出してしまいます。人手不足の企業の場合、一人の従業員が離職・退職すると、その人の業務を他の従業員が引き継がなければならず、負担が大きくなります。結果として、離職率の上昇という課題・問題点が生じます。

関連記事:福利厚生とは何か?種類や導入形態を簡単にわかりやすく解説!

4-5. 効率よく人材を育成できない

効果的な人材育成を実現するには、理想像の設定、育成対象者の選定、育成カリキュラムの作成など、さまざまな工程が必要になります。人材育成を効率よくおこなうには、組織の課題や従業員のキャリア情報、過去の研修履歴などを管理する必要があります。しかし、これらの情報も各部署・チームに散在している場合、情報を上手く活用できないため、人材育成対象者を選定したり、育成プログラムを構築したりするのは困難です。

4-6. 従業員エンゲージメントが低い

従業員エンゲージメントは、人間関係や職場環境に左右されます。人事担当者の業務負担が大きいことで、モチベーション管理に手が回らないために、従業員エンゲージメントが下がっている可能性もあります。エンゲージメントは測定しにくく目に見えないので、気付かず生産性の低下や離職率の上昇といった課題が生じている恐れもあります。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?調査方法や高める施策、高い企業の事例も紹介

4-7. 業務範囲が拡大して複雑化している

働き方の多様化やテクノロジーの発展、人手不足により、人事担当者が管理すべき業務範囲は拡大しつつあり、複雑化しています。たとえば、フレックスタイム制や裁量労働制などの複数の労働形態を導入している場合、それぞれに応じた勤怠管理や給与計算を実施しなければならず、業務負荷が大きくなります。このように、時代の変化にあわせて、人事担当者の負担が大きくなっていることも人事管理の課題・問題点の一つといえます。

4-8. 働き方改革に対応できていない

働き方改革やIT技術の発展により、テレワークなどのリモートで働きたいと考える従業員も増えています。しかし、人事担当者のタスクが多いために、テレワークの人事管理制度を構築できず、リモートワークを推進できていない企業もあります。このような状態が続くと、テレワークや時短勤務などの働き方改革が進んでいる会社に転職する従業員が発生してしまう恐れがあります。

5. エクセルによる人事管理は可能?

人事管理を効率化し、人事管理の課題・問題点を解決するためにも、データを用いた管理を進めることが大切です。ビジネスでよく用いられているエクセルでも人事管理はできるのでしょうか。ここでは、エクセルによる人事管理は可能かどうかについて詳しく紹介します。

5-1. エクセルでできる人事管理業務

エクセルで人事管理をおこなう場合、以下のような業務であれば対応が可能です。

人事業務の種類 概要や注意点
勤怠管理
  • 事前に、始業時刻・終業時刻を入力すれば勤怠時間が計算できるような計算式を組み込んでおけば勤怠管理は可能
  • 勤怠管理システムなどと比べると機能性は劣るものの、手計算で管理・集計するよりも正確かつ迅速な管理が可能
採用管理
  • 応募者の情報や選考状況、保有するスキルなどを入力すればエクセルによる管理が可能
  • 面接担当者や結果通知日などを入力しておけば、連絡漏れも防止できる
目標の管理と評価
  • 従業員ごとに設定した目標や進捗状況、実績・課題や評価などを管理することが可能
  • チームごとの目標や評価を一覧で確認できるので利便性も高い
  • 期ごとにシートを分けることで管理もしやすくなる
資格管理や研修履歴管理
  • 研修の受講履歴や保有資格をエクセルで管理すれば、人材育成状況を把握しやすい
  • 従業員の年齢や職位なども入力しておけば、研修受講候補者などの抽出も簡単におこなえる

5-2. エクセルによる人事管理のメリット・デメリット

エクセルによる人事管理にはメリットとデメリットがあります。メリット・デメリットを比較して、自社にとって本当に最適な方法か判断することが大切です。ここでは、エクセルによる人事管理のメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

5-2-1. メリット

エクセルによる人事管理のメリットは以下の通りです。

  • コストがかからない
  • 使い慣れているので操作性の心配がない
  • 他のシステムとも共有できる

エクセルは、CSVで保存すれば、給与計算システムなどの他のシステムとも共有することができます。拡張性が高いので、業務効率をアップさせることも可能です。

5-2-2. デメリット

エクセルによる人事管理のデメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 人的ミスが生じやすい
  • セキュリティ対策が十分ではない
  • 対応できる業務が限定される

エクセルの場合、手入力で作業するため、対策を講じても人的ミスが起こりやすくなります。また、セキュリティが万全とまでは言えないので、不正アクセスや情報漏えいが生じる恐れもあります。また、エクセルで対応できる人事管理業務には限界があります。自社の業務がエクセルで対応できるかどうかを検討したうえで、人事管理をエクセルでおこなうかを決めましょう。

5-3. エクセルによる人事管理の運用手順や注意点

ここからは、エクセルで人事管理をおこなう場合の運用手順やルール作りについて解説します。

5-3-1. 必要な機能を洗い出す

人事管理に必要なエクセルファイルを作成する場合は、事前に必要な機能を洗い出しておきましょう。後から機能を追加する場合、設定を変更したり、計算式を新たに追加したりしなければならないので、時間や手間がかかることになります。

5-3-2. 編集ルールを決める

エクセルは設定次第で複数人で同時に編集・共有することもできます。しかし、最新ファイルがどれなのか見失うことがあり、運用を難しくしてしまう可能性があります。事前に、誰が・いつ・どのように編集するのかをルール化し、周知してから運用を開始しましょう。

5-3-3. データ管理のルールを決める

人事管理をエクセルでおこなう場合、ファイルには多くの個人情報が含まれることになります。エクセルはセキュリティ面が脆弱なため、管理方法をルール化して厳守することが大切です。悪意がなくても、人事管理の情報が社外に漏れるようなことがあれば、社会的信用を失う恐れもあります。エクセルで人事管理をおこなう場合、パスワードやアクセス権限の設定など、万全のセキュリティ対策を講じたうえで運用を開始しましょう。

6. 効果的に人事管理を実践する方法

手作業やエクセルでも人事管理はできますが、現代の人事管理の課題・問題点を解決することは難しいです。効果的に人事管理を実践するためには、人事管理システムの導入がおすすめです。ここでは、人事管理システムとは何かを説明したうえで、人事管理システムのメリットについて詳しく紹介します。

6-1. 人事管理システムとは?

人事管理システムとは、組織や従業員の情報をデータで管理し、人事管理業務の生産性を高めるためのシステムを指します。人事管理システムにはさまざまな便利な機能が搭載されているので、人事評価や人材配置、人材育成などの人材管理を効率化することができます。

関連記事:人事管理システムとは?機能性や導入のメリット、サービスを比較表で解説!

メリット1:人事データを一元管理できる

人事管理システムを活用すれば、人事に関する情報をデータで一元管理することができます。これにより、社内に散在していたデータをまとめて管理できるようになるので、人材配置や人材育成、タレントマネジメントなどの精度を高めることが可能です。

メリット2:情報共有をスムーズにできる

人事管理システムを導入すれば、リアルタイムで情報を更新することができます。また、複数人で共同でシステムを操作することも可能です。データをシステム上で共有すれば、スピーディーに情報交換をおこなうことができます。これにより、意思決定のスピードを早め、課題・問題点の解消につなげることが可能です。

メリット3:分析結果をグラフで可視化できる

人事管理システムでは、データの収集・分析も効率よくおこなうことが可能です。また、グラフなどを用いて分析結果を可視化することができます。データを可視化できれば、一目で課題・問題点を把握することが可能です。なお、人事管理システムの分析機能自体は操作が難しくありません。ただし、分析結果を活用するためには、専門的なスキルが求められることもあるので注意が必要です。

7. 人事管理システムを導入・運用する前に注意したいポイント

人事管理システムを活用することで、人事管理を効率化することができます。ただし、人事管理システムの導入には注意点もあります。ここでは、人事管理システムを導入・運用する前に注意したいポイントについて解説します。

7-1. 目的を明確にする

まずは、人事管理システムを導入・運用するに当たって、自社で解決したい課題・問題点や実現したいことを明確にしておくようにしましょう。目的を明確化することで、人事管理システムに必要な機能が洗い出されます。これにより、導入すべき人事管理システムを絞り込むことが可能です。

7-2. システムの選定と従業員への周知をおこなう

目的を明確にし、必要な機能が洗い出されたら、システムの選定をおこないます。人事管理システムにはさまざまな種類があります。そのため、複数のツールを比較して、目的にあう最適なシステムを選ぶことが重要です。

また、人事管理システムを導入する場合、システムの設定やデータの移行などの作業が必要になります。そのため、余裕を持ったスケジュールを立てるようにしましょう。

さらに、人事管理システムは、人事担当者だけでなく、現場の従業員も使用します。人事担当者の独断でシステム導入を進めてしまうと、従業員の不満につながり、社内の協力が得られない可能性があります。人事管理システムを導入する際は、あらかじめ目的やメリットを周知して、従業員の理解を得ることが大切です。

7-3. セキュリティ対策をきちんと実施する

人事管理システムには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つの種類があります。近年ではクラウド技術の発展により、クラウド型人事管理システムを導入する企業が増えています。

クラウド型のシステムであれば、PC・スマホなどのデバイスとインターネット環境があれば、場所を問わず利用することができます。そのため、働き方改革などの課題を解決することができるかもしれません。ただし、インターネット環境を利用することになるので、ベンダーのセキュリティ機能だけに依存せず、ID・パスワードの設定など、自社でもセキュリティ対策をきちんとおこなうようにしましょう。

関連記事:クラウド型人事管理システムとは?機能やメリット・デメリット、比較ポイントを解説!

8. 人事管理システムの選び方のポイント

人事管理システムには、あらゆる種類があります。そのため、自社のニーズにあったシステムを導入することが重要です。ここでは、人事管理システムの選び方のポイントについて詳しく紹介します。

8-1. 料金

人事管理システムを導入する場合、導入費用だけでなく、運用費用もかかります。人事管理は企業が存続し続ける限り必要となる業務なので、長期的な目線で導入することが大切です。導入費用が低くても、月額料金が高すぎると、長期間利用できず、解約しなければならない可能性もあります。そのため、自社の規模や目的にあった料金プランを提供している人事管理システムを選ぶこと重要です。

8-2. 機能

人事管理システムによって、搭載されている機能は異なります。機能が多くなるほど、料金は高くなる傾向にあります。また、機能が多いと、操作が難しくなる恐れもあります。一方、機能が少ないと、人事管理システムにより実現できる業務が制限され、目的を達成できない可能性もあります。このような観点から、目的にあわせて過不足のない機能が搭載された人事管理システムを選ぶこと大切です。

8-3. 使いやすさ

人事管理システムは、人事担当者だけでなく、現場の従業員も使用します。そのため、すべての従業員が使いやすい人事管理システムを導入することが大切です。具体的には、直感的に操作できるユーザーインターフェースが搭載されたシステムがおすすめです。

8-4. 既存サービスとの連携性

人事管理システムを導入する前に、勤怠管理システムや給与計算ソフトなどの他のサービスを導入しているという企業も少なくないでしょう。人事管理システムと既存サービスを連携できれば、データの入出力などを自動化し、業務を効率化することができます。そのため、既存システムとの連携性の観点から、人事管理システムを選ぶことも大切です。

8-5. サポート

人事管理システムを初めて導入する場合、システムの設定や使い方がわからず、不安に感じている人も少なくないでしょう。また、エラーやトラブル時の対応に悩んでいる人もいるかもしれません。このような場合、サポート体制の充実している人事管理システムを選定すれば、安心して導入することができます。また、導入時だけでなく、運用時もサポートしてもらえるシステムを選べば、社内に上手く定着させることが可能です。

9. おすすめの人事管理システム6選を比較!

ここでは、おすすめの人事管理システムを紹介します。人事管理システムを比較検討する際の参考にしてみてください。

ジンジャー人事労務|人事管理に必要な機能がオールインワン

サービスの特徴

  • 「入退職の推移」「従業員のパフォーマンス」などの人事データを可視化できる
  • 人事データを一元管理できるので、確認の手間がかからず、多角的な分析のもと経営判断ができる
  • 従業員を顔写真でアイコン化しているので、直感的な操作で組織シミュレーションが可能
人事評価 人材開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置

【価格

  • 月額料金:500円/ユーザー

サービス名:ジンジャー人事労務
提供会社:jinjer株式会社
URLhttps://hcm-jinjer.com/jinji/

HRBrain|カンタン・シンプルに戦略的な人事を実現するクラウド人材管理システム

サービスの特徴

  • あらゆる人材データをクラウドで一元管理でき、組織構成や社員の顔ぶれやスキル、特徴を簡単に把握できる
  • 目標・評価管理をクラウドで効率化するだけでなく、評価プロセスの透明化で社員の人事評価に対する納得度も向上
  • 多くの企業で採用される目標管理制度「OKR」をベースにした目標管理シートで、人材の抜擢や適正配置も実現可能
人事評価 人材開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置

価格

  • 月額料金:69,800円~

サービス名:HRBrain

提供会社:株式会社HRBrain

URLhttps://www.hrbrain.jp/talent-management

カオナビ|顔写真が並ぶクラウド人材管理ツール

サービスの特徴

  • 顔写真が並ぶ直感的な画面は人事部だけではなく、経営陣や一般の管理職もサクサク操作できる
  • 給与計算や勤怠管理などの労務管理ではなく、抜擢や評価などの人材マネジメント業務に特化
  • クラウドサービスなので、オフィスの中でも外でも、パソコンでもスマホ・タブレットでも使える
人事評価 人材開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置

価格

「機能プラン」と「利用人数」により月額料金が決定。(有料オプション機能あり)

  • データベースプラン:月額39,800円~
  • パフォーマンスプラン:月額59,700円~
  • ストラテジープラン:月額79,600円~

サービス名:カオナビ

提供会社:株式会社カオナビ

URLhttps://www.kaonavi.jp/

ESI|人材の採用・育成・評価・活用を円滑にするためのプラットフォーム

サービスの特徴

  • 従業員の配置や採用情報を管理できるので、人事戦略に活かすことができる
  • 評価や能力評価基準を構築することができる
  • 可視化された情報により、従業員一人ひとりに的確な教育・育成プログラムを作成可能
人事評価 人材開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置    

価格

  • 導入費用無料
  • 詳細はお問い合わせ

サービス名:ESI

提供会社:株式会社ワン・オー・ワン

URLhttps://www.101s.co.jp/

sai*reco|組織人事の情報を蓄積し、有効な経営情報としての活用を支援する

サービスの特徴

  • sai*recoが定型業務の効率化と情報収集の自動化を進め、作業の無駄を省く
  • ドラッグ&ドロップなど直感的に操作でき、施策・構想などのシミュレーションの結果を分かりやすく視覚化できる
  • 修正情報をそのまま保存でき、組織内の情報共有にも役立つ。また、シミュレーション結果に沿った人事KPIの算出も可能
人事評価 人材開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置    

価格

都度お問い合わせ

サービス名:sai*reco

提供会社:株式会社アクティブ アンド カンパニー

URLhttps://www.aand.co.jp/lp/saireco/

SynergyHR|チーム活性化で会社を強くする、コミュニケーション型人事クラウド

サービスの特徴

  • コミュニケーションの活性化やメンバー同士の相互理解が促され、個人のパフォーマンスやチームの生産性が向上
  • エクセルや紙で管理・運用していた人事情報の管理や評価制度の運用を、クラウド上で一元管理することで、大幅に効率化
  • モチベーションの向上や企業との信頼関係が構築され、優秀な従業員の離職防止につながる
人事評価 人事開発
採用管理 モチベーション管理
人材配置    

価格

  • 初期費用:0円
  • 基本料金:1ユーザー200円/月
  • オプションあり ・サンクス:1ユーザー200円/月 ・評価:1ユーザー500円/月 ・面談:1ユーザー200円/月 ・意見:1ユーザー200円/月

サービス名:SynergyHR(旧サービス名:Sharin)

提供会社:Sharin株式会社

URLhttps://synergyhr.jp/

10. 人事管理をする際に押さえておきたい法律

最後に、これから人事管理をおこなううえでで押さえておきたい法律について紹介します。

法律の種類(参考サイト) 概要
労働基準法 労働時間、休日、賃金など、労働条件の最低基準を定めており、全従業員に適用される法律
労働組合法 労働者が使用者との交渉において対等の立場となるよう、労働者の地位を向上させることを目的とする法律
最低賃金法 賃金の最低額を保障する法律
労働契約法 個別労働紛争の防止しなどを目的に労働契約についての基本的なルールを明らかにし、個別の労働関係の安定を目指す法律
労働安全衛生法 職場での労働者の安全・健康を確保し、快適な職場環境の形成を目的とする法律
育児・介護休業法 育児・介護が必要な労働者が、仕事と両立できるよう配慮し、働き続けることを支援する法律
男女雇用機会均等法 職場での男女の差別を禁止し、採用、昇給、昇進などの人事管理面で男女とも平等に扱うことを定める法律
高年齢者雇用安定法 高年齢者の雇用安定のため、事業主が定年の引き上げなどの措置を講じたり、高年齢者の再就職の促進や定年退職者などの就業機会を確保する措置の充実を要請する法律
パートタイム・有期雇用労働法 短時間労働者・有期雇用労働者に対する労働条件差別撤廃や均衡の取れた処遇の実現を目的とした法律で、事業主の義務や国の援助を定めている
労働災害補償保険法 業務上の事故や通勤途上の事故により負傷したり病気になったりした労働者に対して必要な給付をおこなうよう定める法律
雇用保険法 失業した労働者などの生活の安定を保障し、再就職を支援するために給付をおこなうことを定める法律
健康保険法 業務とは関係のないケガや病気などに対して、療養の給付や休業期間中の現金給付をおこなうことを定める法律
厚生年金保険法 高齢、傷害、死亡などで働けなくなったとき、従業員本人または遺族に必要な給付をおこなうことを定める法律
介護保険法 一定の年齢以上になって介護が必要になったとき、医療や福祉サービスを提供することを定める法律

これらの法律は時代が進むにつれて改正も繰り返されています。法律違反にならないよう、最新の情報をきちんとキャッチアップすることが大切です。

関連記事:これだけは知っておきたい労働基準法|法律の内容や罰則をわかりやすく解説

11. 人事管理を徹底して人材活用や企業の成長につなげよう!

人事管理の具体的な仕事内容は、「人事評価」「採用管理」「人材配置」「人材開発」「モチベーション管理」の5つに区分されます。これらに関する従業員データを一元的に管理するためには、人事管理システムを活用することが望ましいです。人事管理システムにはあらゆる種類があります。複数のツールを比較して、自社のニーズにあったシステムを導入しましょう。

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