固定残業代について周知の義務や上限など基本を優しく解説 |HR NOTE

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固定残業代について周知の義務や上限など基本を優しく解説

残業している女性

固定残業代(みなし残業ともいう)は、企業が一定時間の残業を想定し、あらかじめ月給に残業代を固定で記載することで残業時間を計算せずに固定分の残業代を支払う制度です。

毎月の残業計算が不要であり、便利な制度でもありますが、固定残業を超えた残業代を支払わないなどのトラブル発生も少なくありません。

本記事では、固定残業代について上限や雇用契約書の記載例などについてわかりやすく解説します。

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1. 固定残業代とは残業代を固定給に含んだもの

金貨を手に持っている様子

固定残業代はみなし残業ともいわれていて、残業代があらかじめ固定給に含まれたものです。
会社にとっては毎月従業員ごとに残業代の計算が不要という大きなメリットを感じるものですが、従業員にとってはどれだけ残業しても給料が変わらないという印象が強いのではないでしょうか。

ただし、固定残業代を適用するのは決して簡単ではありません。会社は厳しい条件を満たす必要があるからです。

2. 固定残業代を適用させるために会社がクリアすべき3つの条件

3本の指

固定残業代を適用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 雇用契約書や就業規則などの書面で従業員に周知する
  2. 1の書面で固定残業代の金額・時間を明確に記載する
  3. 36協定の正しい締結

会社は従業員に対して固定残業代制度を導入していることを知らせなければなりません。口頭での説明ではなく、雇用契約書などの書面で周知してください。

  • 上記3つの条件以外にも押さえておくべきポイントがあります。
  • 固定残業代は基本給に含めない
  • 平均的な残業時間を確認し、実際の残業時間数との乖離を避ける
  • 基本給と諸手当など所定労働時間に対応する賃金の合計が最低賃金を下回らない
  • 深夜労働・休日残業については別途賃金を支払う
  • 超過した場合は別途残業代を支給する
  • 給与明細にも適切な表記をする
  • 固定残業代の適用後に基本給部分を減額する場合は個別に必要な同意を得る
  • 求人広告でも適切な表記をする

2-1. 固定残業代を適用するには雇用契約書への記載が必須

固定残業代を適用させるには、雇用契約書への明記が必須です。雇用契約書で明記されていない固定残業代は法的に無効となりますので、注意が必要です。

「月給27万円(45時間分の固定残業代5万円を含む)」や「月給30万円(基本給25万円・固定残業代5万円)」のように金額と残業時間数の両方を明記することをおすすめします。

また、役職手当や営業手当などを固定残業代として支払うケースでは「○○手当は固定残業代として支払う」と但し書きをします。

金額と時間、両方の記載が難しい場合は少なくともどちらか一方だけは記載しましょう。

2-2. 深夜手当や休日出勤手当は別途支払う

固定残業代が何時巻分の残業代なのかを表記させるには、一般的な時間外労働(1日8時間・週40時間を超えるもの)と割増率が異なる深夜や休日の労働に対する賃金は別途支払う必要があります。

固定残業代はあくまでも時間外割増賃金にあてるものとし、雇用契約書や就業規則にも明記しましょう。

そのため、雇用契約書や就業規則には「固定残業代が割増賃金の支払いの趣旨で支給されるものである」と明記する必要があります。

2-3. 求人の際にも募集要項などに固定残業代について明示する

固定残業代を適用する会社は、今後雇用する従業員に対しても募集要項などで周知するよう厚生労働省などから指針が公表されています。

募集要項に記載する場合は、以下の内容をすべて明示することをおすすめします。

  • 固定残業代を除いた基本給の金額
  • 固定残業代に関する労働時間数
  • 固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対して割増賃金を支払う旨

ここまで説明してきた3つの他にも、固定残業代制を導入する際の注意事項は複数あります。

当サイトでお配りしている無料のガイドブック「固定残業代制度ルールBOOK|残業代の計算方法や導入する際の注意点を解説!」では、固定残業代の2種類の設定方法「手当型」と「組込み型」のそれぞれの計算方法や、固定残業代を設定する際に下回ってはならない数値についても解説しています。

固定残業代制に関する情報がこれ1冊にまとまっていますので、自社の固定残業代制が法律に則った制度になっているか確認したい方は、こちらから「固定残業代制度ルールBOOK」をダウンロードしてご活用ください。

3. 固定残業時間(みなし時間)と実労働時間の関係性

違いを考える女性

固定残業代を適用する場合、あらかじめ残業のみなし時間を定めますが、実際に働いた時間は必ずしも同じにはなりません。

固定残業時間が実労働時間より多い場合、少ない場合それぞれのケースでの対応は以下のとおりです。

3-1. 固定残業時間>実労働時間の場合でも固定残業代は全額支払う必要がある

実労働時間が固定残業時間よりも少なかった場合でも、固定残業代として定めた金額は全額支払わなくてはなりません。

残業が少ない月でも、固定残業代の減額はできません。

3-2. 固定残業時間<実労働時間の場合は追加の残業代を支払う必要がある

一方、固定残業時間よりも多く残業した場合は、追加で残業代を支払わなくてはなりません。
固定残業代を支払っていても、実労働時間が固定残業時間を超えた分は別途残業代の支払い義務が発生します。

4. 固定残業代に関する雇用契約書の記載例

人差し指と電球

ここまで解説したことをふまえた記載例は以下のとおりです。

第△条(固定残業手当)

  1. 従業員には時間外労働に対する賃金および時間外労働割増賃金の支払いにあてるものとして固定残業手当を毎月定額支給することがある
  2. 会社が固定残業手当を支給する際は、1ヵ月の時間外労働に対する賃金および時間外労働割増賃金の合計額が固定残業手当額を超えた場合に限り、超過分を別に支給する。また深夜労働や休日労働に対する賃金発生時には、固定残業手当を別にこれを支給する
  3. 会社は従業員の時間外労働に対する賃金及び時間外労働割増賃金の合計額が固定残業手当額を下回る期間が続いたとき、固定残業手当の減額または廃止ができる

5. 固定残業時間の上限は1ヵ月45時間

ビックリマーク

固定残業時間は特に上限がなく、固定残業時間に対する固定残業代が最低賃金を上回っていれば問題はないように思えるでしょう。

しかし、36協定によって1ヵ月に45時間を超えた残業をさせると、労働基準法違反の可能性があるので注意が必要です。

5-1. 固定残業時間は平均的な残業時間を確認してから決める

固定残業時間が実労働時間と大きく乖離している状態は、トラブル発生時に裁判で固定残業代を残業代の支払いとして認めてもらえない判例もあるため、注意が必要です。

このようなリスクを防ぐためにも、固定残業代を決める際に、その従業員の平均的な残業時間を確認し、それを考慮に入れた固定残業代を設定するといいでしょう。

6. 固定残業代を適用するには従業員に対して金額と時間について書面で周知させる

書類の保管

固定残業代はあらかじめ残業時間がどのくらいかをみなした上で、基本給に加えて支払うものです。

固定残業代を適用させるには、従業員にその金額と時間について雇用契約書などの書面で周知すること、36協定を正しく締結することが必須です。

固定残業時間が実労働時間より少ない場合は超過分を別途支払う必要がありますし、多い場合はその分を減額することはできません。

トラブルを防ぐためにも固定残業代を決める際は、その従業員の平均的な残業時間を確認することをおすすめします。

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