各企業で人手不足が叫ばれる昨今、「従業員エンゲージメント」という指標がHR領域で注目されています。従業員エンゲージメントを高めることで、生産性向上や離職率低下が期待できます。
この記事では、従業員エンゲージメントとは何か、従業員エンゲージメントを高めるには何が必要かをわかりやすく解説します。また、従業員エンゲージメントを高めるための施策や測定するための便利なツールも紹介します。
目次
1. 従業員エンゲージメントとは?
従業員エンゲージメントとはどのような意味なのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントとは何かわかりやすく解説します。また、日本の従業員エンゲージメントの現状についても紹介します。
1-1. 従業員エンゲージメントの定義
従業員エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着や思い入れを指します。なお、エンゲージメントとは、英語で「engagement」と表記され、「約束」「誓約」「契約」を意味する用語です。つまり、従業員エンゲージメントが高い状態とは、従業員一人ひとりが会社や組織に対して高い愛着を持っている状態のことです。
1-2. 日本の従業員エンゲージメントの現状
米国ギャラップ社の2023年版の従業員エンゲージメントに関する調査によると、世界全体の従業員エンゲージメントは2022年において最高に達したと解説されています。
After dropping in 2020 during the pandemic, employee engagement is on the rise again, reaching a record-high 23%. This means more workers found their work meaningful and felt connected to their team, manager and employer. That’s good news for global productivity and GDP growth.
一方、日本の従業員エンゲージメントは、従来より下位に位置しており、今回の調査においても145カ国中最下位という結果を示しています。このように、日本は世界と比べて、従業員エンゲージメントが低いことがわかります。
2. 従業員エンゲージメントと混同しがちな用語の意味と違い
ここでは、従業員エンゲージメントの理解を深めるため、混同しがちな用語の意味とその違いについて詳しく紹介します。
2-1. 従業員満足度
従業員エンゲージメントと混同しそうな言葉の一つとして、「従業員満足度」があります。従業員満足度とは、「従業員が企業や現在の仕事、職場の人間関係にどの程度満足しているか」を示す指標のことです。
あくまでも「満足度」であるため、従業員が会社や組織に貢献したいと考えているかどうかはわかりません。もちろん、従業員満足度の高さが生産性の向上や離職率の低下につながる可能性はありますが、必ず職務成果につながるわけではないとの指摘もあります。また、給与や待遇、福利厚生の改善を実施することで従業員満足度を上げたとしても、離職率が上がってしまうケースもあります。
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2-2. モチベーション
従業員エンゲージメントと似た用語に「モチベーション」があります。モチベーションとは、行動の原動力となる動機のことです。一方、エンゲージメントとは、その動機によりどれだけ組織に貢献しているかを示す指標を指します。エンゲージメントを高めるために、従業員のモチベーションを向上させるのも一つの手です。しかし、モチベーションが高い社員が、必ずしもエンゲージメントが高いとはいえません。このように、エンゲージメントとモチベーションの違いを正しく理解しておきましょう。
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2-3. コミットメント
従業員エンゲージメントと混同しがちな用語に「コミットメント」もあります。コミットメントとは、従業員の仕事に対する責任感を意味します。一方、エンゲージメントとは、従業員が組織のためにどれほどのアクションを起こしているかを指します。コミットメントを高めることで、エンゲージメントも高まります。このように、コミットメントとエンゲージメントの関係性を把握し、正しく違いを理解して使い分けることが大切です。
2-4. ロイヤリティ
従業員エンゲージメントと似た意味を持つ言葉の一つとして「ロイヤリティ」も挙げられます。ロイヤリティとは、従業員が持つ会社への忠誠心を指します。エンゲージメントとロイヤリティの違いは、会社と従業員の関係性にあります。会社と従業員の関係性について、ロイヤリティでは「主従関係」、エンゲージメントでは「対等の関係」を前提としています。
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2-5. ワークエンゲージメント
従業員エンゲージメントと間違えやすい用語の一つに「ワークエンゲージメント」も挙げられます。ワークエンゲージメントとは、仕事に対するポジティブな意欲を指します。従業員エンゲージメントとワークエンゲージメントは、ポジティブ感を抱く対象に違いがあります。ワークエンゲージメントは「仕事」を対象としているのに対し、従業員エンゲージメントは「会社全体(仕事を含む)」を対象としています。また、ワークエンゲージメントは学術的に意味が定義されていますが、従業員エンゲージメントは学術的な定義がないという違いもあります。
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3. 従業員エンゲージメントが注目される背景や理由
なぜ従業員エンゲージメントは注目されるようになったのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントが注目される背景や理由について詳しく紹介します。
3-1. 少子高齢化による人材確保の困難化
日本では少子高齢化による労働人口の減少により、人材確保に悩みを抱えている企業は増えています。限りある人材で大きな成果を出すために、従業員エンゲージメントは重要なポイントの一つになります。また、従業員エンゲージメントを高めることは、人材定着にも効果があります。このように、人材確保を目的に、従業員エンゲージメントへ注目する企業は増加しています。
3-2. 働き方改革による労働者の価値観の変化
近年では働き方改革の影響もあり、労働者の価値観は多様化しています。正社員だけでなく、パート・アルバイトで働く人もいれば、フリーランスという働き方を選ぶ人もいます。また、本業だけでなく、副業・兼業に取り組む人もいます。さらに、リモートで働きたいという人も増えています。このように、労働者の価値観が多様化してきたことにより、すべての従業員がやりがいを持って働けるよう、従業員エンゲージメントを高めようとする企業は増えています。
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3-3. グローバル化やダイバーシティ&インクルージョンによる人材の多様化
グローバル化やダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進により、人材自体も多様化しています。育った環境が異なれば、考え方や価値観が異なっても不思議ではありません。多様な人材が良好な関係を築きながら、組織の目標に向かって一体となって仕事に取り組むためには、従業員エンゲージメントの定期的なモニタリング・改善が欠かせません。
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3-4. 人的資本経営の注目の高まり
人的資本経営とは、人材を資本の一つとして捉え、その価値を最大限に引き出すことで、企業の成長につなげる経営のあり方を指します。近年では人的資本経営への注目が高まっており、従業員の生産性を向上させ、会社への貢献度合いを高めるには、従業員エンゲージメントが必要とされています。
4. 従業員エンゲージメントを高めるには?構成する3つの要素
従業員エンゲージメントを高めるには何が必要なのでしょうか。従業員エンゲージメントは「理解度」「共感度」「行動意欲」の3つの要素から構成されているといわれています。ここでは、従業員エンゲージメントを構成する3つの要素それぞれについて詳しく紹介します。
4-1. 理解度
従業員エンゲージメントの要素の一つに「理解度」があります。企業理念やビジョンが従業員に共有されていない場合、会社と従業員の方向性を一致させることができません。従業員が企業理念・ビジョンを正しく理解し、それに対してどのような取り組みができるのかを主体的に考えることで、従業員エンゲージメントは高まります。
4-2. 共感度
従業員エンゲージメントの構成要素の一つとして「共感度」が挙げられます。従業員が企業理念・ビジョンに理解しているだけでは、従業員エンゲージメントが高い状態とはいえません。企業理念やビジョンに対して、従業員がどれだけ共感できているかにより、貢献しようとする気持ちが変わってきます。企業の目標や取り組みへの共感度が高ければ、従業員は誇りや責任感を感じながら、仕事に取り組むことが可能です。
4-3. 行動意欲
従業員エンゲージメントを構成する要素は「理解度」「共感度」の他に、「行動意欲」があります。理解度や共感度が高くても、行動意欲が高くなければ、貢献度合いは低くなってしまいます。そのため、従業員の行動意欲を高めることで、従業員エンゲージメントもより高くなります。
5. 従業員エンゲージメントを高めるメリット
従業員エンゲージメントを高めることで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、従業員エンゲージメントを高めるメリットについて詳しく紹介します。
5-1. コミュニケーションが活性化する
働き方改革により、テレワークなどのリモートで働く従業員も増えたことで、コミュニケーションの希薄化を組織の課題としている企業も少なくありません。従業員エンゲージメントが向上することで、主体的に会社へ貢献しようとする従業員が増加します。これにより、コミュニケーションも活発しておこなわれるようになります。
5-2. 組織全体の生産性が向上する
従業員エンゲージメントを高めることで、従業員は組織目標を達成するため、主体的に行動しようとする動きが活発化します。従業員一人ひとりの業務効率が高まり、組織全体の生産性も向上します。結果として、業績アップにつなげることが可能です。
5-3. 離職率が低下する
従業員エンゲージメントが低下していると、仕事に対するやりがいやモチベーションも下がり、離職を検討する従業員が増加する恐れがあります。従業員エンゲージメントを向上させることで、帰属意識が高まり、「自社で働き続けたい」と考える従業員が増加し、離職率の低下が期待できます。
5-4. 採用コストを減らせる
早期離職を選ぶ従業員が減れば、それだけ新たに採用するためのコストを減らすことができます。また、離職率の低下により定着率が上昇すれば、「働きやすい会社」「風通しのよい会社」だと社会に認知されるようになり、求人応募者が増加し、優秀な人材を獲得できる可能性も高まります。
5-5. 顧客満足度の向上につながる
従業員エンゲージメントが高い会社では、従業員は会社目標を達成するために、仕事の「質」を意識して働くようになります。成果を出すためには、顧客への対応力も重要な要素の一つになります。従業員エンゲージメントを高めれば、顧客対応力が向上し、顧客満足度を高めることができます。これにより、安定的な経営や事業の拡大につなげることが可能です。
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6. 従業員エンゲージメントの向上施策
従業員エンゲージメントを高めるためには、具体的に何をおこなえばよいのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントを高めるための施策について詳しく紹介します。
6-1. 従業員エンゲージメントを調査する
従業員エンゲージメントを高める施策として、まず従業員エンゲージメントを測定することから始めるのが有効的です。現時点での自社の従業員エンゲージメントは高いのか低いのかを知ることで、何をすれば良いかが見えてきます。また、職場の物理的環境の改善なのか、人間関係の見直しなのか、具体的に取り組むべき点を見つけやすくなります。
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6-2. 企業の理念・ビジョンを浸透させる
従業員エンゲージメントの構成要素に「理解度」「共感度」があります。会社の理念や経営指針、今後のビジョンを明確にし周知することは、従業員エンゲージメント向上において重要なポイントです。従業員が企業の方向性を理解し、共感するほど「企業に貢献したい」という気持ちが強まります。研修・セミナーを開くなど、企業を理解する場を設けることで、従業員エンゲージメントを向上させることが可能です。
6-3. 公平で納得感のある評価制度にする
従業員エンゲージメントを向上させるためには、人事評価制度の見直しが必要になるかもしれません。評価基準が曖昧で上司の主観などによる評価がおこなわれていれば、公平な評価ができず、従業員が会社に対して不満を抱いてしまう可能性があります。評価は結果だけでなく、プロセスを重視することも大切です。また、目標を達成した従業員や貢献度が高いと評価された従業員に対して報奨金などを支給することにより、従業員エンゲージメントを高める効果も期待できます。
6-4. 従業員同士のコミュニケーションを活性化する
従業員同士のコミュニケーションが活性化して関係性が深まれば、従業員エンゲージメントは高まります。お互いを理解することでハラスメント行為が減り、働きやすい環境を維持することにつながります。コミュニケーションを活性化する方法はさまざまですが、以下のような方法なら手軽に導入することができます。
- カフェ空間のような話しやすい環境を作る
- コーヒーサーバーを設置する
また、最近ではリモートワークを導入する企業が増え、従業員同士のコミュニケーション不足に頭を悩ませる企業も少なくありません。このような場合はチャットツールや社内SNSなどのITツールの導入を検討しましょう。
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6-5. 上司から丁寧なフィードバックをおこなう
日頃の成果や貢献を適切に評価されても、伝え方を誤れば、会社や上司に対して不信感を抱く従業員も出てくるかもしれません。大げさに褒める必要はありませんが、評価を適切かつ丁寧に伝えることが求められます。そのためには、上司のフィードバック能力も重要です。部下の従業員エンゲージメントを高めるため、管理職向けにフィードバック研修を実施し、効果的な面談方法を学ばせる機会を設けるのも一つの手です。
6-6. ワークライフバランスを整える
企業の理念やビジョンに共感できても、「残業が多い」「有給休暇が取れない」という働き方をしていれば、従業員は疲弊し、会社に貢献したい気持ちが薄れてしまいます。従業員の仕事以外の時間を十分に確保することも、従業員エンゲージメントの向上に効果的です。ワークライフバランスを整える具体的な方法として、次のような施策が考えられます。
- フレックスタイム制の導入
- ノー残業デーの導入
- 計画的有給休暇の取得など
関連記事:ノー残業デーの効果とは?メリット・デメリットや成功のコツをわかりやすく解説!
6-7. キャリア開発を支援する
従業員の成長に合わせてキャリア開発を支援することも有効的です。「会社が自分に期待している」という姿勢が伝われば、会社に貢献したい気持ちをより高めることができます。また、従業員が成長すれば会社への貢献度も高まり、企業として大きな成長が期待できます。
関連記事:従業員エンゲージメントの向上に必要な10の項目とは
7. 従業員エンゲージメントの調査方法とその手順
実際に従業員エンゲージメントを高めるには、従業員エンゲージメントを測定することから始めましょう。ここでは、従業員エンゲージメント調査のやり方について詳しく紹介します。
7-1. 調査目的を明確にする
まず従業員エンゲージメント調査を実施する目的を明確にすることが大切です。目的によって、測定すべき項目や必要なツールが変わってくるためです。自社の現状や課題を洗い出し、どのような姿になりたいか、目的を明確化することから始めましょう。
7-2. エンゲージメントサーベイツールを導入する
従業員エンゲージメント調査を効率よく実施するためには、エンゲージメントサーベイツールの導入が推奨されます。エンゲージメントサーベイツールを導入すれば、システム上でアンケートの実施・集計・分析をおこなうことが可能です。人事担当者と現場の従業員それぞれの負担を減らして、効率よく従業員エンゲージメント調査を実施することができます。
ただし、エンゲージメントサーベイツールには、さまざまな種類があります。料金や機能、使いやすさ、サポートなどの観点から、複数のシステムを比較して、自社に最適なツールを導入することが大切です。
関連記事:エンゲージメントサーベイの分析と活用方法!従業員エンゲージメントを高めるには?
7-3. アンケートを作成する
エンゲージメントサーベイツールを導入したら、目的を達成できるよう、アンケートを作成しましょう。従業員が面倒だと感じて雑に回答されないよう、質問項目の数や内容は念入りに検討することが大切です。また、エンゲージメントサーベイツールのアンケート作成機能を使用すれば、テンプレートを用いて、効率よくアンケートを作成することができます。
関連記事:従業員満足度調査に必要な9つのアンケート項目とその例文集
7-4. アンケートを実施する
実際にアンケートを作成したら、メールやチャットなどで配信をおこない、アンケートを実施しましょう。エンゲージメントサーベイツールによっては、スマホやタブレットなどでアンケートに回答できるものもあります。従業員の負担にならない方法でアンケートを実施することで、回答の質を高めることが可能です。
7-5. 回答を回収・集計する
アンケートに回答してもらったら、回収し、年齢や役職などの属性ごとに集計をおこないましょう。エンゲージメントサーベイツールであれば、アンケートの配信から回収までをワンストップでできるので、業務負担を減らすことができます。
7-6. 結果を分析する
アンケート回答結果を集計したら、分析をおこないましょう。回答結果にどのような傾向がみられるのかを把握することで、組織の課題が見えてきます。エンゲージメントサーベイツールには、分析機能や可視化機能が搭載されているので、効率よく分析をおこなうことが可能です。
7-7. 施策の計画・実施をおこなう
アンケート分析結果から組織の課題が把握できたら、それを改善するための施策を計画し、実際に実施しましょう。分析結果の活用方法がわからない場合、外部サービスを利用してみるのも一つの手です。
7-8. 効果検証と改善を繰り返す
施策を実施したら、効果検証をおこないましょう。再度アンケート調査を実施して、回答結果が改善されていれば、効果が出ていることになります。一方、効果が得られていない場合は、その原因を追究し、施策の改善を検討することで、効果を高めることができます。
最近では、エンゲージメントを定量的に測る指標として「eNPS(Employee Net Promoter Score)」が注目されています。「NPS(Net Promoter Score)」と呼ばれる顧客ロイヤルティーを可視化する指標を従業員向けに応用したもので、従業員に「自社を友人・知人に自社を勧めたいか」という観点から評価してもらいます。この結果により、「従業員同士の関係」「給与や福利厚生への満足度」「業務に対するやりがい」などの項目について、従業員の自社へのエンゲージメントを定量的に把握できます。
8. 従業員エンゲージメントの測定に便利なサーベイツール
実際に自社でエンゲージメント・サーベイを実施していたとしても、効果的な分析や改善のための施策を打つことができなければ意味がありません。このような場合には、さまざまな企業が提供するサービスやプロダクトを活用することも検討してみましょう。ここでは、従業員エンゲージメントの測定・分析ができる代表的なサービス・プロダクトを紹介します。
8-1. ジンジャー人事労務(サーベイ)
ジンジャーは、勤怠管理や人事管理などの人事業務を1つのプラットフォームでおこなうことができるSaaS型サービスです。人事業務の業務効率を大幅に改善し、それぞれのデータを集積・分析することで、企業経営に必要なデータをアウトプットできます。2018年にリリースされた「ジンジャー人事労務(サーベイ)」では、エンゲージメントに関する自由な質問を設定して従業員に回答してもらうことで、コンディション状況をリアルタイムで可視化することができます。また、定点モニタリングをおこなうことで、従業員のモチベーションを管理・解析することも可能です。
提供会社:jinjer株式会社
8-2. バヅクリエンゲージメント
バヅクリエンゲージメントでは、60秒で回答可能なサーベイでエンゲージメントを測ることができます。設問内容は産業医と組織開発の実務専門家監修のもと、組織課題の抽出に必要な網羅的かつ効率的な項目で設計されています。
また、課題がわかりやすい画面設計で、クロス集計・推移分析も簡単です。「分析の仕方が複雑でどこが重要かわからない」「見るべきことが多すぎて結局課題がわからない」といったサーベイ分析にありがちな問題を解消してくれます。
提供会社:バヅクリ株式会社
8-3. カオナビ|パルスサーベイ機能
カオナビは、顔写真を用いて直感的に人材情報を把握できるタレントマネジメントシステムです。優秀人材の適材配置や能力・スキルといった社員情報を、顔写真付きで管理できることが特徴です。2019年6月にリリースしたパルスサーベイ機能は、週ごと・月ごとに少ない設問で社員にアンケートを実施でき、社員のコンディションを適切に把握することができます。また、定点観測で離職予兆や満足度が可視化され、早期フォローが可能です。
提供会社:株式会社カオナビ
8-4. MOTIVATION CLOUD
MOTIVATION CLOUDは、組織状態を診断し、組織改善に活用できる、国内初の組織改善クラウドサービスです。日本最大級の組織データベースをもとに、組織状態を定量的に可視化することができます。また、組織状態を把握するだけでなく、課題に対して適切な施策を実行することで、組織改善のサイクルを回すことも可能です。
提供会社:株式会社リンクアンドモチベーション
8-5. モチベーションサーベイ
モチベーションサーベイは、社員のモチベーションの高低を測定し、組織の現状を可視化できる従業員エンゲージメント測定ツールです。目に見えないためわかりにく従業員のモチベーションをアンケート通じて数値化し、従業員が高い意識を維持し続けられる環境を構築することができます。自社にマッチした設問や分析の設定が可能で、さまざまな角度から分析した結果に基づき、目標達成に向けて高い意識を維持し続ける環境を作り出すことができます。
提供会社:株式会社トランストラクチャ
8-6. wevox(ウィボックス)
wevoxは、科学的根拠のあるサーベイを用いて組織の状態を可視化できる組織改善サービスです。1回に約3分程度のアンケートに回答するだけで、リアルタイムに結果を集計・分析し、組織の課題を発見することができます。さまざまな企業の回答データの蓄積により、他企業との比較による偏差値を算出することができ、自社のデータだけではない、より深い組織理解を実現します。
提供会社:株式会社アトラエ
8-7. lafool survey(ラーフルサーベイ)
ラーフルサーベイは、約3,000社18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに、医師や専門家のオリジナル調査項目による多角的な分析が可能なストレスチェックサービスです。グラフや数値により組織の課題が直観的にわかり、ハラスメントリスクや離職リスクなども測定できます。分析結果に対して自動でフィードバックコメントを表示してくれるのも特徴です。
提供会社:株式会社ラーフル
9. 従業員エンゲージメント調査を成功させるコツ
従業員エンゲージメント調査は、便利なサーベイツールを導入するだけで成功するわけではありません。ここでは、従業員エンゲージメント調査を成功させるコツについて詳しく紹介します。
9-1. 従業員エンゲージメント調査は手段で目的ではない
従業員エンゲージメント調査自体は、手段であり、目的ではありません。従業員エンゲージメント調査を実施して、結果が得られたことに満足してしまうケースもよくあります。これでは調査が意味ないものとなってしまいます。調査を実施したら、分析し、エンゲージメント改善につなげられるよう努めることが最も重要です。
9-2. 従業員の負担が少ないやり方を選ぶ
従業員エンゲージメント調査を実施するにあたり、アンケート回答など、現場の従業員の協力が必要です。現場の従業員は業務に追われていることも多く、アンケート調査業務に手が回らない可能性もあります。そのため、「通勤中でも回答できるシステムを導入する」「アンケートの質問項目を簡単にする」など、できる限り従業員に負担がかからないようにすることが大切です。また、なぜ調査を実施しているか理解できるように、アンケート結果のフィードバックをおこなうことも忘れないようにしましょう。
9-3. 最適なエンゲージメントツールを導入する
「従業員のモチベーションを高めたい」「なぜエンゲージメントが低いか原因を知りたい」「健康状況も管理したい」など、企業によって従業員エンゲージメント調査を実施する目的は異なります。それにあわせて、さまざまなエンゲージメントツールがあります。目的にあわせて、機能やサポートなど、複数の観点からツールを比較して、最適なエンゲージメントシステムを導入することが重要です。
10. 従業員エンゲージメントが高い企業の事例
実際に、従業員エンゲージメントが高い企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか。ここでは、従業員エンゲージメントの高い企業事例を紹介します。
10-1. スターバックスコーヒー
スターバックスコーヒーでは、「お客様のサード・プレイスを作る」を合言葉に、お客様へのサービス並びに自社の環境整備がおこなわれています。
- 明確なビジョンを全社で共有
- パートやアルバイトにも理念やビジョンに共感してもらう
- マニュアルを用意せず、従業員の主体的な行動を促す
お客様にとって居心地が良い場所となるように、従業員同士がお互いに認め合えるような環境作りがされています。
10-2. 小松製作所
建設機械の大手企業である小松製作所では、主にマネージャーを対象として、従業員エンゲージメントの向上に努めています。
- マネージャー層が気を配るべきポイントを絞る
- 経営層含む全従業員に冊子を配り、価値観の共有を図った
- マネージャー層への研修やワークショップの実施
以上の施策により、小松製作所は従業員エンゲージメントだけでなく、売り上げの向上も実現しました。
提供会社:株式会社 小松製作所
10-3. アスクル
中小事務所向けのオフィス用品・現場用品の通販サービスを提供するアスクルでは、ビジョン・ミッション・バリューを明確化することで、従業員エンゲージメントの向上を図りました。
- アスクルがやらないことの明確化
- 従業員のモチベーションの数値化
- 1on1ミーティングの実施
会社が従業員に提供することと、従業員が会社に期待することのギャップを埋めることで、退職率を抑えることを実現しました。
提供会社:アスクル株式会社
10-4. IDOM
日本で唯一のハイパーグロースカンパニーとして名を連ねるIDOMでは、組織戦略を重要視した取り組みがおこなわれてます。
- 全従業員が「当事者意識」「経営者視点」の2つを持つ
- ITを活用したコミュニケーションの実施
- ほぼ全従業員が参加するイベントの実施
IDOMが大切にしている「挑戦」を身をもって体感することにより、社内の共通言語にすることを目指しています。
提供会社:株式会社IDOM
11. 従業員エンゲージメントを高めて企業の繁栄・従業員の成長を促進しよう
大企業でも倒産する可能性がある現代社会において、「従業員が愛着を持って働いてくれている職場であるかどうか」は企業存続の大事な指標となります。そのため、従業員エンゲージメントを測定することが重要になります。しかし、ただやみくもに従業員エンゲージメントを高めようとツールを導入しても、目的や運用方法が決まっていなければ費用だけがかかってしまいます。本当に必要か、どのように活用するかなどを考え、自社に必要なツールを選びましょう。