マネジメントとは|さまざまな手法と必要な能力、実施のポイントを解説

「部下のマネジメントがうまくいかない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

マネジメントは、組織やチームが永続的に発展するために不可欠な要素です。

今、組織やチームに貢献できる人材を育てるために、マネジメントに必要な能力やスキルを身に付けることが、強く求められています。

本記事では、マネジメントをするための具体的な手法や実践のポイントについて、詳しく解説いたします。

1. マネジメントとは

マネジメントとは、単語としては「経営」「管理」といった意味になります。

ビジネスの世界では、P.F.ドラッカーが「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と定義づけており、具体的には、組織におけるヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用することで、組織の成果を最大化することで組織の目標達成に向かうことになります。

「マネージャー」とは

マネージャーとは、マネジメントを実行する人のことです。P.F.ドラッガーの定義によると「組織の成果に責任を持つ者」とされていおり、具体的には、組織作りや部下の管理から育成に至るまで目標達成に向けて組織の成果を最大化させるための責任を持つ人のことになります。

「マネジメント」と「リーダーシップ」との違い

よく「マネジメント」と「リーダーシップ」を混同させてしまうことも多いですが、厳密には意味が少し異なっています。

マネジメントは、「組織の目標達成に向けてどのように取り組むか(How)」を示すのに対して、リーダーシップは「目標達成に向けて何を取り組むのか手段(What)」を示すことになります。

目標を達成するために周囲を牽引する能力が必要とされるリーダーシップに対して、マネジメントは目標を達成するために課題を分析し、どのようにアクションすれば良いか周りに示すといった課題把握能力が求められます。

 マネジメントの必要性

マネジメントは、組織の持続的な発展に必要不可欠です。

組織が果たすべき目標が何か把握し、それを達成するために組織運営を実施します。

組織の発展のために、その組織にいる人材に相応しい活躍の場を与えることで、発揮する成果の最大化を図ります。また、成果を最大化できるような人材に育成することも必要です。

また、組織の目標は社会全体にとって良い影響を与えるものにしなければならず、マネジメントを通して社会に貢献するために責任を持って動くことが大事です。

2. さまざまなマネジメントの手法

マネジメントと一口にいっても、マネージャーの階層やその業務によっても手法が異なるケースがあります。

ここでは階層別、および業務別のマネジメント手法をご紹介します。

<1>階層別マネジメント手法

階層 対象 役割
トップ
マネジメント
経営者層 組織全体の経営計画の立案、および事業戦略・経営戦略の検討
ミドル
マネジメント
管理者層 トップマネジメントとローアーマネジメントとの中間に位置し、それぞれの橋渡し役
ローアー
マネジメント
監督者層 組織の現場を指揮し、上層部の示した方向性を現場に反映して実現を目指す

階層別マネジメントでは、組織における役割によってマネジメントの取り方が大きく3つに分類されます。

階層別に求められるマネジメント手法が変わるため、階層別にそれぞれの役割を正しく認識する必要があります。

また、上層になればなるほど、マネジメント能力だけでなく、強いリーダーシップも必要になります。

①トップマネジメント

トップマネジメントでは、経営に直結する意思決定および最終的な責任を担います。

組織全体の経営計画を立案し、事業戦略や経営戦略を検討することで、その組織の方向性を決めていくことがトップマネジメントでは求められます。

社長や取締役などの経営者層を対象として求められる能力と言えるでしょう。

②ミドルマネジメント

ミドルマネジメントでは、経営者層を補佐し、経営者層が決定した戦略や方向性をメンバーに正しく伝える必要があります。

また、現場からの意見を吸い上げながら、直接的に組織の行動を指揮することも求められます。

本部長や部長、工場長や課長などの管理者層に求められる能力と言えるでしょう。

③ローアーマネジメント

ローアーマネジメントでは、経営者層や管理者層の示す組織としての戦略や方向性を実現するために、現場の中で直接指揮監督をおこなうことが求められます。

現場の活動に明確に落とし込むことで、組織は正しい方向に向かうようになります。

対象となるのは、係長や主任、グループリーダーといった役職の方でしょう。

<2>業務別マネジメント手法

マネジメントの手法は、従事する業務内容によっても求められるものが異なってきます。

業務別のマネジメント手法は、大きく「組織運営」「人材管理」「メンタルヘス」の3つに分類でき、そこからさらに細かいマネジメント手法に分かれます。

組織運営 人材管理 メンタルヘルス

チーム
マネジメント
メンバーの育成による生産性向上

タレント
マネジメント

能力・スキルに合った人材の最適配置や育成

メンタル
ヘルスマネジメント
メンタル面に配慮しつつセルフケアも指導

プロジェクト
マネジメント
計画立案から進捗管理や人員管理まで

モチベーション
マネジメント
社員への動機付けでモチベーションを向上

ストレス
マネジメント
ストレスをコントロールし、社員の健康を維持

ナレッジ
マネジメント
情報・スキル・ノウハウを組織全体で共有

パフォーマンス
 マネジメント
目標達成のために適切なフィードバックを実施

アンガー
マネジメント
「怒り」の感情をコントロール

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3. マネジメントをするために必要な能力・スキル

ここまではマネジメントの概要や目的および役割、そしてさまざまなマネジメント手法を紹介してきました。

次に、具体的にマネジメントを実践するために必要な能力やスキルについて説明します。

<1>課題分析力/課題解決力

組織の目標を達成するためには、現状どのような課題があって、どのように解決していくのかを適切に判断していかなければなりません。

マネジメントするためには課題に応じた的確な指示を出す必要があり、その課題を解決する策を考えるための論理的思考力、いわゆるロジカルシンキングの能力が必須となります。

<2>プロジェクト管理力

組織のプロジェクトを成功させるためには、ゴールまでの道筋を逆算して、計画立案、スケジュール作成、要人員調整、実行などあらゆるプロセスを最適なものにしなければなりません。

そして、それらのプロセスをゴールに辿り着くまで正しく管理することは、マネジメントを実施するためには不可欠な能力といえます。

<3>意思決定力

いくらプロジェクトを成功させるために正しいプロジェクト管理を実践したとしても、計画段階では想定外の出来事は発生する可能性はあります。

そのような不測の事態では、当初の計画を修正して乗り切る対応力も求められます。またその対応策を的確に部下に伝えることもとても重要になります。

想定外の出来事に遭遇した際に、いかに迅速かつ適切に軌道修正するための意思決定をおこなう能力も非常に重要視されています。

<4>コーチング力

組織が継続的に大きな目標を達成するためには、メンバーがモチベーション高く仕事に取り組み、仕事を通じて成長できる環境を構築する必要があります。

そのため、決められた目標に対する課題を解決する方法をメンバー自らが導き出せるように、常にサポートしていく必要があります。

定期的なフィードバック面談によるコーチングを実施し、メンバーの可能性を最大限高めることも大事でしょう。

4. マネジメントの実践手順

マネジメントに必要な能力・スキルについてご説明しましたが、それでは具体的にどのように実践すれば良いのでしょうか。

そこで、本章では一般的なマネジメントの流れについてご紹介します。

Step 1. 組織の目標設定

組織をマネジメントするのに最も重要なことは、「その組織がどのような方向に向かうのか/これから何に取り組むのか」といった具体的な目標を設定することです。

目標が曖昧だったり不明確な場合は、組織の運営が安定せずに方向性がぶれやすくなります。

マネジメントを実践する上で、まずはじめに考えるようにしましょう。

Step 2. 目標に対する課題の把握と分析

組織の目標が設定できれば、次に取り組むべきことは課題の把握と分析です。

「組織が掲げる目標と現状のギャップ(課題)がどこにあるのか」「それはどのようにすれば解決できるのか」といったことをしっかり認識する必要があります。

課題の把握や分析を適切におこなうことで、組織全体としてのマネジメントをする際の骨格作りになります。

Step 3. 課題解決に向けたメンバーの育成や指導

組織の目標を設定し、それを達成するために課題の把握や分析をおこなった後は、それを実際の行動に移していくことになります。

その際に大事なことは、「実際に行動してもらうのはメンバー(他人)である」ということです。メンバーが進むべき方向性を見失っていたり、業務をおこなうための能力が無かったりすれば、いくら素晴らしい目標でも達成は困難です。

そのため、メンバーの行動を把握して、常にサポートできる体制を整えることがマネジメントには必要とされます。

Step 4. 適切なフィードバックで成長を促進

メンバーを育成するためには、定期的なフィードバックを実施する必要があります。

適切なフィードバックによりメンバーは自身の課題を認識でき、その課題解決のために行動を起こすことができます。

組織のマネジメントにとって人材育成は重要な要素なので、フィードバックのスキルはマネジメントを実践するために必要不可欠なものといえます。

5. マネジメント能力を向上するためのポイント

それでは、マネジメント能力を向上させるためには、どのようにすればいいのでしょうか。

「3. マネジメントに必要な能力・スキル」で、具体的なマネジメント能力を4つ説明しましたが、これらは訓練しなければ身に付くことはありません。

マネジメントをするために必要な能力・スキル
  • 課題分析力/課題解決力
  • プロジェクト管理力
  • 意思決定力
  • コーチング力

本章では、それぞれの能力をどのように訓練すれば良いのか説明します。

<1>「課題分析力/課題解決力」を向上させるために

「課題分析力/課題解決力」の訓練は、まず課題の発見から始めなければなりません。

顕在化している課題だけでなく、潜在的な部分にある課題の本質を突き止める訓練をしていくことが重要です。

具体的には、課題に対して「なぜ」を5回繰り返すといった分析方法があります。

この課題の本質を突き止めることができるようになれば、課題解決に向けて既存のやり方に捉われずに、従来よりも効率的で質の高い解決策を考えることもできるようになります。

<2>「プロジェクト管理力」を向上させるために

「プロジェクト管理力」は、普段から仕事の目的と手段を明確に分けて考えることで少しずつ身に付きます。

どんな仕事であってもその目的を理解し、目的を達成するための手段として何があるか整理した上で仕事に取り組むことは非常に大事です。

たとえば、「上司に予算案の承認を得る」という目的に対して、具体的な手段や行動はさまざまでしょう。中には説明資料の作成にこだわってしまい、中身が十分に検討できなかったというケースも考えられます。

しかし、目的に対してどのような行動や手段に比重を置くべきか考えることができれば、核となる中身を検討することに時間をかけることができるようになります。

また、日頃から必要有無に関わらずメンバーの仕事のスケジュールを把握する癖をつけることで、進捗管理を実際におこなうことができるようになります。

目的から逆算した計画作成や、メンバーのスケジュール管理といった身近な部分から始めていくことが大事です。

<3>「意思決定力」を向上させるために

組織を運営する中では、頻繫に予期せぬ出来事や不測の事態に陥ることがあります。

その際に、今どのような状況なのか現状を把握し、それをもとにどのように軌道修正をおこなうか決定することは、マネジメントにおいて重要です。

このような場合に対しては、自分自身の業務に対して優先順位をつける癖を養うことで、その場の状況判断をする能力や、仕事の優先事項を考える能力が向上するでしょう。

<4>「コーチング力」を向上させるために

コーチングとは、答えを「教える」のではなく、メンバーとの会話の中から相手に答えを「引き出す」ことを言います。

まずは、部下の話を傾聴することから始めましょう。

そして部下の話を聞いた後、部下が答えを導き出せるようにアドバイスや質問をしていきます。

コーチング力を鍛えるには、部下が答えを導くことができるまで何度も繰り返すことが大事です。

部下が答えを導き出すことができれば、結果として部下の成長やモチベーションの向上にもつながるため、一石二鳥かもしれません。

6. まとめ

マネジメントのさまざまな手法や具体的な実践方法について解説しました。

組織を正しい方向に導くことや部下を育成していくためには、適切なマネジメントは不可欠な能力です。

正しいマネジメントの実践方法を学び、今後の組織発展やメンバーの育成に活かしてください。

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