近年、人材を有効活用していく仕組みである「人材マネジメント」への注目が高まっています。
本記事では、人材マネジメントの定義や実施手順、注目される背景、役立つフレームワークなどをご紹介します。
関連記事:マネジメントとは?|意味や役割・必要な能力や手法について解説!
目次
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1.人材マネジメントとは?
1-1.人材マネジメントの定義・役割
人材マネジメントとは、経営的な視点から戦略的に人材配置をおこなったり、従業員の能力最大化を図ったりなど、人材を有効活用していく仕組みのことを指します。
終身雇用制度の崩壊やテレワークの普及により、従来の働き方よりもより多様かつ複雑なものとなっています。それに伴い、人材マネジメントも現代の働き方に合ったものへの変革が求められているのです。
流動の激しい国内市場の中で、競合する他社と差別化し、企業としての優位性を保つためには、時代に合った優秀な人材の採用・育成が急務とされているのです。
1-2.「人事管理」や「労務管理」との違い
人材マネジメントと似た言葉に「人事管理」や「労務管理」があります。これらの言葉と人材マネジメントには明確な違いがあります。
それは、「経営」や「マネジメント」という意味合いが含まれているかどうかです。「人事管理」や「労務管理」はあくまで「管理」のみを指していますが、人材マネジメントは「経営的な視点で人材をマネジメントしていく」という意味を指すため異なっています。
2.人材マネジメントが注目される背景
人材マネジメントが注目される背景としては、少子高齢化による人材不足があげられます。
現在、日本の65歳以上の人口の割合は28.9%と言われ、男性では四人に一人が高齢者とされています。そんな少子高齢化が進行する現状、労働市場は若手の慢性的な人手不足に陥っています。
企業は限られた若者とともに自社を支えていく必要があり、パフォーマンス・モチベーションともに高い従業員を育成することが求められているのです。
3.人材マネジメントの構成要素
前章では、人材マネジメントとは一体何か、そしてその重要性について解説してきました。では、実際に人材マネジメントは具体的に何に対して行うべきなのでしょうか?
適切な人材マネジメントを行うためには、以下の4つの要素を検討する必要があります。
3-1.採用
自社の経営理念のもと、求める人物像を明確化する必要があります。設定した人物像に合った人材を採用することで、企業のさらなる優位性の確立につながります。
求職者が自社に対し何を求めているのか、そしてどのような点で自社に貢献できるのかをこの採用の段階で見極めておくことが大切です。
3-2.教育と人員配置
従業員への教育の過程で個々のスキルを知り、それらを最大限引き出すことのできる人材配置を行います。
入社後のセミナー、研修等でさらなるスキルの向上を図ります。従業員一人一人に着目し、のばせるスキルを見極めることがポイントとなります。
3-3.評価と処遇
従業員の働き・成果に見合った客観的かつ適正な人事評価を行います。
成果に応じた報酬はもちろんのこと、従業員の努力の過程もその都度評価していくことで、働くモチベーションや自社に対するエンゲージメントを高めることができます。
3-4.休職・離職者へのアフターフォロー
休職者・離職者が現れた際のフォローは非常に重要です。
家庭の事情、妊娠・出産の際の従業員へ休暇設定、離職者の後任者への適切なアフターフォローは、職場への信頼、安心感を高めることにつながります。
4.適切な人材マネジメントのポイント
本章では適切な人材マネジメントを行う上で押さえておきたいポイントを3点紹介します。
4-1.企業のミッション共有
1つ目は、「企業のミッション共有」です。自社の持続的な発展のためには、従業員と組織が同じ目標を共有し、一丸となってその目標達成に尽力していく必要があります。
組織の経営は経営理念に沿ったものであり、一貫性と整合性が取れたものでなくてはなりません。経営理念を社員一人一人が理解し、納得したうえで実践していくことで、経営戦略の達成につながります。
4-2.従業員に目標設定をゆだねる
2つ目は「従業員に目標設定をゆだねる」です。
企業のミッションを共有したうえで、従業員がその目標に対しどのようにアプローチし、達成にたどり着くのかどうかを自主的に検討してもらいます。
目標達成までの筋道を自分で建てることで現状の課題が明確化するほか、自分の仕事への自己効力感を高め、より責任感をもって業務に臨むことができます。
4-3.適切な人事評価
3つ目は「適切な人事評価」です。人材マネジメントを実施していくうえで、従業員に能動的に働いてもらうことは非常に重要です。
そのためには、従業員の成果だけでなく過程も加味した上で評価する人事制度(勤務態度への評価やインセンティブ)の導入が必要となるでしょう。
5.人材マネジメント実施手順
前章のポイントを踏まえ、どのように人材マネジメントを実施していくのか、その具体的な手順を解説していきます。
step1.最初に「組織の課題」を知る
まず、組織の課題を改めて検討します。
現在の企業理念、目指すべきゴールを振り返り、それらの達成に対し現在何が課題となっているか、どのようにアプローチしていく必要があるかを考えます。
課題を明確化することで、組織の存在意義を改めて考えるきっかけとなり、経営理念のより深い浸透にもつながります。
step2.課題にあった人材設定
次に、発見した課題をもとに必要な人材を設定します。自社のニーズに合った人材を見つけるためには、明確な採用コンセプトの設定が重要です。
自社がどのような未来を思い描いており、その実現に向けてどのような課題があるのか。そしてそれらを解決するためにはどんな人材が必要なのか。明確かつ一貫したコンセプトを策定する必要があります。
step3.計画立案と情報共有
step2で「課題に合った人物像」を明確にしたあとは、どのような手法で手法で獲得するのかを決めます。
自社の社員に知識を身につけさせることで解決できる場合は「教育」、自社に最適な人材がいない場合は「採用」をおこないます。
「教育」なのか「採用」なのか、理想の人材獲得の方向性を決めた後は、予算を立て、スケジュールを細かく立てて実行に移していきましょう。
また、人材マネジメントは経営層や人事担当者だけが理解していても意味がありません。そのため、社内全体に周知することが重要です。
step4. 実行とフィードバック
人材マネジメント計画を立てたあとは、社内に周知し、実行に移します。ここで、実行しただけで終わってしまうのではなく、内容を振り返り改善を繰り返すことが重要です。
「人材配置は適切だったか」、「計画通りに進んだか」、「最初に定義した必要な人物像は正しかったのか」などの観点から、振り返ることが重要です。
6.人材マネジメントにお勧めのフレームワーク
6-1.SWOT分析
SWOT分析とは、
<内部環境>
・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
<外部環境>
・機会(Opportunities)
・脅威(Threats)
の頭文字を取ったフレームワークの言葉です。
内部環境とは「自社でコントロール可能なもの」を表し、外部環境は政治や経済、競合他社の動向など「自社ではコントロール不可能なもの」を表します。これら2つの軸から自社を分析するため、客観的に「自社にどのような強み/弱みがあり、どのような機会/脅威があるのか」を把握することが出来ます。SWOT分析は人材マネジメントにも利用できるため、必ず押さえておきたいフレームワークです。
6-2.ロジックツリー
ロジックツリーとは、1つの大きな課題を木の幹に見立てて、そこから枝状に課題を細分化していくフレームワークのことを指します。
大きな課題を細分化して考えることができるため、課題が起こっている要因や解決法を発見する際に非常に効果的なフレームワークです。
人材マネジメントをおこなっていくうえで、ロジックツリーを活用できれば円滑にマネジメントを進めることが出来るでしょう。
7.まとめ
本記事では、人材マネジメントの定義や実施手順、注目される背景、役立つフレームワークなどをご紹介しました。「人的資本経営」など人を資本として捉える風潮が生まれている現在、企業にとって人材マネジメントの重要性は高まりつつあります。本記事の内容を踏まえ、人材マネジメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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