5分でわかる、コーチング|必要なスキルやポイント、メリット&デメリットについて、疑問を解消!

近年、ワーク・ライフ・バランスや働き方改革など、日本の労働環境に大きな変化が起きています。

それにともない、人々の仕事に対する価値観も変化しており、目標に対する考え方も複雑化してきました。

そのような中で、いま注目されているのが「コーチング」です。

コーチングはコミュニケーションの一種で、コーチングをおこなうことで目標に対し自らプロセスを描ける人材を育成することができるといわれています。

今回はコーチングについて概要から気をつけるべきポイント、導入にあたってのメリットや注意点などをまとめてご紹介いたします。

1.コーチングとは

そもそも、コーチングとはどのような意味なのでしょうか。

また、ティーチングやコンサルティング、カウンセリングという似た言葉もありますが、コーチングとは何が違うのでしょうか。

ここでは、コーチングの意味や類義語との違いについてご説明します。

1-1.コーチングとは、どんな意味?

コーチングとは、自ら考えアクションを起こす人材を育てるためのコミュニケーションのことを言います。

適切なコーチングを受けた人は、今まで気付くことができなかった新しい考え方や視点を得ることができるとともに、目標の達成や成果につながる行動を取ることができるようになります。

現在の日本では、課題に対して主体的に行動する人材が求められており、コーチングにより本人の行動の選択肢を作ることが目的として挙げられます。

1-2.「コーチング」と「ティーチング」「コンサルティング」「カウンセリング」の違いとは?

コーチングと類似した言葉として挙げられるのが、「ティーチング」「コンサルティング」「カウンセリング」です。

コーチングとの違いを、それぞれ見ていきましょう。

「コーチング」と「ティーチング」の違い

ティーチングは言葉の通り、「教える」ということがメインのコミュニケーション方法です。

相手に対して、自分の得意とする領域や分野における知識やノウハウを教える場合、1方向的なコミュニケーションを取ることになります。

コーチングは、あくまで双方向型のコミュニケーションであり、ティーチングとはその点で異なります。

「コーチング」と「コンサルティング」の違い

コンサルティングは、現在の状態からより良い成果を出すために、課題や改善価値のある箇所を指摘し、正しい解決策を提示してあげるコミュニケーション方法です。

それに対して、コーチングはあくまでも本人が自ら考える中で何かしらの答えを出すことが重要で、その気付きを与えるのがコーチングの役割といえます。

「コーチング」と「カウンセリング」の違い

カウンセリングは、何らかの原因によりマイナスになってしまった状況を把握し、その解決策を提示することで元の良い状態に引き戻すコミュニケーション方法です。

そのような状況にしてしまった理由を聞き出すため、双方のコミュニケーションであるという点はコーチングと同じです。

しかし、コーチングはより成果を出すためのコミュニケーションであり、目的/ゴールが異なっていると言えます。

2.コーチングに必要なスキルとポイント

コーチングには必要とされるスキルや、円滑にコーチングをおこなうためのポイントが存在します。

実際にコーチングをおこなうときに役立ちますので、下記でご確認ください。

2-1.コーチングに必要なスキル

コーチングには「傾聴」「承認」「質問」の3つのスキルが欠かせません。

それぞれ、どのようなスキルなのか、具体的に見ていきましょう。

傾聴スキル

傾聴とは、相手のことを深く理解するために、しっかりと相手の話を聴くことです。

特に、相手の話し方やしぐさ、表情、姿勢を観察することをアクティブリスニング(積極的傾聴)といいます。

傾聴には、相手を受け入れる「受容」、相手の話をその通りだと思う「共感」の2つのポイントがあり、相手の話しを聴くだけではなく「相手がどう思っているのか」といった感情面にも注目することが大切です。

また、対話をする際に「自分がリードする」という意識では上手くいきません。コーチングを成功させるには「相手に気づきを与えられるようにフォローをする」という意識が必要です。

承認スキル

承認とは、成果に加えて相手の変化や成長に気づき、それを相手に伝えることを指します。

相手の成長した部分について、「素早く」「具体的に」「一貫性を保って」褒めることが重要です。

ただ褒めるだけでは、相手もどこが成長したのか、本当に認められているのかわかりません。どの部分がどのように成長したのか、なるべく早く相手に伝えてあげましょう。

また、徐々に褒める頻度を減らし、ここぞというときに褒めるようにすると、効果的にコーチングを用いることにつながります。相手のモチベーションが向上し、業績の上昇も見込めるでしょう。

質問スキル

ここでご説明する質問とは、相手に考える力や、成長する機会を与える質問のことです。

例えば、相手が仕事で失敗をしてしまった際に「どうして失敗したの?」と聞くのではなく、「今回、失敗してしまった要因は何だと思う?」「どうすれば、次は失敗せずにできると思う?」など、問題について相手が客観的に捉え、分析できるように質問することが大切です。

ただし、質問数を増やしすぎると、相手が答えることにつかれてしまいます。あくまで、相手が気付きを得られるようにフォローすることを心がけましょう。

2-2.コーチングにおける4つのポイント

それでは、実際にコーチングをおこなうにあたってどのような点が重要になってくるのでしょうか。

ここでは、4つのポイントをご紹介します。

①双方向であること

コーチングでは、双方向のコミュニケーションをおこなうことが非常に重要です。

上司・部下の関係性では、上司が一方的に話し部下はそれを忠実に聞き従うだけになってしまうことが多いですが、それでは部下が何を考えているのか汲み取ることができません。

相手が何を考えているのかを知り、プラスになる環境を生み出すためにも、双方向に会話のできる環境を作るようにしましょう。

②1対1であること

1つの事象に対する捉え方は人によって異なります。ある人にとってはすごく納得できることでも、ある人にとっては納得いかないことも多くあることでしょう。

複数人で同じマネジメントをした場合、そのマネジメント方法が効果的な人もいればあまり効果的でない人もいます。

社会人として基礎の部分は皆が共通に受けるべきマネジメントかもしれませんが、成長の速度や転換点も人によって異なるため、より踏み入ったマネジメントをおこなう際には、それぞれの性格や特性に沿ったコミュニケーションをする必要があります。

③継続しておこなうこと

皆さんも、「一度決めてやってみても、なかなか続かない」という経験はないでしょうか。

三日坊主という言葉もあるように、継続してやることが難しいというのは多くの人が感じていることだと思います。

そのため、一回のコーチングをおこなっても、大きな変化につながらないということもよくあります。

コーチングをする側の根気がいるところではありますが、継続して向き合い続け、習慣化させてあげることが重要です。

④答えを押し付けないこと(引き出すこと)

上司は部下に比べ知見も経験も豊富であり、部下が何らかの壁にぶつかっていた場合に、「こうしたら解決する」「こうすべきだ」と答えを押し付けてしまいがちです。

しかし、先ほども述べたように捉え方は人それぞれです。その人なりの正解や答えがあります。

また、現時点では答えが出なくても何かをきっかけに自分の中から答えを引き出せるかもしれません。

自分の考えを押し付けるのではなく、あくまでも相手の意見を尊重し、自らが答えを出せるような環境を作ってあげることが大切です。

2-3.コーチングの資格

コーチングには国家資格はありません。

しかし、最近ではコーチングの重要性が高まり、民間団体が用意している資格が注目されています。

コーチングの定義や基本的な考え方を学び、スキルを磨く機会になりますので、受けてみてはいかがでしょうか。

(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格

(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格とは、仕事やマネジメントで活用できる資格となっています。

「コーチング型マネージャー」として資格を取得することができ、認定コーチ・認定プロフェッショナルコーチ・認定マスターコーチの3つのレベルに分かれています。

(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格は、コーチングを活かし、仕事やマネジメントの中で部下や相手の主体性を引き出しながら、目標達成や成長を促すことのできることを証明する「コーチング型マネージャー」のための資格です。マネージャーとして、自身のキャリアップ、組織内外の人とのコミュニケーションに活かすなど、活用の場面は多岐に渡ります。

認定コーチの資格は、コーチ・エィ アカデミアでコーチングの理論やスキルを学びながらコーチを受け、そして職場や仕事などでの実践に活かしていくことで、半年から1年ほどの期間で資格試験を受けることができます。

出典:コーチ・エィ アカデミア|(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格とは?

また、コーチングマネジメントとは以下のように定義されています。

コーチング型マネジメントとは、マネジメントの中でコーチングを効果的に取り入れることによって、相手の主体性や自発性を高め、成長や目標達成を実現するマネジメントのこと。 コーチング型マネージャーは、コーチングだけではなく、状況や相手に合わせて、指示・ティーチング・アドバイスなどのさまざまな関わりを効果的に活用することで、部下の育成や、組織の活性化、目標達成を実現します。

出典:コーチ・エィ アカデミア|(一財)生涯学習開発財団認定コーチ資格とは?

日本コーチ連盟

日本コーチ連盟のコーチング資格は、コーチ資格とインストラクター資格に分かれています。

コーチ資格はⅠ種の「(社)日本コーチ連盟認定コーチ」、Ⅱ種の「(社)日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータ」に区分されており、コーチング技能唯一の「検定」試験となっています。

インストラクター資格は(社)日本コーチ連盟公認マスターコーチ」、「(社)日本コーチ連盟公認アカデミーコーチ」の2つがあり、インストラクター養成プログラムを受講すると、受験が可能になります。

客観的に技能を評価されるため、コーチング資格としての信頼性も高いと言えます。

国際コーチ連盟(ICF)

国際コーチ連盟は、1995年にアメリカで設立されたコーチング業界最大級の非営利団体です。国際コーチ連盟の資格は歴史があるうえ、国際基準で評価されるものです。

「ACC(アソシエイト・サーティファイド・コーチ)」「PCC(プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ)」「MCC(認定マスターコーチ)」の3つのレベルに分けられています。

より高いレベルのコーチングを目指す場合は、国際コーチ連盟の資格を取得することが望ましいでしょう。

3.コーチングの手順

コーチングを実施する際には、コーチング・フローを把握することが非常に重要です。

フローにそってコーチングを実施することで、より成果に結びつくコミュニケーションを取ることができるようになります。

コーチング・フロー

  1. 現状把握・ヒアリング
  2. 理想の状況を明確にする
  3. 現状と理想のギャップを把握し、その要因を見出す
  4. アクションプランを決める
  5. フォローと振り返りをおこなう
コーチングは、自分で答えを出せるように双方間のコミュニケーションを取りながら考えを引き出していくことが重要です。現状把握や理想の明確化においてなど、各項目をあいまいにせずに相互理解の上で進めていく必要があるでしょう。
コーチング・フローは、あくまで基本的な手順です。ヒアリングが足りないと感じれば何回かおこなうなど、状況によって臨機応変に進めることが重要です。

4.コーチングのメリットとデメリット

コーチングはコミュニケーションの1つとして重要視される一方で、使えるシーンと使えないシーンがあります。

どのような場面でコーチングを用いることが適切なのか、メリットや注意点と併せてご説明いたします。

4-1.コーチングを取り入れるメリット

①行動が自発的になる

コーチングをおこなうことで、答えを与えられるのではなく、主体的に考え答えを出す人材が育ちます。

今までは、上司に言われたことをやるだけだった場合でも、自分の考えを持つことができるようになります。

事例①「会議の場でアイディアが飛び交うようになった」
以前は、会議を開いてもいつも決まった人からの発言しかありませんでした。しかし、コーチングを取り入れることによってコミュニケーションが増加し、部下からの自発的な発言や提案が増えるようになりました。

②生産性が上がる

同じチームにいても仕事上の直接的な関わりがないと、「お互いがどのような仕事をしているのか」「どのようなところに躓いているのか」を把握できていないことも多いのではないでしょうか。

コーチングをおこなうことで、双方向のコミュニケーションが増加し、それがチームにも波及されます。

相手の状況を理解することで、業務を分担したり、工数を削減したりすることができるようになり、チーム全体の生産性向上につなげることができます。

事例②「お互いの仕事の理解が深まり、膨大な工数を削減できた」
以前は、チームのメンバー同士がお互いの仕事内容について把握できていませんでしたが、コーチングをおこなうことでコミュニケーションが活性化しました。それにより、重複していた作業を統一することができ、チーム全体での工数を削減することができるようになりました。

③適正がわかる

コーチングを通して、それぞれの考えが引き出されるようになります。それによって今の仕事よりもこの仕事を任せたほうが能力の開花につながるのではないか、などの適正を見抜くこともできるようになります。

適正を見分けるにはある一定の時間を要し、すぐに見極めることは難しいですが、コーチングをおこなうことによって、ある程度最初の段階でも適正がわかるようになり、双方に納得のいく環境で仕事をすることができるようになります。

事例③「採用面接時にもコーチングを通した効果的な聞き方や質問が効果的」
コーチングは社内のコミュニケーション活性化だけでなく、面接時にも活用することができます。
コーチング要素を取り入れた面接をおこなうことで、業種や企業への適正を見抜くことができ、より企業にあった優秀な人材を採用できるようになりました。

4-2.コーチングを実施する場合の注意点

①時間がかかる

コーチングを本格的にやるとなると、心理学の要素が強くなり専門的な知識やスキルも必要になります。

理解が曖昧なままでコーチングをおこなうと、相手にとって逆効果になってしまうこともあるので、習得までには相当の時間を要するといえるでしょう。

また、コーチングのポイントでもお伝えしましたが実際に相手と対する際にも一回や二回でコーチングができるものではないので、根気と時間がかかります。

②目的が曖昧になりやすい

コーチングの効果は直接的な数値や結果にあらわれるものではなく、コーチングをおこなったことにより、受けた人がポテンシャルを発揮できるようになるというものなので目的が曖昧になってしまうことがあります。

コーチングをおこなう際には、予め何らかの指標を明確にすることが大切です。

4-3.コーチングが使えるシーン

コーチングが使えるシーンとしては、以下の3つの場合があります。

  • 必要な知識や能力があるが、業務が滞っているとき
  • 時間と労力を費やしているが、従業員の行動に変化がないとき
  • 自身が持てず、次のステップに行動を移せないとき

コーチングは、目標が定まっており、必要な知識や能力、そして意欲がある場合に使えるコミュニケーションの手段です。

自信やモチベーションの低下、行動が消極的になっている相手にコーチングを用いることで、相手がどのように行動すれば良いのか気づくことができ、業務の遂行につながります。

4-4.コーチングが使えないシーン

コーチングが上手く使えないシーンとして、

  • コーチングのスキル不足
  • コーチングが適さない業務で使おうとしている

ということが挙げられます。

コーチングを使いこなすためにも、3つのスキルや4つのポイントを確認して、活用できるように心がけましょう。

また、コーチングは答えを教えるものではなく、相手が自分自身で答えを導き出すことができるようにフォローするコミュニケーションです。

相手の目標が定まっていない場合や、目標達成する意欲・能力がない場合には使えませんので、注意が必要です。

5.まとめ

コーチングのフローやメリットなどを知っていただけたかと思います。もちろん、コーチングは決して容易なコミュニケーションではありません。

しかし、それぞれにあったコミュニケーションをとり、自ら答えが出せるように導いてあげることでその先のゴール成果につなげることができます。

コーチングの導入によって、企業のさらなる成果向上をはかってみてはいかがでしょうか。

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