近年、ワーク・ライフ・バランスや働き方改革など、日本の労働環境に大きな変化が起きています。
それにともない、人々の仕事に対する価値観も変化しており、目標に対する考え方も複雑化してきました。
そのような中で、いま注目されているのが「コーチング」です。
コーチングはコミュニケーションの一種で、コーチングをおこなうことで目標に対し自らプロセスを描ける人材を育成することができるといわれています。
今回はコーチングについて概要から気をつけるべきポイント、導入にあたってのメリットや注意点などをまとめてご紹介!
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1|コーチングとは
コーチングとは、自ら考えアクションを起こす人材を育てるためのコミュニケーションのことを言います。
適切なコーチングを受けた人は、今まで気付くことができなかった新しい考え方や視点を得ることができるとともに、目標の達成や成果につながる行動を取ることができるようになります。
現在の日本では、課題に対して主体的に行動する人材が求められており、コーチングにより本人の行動の選択肢を作ることが目的として挙げられます。
「ティーチング」「コンサルティング」「カウンセリング」との違い
「コーチング」とは何かについて具体的に紹介するために、その他の手法とコーチングを比較しながら説明します。
「コーチング」と「ティーチング」の違い
ティーチングは言葉の通り、「教える」ということがメインのコミュニケーション方法です。
相手に対して、自分の得意とする領域や分野における知識やノウハウを教える場合、1方向的なコミュニケーションを取ることになります。
コーチングは、あくまで双方向型のコミュニケーションであり、ティーチングとはその点で異なります。
「コーチング」と「コンサルティング」の違い
コンサルティングは、現在の状態からより良い成果を出すために、課題や改善価値のある箇所を指摘し、正しい解決策を提示してあげるコミュニケーション方法です。
それに対して、コーチングはあくまでも本人が自ら考える中で何かしらの答えを出すことが重要で、その気付きを与えるのがコーチングの役割といえます。
「コーチング」と「カウンセリング」の違い
カウンセリングは、何らかの原因によりマイナスになってしまった状況を把握し、その解決策を提示することで元の良い状態に引き戻すコミュニケーション方法です。
そのような状況にしてしまった理由を聞き出すため、双方のコミュニケーションであるという点はコーチングと同じです。
しかし、コーチングはより成果を出すためのコミュニケーションであり、目的/ゴールが異なっていると言えます。
具体的なコーチングの流れ
コーチングを実施する際には、コーチング・フローを把握することが非常に重要です。
フローにそってコーチングを実施することで、より成果に結びつくコミュニケーションを取ることができるようになります。
コーチング・フロー
- 現状把握・ヒアリング
- 理想の状況を明確にする
- 現状と理想のギャップを把握し、その要因を見出す
- アクションプランを決める
- フォローと振り返りをおこなう
2|コーチングでおさえるべき4つのポイント
それでは、実際にコーチングをおこなうにあたってどのような点が重要になってくるのでしょうか。
ここでは、4つのポイントをご紹介します。
①双方向であること
コーチングでは、双方向のコミュニケーションをおこなうことが非常に重要です。
上司・部下の関係性では、上司が一方的に話し部下はそれを忠実に聞き従うだけになってしまうことが多いですが、それでは部下が何を考えているのか汲み取ることができません。
相手が何を考えているのかを知り、プラスになる環境を生み出すためにも、双方向に会話のできる環境を作るようにしましょう。
②1対1であること
1つの事象に対する捉え方は人によって異なります。ある人にとってはすごく納得できることでも、ある人にとっては納得いかないことも多くあることでしょう。
複数人で同じマネジメントをした場合、そのマネジメント方法が効果的な人もいればあまり効果的でない人もいます。
社会人として基礎の部分は皆が共通に受けるべきマネジメントかもしれませんが、成長の速度や転換点も人によって異なるため、より踏み入ったマネジメントをおこなう際には、それぞれの性格や特性に沿ったコミュニケーションをする必要があります。
③継続しておこなうこと
皆さんも、「一度決めてやってみても、なかなか続かない」という経験はないでしょうか。
三日坊主という言葉もあるように、継続してやることが難しいというのは多くの人が感じていることだと思います。
そのため、一回のコーチングをおこなっても、大きな変化につながらないということもよくあります。
コーチングをする側の根気がいるところではありますが、継続して向き合い続け、習慣化させてあげることが重要です。
④答えを押し付けないこと(引き出すこと)
上司は部下に比べ知見も経験も豊富であり、部下が何らかの壁にぶつかっていた場合に、「こうしたら解決する」「こうすべきだ」と答えを押し付けてしまいがちです。
しかし、先ほども述べたように捉え方は人それぞれです。その人なりの正解や答えがあります。
また、現時点では答えが出なくても何かをきっかけに自分の中から答えを引き出せるかもしれません。
自分の考えを押し付けるのではなく、あくまでも相手の意見を尊重し、自らが答えを出せるような環境を作ってあげることが大切です。
3|コーチングを取り入れるメリットと注意点(事例付)
前章でコーチングをおこなう際のポイントをご紹介しましたが、本章では、コーチングを取り入れるメリットを事例も踏まえてご紹介します。
また、注意点もご紹介しますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
コーチングを取り入れるメリット
①行動が自発的になる
コーチングをおこなうことで、答えを与えられるのではなく、主体的に考え答えを出す人材が育ちます。
今までは、上司に言われたことをやるだけだった場合でも、自分の考えを持つことができるようになります。
以前は、会議を開いてもいつも決まった人からの発言しかありませんでした。しかし、コーチングを取り入れることによってコミュニケーションが増加し、部下からの自発的な発言や提案が増えるようになりました。
②生産性が上がる
同じチームにいても仕事上の直接的な関わりがないと、「お互いがどのような仕事をしているのか」「どのようなところに躓いているのか」を把握できていないことも多いのではないでしょうか。
コーチングをおこなうことで、双方向のコミュニケーションが増加し、それがチームにも波及されます。
相手の状況を理解することで、業務を分担したり、工数を削減したりすることができるようになり、チーム全体の生産性向上につなげることができます。
以前は、チームのメンバー同士がお互いの仕事内容について把握できていませんでしたが、コーチングをおこなうことでコミュニケーションが活性化しました。それにより、重複していた作業を統一することができ、チーム全体での工数を削減することができるようになりました。
③適正がわかる
コーチングを通して、それぞれの考えが引き出されるようになります。それによって今の仕事よりもこの仕事を任せたほうが能力の開花につながるのではないか、などの適正を見抜くこともできるようになります。
適正を見分けるにはある一定の時間を要し、すぐに見極めることは難しいですが、コーチングをおこなうことによって、ある程度最初の段階でも適正がわかるようになり、双方に納得のいく環境で仕事をすることができるようになります。
コーチングは社内のコミュニケーション活性化だけでなく、面接時にも活用することができます。
コーチング要素を取り入れた面接をおこなうことで、業種や企業への適正を見抜くことができ、より企業にあった優秀な人材を採用できるようになりました。
コーチングを実施する場合の注意点
①時間がかかる
コーチングを本格的にやるとなると、心理学の要素が強くなり専門的な知識やスキルも必要になります。
理解が曖昧なままでコーチングをおこなうと、相手にとって逆効果になってしまうこともあるので、習得までには相当の時間を要するといえるでしょう。
また、コーチングのポイントでもお伝えしましたが実際に相手と対する際にも一回や二回でコーチングができるものではないので、根気と時間がかかります。
②目的が曖昧になりやすい
コーチングの効果は直接的な数値や結果にあらわれるものではなく、コーチングをおこなったことにより、受けた人がポテンシャルを発揮できるようになるというものなので目的が曖昧になってしまうことがあります。
コーチングをおこなう際には、予め何らかの指標を明確にすることが大切です。
4|まとめ
コーチングのフローやメリットなどを知っていただけたかと思います。もちろん、コーチングは決して容易なコミュニケーションではありません。
しかし、それぞれにあったコミュニケーションをとり、自ら答えが出せるように導いてあげることでその先のゴール成果につなげることができます。
コーチングの導入によって、企業のさらなる成果向上をはかってみてはいかがでしょうか。
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