会社の組織を効率よく動かすには組織マネジメントが必要不可欠になります。
しかし、組織マネジメントメントについて具体的に理解していない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では組織マネジメントの定義や種類、メリットや必要になるフレームワークなどについて詳しく説明します。
関連記事:マネジメントとは?|意味や役割・必要な能力や手法について解説!
目次
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1.組織マネジメントとは
組織マネジメントとは、組織をスムーズに動かすためのマネジメントのことを指します。
具体的には「モノ、人、カネ、情報」の4つの資産を管理職がきちんと管理することを指します。
組織マネジメントが上手くいっていないと、同じ組織に属しているのに、メンバーがバラバラに動いてしまい、効率的に成果を出すことができません。そのため、組織マネジメントは全ての企業で求められています。
2.組織マネジメントの種類
前項で紹介した「組織マネジメント」ですが、実は種類が3つあります。トップダウン、ミドルアップ、ミドルアップダウンの3つです。ここでは、組織マネジメントの種類を1つずつ分かりやすく解説します。
2-1. トップダウンマネジメント
トップダウンは最もよく見られる経営方法です。トップ(経営陣)の意見や決定に従い、従業員が行動します。この制度のメリットは経営判断の速さです。なぜなら、執行役員などの経営陣だけで意思決定がおこなうことができるからです。
しかし、デメリットもあります。従業員の意見が届きにくいため経営環境の変化に対応しづらい、職場の意見が反映されづらいのでモチベーションを上げることが難しい、などが挙げられます。
2-2. ボトムアップマネジメント
ボトムアップはロワー層やミドルマネジメント層の意見や提案を参考に経営陣が経営方針を決定する経営方法です。このやり方はトップダウンマネジメントとは真逆の経営方法となっています。
ボトムアップマネジメントをおこなうメリットとしては、トップダウンマネジメントに比べ、従業員の声に深く耳を傾けることできるので、従業員のモチベーション向上につながります。しかし、経営判断に時間がかかってしまうなど、デメリットもあります。
2-3. ミドルアップダウンマネジメント
ミドルアップダウンマネジメントとはトップダウンとミドルアップを合わせた経営方法です。
従業員の意見や提案をまとめて経営陣に伝える、逆に経営陣の意見や提案をわかりやすく従業員に伝えるといった役割を中間管理職が担います。
この経営方法は素早い経営判断と、従業員の意見が反映されやすいというトップダウンとミドルアップのメリットのどちらも取り入れることができます。
3.組織マネジメントが必要になっている理由
現代では急激なグローバル化が進行し、競争社会が激化しています。
それに伴って、効率的な組織運営が求められています。効率的な組織運営を実現するためには、自社に在籍する人材を適材適所に配置することが重要です。そのため、近年、人材マネジメントが求められているのです。
4.組織マネジメントが解決できる課題
4-1.個々に合わせたマネジメントの難しさ
組織マネジメントが解決できる課題1つ目は「個々に合わせたマネジメントの難しさ」です。
「ヒト」という人材は資源の中で最も重要なものですが、感情や体調など様々な影響を受けやすく、管理しづらい面があります。しかし組織マネジメントを導入することで、従業員がそれぞれ重要視している価値観や適正を考慮したうえで、個々に合わせたマネジメントをおこなうことができます。
さらに現代では非正規雇用や、時短勤務、フレックス勤務など様々な労働形態があります。このような変則的な人材に対しても有効です。
4-2.管理職への負担
組織マネジメントが解決できる課題2つ目は「管理職への負担」です。
管理職は実際の自分の業務に加え、組織メンバーの管理もおこなう必要があり、どうしても業務過多になってしまいがちです。
しかし、組織マネジメントが上手く確立していると、管理職も組織メンバーも適切な業務量を維持することができるため、管理職の業務負担を減らすことができます。
4-3.人材の流出
組織マネジメントが解決できる課題3つ目は「人材の流出」です。
組織マネジメントを適切におこなうことが出来れば、組織のメンバーにとって働きやすい職場づくりに繋がるため、人材の流出を防ぐことが出来ます。
4-4.組織の生産性低下
組織マネジメントが解決できる課題4つ目は「組織の生産性低下」です。
組織マネジメントをおこなうことで、組織全体の生産性を向上させる事が可能です。なぜなら、組織マネジメントとは人材を適材適所に配置し、組織をスムーズに動かしていくための手法だからです。
5.組織マネジメントに必要な考え方やフレームワーク
ここでは、組織マネジメントをおこなう上で必要になる考え方やフレームワークについて紹介します。
5-1.バーナードの組織の3要素
まず最初に、「バーナードの組織の3要素」という考え方をご紹介します。
「バーナードの組織の3要素」とは、アメリカの経営学者のチェスターバーナードが提唱した組織が成立するための3つの要素のことを指します。具体的には、「協働意欲」「コミュニケーション」「共通目的」の3つが挙げられます。
①協働意欲
組織の3要素の1つ目は、「協働意欲」です。「協働意欲」とは、組織のメンバーが他のメンバーとともに働きたい、組織に貢献したいというモチベーションを指します。
協働意欲を高めることは、組織のメンバー同士で助け合う組織文化を醸成することにつながるため、組織として目標を達成させるために必要な要素となっています。
②コミュニケーション
組織の3要素2つ目は、「コミュニケーション」です。組織を動かしていく以上、コミュニケーションは必要不可欠です。
コミュニケーションが上手く取れていなければ、組織内のメンバーがバラバラに動いてしまい、何をするにも非効率な状態となってしまいます。
そのため、コミュニケーションは組織を正しく動かしていくための必須条件と言えます。
③共通の目的
組織の3要素3つ目は、「共通の目的」です。バーナードによると、組織は共通の目的を持つ人々の集まりによって形成されます。
つまり、組織のメンバー同士で「共通の目的」を持って、日々の業務に取り組むことで、組織全体が同じ方向性を持って進むことが出来るということです。
そのため、「共通の目的」を持つことは効率的な組織運営をしていく上で必須条件であると言えるでしょう。
5-2.マッキンゼーの7S
世界的に有名なコンサルティング会社のマッキンゼーアンドカンパニー社が提唱した7Sは、組織の全体像と各要素とのつながりを捉えるうえで、非常に便利なフレームワークです。
7Sは組織の構造に関するものを表す「ハードの3S」と人に関するものを表す「ソフトの4S 」によって構成されています。
ハードの3S
・戦略(Strategy):目標達成のために立てられた事業の方向性
・機構(Structure):組織の仕組みの特徴
・システム(System):人事評価や報酬、会計制度などの組織の仕組み
ソフトの4S
・スタッフ(Staff):組織の価値観を共有するメンバー(社員や経営者など)
・経営スタイル(Style):企業文化や社風のこと
・経営スキル(Skills):社内で蓄積されている技術
・価値観(Shared Value):社内で共通認識になっている会社のビジョン・価値観
組織マネジメントを実施するうえで、7Sを活用すると組織が抱える本質的な課題を見つけることが出来ます。また、7Sを通して様々な観点から組織を分析し、組織の実態に即した人事評価制度を設置できれば、従業員のモチベーション向上にもつながります。
6.ドラッカーから学ぶ組織マネジメントに必要な能力
ここでは、ドラッカーから学ぶ組織マネジメントに必要な能力についてご紹介します。組織マネジメントに必要な能力は大きく分けて3つあります。1つずつ、分かりやすく解説します。
6-1.目標設定能力
1つ目は「目標設定力」です。
「目標設定力」とは、達成すべき目標を設定し、その目標達成に向けて計画の立案、最適な人員配置をおこなう能力です。
組織が向かう目標が無いと、メンバーはどのように動けば良いのか分からなくなってしまいます。また、目標がない状態だと、メンバーの意識を統一することができないため、組織の生産性が下がってしまいます。
目標設定のポイントとしては、「達成できるかどうか」というギリギリのラインに目標を置くことです。あまりにも、現実離れした目標をおいてしまうと、かえってメンバーのモチベーションの低下を招くため、注意しましょう。
6-2.統率力
2つ目は「統率力」です。「統率力」とは目標達成に向けて、価値観の異なるメンバーをまとめ上げる力のことを指します。
組織のメンバーがそれぞれ異なる方向で動いていると、目標達成にかなり時間を要してしまいます。そこで、価値観や考え方が異なっていても、同じ方向を向かせる「統率力」が必要とされています。
統率力を高めるためには、組織のメンバーからの人望・信頼が必要不可欠です。メンバーからの人望を得るためには、「何事もまずは自分がやってみること」や「精神論にこだわらない仕組みづくり」などが有効です。
6-3.コミュニケーション能力
3つ目は「コミュニケーション能力」です。
組織マネジメントを実行するためには、2つのコミュニケーション能力が必要になります。1つ目はメンバーに対するコミュニケーションです。メンバーからの声をしっかりと聞き、信頼関係を構築することで、働きやすい雰囲気の職場を作ることが出来ます。
2つ目は経営陣に対するコミュニケーションです。会社をより広い視野で合理的に捉える経営層に対して、現場の状況を適切に伝えることが求められます。
7.実際に組織マネジメントを成功させた企業事例
組織マネジメントを成功させた企業事例として、Googleの事例について解説いたします。
Googleは組織のあり方として、「心理的安全性のある組織づくり」を重視しています。
心理的安全性とは、組織の中で自分の考えを恐れることなく、発言できる状態の事を指します。この心理的安全性のある職場を作るため、Googleは毎週金曜日にCEOに直接質問できる「TGIF(Thank God, It’s Friday!) という場を設け、経営陣と従業員の間の壁を取り除くことに尽力してきました。
また、社員を採用する時点で求職者から「偏見や無意識の思い込みを排除する仕組み」を設置したり、組織の間でのフィードバックの機会を増やしたり、徹底的に心理的安全性の高いフラットな組織作りを目指している企業です。
8.まとめ
本記事では組織マネジメントの定義や種類、メリットや必要になるフレームワークなどについて詳しく解説いたしました。
ご紹介した通り、組織マネジメントを成功させるには、様々な能力が求められるため、簡単ではありません。しかし、組織マネジメントを成功させることができれば、効率的な会社運営を実現することができます。
本記事でご紹介した内容を踏まえて、自社の組織のあり方を見直してみてはいかがでしょうか?
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「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。