人材育成で大切なこととは?考え方や課題、目標や具体例などを詳しく紹介! |HR NOTE

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人材育成で大切なこととは?考え方や課題、目標や具体例などを詳しく紹介!

  • 組織
  • 人材育成・研修

※本記事で紹介しているサービスの一部は、サービス提供企業様の広告として掲載しております。

企業が継続して成長し続けるためには、優秀な人材を採用するだけでなく、自社にいる人材を育成して成長の底上げを図ることが必要であることから、近年は人材育成に注目が集まっています。

企業が人材育成を実施することで国から助成金が出る場合もあるため、企業経営において人材育成を考えるタイミングに来ているのではないでしょうか。

しかし、人材育成は目的が明確になっていないと、手段を間違えてしまう可能性もあります。

本記事では、人材育成の目的を正しく設定し、必要な手段を取ることができるように、人材育成の考え方や大切なこと、育成方法などについて解説します。

1. そもそも人材育成とは

人材育成とは、言葉の通り「人材を育成すること」です。しかし、そもそも「人材育成」の目的とは何なのでしょうか。

1-1. 人材育成の目的は「企業の戦略を達成すること」

人材育成の目的は、企業の戦略を達成するために、人材の価値を最大化させることです。

【参考】人材育成の目的
【経済学視点】
組織が戦略を達成するため、あるいは、組織・事業を存続させるために持っていてほしい従業員のスキル、能力を獲得させることであり、そのための学習を促進すること
【日本の人事部の視点】
戦略の実現に向けて活動している現場の変化に対応し、効果的・効率的に推進していくことができる実践的な人材の育成である
【とある企業の視点】
社内の大きなリソース(資源)である「人材」を効果的かつ効率的に活用し、競争力を向上させ、利益を最大化すること

企業を成長させるには「優秀な人材を採用する」「自社にいる人材を育成する」という2点以外に方法はありません。

そのため、企業の戦略策定段階において、どのような戦術が必要で、その戦術を実行するためにはどのような人材(スキル)が必要なのかを明確に計画する必要があります。

その戦略次第で人材育成の手法も異なってくることがポイントとなります。

1-2. 人材育成マネジメントとは

人材育成マネジメントとは、人材育成を促進するために必要なマネジメントのことです。具体的には、人材育成のためにおこなった施策や、育成の対象となる従業員の管理を意味します。

人材育成は人材を育成することやその手法を、人材育成マネジメントは人材育成を進めるための管理体制のことと覚えておくとよいでしょう。

1-3. 人材育成と人材教育・開発との違い

人材育成と同じような意味合いを持つ言葉に人材教育や人材開発があります。

人材教育は、知識やスキルを教えることです。つまり、人材育成の手段の1つという位置づけになります。

一方、人材開発は、従業員を経営資本として捉え、本来の能力を発揮できるように開発するという意味です。人材開発は、人材育成に比べてより潜在的な力を引き出して活用することを目的とした言葉と言えるでしょう。

1-4. 人材育成は方針や目標に合わせて、適切な手法を取る必要がある!

人材育成の目的や目標によって取るべき手法が変わってきます。

「中長期的に活躍してくれる次世代リーダーを育成する」「現場社員が業務に必要なスキルを身に付けられるようにする」など、人材育成を実施する前に、まず人材育成をする目的を明確に決めるようにしてください。

そして、目的を達成するために育成方針や目標を設定し、最適な手法で育成することが大切です。なお、育成の手法については後ほど解説します。

2. 人材育成を推進するにあたって大切なこと

ここからは、人材育成を推進する際に大切にすべき考え方などについて解説します。

2-1. 人材育成の考え方

人材育成を進めるにあたって大切な3つの考え方を紹介します。

  • 人材育成は、中長期的な視点で考える
  • 人材育成像は、企業が育てたい人物像をもとに考える
  • 人材育成の手法は、階層別に最適なものを選ぶ

まず、人材の育成には時間がかかることを覚えておきましょう。だからこそ、早期に人材育成の体制を構築する必要があるとも言えます。

また、人材育成像は企業が育てたい人物像をもとに決めます。そうすることで、育成の方針・方法がブレず、短い期間で必要な人材を育成できるようになります。

階層によって最適な育成手法は異なります。階層別に、現状の課題や身に付けるべきスキルなどを洗い出し、不足している知識や能力を補うための育成手法を選択しましょう。

2-2. 人材育成の方針・目標の決め方

人材育成の方針・目標を決める際のポイントは3つあります。

  • 定性的ではなく、定量的な目標を設定する
  • 目標の期日を設定し、そこから逆算して計画を立てる
  • 会社・チームなど組織の目標を意識し、人材育成との関係を密接にする

人材育成は、従業員個人が成長すればいいというものではありません。会社やチームなどの組織の目標を実現するために人材育成をおこなうので、常に組織の目標と人材育成が密接な関係であることが大切です。

2-3. 人材育成を進めるための計画の立て方

人材育成をすすめるための計画を立てる際は、以下の手順でおこなうとスムーズです。

手順 概要や注意点
自社の課題を洗い出す
  • 自社の課題を洗い出すために現状分析をおこなう
  • 人事以外の観点から課題が出ることもあるので、「戦略における課題」「組織における課題」「人材育成における課題」の3つに分類して考える
自社の戦略や目指すべき方向性を決める
  • 洗い出した課題が、今後の戦略や目指すべき方向性にどの程度関与するかを考える
  • 優先的に解決すべきと判断した課題は、早急かつ重点的に解決に取り組む
課題解決方法を検討する
  • 課題にマッチする解決策を検討する
  • 座学や研修だけで解決できるとは限らないため、多角的な視点で解決方法を探る

2-4. 人材育成に必要な資格・スキル

人材育成の際にあると役に立つ資格やスキルを紹介します。従業員を指導する側の人材育成にも取り組むことで、長期的に効果的な人材育成を実現できるでしょう。

  • 現用や課題を把握する能力
  • 目標や計画を管理する能力
  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • ロジカルシンキング
  • クリティカルシンキング
  • 人事に関する知識や経験

3. 人材育成における階層別の課題と解決方法

課題と解決

企業の成長のためには、上司や先輩が率先して人材育成をおこなう必要があります。
新入社員と中堅社員では人材育成の考え方が異なります。それぞれのケースにおける問題点や具体的な手法を見ていきましょう。

3-1. 新入社員の場合

新入社員の人材育成において大切なことは、相手の意識を把握し理解することです。新入社員を十分に理解しないまま指導をしようとすると、アドバイスがなかなか伝わらず苦慮することになってしまいます。新入社員はそれぞれに異なる意識を持っています。

まずは新入社員が会社で何を実現したいのか、どのような働き方を求めているのかといった考えを聞き出しましょう。
新入社員育成では、学習や体験の機会を多く設けることも重要です。説明のみに終止する指導では、新入社員を十分に育成することはできません。仕事への取り組み方を具体的に明示し、体感してもらうことが人材の成長につながります。このとき、旧来の方法や考え方を押し付けるのではなく、新入社員に合わせて柔軟に方針を変えることが大切です。
新入社員は上司や先輩の働き方や発言をよく観察しています。常日頃、お手本になるような行動をすることも人材育成につながります。

3-2. 中堅社員(管理職)の場合

中堅社員や管理職が十分に育っておらず、会社の成長が滞ってしまうケースも少なくありません。
中堅社員や管理職は目の前の仕事に埋没しがちで、将来的なビジョンや先々のキャリアが見えていないことがあります。また、社員が主体的に動けないことが会社の停滞につながることもあるようです。
中堅社員や管理職に求められる役割は多岐にわたります。そのため、すべての従業員に一律の指導をおこなうことは難しいといえます。結果として人材育成が行き届かず、成長が阻害されることがあるのです。
中堅社員教育では、個々の役割意識を高めることで大きな効果を発揮します。研修や面談を通じて、社員がどのような役割を果たすべきかを伝えていきましょう。状況に応じて仕事のやり方を変えるよう促すことも肝心です。仕事がマンネリ化している中堅社員にとって、変化は大きな成長の機会になります。
中堅社員や管理職が能力を最大限に発揮できるよう促すことが、企業全体の活性化や業績アップにつながっていきます。

4. 3種類の人材育成手法(特徴・メリット)

人材育成の目的が明確になったら、次は人材育成をするための手段を決定しなければいけません。

人材育成にはどのような手法があるのでしょうか。ここでは3つの人材育成手法についてご紹介します。

4-1. 人材育成の『研修』

研修とは、一定期間職場・仕事から離れた場でおこなわれる教育訓練のことです。

研修を実施するメリットは、以下の3点が挙げられます。

研修のメリット

①社員の均一的なスキルアップができる

個別指導ではなく集団指導をおこなうので、全員に同じ内容で育成することができ、指導漏れの防止ができます。

②仲間同士での交流や刺激がある

社員同士で仕事に対する熱意やビジョンを語り合ったり、仕事に対する悩みを共有して不安を解消したりと、相乗効果が多く見込めます。

③まとまった時間が取れる

長期休暇以外で業務から離れてまとまった時間が取れるため、普段とは違った時間の使い方ができます。

研修は、大勢に対して共通する基礎を学ばせたい場合に効果的です。

「礼儀・マナー・モラル」などの社会人の基礎にあたる部分の指導や、「名刺の渡し方」や「受電対応の練習」など、研修に参加している社員全員を一定水準のレベルにまで引き上げることができます。

さらに研修では、社員同士が刺激を与え合い、学びに対してのモチベーションを上げることも可能です。

研修は階層や職種別で実施されることも多くなりますが、普段は関わりがないメンバーと触れ合う良い機会にもなるので、グループに分けて研修をおこなう場合は、面識の無いメンバーでグループを構成すると良いかもしれません。

また、より効果的な研修を実施するためには、研修が始まる前までに、研修に参加する社員の現状把握と研修をおこなう目的を共有しておくと良いでしょう。

研修は、社員のレベルに合っていなければ効果が期待できませんし、研修の目的の共有がないと、研修の必要性を感じることができず、研修に臨む姿勢に影響が出るかもしれません。

自身のキャリアや、普段の働き方を見つめ直すようなプログラムを準備することで、研修を受けた社員の今後のパフォーマンスの向上が見込める可能性もあります。

「人材育成」をオンラインで!社員の学習状況管理も可能なサービスが登場

昨今のリモートワーク浸透への対応や、地方で働く従業員にも研修を実施するために、社内でオンライン研修の実施を考えている担当者様も多いのではないでしょうか。しかし、オンライン研修は「学習状況の進捗確認がしづらい」「どのようなコンテンツを作成すれば良いかわからない」といった声もよく聞かれます。

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新入社員を即戦力化!DX時代の育成効果を可視化する データに基づいた新入社員研修が登場

近年のリモートワークの普及、DXの推進の影響による環境変化に伴い、新入社員研修や現場業務の在り方に見直しの必要性が高まっています。「研修内容が現場業務にアウトプットできていない」という新入社員や「研修カリキュラムを見直したい」と考えている管理職の方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

チェンジは、個々の可能性や能力を可視化し、データに基づいた学習サポートと実践中心のアウトプットによりビジネススキルの習得を確実なものにする、DX時代の新入社員育成を担う研修サービスです。

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4-2. 『OJT(On-the-Job Training)』

OJTとは、職場において一定の実務を任せ、その実務を経験していく中で上司のフィードバックなどから体系的に業務について学んでいく育成方法のことです。

OJTを実施するメリットは、以下の3点が挙げられます。

OJTのメリット

①実践力を養うことができる

座学などで知識を付けるだけで終わらずに、実際に学んだことを現場で使える実践力を養うことができます。

②1人ひとりに合わせた育成ができる

個人に焦点を当てた育成をおこなうことができ、その場に応じた臨機応援な対応が可能です。

③外部コストが掛からない

上司が部下を業務時間内に指導する育成方法であるため、外部に委託するコストが掛かりません。

大勢の従業員に対して実施する研修と比較して、OJTでは1人ひとりに合わせた教育をおこなうことになります。

実際に仕事をやってみることで徐々に業務に慣れていくとともに、その行動の中から課題を発見し、解決をしながら育成することができます。

そのため、OJT指導者(上司)と受講者(部下)が、ともにPDCAサイクルを回しながら育成を進めていくことが大事になるでしょう。

また、社員が「できること」と「できないこと」を把握したり、「何に対してモチベーションを感じるのか」といったことまで考慮することができれば、育成によって成長する幅は大きくなります。

より効果的なOJTをおこなうために、あらかじめ指導者にOJTの方法を共有しておいたり、指導者向けに研修をしたりするといいかもしれません。

「OJT」について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください!OJTとは?ゼロから始める際の流れや成功させるコツをご紹介

4-3. 『自己啓発』

自己啓発とは、社員が自発的に読書、資格取得、e-learningなどを通じて自己学習することです。

自己啓発を実施するメリットは、以下の3点が挙げられます。

自己啓発のメリット

①時間や場所に制限されずに育成できる

業務時間内におこなわないため、社員の時間や場所を奪われることなく育成をすることができます。

②社員自身が興味のあることを学べる

興味のある分野の知見を持つことで、社会人としての知見を深めるだけでなく、その人にしかできない業務や役職が生まれる可能性があります。

③学ぶ手段を自分で選ぶことができる

本やセミナー、e-learningなど、いくつかある選択肢の中から手段を選ぶことができるため、学ぶことに対するモチベーションが上がります。

自己啓発においては、社員に強制感を感じさせず、社員自らが主体的な目的をもって自発的に成長できる環境を作ることが大切です。

研修やOJTは社員が受け身になってしまうことも多いですが、社員自身が学びたくなるような業務やキャリアを提供し、自発的に学習を進めていくことができれば、モチベーション高く長期的に行動できるため高い効果が出ることもあり得ます。

会社としても、社員の時間や場所を奪われることなく育成をすることができ、社員次第にはなりますが、業務後や週末など好きな時間に自宅やカフェなど好きな場所で取り組むことができることは大きなメリットでしょう。

また、一見仕事には関係ないことも、仕事に活かせる可能性があります。

より効果的に自発的に学ぶ状態をつくるために、学ぶ環境(教材や場所)や、キャリアを考える機会を提供することで、今何をやらないといけないかを明確にする必要もあるでしょう。

5. 各人材育成手法を実施する際の注意点(デメリット)

5-1. 『研修』の注意点(デメリット)

①研修内容の考案や講師の選択が難しい

研修内容や講師の選択を失敗してしまうと、参加者の時間を無駄にしてしまう可能性があるので注意が必要です。

社内に研修をおこなうリソースがない場合は、アウトソーシングや代行サービスを活用して研修をおこなう方法もあります。

しかし、研修を代行しているサービスの数はとても多く、自社にふさわしい研修を探すのも一苦労かもしれません。

研修会社は過去の実績をもとに、自社に寄り添ったコンテンツを提供してくれる会社を選ぶと良いでしょう。

②受講者のためになっていない可能性がある

研修の運営側と受講者側とで、必要なスキルの認識にズレが生じている可能性があります。

このズレがあると、研修の効果が下がってしまったり、受講者側の会社への不信感につながったりする可能性があります。

認識のズレを防ぐためにも、運営側が何のために研修をするのかを明確にし、受講者と意思疎通を図っていかなければいけません。

受講者が今何を必要としているかをしっかりとヒアリングして、その上で受講者にどういう状態になって欲しいかを明確にしましょう

③集団なので、当事者意識が低くなる

通常、研修は1対1ではなく1対多数でおこなうので、どうしても当事者意識が低くなってしまいます

当事者意識が低くなると何も学ばずに研修を終わらせてしまう可能性もあります。

当事者意識をもったまま研修に参加してもらうためにも、なぜこの研修を受ける必要があるのか、この研修がどう自分に影響するのかを受講前にしっかりと伝えましょう

そうすることで、研修に取り組む意義が生まれ、研修を自分ごととして捉えることができるかもしれません。

5-2. 『OJT(On-The-Job Training)』の注意点

①指導者によって育成の効果に差が出る

OJTは良くも悪くも指導者に育成を一任するので、どうしても指導者の色が育成に出てしまいます。

指導者によっては、部下の細かいところにまでこだわった指導になり、お互いが不快な思いをするなどマイナスの影響が及ぶ可能性もあります。

さらに、同じ内容を教えるとしても、指導者の経験や知識に応じては教え方に差ができてしまうので、効果の度合いも人それぞれになってしまいます。

そのため、指導者側にもOJTをおこなうにあたって気をつける点や教え方の研修をおこない、最低ラインの指導内容を確保することも必要です。

②指導者ができること以上のことは教えられない

人は、自分ができること以外を教えることはできません。さらに、自分ができることでも教えられない時もあります。

感覚的にやっていることを言葉に落とし込んで相手に伝えることは難しく、それが自分にできないことであれば、なおさらでしょう。

そのため、指導側のメンバーは慎重に選ぶ必要があります。

表面的な結果だけではなく、礼儀がしっかりした人なのか、企業文化に沿った人なのかという面から選んでみてもいいかもしれません。

③学べる範囲が狭い

自分が仕事で使うスキル以外にも必要なスキルがある場合、OJTで教えることは難しいでしょう。

たとえば、営業マンでもこれからの時代を生きていく上でIT知識は必須ですが、営業マンのOJT指導者は営業マンなので、十分なIT知識を教えることは難しいかもしれません。

そのため、OJTは研修と一緒に活用することで、「研修では礼儀や一般教養などを学び、OJTでは専門分野を学ぶ」といった役割の棲み分けができ、より高い効果を期待できるでしょう。

5-3. 『自己啓発』の注意点(デメリット)

①他人の監視の目がないので、自分に甘えやすい

自分で学ぶ時間や場所を選べるということは、逆に自分に甘えることができるということでもあります。誰しもが、周りの誘惑に負けてしまう経験はあるのではないでしょうか。

この解決策として、社員の自主学習に対して期間や目標を設定すると良いかもしれません。

重要なのは自由と強制のバランスであり、自由すぎてもいけませんし、強制しすぎてもいけません。

「会社で目標を立て、その手段やペースは本人に任せる」というのも良いでしょう。

また、社員が自主的に学んだり成長したりした場合に会社がインセンティブを与えるなど、自己啓発をおこなった従業員に対して支援策を講じることも考えてみると良いでしょう。

②努力の方向性が間違っていても気付けない

せっかくやる気があったとしても、努力の方向性が間違っていたら、本人にとって残念な結果で終わってしまうかもしれません。

残念な結果にならないためにも、社員が取り組んでいることについてアウトプットできる機会を作ると良いでしょう。

ただし、「日報で提出する」といった形では、強制感が出てしまいます。

朝礼の時間に口頭でアウトプットする時間を作ったり、別で学んだことを発表するプレゼンの機会を提供するなど、方法はさまざまです。

全員が日替わりで今週学んだことを発表すれば、他の人のアウトプットの勉強にもなります。

③自己満足に陥ってしまうかもしれない

危険なのが、自己啓発が自己満足で終わってしまうことです。

勉強をやったことに満足し、それをどう活かすのかまでこだわれていない場合もあります。

これに関しては、学んだ内容が仕事の結果にどう影響したかを伝えることが大切です。

学ぶことが大切なのではなく、学んだことが仕事に活かされることが大切であると認識させることで、自己満足を防げるかもしれません。

6. 人材育成の具体例を紹介

人材育成に成功している企業の1つにトヨタ自動車が挙げられます。トヨタ自動車は「T型人材の育成」を導入しています。T型人材とは、「T」の文字の「横」をビジネスモデルなどの幅広い知識、「縦」を専門性の高いスペシャリストの知識とし、幅広い知識を持つ人材を育成する手法のことです。

トヨタ自動車では、将来有望なエンジニアに対してすべてのバリューチェーンを経験させるキャリア設定をおこなっています。具体的には、設計開発者の場合、入社後は製造部門へ配置し、その後マーケティング部門や営業部門に異動します。これにより、事業と商通を理解することができ、将来お客様のニーズを汲んだ製品を設計できるエンジニアに育成することが可能となるのです。

また、自己啓発の一環として、書籍を読むことを推奨しています。実務だけでは得られない多くのジャンルの知識を得ることで、柔軟性のある視野の広い人材へと成長することが期待できます。

7. 人材育成で受けられる「人材育成支援コース」とは

人材育成支援コースとは、人材開発支援助成金の1つで、事業主が正規雇用する従業員に対して仕事内容に関連する専門的な知識やスキルを習得させるために、職業訓練などを計画的におこなった際の経費や訓練期間中の賃金の一部を国が補助する制度です。

人材開発支援助成金の適用要件は3つあります。

  • 雇用保険の適用事業所であること
  • 支給審査に協力すること
  • 期間内に申請すること

人材開発支援助成金には、人材育成支援コースを含む7つのコースがあります。人材育成支援コースでは、以下の訓練を実施した際に助成金を受けることができます。

  • 雇用する労働者に対して職務に関連する知識やスキルを習得させるための訓練
  • 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付きの訓練
  • 非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練

人材開発支援助成金は、人材育成に取り組む企業の強い味方です。費用の負担を減らせれば、より積極的に人材育成を推進できます。

人材開発助成金のその他のコースや適用要件、申請方法は厚生労働省のホームページをご確認ください。

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金

8. 自社にマッチする人材育成を実施しよう

自社の人材育成を振り返ってみて、「毎年同じ研修をやっているから、今年もそれでいこう」という風に決めていませんか?

企業の戦略は変わらなくても、戦況は常に変化しているため、戦術を変える必要が出てくるかもしれません。

戦術が変われば、それを達成するために必要な人材も変えなければ時代に取り残されてしまいます。そのために、人材育成のやり方を変えたり、内容を変えたりすることも考えなくてはなりません。

普段業務に追われて、あまり考える時間がないという方は、企業の戦略、戦術や目標を見直し、それを達成するにはどういう人材育成をするべきなのかを一度考えてみる機会を設けましょう。

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