従業員の能力やスキルの開発による企業全体の生産性向上は、人事担当者として考えなければならない大きなミッションであると思います。
しかし、「本社と地方の従業員のスキルの差が開き、地方の企業の生産性がなかなか上がらない」「せっかく研修を実施しているにも関わらず、社員の出席率が悪い」といった悩みを抱える人事担当者も多いのではないでしょうか。
このような中で、新型コロナウイルスによるリモートワークへの対応を進めるためや、全国各地の従業員を公平に育成するために注目されている人材育成方法が「オンライン研修」です。
本記事では、「オンライン研修」について、
- オンライン研修のメリット・デメリット、具体的なやり方
- 自社でオンライン研修を実施するために必要なツール・システム
- 外部に委託する際に活用できるオンライン研修サービス
- 自社でオンライン研修を実施する場合の流れ
についてまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. オンライン研修とは
オンライン研修とは、PCやスマホを通して、遠隔拠点や自宅でも受講可能な研修のことです。
地方支社の従業員も研修を受けることができるので、支社間で従業員の教育に大きな差が生まれません。
また、本社周辺の支社の従業員も研修のために、本社に移動する必要がなくなるので、移動時間や交通費の負担を軽減できます。
1-1. オンライン研修のメリット
① 遠隔拠点でも研修を受けることができる
従来、集合型の研修は本社に出向き、研修を受講しなければいけませんでした。
場所によっては、本社に出向くのに往復で半日ほどかかるケースもあり、地方の支社に勤める従業員にとっては移動時間が多く掛かってしまうことが課題となっていました。
これに対して、オンライン研修はPCやスマホなどのデバイスがあれば受講できるため、研修を受講するために移動する必要がありません。
また、遠隔拠点にいる従業員が研修を受けるためだけに移動する交通費、および会場のレンタル代や教材の印刷費用も必要ないため、経費削減にもつながります。
② 研修を録画することで、後日視聴ができる
研修に参加できなかった従業員に、後日、研修の資料や議事録を送る場合もあると思います。
しかし、それでは資料をダウンロードして軽く目を通すぐらいで、内容の理解度や定着度が研修を受講した従業員より低いでしょう。
オンライン研修はライブ配信できるのと同時に録画することもできるので、後日、研修の録画データを参加していない人に送ることができます。
映像と音声で再度研修を受講できるため、研修内容の理解度が上がります。
③ 研修内容に関する質問をリアルタイムでしやすい
研修に多くの従業員が参加する場合、分からないことがあってもなかなか質問しにくい状況になることも多いでしょう。
しかし、オンライン研修ではチャットなどを通してリアルタイムに講師に質問を送ることができ、また、そのフィードバックを講師がインタラクティブに回答することも可能です。
匿名での質問も可能なため、質問をするハードルは低くなることが予想されます。
1-2. オンライン研修のデメリット
① 受講者同士の交流が減る
研修は全国各地で頑張る従業員と会うことができる交流の場です。研修の副次的な効果として、従業員の仲間意識や組織を横断したネットワークづくりなどが期待できます。
しかし、オンライン面接の場合、どこからでも受講できるので、一箇所に集まる必要がありません。そのため、仲間意識やネットワークづくりの効果が期待できません。
解決策としては、研修はオンラインでおこない、従業員同士の交流の機会は別につくることです。一年に一回全従業員が集まる総会やイベントを開催するなどがあります。
② 従業員が研修を本当に受講しているのかわかりにくい
オンライン研修は、参加者が遠隔にいるため、研修を受講させる強制力が弱くなるとともに、研修内容の理解が進んでいるのか講師がわかりにくくなってしまいます。
そのため、従業員が研修内容を理解しているのか測定するためのテストを実施すると良いでしょう。
また、学習状況を管理することができるeラーニングやLMS(学習管理システム)を活用することもおすすめします。
▶【LMS/eラーニングまとめ】47の教育研修サービスを徹底比較|2020年最新版
③ 実習型の研修に不向き
研修には、他者の知識や経験を学ぶ講座型の研修と、学んだ知識を実際に活用してみる実習型の研修があります。オンライン研修は、PCやスマホを通して視聴するため、講座型の研修には向いていますが、実習型の研修には不向きです。
解決策としては、実習型の研修を実施する際は、研修受講者は支社ごとに集まって受講することです。ロープレやグループワーク、ワークショップなど、相手がいればできるケースもあるので、集まって受講することをおすすめします。
また、近年では、VRを活用した研修で、実習をおこなっている企業も飲食店などを中心に増えています。VRのような最新のテクノロジーを導入してみてもいいでしょう。
1-3. オンライン研修の具体的なやり方
オンライン研修の実施方法は大きく分けると、2つあります。
1つ目は、社内の研修をWeb会議システムなどで配信するやり方です。
この場合、社内で研修のコンテンツをつくったり、社外から講師を呼んだりする必要があります。すでに、社内で研修を実施している企業にはおすすめです。
もう1つは、社外の研修サービスを利用するやり方です。
この場合、動画配信サービスが多いので、従業員が好きな時間に学ぶことができます。その反面、従業員に学ぶ意識がなければ、運用に乗らないので、従業員の学習に対するモチベーション管理も必要になってきます。
では、それぞれどのようなシステムやサービスがあるのでしょうか。
2. Web会議システム3選|社内で研修を作る企業におすすめのプロダクト!
オンライン研修は、Web会議システムを活用して実施するケースが多く、本章では、社内で研修を内製する企業に向けて、おすすめのWeb会議システムをご紹介します。
また、Web会議システムは、オンライン研修以外にも、社内会議、オンライン面接、Web説明会など、さまざまな用途で活用できます。
- 内製の研修がある企業
- 研修のノウハウを溜めたい企業
- 研修以外にも遠隔拠点とコミュニケーションを取りたい企業
<1>
Calling
運用サポートが手厚いWeb会議システム
Callingは、1対多数に向いており、簡単に繋がることができるWeb会議システムです。
録画機能があるので、オンライン研修を受講できなかった従業員も、あとで視聴することができます。
また、CallingをWeb説明会やWeb面接などにも活用して、オンライン採用を一貫してサポートします。
<2>
connect live
社内外とワンクリックでつながるWeb会議ソリューション
connect liveは、社内外とかんたんにつながるWeb会議ソリューションです。
ソフトウェアのダウンロードが不要で、PCのスキルに関わらず、誰でもかんたんに会議に参加することができます。
<3>
Live On
スマホやタブレットで「いつでもどこでも」Web会議
Live Onは、離れた拠点とインターネットを通じて映像・音声のやり取りをおこなうコミュニケーションツールです。
クリアな音声となめらかな動画映像により、快適なオンライン研修を実現できます。また、各機能の操作方法が簡単です。
3. オンライン研修サービス4選|研修を外部に委託するならこのサービス!
ここでは、研修コンテンツも外部に委託したい企業向けて、オンライン研修サービスをご紹介します。
- 内製の研修がない企業
- 従業員のスキル管理も同時にしたい企業
<1>
schoo
20万人のビジネスパーソンに支持された定額制オンライン研修サービス
schooは、導入社数1,300社以上、5,500本以上の動画学習コンテンツを提供する国内最大級のオンライン研修サービスです。
新入社員研修・階層別研修・職種別研修といった多様な研修に対応しており、ビジネススキルからITスキルまで業界の第一線で活躍するプロフェッショナルが講師となって教えてくれます。
また、社員の受講状況はリアルタイムで可視化でき、結果のCSVダウンロードも可能です。
1ID:1,500円からとトライアルしやすい料金体系で、無料でデモアカウントの発行も可能となっています。
<2>
playse. eラーニング
30IDまで15,000円、3,000以上の教材が使えるeラーニングサービス
playse. eラーニングは、新入社員向けのビジネススキルやコンプライアンス、ハラスメント防止のコンテンツ、管理職向けの応用コンテンツなど、3,000以上の教材が見放題のeラーニングサービスです。
自社で作った教材の掲載、Zoom連携によるリアルタイム研修、社員の受講状況の確認、およびテストで受講者の理解度把握など、さまざまなことを同時に実現可能です。
また、登録されているアカウント数ではなく、その月に使ったアカウント分だけの従量課金なので、無駄なコストもかかりません。
<3>
LearnO
法人で年間35万人以上が利用するeラーニングシステム
LearnO(ラーノ)は、月額4,900円から利用できるeラーニングシステムです。
オンラインでの研修受講ができるのはもちろん、受講者間のコミュニケーションを取る機能も充実しています。
eラーニングが初めてのユーザーでもストレスなく学習できるスマートでシンプルなわかりやすい学習画面が特徴で、パソコン・タブレット・スマートフォンなど利用端末を選ばずに利用することができます。
また、受講者の行動や傾向を把握し、行動ログから成績との因果関係を解析することで、より良い学習スタイルの確立を促すことができます。
<4>
GLOBIS オンライン企業内研修
充実した個人学習とディスカッションを組み合わせた最新の教育メソッド
GLOBIS オンライン企業内研修は、反復学習によって高い定着率をほこるオンライン研修サービスです。
①個人学習②ディスカッション③振り返りの3段階を通して、高い学習効果を得ることができます。
<5>
Biz CAMPUS Online
導入実績No.1の定額制社員研修
Biz CAMPUS Onlineは、全国どこでもオンライン動画で受講できるストリーミング配信サービスです。
講師による一方的な講義だけではなく、ワークショップの様子や実際のビジネスで想定されるシーンの再現動画なども取り入れており、リアルも研修さながらの学びを体験することができます。
4. Web会議システムを活用したオンライン研修の流れをご紹介
では、実際にWeb会議システムを使ったオンライン研修のやり方についてご紹介します。
今回は、Web会議システム『Calling』を活用して、オンライン研修を実施する際の流れについて詳しく解説します。
STEP1|ルームの作成
まず、管理画面にある、「新しくMeetingルームを作成する」ボタンを押して、研修用の新しいルームを作成します。
ルーム名とパスワードを設定すれば、ルームの作成は完了です。
- ルーム名 : ルームの名前を設定します
- ルームID : 任意で設定することができます
- オーディオ : ルーム内のオーディオ使用を設定できます
- ビデオ : ルーム内のビデオ使用を設定できます
- チャットログ : ルーム内のチャット履歴を設定できます
- アンケート : ルームの退出時に表示させるアンケートを設定します
- パスワード : ルーム内に入るパスワードを設定できます
STEP2|ルームのURLを研修の参加者に共有
次に、ルームのURLとパスワードをオンライン研修の参加者にメールやチャットで共有します。
共有する時は、共有ボタンを押すだけで簡単にルームのURLをコピーすることができます。
STEP3|PCで研修風景を映す
研修当日は、PCのカメラで研修風景を映し、参加者が研修を見ることができるようにします。
注意点としては、カメラやマイクが初期設定時にOFFになっているケースがあることです。
遠隔でオンライン研修を受講している従業員には、研修の開始時に「画面は見えているか」「声は聞こえているか」の2点を確認する必要があります。
STEP4|研修を録画してデータを共有する
オンライン研修でWeb会議システムを活用すると、実施した研修を録画しておくことができます。
Callingでは、画面の左下に「録画開始」ボタンがあるので、それを押せば録画が始まります。
研修が終了し録画を停止させたい時は、同じ場所のボタンを押すだけで、Calling内に録画データが自動で保存されます。
この録画したデータを社員に共有することで、研修の振り返りをおこなうことができるでしょう。
録画したデータは、録画フォルダに保存されていいます。
共有したい録画データを選び、「録画データを共有する」を選択、URLをコピーして共有したい相手に共有すれば、完了です。
また、共有されたURLをクリックし、ダウンロードボタンを押せば、録画データをダウン路ロードすることもできます。
5. さいごに
- オンライン研修のメリット・デメリット、具体的なやり方
- 自社でオンライン研修を実施するために必要なツール・システム
- 外部に委託する際に活用できるオンライン研修サービス
- 自社でオンライン研修を実施する場合の流れ
についてまとめました。
オンライン研修を検討している人事担当者は、一度Web会議システムやオンライン研修サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
オンライン研修に最適なWeb会議システム

- 就活生はURLとパスワードを入力するだけで視聴が可能です。
- Web説明会、面接、オンライン研修などにも活用でき、採用を一貫してサポートできます。
- クラウドサービスであるため、導入後にソフトをインストールするような面倒な作業がありません。