フレックスタイム制度の仕組みと今さら聞けない基礎知識

フレックスタイム制、アイキャッチ画像

時代によって変化してきた働き方の制度の中に、フレックスタイム制度と呼ばれる制度があります。職種や就労者の多様化が進んできたこともあり、それに合わせて従業員の働き方にも変化が見られるようになってきています。

人事担当者であれば従業員が働きやすい労働環境を試行錯誤して企業の業績につなげていかなければいけません。

今回は、このフレックスタイム制度について簡単な仕組みと基本的な知識についてご紹介します。

1.フレックスタイム制とは

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フレックスタイム制度は、近年になって耳にするようになった制度かと思われがちですが、実は1988年から日本国内での導入が始まっていました。しかし当時はワークライフバランスがそこまで重要視されていなかったため、今のような普及にはいたらなかったようです。

フレックスタイム制度とは、「最大期間を3か月とする一定期間内(精算期間)の総労働時間をあらかじめ決めておき、労働者はその精算期間内で毎日の労働日の労働時間を自分で決めることができる」という制度です。

労働時間を自由に決めることができるといいましたが、一般的にはコアタイムフレキシブルタイムという時間に分けて運用されることがほとんどです。

フレックスタイム制の仕組み|『コアタイム』と『フレキシブルタイム』

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コアタイム』とは、その時間内は必ず勤務していないといけない時間帯です。日々決まった時間に会議や打ち合わせなどをする場合に、フレックスタイムだからといって参加しないわけにはいきません。

たとえば、10時から15時と明確に時間を設定して、オフィスに出勤する時間をコアタイムとして設けます。

フレキシブルタイム』とは、コアタイム以外の時間帯ならいつ出社または退社してもいいという時間帯のことをいいます。

このコアタイムとフレキシブルタイムは、各企業によって時間帯が設定されるため、コアタイムが長い会社もあれば短い会社もあります。

ここで勘違いしてはいけないのが、コアタイムの時間だけ働いていれば問題がないのではないかと考えてしまうことです。

フレックスタイム制度は一定期間の総労働時間が定められていますので、コアタイムの時間のみ働いていると、合計労働時間が定められた労働時間を下回り、労働時間が不足してしまいます

企業によっては労働時間の不足分が給料から控除される可能性もあるので、その線引きをどうするのかを企業で考える必要があります。

2.フレックスタイム制のメリット・デメリット

フレックスタイム制のメリットとデメリット

それでは、フレックスタイム制のメリットとデメリットを見ていきましょう。

2-1.フレックスタイム制のメリット

「自由に出勤をして、自分のタイミングで帰宅ができる」ということは、従業員から見れば、夢のような働き方に感じられることでしょう。

そして、これは企業にとっても大きなメリットとなります。まとめると、以下の3つになります。

①ライフスタイルに合わせた出退勤を認めることで、従業員のワークライフバランスを推進できる

フレキシブルタイムの間であれば自由に出勤退勤ができるので、急な用事が入ってしまって帰宅しなければいけない場合や、通勤ラッシュの時間帯をずらしての出勤などが可能になります。

子育てや介護をしている方にとっても、柔軟に働けることは魅力的に映ることでしょう。

従業員のワークライフバランスを重要視することができるので、働くことにストレスを感じる社員も大幅に減るのではないかと考えられます。

②無駄な残業を軽減できる

フレックスタイム制では、清算期間中の労働時間を労働者の采配で調整することができます。

そのため、残業が多い労働者の場合、もし1日で10時間以上働いたとしても、別の忙しくない日に労働時間を短く調整すれば良くなるため、従業員の無駄な残業を減らすことができる可能性があります。

朝少し早く出勤して定時まで働いたり、終業後に残って残業したりする日も、中にはあることでしょう。

従来の働き方では1日単位で残業としてカウントされてしまいましたが、フレックスタイム制であれば、もし1日で10時間以上働いたとしても、別の日で労働時間を調整すれば良いだけです。

これにより従業員に支払う残業代をカットできれば、企業全体のコスト削減にも繋がります。

③優秀な人材が集まりやすい

ワークライフバランスを重視するようになった今、従来の働き方では、優秀な人材も嫌気がさしてしまうかもしれません。

特に、女性が働く機会が増えてきてから、多様な働き方ができるように企業側が用意することが求められるようになりました。

フレックスタイム制の導入をはじめとした、働きかたの多様性を会社側が担保することによって、より優秀な人材が魅力を感じると考えられます。

2-2.フレックスタイム制のデメリット

このように、従業員にも企業にも多くのメリットがあるフレックスタイム制ですが、導入するにはいくつかのデメリットも考えられます。

①勤務時間外に仕事の連絡が来ることがある

自分の働く時間を調整できたとしても、仕事で関わる人の勤務時間はコントロールできません。

そのため、フレックスタイム制を利用して早上がりしたとしても、そのあとに取引先から電話やメールで従業員に連絡が来る可能性があります。

関係者のスケジュールを無視できるわけではないため、仕事をスムーズに進められない可能性があることは注意しておく必要があります。

②出社時間がバラバラになる

出社時間がバラバラだと、緊急の案件に対応することができない場合が出てきます。

そうなってしまうと取引先に多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。このような事態にならないために、コアタイムとフレキシブルタイムきちんとを設けて、必ず会社に出勤しなくてはいけない時間を設定しましょう。

また、コアタイムに遅刻をしてもその分の賃金をカットすることができないので、遅刻ペナルティを設けないとコアタイムの意味がなくなる可能性があります。

③社内外のコミュニケーションがとりづらくなることがある

フレックスタイム制を導入した場合、メンバー全員がそろう時間が少なくなります。

そのため、急な会議や打ち合わせをしようと思っても、人が集まらない可能性があります。

コアタイムが長く設定されている場合は心配ありませんが、短い場合は、会議の設定ははやめにしておく必要があります。

④従業員の出退勤管理が大変

フレックスタイム制における労働時間の調整は、基本的に労働者に任せることになります。

自己管理がしっかりできていない場合、総勤務時間が不足しているという事態になることもあります。もしそうなった場合は給料から控除されたり、次の期間に不足分を足した時間を総労働時間として勤務しないといけなくなったりすることもあります。

さらに、フレックスタイム制にいては、繁忙期になったとしても特定の時間帯に出勤命令を出すことができないので、フレックスタイム制を導入する際に、対象となる従業員が信頼できる人材なのかを見極める必要があります。

3.よくある疑問4選

よくある疑問

「残業代は出るの?」「遅刻したらどうなるの?」このような疑問を抱える方も多いと思います。

ここからは、フレックスタイム制に関してよくある疑問を3つピックアップし、お答えしていきます。

【疑問①】残業代は出るのか?

基本的には総労働時間を基準としているため、1日のうちで8時間の勤務時間を超えていたとしても、総労働時間を自分の実働時間の合計が超えていなければ残業扱いにはなりません

しかし、深夜に勤務している場合は深夜割増賃金が発生するということを覚えておきましょう。

【疑問②】遅刻や早退の概念はあるのか?

フレキシブルタイムに関しては、遅刻も早退も存在しません。問題になるのはコアタイムとなります。

コアタイムは出社を義務付けている時間帯であるため、コアタイムに遅れれば遅刻、退勤すれば早退として扱われます。

ただし、コアタイム中に遅刻や早退が発生しても、清算期間(最大3か月)の総労働時間を満たしている限りは、賃金を不足時間分カットすることが困難になります。そのため、コアタイムの遅刻や早退については、あらかじめ社内でルールを規定し就業規則に記載しておく必要があります。

【疑問③】有給休暇は取れるのか?

フレックスタイム制の場合も、通常通り有給休暇の取得が可能です。

取得の際は、その日に標準となる1日の労働時間を働いたものとして取り扱うことになるので、標準労働時間が8時間の場合は、フレックスタイム制であっても「8時間働いた」として有給休暇を取得できます。

【疑問④】スーパーフレックス制と何が違うの?

スーパーフレックス制とフレックスタイム制の一番の違いは、「コアタイムがあるか否か」です。

通常、フレックスタイム制には出勤を義務付けるコアタイムと、自由なフレキシブルタイムがありますが、スーパーフレックス制にはコアタイムが存在しません。そのため、スーパーフレックス制を採用している会社では、働く時間帯はほぼ完全に自由となります。

導入する場合は、通常のフレックスタイム制以上に社内コミュニケーションに注意して環境を整備する必要があります。

4.まとめ

フレックスタイム制度について、基本的な知識を一通りご説明しました。普通の労働基準と異なっているため、勤怠の管理をしっかりしておかないと給与計算をする際に誤差が生じてしまう可能性があります。

そのようなことにならないためにも、フレックス制度に対しての理解を深めていきましょう。フレックスタイム制度を取り入れることで、職種によっては従業員の仕事に対する生産性や、企業の業績向上につながる可能性があるかもしれません。

「フレックスタイムの深夜勤務は
どうやって把握すればいい?」
とお悩みの人事担当者の

「フレックスタイム制度の深夜勤務などの勤怠情報はってどうやって把握すればいいのかわからない」といった悩みを抱えている人事担当者は、一度勤怠管理システムの導入を検討しましょう。

勤怠管理システムは、場所を問わず打刻することができるので、「いつ働いているか」「どれぐらい働いているか」がわかります。深夜割増賃金の計算のため、深夜に何時間働いたか知りたいときも、すぐに確認することができます。

また、フレックスタイム制度だけではなく、リモートワーカーなど今後さらに多様な働き方が増えていくことを考えると、勤怠管理システムは「働き方改革」にも柔軟な対応ができるようになります。
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