仕事のモチベーションを上げる方法には「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類があります。従業員のモチベーションが高まることで、業務効率の向上や離職率の低下といったさまざまなメリットが得られます。この記事では、モチベーションを上げる方法10選紹介します。また、モチベーションの低下を招く原因や、モチベーション改善の方法についても解説します。
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1. モチベーションとは?
モチベーション(motivation)とは、日本語で「動機」「意欲」「やる気」などを意味する用語です。つまり、モチベーションとは、行動のきっかけとなる理由や原動力を意味します。目標達成に向けて積極的に取り組んでいることを「モチベーションが高い」といいます。このように、モチベーションは、組織の成長や目的達成のために重要な要素の一つとされています。
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2. モチベーションが低下する理由
なぜモチベーションが下がってしまうのでしょうか。その原因を追究し、解決に努めるだけでも、モチベーションの維持・改善につながります。ここでは、モチベーションが低下する理由について詳しく紹介します。
2-1. 目的や目標が明確になっていない
目的や目標がなく、ただ目の前の仕事をこなすだけになっていると、マンネリ化が発生し、モチベーションは低下してしまいます。また、理想的な目的・目標があるのはよいことですが、達成することが非現実的な場合、モチベーションは下がってしまいます。このように、従業員それぞれに適切な目的・目標がない場合にモチベーションは低下しやすいです。
2-2. 正当に評価されていない
仕事の成果が正しく評価されない場合、頑張っても無駄だと感じ、モチベーションは下がってしまいます。また、同じ成果に対して従業員によって不公平がある評価制度になっている場合も、会社への不満につながり、帰属意識が低下し、仕事に対するモチベーションが下がる原因になります。このように、人事評価制度が整備されていない環境だと、モチベーションは低下しやすくなってしまいます。
2-3. 仕事にやりがいを感じられない
管理職や上司から一方的に業務を押し付けている場合、自分の意思がその仕事に反映されず、モチベーションが下がりやすくなります。また、十分な裁量が与えらえていない場合も、自分の力で仕事を実施したという責任感や達成感が感じられず、モチベーションは低下してしまいます。このように、仕事にやりがいが感じられないと、従業員のモチベーションは下がってしまいます。
2-4. 人間関係や労働環境に不満がある
どんなに仕事に対する意義ややりがいを見出しても、職場の人間関係が悪く、業務に上手く取り組めない場合、よりよい仕事場を求めて離職・転職しようとする従業員もいます。また、長時間労働が続いたり、仕事に見合った賃金が支払われていなかったりすると、モチベーションの維持が難しくなります。このように、仕事内容でなく、人間関係や労働環境が原因で、モチベーションが下がる可能性もあります。
3. モチベーションを上げる動機付けの種類
モチベーションが下がってしまうと、生産性の低下や離職率の上昇などのデメリットが生じます。そこで、モチベーションを上げる取り組みが必要になります。モチベーションを上げる動機付けには、次のように、大きく「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類があります。
内発的動機付け |
外発的動機付け |
|
動機付けの要因 |
・業務に対するやりがい ・目標の達成感 ・興味や好奇心 |
・報酬や賞与 ・昇給や昇進 ・称賛や適切な評価 |
動機付けの持続性 |
長期間 |
短期間 |
ここでは、それぞれのモチベーションを上げる動機付けについて詳しく紹介します。
3-1. 内発的動機付け
内発的動機付けとは、物事に対する興味・関心や意欲など、自分の内側から湧き出る動機付けのことです。たとえば、「仕事そのものが楽しいから実施する」「自分のなりたい姿に向かってスキルを磨く」といったものが、内発的動機付けに該当します。
内発的動機付けをおこなうには、従業員一人ひとりの価値観や考え方に向き合わなければならず、時間やコストがかかるというデメリットもあります。しかし、内発的動機付けは外部環境の影響を受けにくいため、長期間にわたってモチベーションを維持することが可能です。そのため、中長期的な組織の成長のためには、内発的動機付けが重要になります。
3-2. 外発的動機付け
外発的動機付けとは、報酬や評価、義務、罰則などのように、外部からの働きかけや刺激による動機付けのことです。たとえば、「報酬が上がるから仕事を頑張る」「罰則を受けないためにルールを遵守する」といったものが、外発的動機付けに該当します。
外発的動機付けは、一時的なモチベーションを高める場合に効果的です。しかし、報酬や評価などの外部環境に大きく左右されるので、外部動機付けだけで継続してモチベーションを高めるのは困難です。そのため、内発的動機付けと外発的動機付けを組み合わせて、従業員のモチベーションを高める取り組みをおこなうことが大切です。
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4. モチベーションを上げる方法10選
ここでは、モチベーションを上げる方法10選紹介します。自社でも取り入れられそうなものがあったら、ぜひ実践してみてください。
4-1. 挑戦・失敗が受け入れられる環境を整える
従業員がチャレンジしやすい環境を整備することは、内発的動機付けの観点からも、モチベーションを上げる方法として有効的です。新しい業務に挑戦したり、業務の失敗を受け入れたりできる環境であれば、従業員の仕事に対する興味や好奇心を高めることができます。従業員が自分の意思で主体的に業務を取り組むようになれば、モチベーションは高まっていきます。
4-2. 従業員自身で目標を設定してもらう
会社から一方的に目標を押し付けると、責任感が芽生えにくいです。従業員自身で目標を設定することで、使命感を持って主体的に仕事に取り組むようになります。仕事へのやりがいや達成感にもつながり、長期的にモチベーションを上げることが可能です。ただし、組織と従業員の目標がかけ離れていると、従業員のモチベーションが高まっても、組織の成長につながらない可能性もあるので注意が必要です。
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4-3. 目標達成の進捗を見える化する
目標を立てても進捗状況がわかりにくいと、自分の仕事が上手くいっているのか判断できず、モチベーションが下がる原因にもなります。あらかじめ目標を定量的に設定し、定期的に振り返りをおこなうことで、目標の達成状況を可視化し、次の行動につなげることが可能です。たとえ進捗状況が思わしくない場合でも、改善するためのアクションが明確になれば、モチベーションを高い状態で維持することができます。目標の管理を効率化したい場合、KPI管理やITツールの導入がおすすめです。
4-4. 定期的なフォローアップを実施する
従業員が仕事の壁にぶつかったとき、誰からもフォローがないと、諦めることにつながり、モチベーションが下がってしまいます。管理職や上司が定期的にフォローアップを実施することで、従業員の次の行動を促し、モチベーションを維持させることが可能です。従業員に対してフォローアップする際は、1on1ミーティングや、フィードバック面談を取り入れてみましょう。
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4-5. コミュニケーションの活性化を図る
コミュニケーションが希薄な組織だと、良好な人間関係を築けず、帰属意識が下がり、モチベーションも低下します。コミュニケーションの活性化を図ることで、助け合いの文化が醸成され、従業員は気持ちよく仕事に取り組めるようになります。また、情報共有もスムーズになり、仕事の効率が上がり、モチベーションも高まっていきます。コミュニケーションの活性化を図るためには、社内SNSやチャットツールを活用してみることが推奨されます。
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4-6. エンパワーメントを推進する
従業員に対してエンパワーメントを推進することも、内発的動機付けの観点からモチベーションを上げる方法として効果的です。ビジネスの場におけるエンパワーメントとは、管理職に与えられた権限を部下に委譲することを指します。管理職の権限を部下に委譲すると、自らの判断で業務に取り組むようになり、仕事に対するやりがいや責任感が芽生え、モチベーションの向上につながりやすくなります。
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4-7. インセンティブ制度を取り入れる
モチベーションを上げる方法として、外発的動機付けの観点から、インセンティブ制度を取り入れるのも一つの手です。インセンティブ制度とは、従業員の成果に応じて、基本給とは別に支給する報酬のことです。仕事を頑張っても同じ評価・報酬だと、モチベーションが出ない可能性があります。インセンティブ制度により、頑張れば頑張るほど、報酬が増える仕組みを作り出すことで、モチベーションは高まります。しかし、インセンティブ制度は個人主義を加速させ、チームワークを低下させる原因にもなるため、慎重に導入を検討しましょう。
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4-8. 福利厚生を充実させる
人件費の観点から報酬を上げることが難しいケースもあるかもしれません。そのような場合、福利厚生を充実させることができないか検討してみましょう。たとえば、新しい休暇制度を導入することで、働きやすい環境が整備され、帰属意識が高まり、モチベーションも向上します。最近ではストレス社会への対策として、メンタルヘルスサポートの福利厚生を取り入れる企業も増えているようです。このように、自社の従業員のニーズにあわせて福利厚生を充実させることで、モチベーションの維持・向上につなげる方法もあります。
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4-9. 表彰制度を導入する
素晴らしい成果をあげた従業員に対して表彰する制度を導入することも、外発的動機付けの観点から、モチベーションを上げる方法の一つとして有効的です。自分の成果が正しく評価されていると実感できることで、仕事へのモチベーションは高まります。しかし、同じような成果を出しているのに、表彰されなかった人がいると、不公平を生み、かえってモチベーションが低下する恐れがあります。表彰制度を取り入れる場合、明確な評価基準を設定したうえで導入することが大切です。
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4-10. 称賛文化を形成する
従業員同士でお互いに称賛する文化を形成することも、モチベーションを上げる方法の一つです。日頃から業務に対する姿勢を褒めたり、感謝の言葉を言い合ったりする文化を作り出すと、良好な人間関係が形成され、仕事に対するモチベーションも高まっていきます。まずは朝礼や終礼の際にポジティブな内容を伝えたり、社内SNSに投稿したりするなどのルールを作成しましょう。また、感謝の気持ちを手紙やアプリのメッセージで伝えられる、サンクスカードを導入する方法を採用するのもおすすめです。
5. モチベーションを上げるメリット
従業員のモチベーションを上げることで、企業はさまざまなメリットが得られます。ここでは、従業員のモチベーションを上げるメリットについて詳しく紹介します。
5-1. 労働生産性が向上する
従業員のモチベーションが上がることで、より仕事に主体的に取り組むようになります。管理職や上司から指図しなくても、自主的に仕事をするようになり、労働生産性が向上します。また、自分で考えて業務に取り組むため、創造性のあるアイデアが浮かびやすくなるなど、新たなイノベーションを起こすきっかけにもなります。
5-2. 従業員エンゲージメントが向上する
従業員のモチベーションが高まることで、帰属意識が高まり、従業員エンゲージメントも向上します。たとえば、従業員の考えや価値観を反映して目標管理を実施したり、働きやすいよう労働環境を整備したりすると、従業員は会社から大切にされていると感じ、自社のために貢献しようとする気持ちが高まります。これにより、離職率の低下や定着率の上昇といったメリットが期待できます。
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5-3. 人材育成のコストを削減できる
従業員のモチベーションを高めると、主体的にスキルアップにも取り組むようになります。そのため、会社側で研修・セミナーなどを開催しなくとも、自分で学ぼうとする従業員が増え、人材育成のコストを削減することが可能です。また、離職率の低下により、採用コストが低下し、より効果的な人材育成にリソースを集中させることができます。
6. モチベーションを改善させる方法
従業員のモチベーションを改善させるには、どのような手順で取り組めばよいかわからない人もいるかもしれません。ここでは、モチベーションを改善させる方法について詳しく紹介します。
6-1. 現状のモチベーションを把握する
まずは現状の従業員のモチベーションを客観的に把握することが大切です。モチベーションを把握するためには、従業員にアンケートやヒアリングを実施して、従業員満足度を調査することが推奨されます。しかし、集計・分析の際に担当者の主観が混じると、正しく現状のモチベーションを把握できない恐れがあります。そのため、エンゲージメントサーベイツールなど、ITツールを活用するのがおすすめです。
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6-2. モチベーションに関する課題を洗い出す
従業員の現状のモチベーションを客観的に把握できたら、現状となりたい姿を比較して、課題を洗い出しましょう。その後、その課題を解決するためのアプローチを検討します。たとえば、育児と仕事の両立が大変でモチベーションの維持が難しいという課題があったら、育児休暇や時短勤務といった制度の導入を検討してみましょう。また、施策を検討する際は、優先順位を明確にすることで、効果的な施策を実施することができます。
6-3. 施策の実行・改善をする
実際に課題に対するアプローチが明確になったら、施策を実施しましょう。施策の実行後は、効果検証をおこなうことが大切です。再度、従業員にアンケートやヒアリングを実施して改善されているかチェックしてみましょう。施策の検討・実施と改善を繰り返すことで、効果的なモチベーション管理を実現することができます。
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7. モチベーションを上げる方法を実践してみよう!
モチベーションを上げる方法の種類には「内発的動機付け」と「外発的動機付け」があります。どちらか一方に絞ると、効果的なモチベーション向上施策を実現できない可能性があります。両者のバランスを重視し、自社のニーズにあったモチベーションを上げる方法を採用しましょう。また、モチベーションを効率よく管理するため、モチベーション管理システムの導入を検討してみるのも一つの手です。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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