エンゲージメントサーベイツールは、組織づくりに欠かせない「エンゲージメントサーベイ(従業員サーベイ)」に役立つツールです。エンゲージメントサーベイツールには、アンケートの定期配信機能、ダッシュボード機能、アラート機能、フリーコメント機能など、さまざまな機能があります。
エンゲージメントサーベイツールでできることを知り、自社に合ったサービスを選びましょう。本記事では、エンゲージメントサーベイツールの機能や10社のサービス特徴などを徹底解説します。
目次
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
従業員満足度調査の方法や調査ツール、調査結果の活用方法まで解説しているので、従業員のモチベーション向上や社内制度の改善を図りたい方は、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
1. エンゲージメントサーベイとは?
エンゲージメントサーベイとは、従業員を対象としたアンケートを実施し、個人と企業の双方向的な関わり(エンゲージメント)を可視化する取り組みを指します。例えば、エンゲージメントサーベイの調査項目の例は以下のとおりです。[注1]
- 会社の成功に向けて積極的に貢献したいか?
- 職場内に信頼できる上司や同僚はいるか?
- 仕事を通じて日々の成長を実感しているか?
エンゲージメントサーベイは、会社に対する貢献意欲、周囲の上司や同僚への信頼、仕事に対するやりがいなど、会社や仕事へのポジティブな感情を測定するための調査です。
エンゲージメントサーベイの目的は、社員エンゲージメント(個人と企業の双方向的な関係性)の可視化、人材リテンション、個人のモチベーションや生産性の向上などです。
もちろん、エンゲージメントサーベイの結果、従業員がネガティブな感情を抱いていることが分かるケースもあります。その場合は、エンゲージメントサーベイを手がかりとして、組織や職場環境の改善点を探していく必要があります。
エンゲージメントサーベイは定期的な実施が大切です。エンゲージメントサーベイを通じて従業員の心の声に耳を傾けることで、離職率の上昇やモチベーションの低下を防ぎ、組織をより大きく成長させることが期待できます。
[注1]平成30年度産業経済研究委託事業(企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)|経済産業省
1-1. エンゲージメントサーベイとパルスサーベイの違い
エンゲージメントサーベイとよく似ているのがパルスサーベイです。経済産業省は、両者の違いを以下のように説明しています。[注1]
項目 |
エンゲージメントサーベイ |
パルスサーベイ |
頻度 |
年次(年2回~2年に一度程度が一般的) |
日次/週次/月次(高頻度) |
質問数 |
50~100問程度(20~40分程度で回答) |
1~10問程度(2~3分で回答) |
特徴 |
心理的充実度や主体的な貢献意欲について包括的に問う内容 |
現在の心理状況や直属の上司、職場に対する満足度など、時期や範囲を限定した内容 |
代表的項目例 |
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留意点 |
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エンゲージメントサーベイとパルスサーベイの大きな違いは、アンケートの質問数や頻度です。一般的なエンゲージメントサーベイが、50~100問程度のアンケートを年次で実施するのに対し、パルスサーベイは1~10問程度のアンケートを日次/週次/月次と高頻度で実施します。
エンゲージメントサーベイは長期的な従業員の意欲、パルスサーベイは従業員の意欲をリアルタイムに調べる調査だと覚えておきましょう。
[注1]平成30年度産業経済研究委託事業(企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)|経済産業省
2. エンゲージメントサーベイを導入するメリット
エンゲージメントサーベイは、自社でアンケートの作成から回収・分析・改善をおこなうこともできます。しかし、質問が的確でなかったり、分析結果に対して改善策を講じることができなかったりと、実施しても思うような成果を得られないケースも少なくありません。
また、一から社内で対応するとなるとかなりの労力が必要となるため、人事担当者の大きな負担となってしまいます。
最近では機能性の高いエンゲージメントサーベイツールが多数リリースされており、導入を検討する企業が増えています。ここでは、エンゲージメントサーベイツールを導入するメリットを3つ紹介します。
2-1. アンケートのテンプレートを利用できる
ほとんどのエンゲージメントサーベイツールは専用のアンケートのテンプレートを用意しています。アンケート項目は専門家による監修や有名大学との連携により作成されたものであるため、信頼性が高く、企業が知りたい従業員の会社に対する本音を聞き取ることが可能です。
また、ツールの中にはカスタマイズ機能を持つタイプもあり、テンプレートにはない自社オリジナルの質問を追加することもできます。
ツールを導入すればアンケートの土台があるので実施もスムーズです。また、企業が知りたいことに対して的確な回答を得られるため、職場環境などの改善につなげやすくなります。
2-2. 自動集計・分析ができる
エンゲージメントサーベイツールには、アンケート結果を自動集計する機能があります。集計結果はグラフや数値で見える化されるため、結果の全体像や課題が見えやすくなります。
また、部署単位などさまざまなセグメントで分析をおこなえるため、小さな集団あるいは個人にフォーカスした改善策を講じることが可能です。
2-3. 調査に係る工数を減らし、本来の業務に専念できる
エンゲージメントサーベイツールを導入すれば、調査に係るほとんどの工数を削減できます。これにより、本来やるべき職場改善などの業務に専念することが可能です。
利用するツールによっては手厚いサポートが受けられるため、エンゲージメントサーベイに不慣れな企業は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
3. エンゲージメントサーベイツールの機能や特徴
エンゲージメントサーベイの導入を検討するにあたって気になるのが機能性です。エンゲージメントサーベイツールには、一般的に以下の4つの機能が用意されています。
- アンケートの定期配信機能
- ダッシュボード機能
- アラート機能
- フリーコメント機能
3-1. アンケートの定期配信機能
エンゲージメントサーベイツールには、アンケートを作成し、あらかじめ決めたスケジュールで配信する機能があります。アンケートの質問項目は自由にカスタマイズすることが可能です。アンケートの回答方式は、選択式のラジオボタン(複数の選択肢から一つを選ぶ)が一般的ですが、フリーコメントで回答を集めることもできます。
3-2. ダッシュボード機能
ダッシュボード機能は、アンケートを自動で集計し、グラフやランキングなどの形式で分かりやすく表示する機能です。
紙のアンケートでエンゲージメントサーベイを実施する場合、アンケート用紙の回収や集計を手作業で行う必要があります。エンゲージメントサーベイツールを導入すれば、アンケートの配信から回答、結果の集計まで、全て自動化することが可能です。
3-3. アラート機能
エンゲージメントサーベイの結果は、従業員一人ひとりのページに蓄積されていきます。アンケート点数の推移を記録し、従業員のコンディションの変化をモニタリングすることが可能です。
モチベーションの悪化など、アンケートの数値に異常がみられた場合は管理者にアラートが送られるため、迅速に対処することができます。
3-4. フリーコメント機能
エンゲージメントサーベイツールによっては、従業員が自由に回答するフリーコメント形式でアンケートを配信することもできます。選択方式のアンケートには現れにくい従業員の生の声を聞くことで、組織や職場環境の問題点を発見できます。
3-5. その他の機能
エンゲージメントサーベイツールには他にもさまざまな機能があります。
機能 | 概要 |
質問項目のカスタマイズ | アンケートの質問項目をカスタマイズできる |
クロス分析 | 属性別に結果を分析できる |
質問項目別の分析 | 設問ごとの回答比率を表示できる |
個人単位での分析 | 項目別の数値・前回比・推移などを個人単位で表示できる |
ベンチマーク機能 | 偏差値を用いて業界他社との比較ができる |
エンゲージメントサーベイツールには様々な機能が付いており、普段のコミュニケーションからは見えない従業員の本音が分かりそう、と期待値が高まったのではないでしょうか。しかし、これらの機能を活用して集めたデータを有効に活用できなければ、せっかくの機能を活かしきれません。エンゲージメントサーベイは従業員の意見を集めることが目的ではなく、集めた情報を活用して行動に落とし込むことが重要なのです。
そこで本サイトでは、集めたデータを活用する方法についてまとめた「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。活用方法だけでなく、調査の種類から調査方法、ツールを用いた場合の特徴や外部機関に委託した場合の特徴など、従業員満足度調査に関する情報を網羅的に掲載しています。こちらからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
4. エンゲージメントサーベイツールの選び方
エンゲージメントサーベイツールを選ぶときのポイントは3つあります。
- モバイル端末に対応したツールを選ぶ
- ログイン不要のツールを選ぶ
- ツールのタイプを選ぶ
4-1. モバイル端末に対応したツールを選ぶ
エンゲージメントサーベイへの回答は、従業員にとって少なからず手間がかかります。そのため、エンゲージメントサーベイツールを導入する場合はモバイル端末に対応した製品を選びましょう。スマートフォンやタブレットを使って、手軽にアンケートに回答できます。
4-2. ログイン不要のツールを選ぶ
また、従業員がログインせずにアンケートに回答できるツールを選ぶことも大切です。
例)メールでアンケートのURLを送付し、URLを知っている従業員だけがアンケートに回答できるようにする
エンゲージメントサーベイは質問数が50~100問と比較的多く、回答に20~40分程度の時間がかかります。そのため、従業員がなるべく無理なく負担なく回答できるツールを選びましょう。
4-3. ツールのタイプを選ぶ
エンゲージメントサーベイツールには大きく分けて2つのタイプがあります。
タイプ | 概要やメリットなど |
特化型 |
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一体型 |
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5. エンゲージメントサーベイツールを選ぶ際の注意点
エンゲージメントサーベイツールを選ぶ際に見落としがちなポイントを解説します。
導入後の利便性に関係する重要なポイントなので、しっかりと確認しておきましょう。
注意点 | 概要 |
分析結果の表示方法 |
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調査方法 |
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サービスの連携 |
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アクションプランの提案 |
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人的資本の情報開示 |
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6. 【厳選10社】おすすめのエンゲージメントサーベイツール
ここからは、おすすめのエンゲージメントサーベイツールを紹介します。
特化型と一体型でそれぞれ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
6-1. 特化型のエンゲージメントサーベイツール
サービス名 | 特徴 | 料金 |
Webox (株式会社アトラエ) |
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月額300円/1人 |
ミキワメ (株式会社リーディングマーク) |
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利用人数によって異なる |
バヅクリエンゲージメント (株式会社バヅクリ) |
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要問い合わせ |
モチベーションクラウド (株式会社リンクアンドモチベーション) |
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要問い合わせ |
Geppo (株式会社リクルート) |
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月額20,000円~ (25人まで) |
6-2. 一体型のエンゲージメントサーベイツール
サービス名 | 特徴 | 料金 |
カオナビ (株式会社カオナビ) |
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要問い合わせ |
HRBrain組織診断サーベイ (株式会社HRBrain)
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要問い合わせ |
タレントパレット (株式会社プラスアルファ・コンサルティング) |
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要問い合わせ |
SmartHR (株式会社SmartHR) |
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要問い合わせ |
HRMOSタレントマネジメント (株式会社ビズリーチ) |
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要問い合わせ |
7. エンゲージメントサーベイツールを活用し、職場環境の改善を図ろう!
エンゲージメントサーベイツールは、従業員へのアンケートを通じて、会社や仕事に対するポジティブな感情を調査するツールです。エンゲージメントサーベイツールを定期的に実施することで、組織や職場環境の問題点が分かります。また、従業員のコンディションの変化を追跡し、異常値を検出した場合はすぐに管理者が対応することが可能です。エンゲージメントサーベイツールの機能や特徴を理解し、自社に合ったツールを選びましょう。
従業員の定着率の低さなどが課題の企業の場合、考えられる要因のひとつに従業員満足度の低さがあげられます。従業員満足度を向上させることで、従業員の定着率向上や働くモチベーションを上げることにもつながります。
しかし、従業員満足度をどのように測定すれば良いのか、従業員満足度を知った後どのような活用をすべきなのかわからないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方に向けて当サイトでは、「従業員満足度のハンドブック」を無料でお配りしています。
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