目標設定とは?役立つフレームワークと立て方のコツを解説 |HR NOTE

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目標設定とは?役立つフレームワークと立て方のコツを解説

  • 組織
  • 人事評価

数段先の目標を見据える

目標設定は、目的を達成するための内容を具体化することを指します。企業や個人が掲げた目的を、余計な時間やコストをかけずに最短で達成するために重要な要素です。

しかし「目標設定の方法がよくわからない」「目標を立ててもそれを達成できない社員が多い」と、悩むこともあるでしょう。

そこで本記事では、目標設定に役立つフレームワークと立て方のコツをわかりやすく紹介します。適切な目標設定をおこない、社員のスキルアップや生産性の向上につなげたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. 目標設定とは

昇格へのステップ

目標設定とは、仕事におけるゴールの内容を決めることです。混同されやすい言葉に「目的」がありますが、両者には以下のように明確な違いがあります。

目的:達成したい内容

目標:目的を達成するために具体化した指標

たとえば、企業では以下のような目標設定が挙げられます。

  • 売上〇〇%アップを目指す
  • 経費を〇〇%削減する

目的を達成するために、目標を設定することを覚えておきましょう。

2. 目標設定が重要な理由3選

疑問を浮かべるビジネスマン

ここでは、目標設定が重要である3つの理由について解説します。

  1. 目的を達成する道筋が明確になる
  2. 社員のモチベーションアップにつながる
  3. 生産性の向上につながる

企業や個人が定めた目的を達成するために、目標設定は重要な要素です。

2-1. 目的を達成する道筋が明確になる

目標設定をおこなうことで、目的を達成するまでの道筋が明確になります。無駄なコストや時間を最小限に抑えられるため、最短で目的を達成できる可能性が高まるでしょう。

たとえば、目的を「会社の業績を上げたい」とする場合、目標を設定しなければ、具体的な行動を起こしにくいです。そこで「〇〇部門の売上を〇〇%上げる」と目標設定をすれば、かかる時間やコスト、必要な人材などを把握できます。

最短で目的を達成するために目標設定は重要になるでしょう。

2-2. 社員のモチベーションアップにつながる

組織全体だけでなく、社員一人ひとりに目標設定を促すことで、仕事へのモチベーションが上がります。

目標を定めずにただ漠然と業務をこなしていると、達成感や充実感が得られずモチベーションが低下する可能性もあるでしょう。

たとえば「1カ月で新規の契約を3件取る」「年間で〇〇件のお得意様を作る」など、目標を具体的に立てさせることが重要です。

設定した目標が達成できていることを実感できれば、日々の業務に取り組む姿勢も変わります。

2-3. 生産性の向上につながる

業務の生産性の向上につながるところも、目標設定をおこなう理由の一つです。目標を設定せずにいきなり業務に取り組むと、無駄な作業が増えたり最適な人材配置ができなかったりする可能性が高まります。

具体的な行動が決まっていれば、時間や費用の損失や社員のモチベーション低下を回避可能です。

目標設定をおこなうことで生産性が向上して、無駄な時間やコストをかけずに目的を達成できるでしょう。

3. 目標設定のメリット3選

メリットと書かれた木材

目標を設定すれば企業にとってさまざまなメリットがあります。目標設定のメリットは以下の3つです。

  1. 社員のスキルアップが期待できる
  2. 仕事の進捗を確認できる
  3. 社員の評価がしやすくなる

適切な目標設定ができれば、社員と企業の双方にメリットがあります。以下、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

3-1. 社員のスキルアップが期待できる

目標設定をおこなうことで、社員のスキルアップが期待できます。目標設定によってやるべきことが明確になれば、目的を達成するための業務に集中できるため、スキルが磨かれていくでしょう。

チームや部署でスキルアップしていく社員が増えていけば、組織全体で生産性が向上します。

目標を設定しておけばやるべきことに注力できるので、効率よく社員のスキルアップを促せるでしょう。

3-2. 仕事の進捗を確認できる

社員の仕事の進捗を確認できるところも、目標設定をするメリットです。社員の仕事の進捗を把握しておけば、現在の目標設定が適切かどうか判断できます。

無理な目標を設定していた場合、仕事で成果が出ずにモチベーションの低下につながるでしょう。

その場合、達成できそうな目標を再度設定する必要があります。仕事の進捗を確認すれば、社員が無理なく目標を達成するための手助けが可能です。

3-3. 社員の評価がしやすくなる

目標を設定することで、社員の評価がしやすくなります。社員が設定した目標を把握しておけば、達成度合によって適切な評価が可能です。

評価内容が曖昧で、適切に評価されていないと感じると、社員が企業に不信感を募らせる可能性があります。目標を設定しておけば、人事評価もスムーズに進められるでしょう。

しかし、そもそも現状、体系だった人事評価制度がなく導入を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。

人事評価制度を整えると言っても何から手をつければ良いか分からずお困りの方へ向けて、本サイトでは「人事評価の手引き」を無料で配布しています。自社にとって適切な人事評価制度を検討するために、まずは人事評価制度について網羅的に理解したいという方は、こちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

4. 目標設定に役立つ5つのフレームワーク

ステップアップする人

ここでは目標設定に役立つフレームワークを5つ紹介します。

  1. ベーシック法
  2. SMARTの法則
  3. ベンチマーキング法
  4. ランクアップ法
  5. OKR

フレームワークを活用して、組織や個人にとって最適な目標を設定しましょう。

4-1. ベーシック法

ベーシック法は、目標設定の手法のなかでも最も基礎的なフレームワークです。ベーシック法は以下の4項目で構成されています。

  • 目標項目:なにを達成するのか
  • 達成基準:どこまでやればゴールなのか
  • 期限設定:いつまでに達成するのか
  • 達成計画:どのように作業を進めて目標を達成するのか

目標設定をおこなうときは「売上を上げたい」「経費削減を目指す」などの抽象的な内容になりがちです。ベーシック法で達成したい内容や期限、計画を考えれば、ゴールまでのプロセスが具体的かつ明確になります。

初めて目標設定をする場合に、おすすめのフレームワークです。

4-2. SMARTの法則

目標を達成するためのフレームワークとして、以下の5つの項目の頭文字を取った手法が、SMARTの法則です。

Specific(具体性)

具体的な目標を設定する

Measurable(計量性)

進捗状況を把握するために、目標を数値や指標で設定する

Achievable(達成可能性)

設定した目標が本当に達成可能か見定める

Relevant(関連性)

目標を達成することで得られる利益を考える

Time-related(期限)

いつまでに目標を達成するかを考える

SMARTの法則を活用することで、目的の達成のために今なにをすべきかが明確になります。達成可能かどうか見定める項目もあるため、無理な目標を設定することもなくなるでしょう。

SMARTの法則に当てはめれば、具体的かつ達成可能な目標の設定が可能です。

4-3. ベンチマーキング法

ベンチマーキング法は、自分の目標をすでに達成している人物を指標(ベンチマーク)にして目標設定をおこなうフレームワークです。ベンチマーキング法は、以下の流れでおこないます。

  1. 対象人物の情報収集・分析
  2. 目標の設定
  3. 実行・検証

まずはベンチマークとなる人物の情報を集めて、分析します。その人にあって、自分に足りない点を見つけましょう。
対象人物は、身近な存在であればあるほど参考にしやすいです。

情報収集・分析によって課題を把握できたら、その課題をクリアにできるような目標を設定しましょう。課題を克服することでベンチマークとなる人物に近づけるような目標設定が望ましいです。

設定した目標に向かって動き出した後も、振り返りや検証を忘れないようにしましょう。ベンチマークとなる人物に近づくことができたか、できなかったとしたらどのような点が問題であったか、取り組みについて考察をおこないます。

4-4. ランクアップ法

ランクアップ法は、自身の成長にフォーカスして目標設定をおこなうフレームワークです。ベーシック法と組み合わせることで、より効力を発揮します。

ランクアップ法では、以下6つの項目に分けて目標設定をしましょう。

  1. 改善:問題や課題などのマイナス要素を解消するための目標設定
  2. 代行:優れた能力を持つ人物の業務を「代行」できるようになるための目標設定
  3. 研究:新しいテーマを取り入れることは可能か、取り入れるメリットはあるかなどについて「研究」するための目標設定
  4. 多能化:まだ身につけていない、新しいスキルや知識を習得するための目標設定
  5. ノウハウの普及:自分のスキルをノウハウとしてまとめ、伝えていくための目標設定
  6. プロ化:自分のスキルを専門家レベルまで高めるための目標設定

4-5. OKR

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略称です。目標設定と管理を通して成果を挙げるためにおこなう一連の取り組みのことを指します。Googleやメルカリなど、多くの企業で取り入れられているフレームワークです。

OKRのObjectivesは「達成目標」のことを指し、Key Resultsは「主要な結果」を表しています。これらを以下の階層ごとに設定することで、組織全体で同じ目標設定をおこなう方法です。

  • 部門
  • チーム
  • 個人

個人と企業の目標を統一することで、組織全体での目標達成を目指します。OKRのメリットは組織全体で目標を意識しながら、社員一人ひとりが同じ方向を向いて努力できる点です。

5. 目標設定の具体例を職種別に紹介

目標設定の内容は、職種によって異なります。しかし、どの職種においても「いつまでに何をどれくらいおこなうか」が明確で、達成可否が数値で判断できるようなものが望ましいです。

以下、目標設定の具体例を紹介しますので、参考にしてください。

5-1. 事務職の目標設定例

  • 今期中に◯◯のマニュアルを作成
  • 残業率◯%削減
  • 経費◯円削減
  • 上半期中に外注業務のリスト作成と見直しを実施

5-2. 営業職の目標設定例

  • 今期中の売上金額◯%アップ
  • 月間新規顧客◯件獲得
  • 年末までの更新率◯%
  • アップセル率◯%

5-3. 企画職の目標設定例

  • 年内にSNSのフォロワー数◯名獲得
  • 年間を通してサイトの離脱率を◯%以内に抑える
  • 企画商品の認知度◯%アップ

5-4. 販売職の目標設定例

  • 店舗売上の前年比◯%
  • セット販売率◯%
  • 上半期中に全スタッフへロールプレイングを実施
  • 月間◯名の新規アプリ会員獲得

5-5. 人事職の目標設定例

  • 今年度中に◯名新規採用
  • 離職率を◯%以内に抑える
  • 研修プログラムの見直し

6. 目標設定をするときのコツ3選

笑顔の女性

目標設定を促しても、どうしても仕事での目標が見つからない社員もいるはずです。

そこでここでは、仕事で目標が思いつかないときに役立つ目標設定のコツを3つ紹介します。

  1. 上司やリーダーに相談できる機会を設ける
  2. キャリアプランを立てさせる
  3. 小さな目標から立てさせる

社員が目標をもって業務に励める環境を作るためにも、目を通しておきましょう。

6-1. 上司やリーダーに相談できる機会を設ける

目標が思いつかない社員がいる場合は、上司に相談できる機会を設けましょう。日頃から仕事に励む姿を見ている上司なら、社員の目標設定に役立つ適切な助言ができる可能性が高いです。

また部門やチームの中で目標がある場合は、それを社員に伝えることで目標設定につなげましょう。

組織の目標を共有しておけば、的外れな目標設定を回避できます。社員も自分が組織のためにやるべきことが明確になるため、目標を設定しやすくなるでしょう。

6-2. キャリアプランを立てさせる

目標設定に悩んでいる社員には、キャリアプランを立てさせましょう。キャリアプランを立てることで、自分が今の会社でなにを目指すのか、どのような働き方をしたいのかが明確になります。

たとえば「5年後には課長に昇進したい」「営業担当者として活躍したい」など、将来の理想像を描かせることが大切です。将来を見すえることで、自分に足りない経験やスキルを補うために目標設定を立てられます。

キャリアプランを考えさせる機会を設けて、今後の将来像が描ければ、目標を考えやすくなるでしょう。

6-3. 小さな目標から立てさせる

仕事で目標が思いつかないときは、小さな目標から設定させることが大切です。目標と聞くと「新規顧客との契約を年間で100件取る」などの、大きな目標を想像するかもしれません。

しかし大きな目標を掲げると、達成できるイメージが湧かずに、仕事へのモチベーションが下がる可能性もあります。

そのためまずは「新規顧客との契約を1週間で1件を取る」などの、小さな目標を立てさせましょう。小さな目標でも達成を繰り返していけば、仕事への充実感を得られるようになります。

7. 目標設定における注意点

目標設定をする際には、いくつか注意点があります。適切な目標を立て、社員のモチベーションを上げるためにも、以下のポイントに留意しましょう。

7-1. 企業のビジョンやミッションとの関連性はあるか

ビジョンやミッションは、企業としての方向性や存在意義を表す重要な要素です。せっかく目標設定をしても、企業の目標や価値観と合致していなければ、目標が無駄になり、従業員のモチベーションが下がってしまう可能性もあります。

とくに社員が自ら目標設定をおこなう際には、これらのビジョンやミッションとの関連性がある内容になっているかどうか、必ずチェックしましょう。

7-2. プロセスを確認できるか

目標設定は結果に重きを置くものですが、達成に向けたプロセスも評価できればよりよいでしょう。

目標を達成するためには、適切なプロセスを踏むことが重要です。計画に問題はなかったか、より効果的な方法はなかったか、プロセスに対してもフィードバックをおこないましょう。

プロセスの適切な評価は、社員のモチベーション向上にもつながります。

7-3. 数値化され明確になっているか

目標設定は「いつまでに誰が何をどれくらいおこなうか」といったことが明確にわかるものでなければなりません。また、可能な限り「◯件」「◯%」のような、具体的な数値を盛り込むことができれば、なおよいでしょう。

目標が具体的でないと、達成度の判断が難しくなってしまいます。そのため、目標設定の際には、具体的な計画や役割分担を明確にし、期限を定めることが重要です。

これによって、目標の達成可否が判断しやすくなり、効果的なフィードバックが可能となります。

8. 目標設定を通して従業員を育成しよう!

効果的な目標設定は、社員のモチベーションや生産性の向上につながります。

目標設定をおこなう理由やメリットをおさらいしたうえで、フレームワークやコツなどを理解して、目標設定の精度を高めていきましょう。

【従業員の評価、適切におこなえていますか?】

人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。

しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。

本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

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