変形労働時間制とシフト制の違いをメリット・デメリットから紹介 |HR NOTE

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変形労働時間制とシフト制の違いをメリット・デメリットから紹介

変形労働制とシフト制は似ている部分もありますが、異なる制度です。それぞれの特徴や違いを理解し、会社にとって最適な労働体制を導入しましょう。
本記事では変形時間労働制とシフト制の違いを、メリットとデメリットを考えながら解説します。

関連記事:1ヶ月単位の変形労働時間制を採用事例で具体的に詳しく紹介

変形労働時間制の運用でお悩みの方へ

変形労働時間制は通常の労働形態と異なる部分が多く、労働時間・残業の考え方やシフト管理の方法など、複雑で理解が難しいとお悩みではありませんか?

そのような方に向け、当サイトでは変形労働時間制の基本やシフト管理についてわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。

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1. 変形労働時間制とシフト制の違い

女の人が両手を広げて比較している様子変形時間労働制とシフト制の違いを

  • 労働時間を決める期間
  • 休みの取り方
  • 就業規則や労使協定の取り扱い

の3つの点で解説します。

1-1. 労働時間を決める期間が違う

変形労働時間制では、閑散期と繫忙期に合わせて所定労働時間を決めます。変形労働時間制を採用する期間は企業ごとに異なりますが、週・月・年単位で所定労働時間を決定するのが一般的です。運送業や引越業、不動産業など、繁忙期と閑散期がはっきりと分かれる業種で多く採用されています。

シフト制では、早出・遅出・夜勤のように1日の中で勤務時間帯を分け、人員を配置します。勤務時間帯の分け方は企業や店舗によって異なり、労働基準法を守ったうえで自由に決めることが可能です。
販売業や飲食業、病院など、1日の中で忙しい時間帯と余裕のある時間帯が分かれる業種で採用されています。

1-2. 休みの取り方が違う

変形時間労働制では、休日も基本的には定められており、所定の休日とは別に休みが欲しい場合は、有給休暇を取得するか、欠勤として処理するかになります。

シフト制では、決められた期日までに希望のシフトを申告できます。
100%希望通りの休暇が取得できるわけではありません。しかし、希望休を伝えていれば、それを加味したシフトが作成されます。

1-3. 就業規則や労使協定の取り扱いが違う

変形時間労働制の場合、使用者は決められたルールに則って勤務時間を定め、労働者の代表者と協議して決定したうえで就業規則として明示しなくてはいけません。
所定労働時間を変更する場合は、その都度就業規則も見直す必要があります。

シフト制の場合、労働基準法を守った労働時間であれば、シフト作成をするたびに協議をする必要はありません。

2. 変形労働時間制のメリット・デメリット

メリットとデメリットのリスト変形時間労働制を導入することによるメリットとデメリットを解説します。

関連記事:変形労働時間制を採用するデメリット・メリットをわかりやすく解説

2-1. 変形労働時間制のメリット

変形時間労働制のメリットとして大きいものは、残業を減らせることです。閑散期と繁忙期で労働力を効率的に分散できるため、暇で人が余っている、人手が足りなくて残業が続く、といった事態を回避しやすくなります。
想定していなかった残業でプライベートを犠牲にすることも減り、労働者のストレス緩和にも繋がるはずです。

また、メリハリのある働き方ができる点もメリットです。
労働者は繁忙期には仕事に集中し、閑散期に旅行や遊びを楽しんでリフレッシュできるでしょう。閑散期の間に英気を養えば、厳しい繁忙期も精力的に乗り切れる労働者が増えます。

2-2. 変形労働時間制のデメリット

変形労働時間制のデメリットとしてまず挙げられるのは、人事担当者の負担増です。労働時間が変化することで、退勤管理が複雑化し、間違いなく人事関連業務は増えてしまいます。
アナログな管理に頼っていると、何倍もの業務が発生して人事担当者が残業せざるを得なくなるケースも。

もうひとつのデメリットとして挙げられるのが、繁忙期の辛さです。変形労働時間制では忙しい時期ほど労働時間が長くなるため、労働者は長時間の激務になることが増えます。
個人の負担が大きくなりすぎないように、人員を増やしたり、休日を確実に取らせたりするなど、適切に管理をしないと退職者や休職者が出てしまうかもしれません。

3. シフト制のメリット・デメリット

メリットとデメリットと虫眼鏡シフト制を導入することによるメリットとデメリットを解説します。

3-1. シフト制のメリット

シフト制のメリットとして挙げられるのは、導入がとても容易である点です。変形時間労働制では、労使協定や就業規則を労使間で協議して決め、労働基準監督署に届けなくてはいけません。
シフト制ではそのような決まりはなく、導入がしやすいです。

加えて、変形時間労働制と同様に残業代を抑えやすいメリットもあります。シフト制では労働者が時間で交代するため、業務が残っていても次の人に引き継ぐことが可能です。時間帯で労働者を増減できることも、残業代削減に繋がります。

労働者が自由に休日を申請しやすいのもメリットに繋がります。病院や銀行に行くための休みを平日に取ることや、趣味や勉強のために休日を希望することができれば、労働者のプライベートに余裕ができ、充実するでしょう。
その結果、現場の士気が上がって、効率的な働き方をしてもらいやすくなります。

3-2. シフト制のデメリット

シフト制のデメリットは、時間帯によっては人員の確保に苦しむ点です。特に早朝・深夜帯の勤務が必要な場合は、それを理由に求人への応募がなかったり、その時間帯だけ避けたいという希望が出されたりします。
人員が足りないと、シフト作成の度に多くの時間を取られる点もデメリットです。

さらに、急な欠勤でほかの人に大きな負担がかかりやすい点も忘れてはいけません。シフト制を導入している場合、必要最低限の人員で業務を回していることが多いです。そんな中で急な欠勤が出ると、勤務時間を延長してもらったり、休みの人に出勤してもらったりすることになります。

4. 勤務体制を決めるときのポイント

チェックマークが一つだけ勤務体制には一般的な固定制と、変形時間労働制やシフト制、フレックス制などさまざまなものがあります。決めるときは業種と、現在抱えている問題の2点を考えるとよいです。

4-1. 業種で決める

業種によって現場で求められる労働力の調整は大きく異なります。勤務体制別におすすめの業種をご紹介しますので、迷った場合は参考にしてください。

労働体制

向いている業種のタイプ

業種の一例

変形労働時間制

閑散期と繁忙期が明確に分かれている

運送業・引越業・不動産業・ブライダル業など

シフト制

24時間業務や、時間帯で必要な労働力が違う

病院・介護施設・サービス業・飲食店など

フレックスタイム制

個人の裁量で仕事を管理することが多い

設計業・デザイン業・コンサルティング業・IT関連業など

裁量労働制

変形労働時間制は、週や月で閑散期と繫忙期が分かれている業種で導入すると、残業代の削減効果が大きいです。
時間帯で忙しさが違う業種や、24時間体制で業務を行う業種ではシフト制の方が労働力の調整がしやすく、残業代や社会保険料の削減に繋がります。

フレックスタイム制と裁量労働制は、労働者個人が業務を抱え、管理する業種に適しています。また、個人の能力やプライベートの充実を尊重したい企業にもおすすめです。

ここまで変形労働時間制を決める際の判断ポイントを解説しましたが、実際に導入するまでにはさまざまな手続きが必要です。中には変形労働時間制の導入を検討しているけれど、自社に合う制度なのかどうかわからないといったご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。当サイトでは、変形労働時間制について詳しく解説した資料を無料で配布しています。変形労働時間制の概要から制度導入の方法までがこれ一冊でわかるため、こちらでダウンロードして導入できるかどうかを確認してみてください。

4-2. 抱えている問題で決める

現在抱えている問題がある場合は、それを解決しやすい労働体制を知ることも重要です。前述した業種と合わせてご検討ください。

抱えている問題

向いている労働体制

残業代を削減したい

変形労働時間制・シフト制

従業員のプライベートを尊重したい

フレックスタイム制・裁量労働制

人員の過不足を改善したい

変形労働時間制・シフト制

個人の裁量で自由に働いてほしい

フレックスタイム制・裁量労働制

人事関連業務を少しでも減らしたい

シフト制

多くの企業で悩みになっている残業の多さを改善するには、変形労働時間制かシフト制がおすすめです。しかし、変形労働時間制は煩雑な業務が増えてしまうため、人事担当者の負担を少なく済ませたい場合はシフト制がよいでしょう。

こちらで解説した業種や問題はあくまでも一例です。労働体制を変える場合は、現場をよく知る労働者の意見もしっかりと聞いて、労使ともにメリットのある道を見つけましょう。

5. 変形時間労働制のデメリットは勤怠管理システムの導入で解消できる

個人の情報を勤怠管理システムで管理する変形時間労働制とシフト制には明確な違いがあり、向いている業種も異なります。加えて、人事関連業務の複雑さも違うため、導入する際は十分に検討しましょう。

変形時間労働制の大きなデメリットである勤怠管理の複雑さは、管理システムの導入で大幅に解消できます。システムの規模や導入にかかる費用は幅広くございますので、変形時間労働制を検討される際はぜひ管理システムの導入もお考えください。

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