目標管理ツールを組織に導入することで、共通の目標に向けて効率的に進捗状況を管理できるようになります。企業という大きな単位から各部署やチームという小さな単位まで、組織ごとに適した管理ツールを選んで導入することが大切です。本記事では目標管理ツールとは何かということから、どのような基準で選んだらよいか、導入手順はどうしたらよいかまで詳しく解説します。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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1. 目標管理ツールとは?
目標管理ツールとは組織の共通の目標達成のために、各部署や従業員がどのような取り組みをしているか、達成に向けてどのくらい進捗しているかを可視化するためのツールです。現状をタイムリーに把握できるため、従業員の評価もしやすくなります。
目標管理ツールの代表的なものといえば、MBOとOKRです。各内容を詳しく解説していきます。
1-1. MBO(Management by Objectives)
MBOは目標管理と直訳される目標管理ツールです。1950年代に経営学者のピーター・ドラッカーが著書内で提唱した目標管理制度で、日本でも多くの組織や企業がMBOを取り入れています。
MBOの特徴は個人やグループごとに目標を設定し、進捗度や達成度合いで評価を決めることです。目標設定をするうえでは、明確さや具体性、時間軸を設定しているか、目標達成方法は明記されているか、組織の目標と関連性があるかなどがポイントといえます。
MBOのメリットは人事評価がしやすい点です。目標の基準が明確であるため、成果が見えやすくなります。反面、上司が部下の目標を細かく管理することが求められる性質から、上司のマネジメントスキルに成果が左右される点がデメリットです。
1-2. OKR(Objectives and Key Results)
OKRは目標と主要な成果と直訳される目標管理ツールです。組織全体の定性的な目標(Objective)の達成に紐づく定量的な成果指標(Key Results)を3~4つほど設定します。各従業員の目標は組織の目標を達成するため、合理的な内容のものを設定していきます。
従業員にとって目指すべきゴールを理解しやすい点がメリットで、企業の生産性向上を目的とした目標管理ツールです。
生産性向上のためフィードバックの周期が短く、組織と従業員個人の目標をリンクさせることで達成までのプロセスを可視化できます。フィードバックは一般的に3カ月ほどの周期で行われるため、細かく目標設定を変更しやすく、変動の大きい組織に向いています。
MBOとの大きな違いは、個人に求められる目標達成度が60~70%だという点です。また、組織の目標が達成できているかが重要視されます。
大手企業に採用されている手法のひとつとして、昨今注目されている目標管理ツールです。
2. 目標管理ツールの選び方
目標管理ツールは選び方が重要です。組織に合っていないものを導入しても、効果は発揮されません。目標管理ツールの選び方のポイントをまとめました。
2-1. 組織に目標管理ツールを導入する目的を明確にする
目標管理ツールをなぜ導入するのか、その課題点を洗い出すことが重要です。目標管理ツールを導入することでどのような成果を得たいのか、達成したいことは何なのかを明確にしておきましょう。従業員の意欲を高めるためや人事制度の一新を目指したい、目標管理の効率化に特化したいなど、組織の問題点に対応している目標管理ツールを選ぶことが大切です。
組織全体の目標を達成するために管理ツールの導入は重要ですが、ツールはあくまで課題達成に向けた手段のひとつにすぎません。目標達成までの道筋をより効率的にしてくれるツールを選びましょう。
2-2. 組織に合った目標管理ツールか
目標管理ツールは組織の規模によっても適性が異なります。大企業に適した目標管理ツールは多機能で多くのデータを処理できますが、小さな組織であれば必要とする処理能力が小さくても事足ります。
また、大規模なツールは機能や処理能力が増せば増すほど費用が高くなる傾向にあるでしょう。一方、小規模なツールは対応力もそこそこに、費用もそれなりに発生すると考えておきましょう。新しいツールの導入はコスト面にも影響が大きいため、導入する前に組織が必要とする目標管理ツールの規模を確認しておきましょう。
2-3. 組織のフレームワークに合っているか
組織がフレームワークを導入している場合、目標管理ツールとの相性が重要です。
目標管理ツールのフレームワークとは、MBOのような目標と評価を密接に組み合わせるタイプか、OKRのような組織と従業員個人の目標をリンクさせるタイプかどうかです。
目標管理ツールを導入する前に、組織のフレームワークがMBOタイプかOKRタイプか見極めてから選びましょう。
3. 目標管理ツールの導入手順
目標管理ツールの導入手順は、組織のフレームワークがMBOタイプかOKRタイプかで異なります。ここではMBOとOKRのそれぞれの導入方法を解説します。
3-1. MBOの導入手順
MBOでは、まず目標設定を行います。従業員のスキルアップや公正な評価を意識して行うようにしましょう。
目標設定が終わったら、目標の達成に向けた実践計画に取り組みます。計画・実行・確認・改善の各項目を目標達成から逆算することで、適切な行動計画が設計できます。
また、行動計画に沿って、定期的な進捗状況の確認も欠かせません。組織内で定期的にミーティングを行うほか、従業員と上司が面談をしたり、日報を活用したりと、進捗状況を常に把握しておきましょう。そうして、最終的に目標を達成しているかどうか評価を行います。評価は可能な限り、客観的で公正かつ公平なものでなくてはなりません。
評価を行う前後にはフィードバックを行うなど、従業員のモチベーションの維持にも努めましょう。従業員各自が自己の反省点や改善点に気付き、目を向けられるように工夫することが重要です。
3-2. OKRの導入手順
OKRは組織全体の目標と目標達成に必要な成果の内容を設定することから始めます。目標と成果は組織全体で一つにするのが理想です。複合組織の場合は事業ごとに設定しましょう。組織全体の目標と成果を設定したら、チームや部署、そして個人ごとの設定を行います。
設定した目標と成果は組織内全体で共有します。一体化することで、目指す方向性を全従業員が認識して仕事に取り組めるためです。さらに目標に対しての成果達成までの期間を定め、頻繁に進捗状況を確認します。結果として目標に対してぶれることなく、全従業員がまとまって行動することが可能です。
3-3. 目標管理ツール導入時の注意点
目標管理ツールはただ導入すればよいというものではありません。まずは従業員への説明を徹底し、目標管理ツール導入そのものの目的や使い方などを理解してもらいましょう。導入前にフォローしておくことで、導入後もスムーズに対応できるようになります。
また、目標達成率にこだわりすぎないことも大切です。目標管理ツールを導入することで一人ひとりの目標と達成状況が明確になる半面、達成できなかった従業員は大きなプレッシャーを感じてしまうことでしょう。目標達成率にばかり目がいってしまうと、従業員のモチベーションを下げるなど精神面に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを回避するために、上司から部下への適切なサポートを行いましょう。 同様に目標管理がノルマ管理と同一化してしまわないよう留意する必要があります。各従業員の自主性を育て、目標達成に前向きに取り組めるようにすることが、目標管理ツール導入の目的です。ノルマ管理化して従業員に義務感や強制力を感じさせないよう、注意して運用しましょう。
加えて、ツールを導入することと同時に、そもそも体系だった人事評価制度が構築できているかといった観点も欠かせません。体系だった人事評価制度が土台としてあるからこそ、目標管理ツールが活用できるのです。しかし、現状体系だった人事評価制度がなく導入を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
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4. 自社に適した目標管理ツールを導入し正しく運用しよう
目標管理ツールには組織の効率化や従業員との連携を強める効果があります。目標を明確化することで、従業員も方向性を持って働きやすくなるでしょう。
一方で導入する目標管理ツールを間違えたり、導入方法や運用方法を誤ったりすると、従業員のモチベーションを下げるなどの悪影響も起こり得ます。組織に適した目標管理ツールを見極め、適切な導入・運用を行いましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
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