タイムカードはシンプルで誰でも使いやすいため、多くの企業で用いられています。
しかし、適切なタイミングで打刻しないと、正しい労働時間を算出できません。誤った労働時間を算出してしまうと、給与計算にも影響してしまい、従業員とのトラブルにつながります。
本記事では、タイムカードを押すタイミングやタイムカードに関するさまざまな疑問について解説します。
関連記事:タイムカードとは?仕組みや使い方、メリット・デメリットを徹底解説
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そこで、解決策の一つとして注目されているのが勤怠管理システムです。
勤怠管理システムの導入を検討することで、
・自社にあった打刻方法を選択でき、打刻漏れを減らせる
・締め作業はワンクリックで、自動集計されるので労働時間の計算工数がゼロに
・ワンクリックで給与計算ソフトに連携できる
など、人事担当者様の工数削減につながります。
「システムで効率化できるのはわかったけど、実際にタイムカードでの労働時間管理とどう違うのかを知りたい」という人事担当者様のために、タイムカードの課題を勤怠管理システムでどのように解決できるのかをまとめた資料を無料で配布しておりますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。
目次
1. タイムカードを押すタイミングとは?
ここでは、労働時間の定義について整理したうえで、タイムカードを押す適切なタイミングについて解説します。
1-1. そもそも労働時間とは?
労働時間と勤務時間を同じ意味を持つ言葉であると考えている人は多いでしょう。しかし、両者には明確な違いがあります。
「勤務時間」とは始業時間から終業時間までを指し、「労働時間」とは勤務時間から休憩時間を引いた時間のことを指します。なぜ、労働時間に休憩時間は含まれないのかというと、労働時間は「労働者が使用者の指揮命令下にある時間」を指し、「労働から完全に解放される時間」である休憩時間は、その時間に該当しないからです。
勤務時間は10時~18時の8時間となりますが、
労働時間は勤務時間(8時間)から休憩時間(1時間)を引くため、7時間となります。
1-2. タイムカードを押すタイミングは「出社時」と「退社時」
タイムカードを押す適切なタイミングは「出社時」と「退社時」です。原則として、出社した時間から、退社した時間までを勤務時間(労働時間)とみなすため、「出社時」と「退社時」に打刻する必要があります。
1-3. 休憩時間はタイムカードを押す?
1日の労働時間から休憩時間を差し引いて給与計算すればよいため、休憩時間にタイムカードを押す必要はありません。ただし、使用者として企業は「従業員が適切に休憩時間を取れているのか」を確認することが望ましいとされています。そのため、確実に休憩が取れるような組織作りを心がけるようにしましょう。
2. タイムカードの打刻時間と賃金計算の関連性
タイムカードで打刻された時間は、出社時間と退社時間です。そのため、タイムカードの打刻時間は、必ずしも始業時間(仕事が始まる時間)と終業時間(仕事が終わる時間)ではありません。
しかし、裁判になった場合、会社が明確な証拠を出さない限り、タイムカードで打刻された時間が労働時間とみなされます。たとえば「朝早く来て新聞を読んでいた時間」「雑談のために会社に残っていた時間」も、労働時間に含んだうえで、給与計算がおこなわれる可能性があります。そのため、タイムカードでの勤怠管理をおこなう場合、管理体制をきちんと整備することが大切です。
関連記事:タイムカードの計算方法は?電卓やエクセルによる方法を紹介
3. タイムカードで正しく労働時間を把握するには
ここでは、タイムカードで正しく労働時間を把握するための取り組みについて解説します。
3-1. 15分以上ズレが生じた場合は理由を確認する
実際に業務に取り組むなかで、タイムカードで記録した労働時間と実働時間の間にズレが発生してしまうこともあります。15分以上、実働時間とズレがある場合、従業員にズレが発生している理由を確認するとよいでしょう。
また、始業30分前に出社して掃除する風潮があるなど、就業規則などにより定めていないことでも、強制力が働いていると判断されることがあります。この場合、労働時間とみなされて賃金の支払い義務が発生するため注意が必要です。
関連記事:タイムカードの計算を15分単位で切り上げるのは違法?勤怠管理の注意点を解説!
3-2. 打刻や残業の際のルールを設ける
労働時間を正しく把握するために、打刻や残業をおこなう際のルールを設けておくのも良いでしょう。打刻をおこなうタイミングを全従業員間で統一していない場合、記録された労働時間にばらつきが出てしまい、正しい労働時間を把握できなくなります。
そのため、「出社時に打刻、退勤時に打刻」といったように打刻に関するルールを定めておくことが大切です。また、残業に関しても、「残業事前承認制」や「時間外勤務指示書」を利用するなどして、従業員の残業時間に関して正しく把握することが求められます。
このように、打刻や残業に関するルールを明文化することで、労働時間を正しく把握し、自社の労働環境の改善に役立てることができます。
関連記事:タイムカードの打刻ルールは決めるべき?|事例や浸透させるコツも!
3-3. タイムレコーダーの配置を見直す
タイムカードの打刻時間と実働時間にズレが生じる理由の一つとして、作業場とタイムレコーダーの位置や距離が挙げられます。タイムレコーダーが作業場から遠いと、仕事が終わっても、打刻するまでに時間がかかり、正しい労働時間を計算することができません。
そのため、従業員の作業場とタイムレコーダーの配置を近づけるなど、タイムレコーダーの配置を見直してみましょう。また、タイムレコーダーに行列ができている場合は、数を増やしてみるのも一つ手のです。
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4. タイムカードを押すタイミングに関するさまざまな疑問
ここでは、タイムカードに関するさまざまな疑問について解説します。
4-1. 始業時間の30分前の出勤が義務付けられている場合、打刻はいつ?
企業によっては、始業時間の30分前の出勤を義務付けていることもあるかもしれません。そのような場合であっても、打刻は「出社時」になります。
労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下にある時間」を指します。そのため、「始業30分前の出勤義務」は労働時間に該当し、始業前であったとしても出社したタイミングで打刻をおこないます。また、労働基準法によって定められている賃金全額払いの原則により、始業前でも賃金が発生するため注意が必要です。
関連記事:賃金支払いの5原則とは?違反したときの罰則や例外を詳しく紹介
4-2. 閉店時間に勝手に打刻するのは違法?
閉店時間に勝手に打刻するのは違法です。閉店時間を終業時間であるとみなし、打刻をおこなう事は、飲食業界や小売業界で起こりがちです。確かに閉店時間になると、接客業務はなくなります。しかし、閉店後であっても店の締め作業やレジの点検といった業務が発生しているため、閉店時間に勝手に打刻することは違法です。
4-3. 「着替え」が発生する場合、打刻はいつすれば良い?
業務に伴い「着替え」が発生する場合でも、打刻は職場に到着した時点、すなわち「出社時」におこないます。なぜなら、着替えは業務に取り掛かるための準備であり、使用者の強制力が働き、労働時間に該当するためです。ただし、着替えを任意としている場合、出社時では着替えた後、退社時では着替える前が打刻タイミングとなります。
4-4. タイムカードを本人の代わりに押すのは違法?
タイムカードを本人の代わりに押すのは違法です。他人のタイムカードを押すという行為は、タイムカードの改ざん・不正打刻に該当します。
また、不正打刻や改ざんが非常に悪質であると判断された場合、懲戒解雇につながるケースもあります。そのため、不正防止機能付きのタイムレコーダーや勤怠管理システムの導入などを通して、自社の従業員の打刻を適切に管理することを心掛けましょう。
4-5. 定時ぴったりの打刻は問題ない?
定時ぴったりの打刻は問題ありません。しかし、会社の就業規則などによっては、早退・遅刻とみなされるケースもあるようです。そのため、定時ぴったりの打刻について、どのような規定を定めているか、あらかじめ会社に確認しておくようにしましょう。
5. 労働時間の管理を効率化するなら勤怠管理システムがおすすめ
タイムカードで正しく労働時間を管理するには限界もあります。また、「集計に時間がかかる」「不正打刻が発生しやすい」といったデメリットがあります。
労働時間の管理を効率化したいのであれば、勤怠管理システムの導入がおすすめです。ここでは、勤怠管理システムの特徴やメリットについて詳しく紹介します。
5-1. 勤怠管理システムとは?
勤怠管理システムとは、従業員の始業時間・就業時間や残業時間、有給休暇、シフトなどを適切に管理するためのツールです。勤怠管理システムには、PC・スマホ・ICカード・生体認証など、さまざまな打刻方法があります。また、「自動集計」「スケジュール管理」「通知」「申請・承認フロー」といったあらゆる機能が搭載されています。
関連記事:勤怠管理システムとは?特徴や活用メリット、システムをご紹介
5-2. 勤怠管理システムのメリット
勤怠管理システムを活用すれば、タイムカードによる打刻をなくし、自社のニーズにあった打刻方法を導入して、正確な労働時間を管理することができるようになります。また、集計を自動化することで、給与計算のミスを減らすこともできます。勤怠管理システムと給与計算システムや会計ソフトなどを連携すれば、データ入力などの手間を削減し、業務を効率化することも可能です。
ただし、勤怠管理システムには、さまざまな種類があります。そのため、目的を明確化したうえで、自社に最適な勤怠管理システムを選定することが大切です。
関連記事:勤怠管理システム53サービス比較!特徴・料金・機能・メリットを紹介
6. タイムカードを押すタイミングを理解し、正しい勤怠管理・給与計算を!
本記事では、タイムカードを押す適切なタイミングや、タイムカードで勤怠管理をおこなう際に注意すべき点について解説しました。タイムカードはシンプルで誰でも簡単に扱うことができるため、改ざんや不正打刻につながってしまうケースもあります。
労働時間の管理は従業員にとって、働きやすい労働環境を作るうえで不可欠です。今回の記事を踏まえて、タイムカードを押すタイミングについて理解を深め、正しい勤怠管理・給与計算を心掛けましょう。
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