社会保険料の納付方法とは?納付先や納付期限、遅れた場合の罰則・対処方法を解説! |HR NOTE

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社会保険料の納付方法とは?納付先や納付期限、遅れた場合の罰則・対処方法を解説!

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社会保険を表している

社会保険料は給与から天引きした従業員負担分と会社負担分を合わせて、会社が社員に代わって納付しなければなりません。納付期限までに正しく納付するため、社会保険料の納付方法をきちんと把握しておくことが大切です。

この記事では、社会保険料の納付方法や納付期限、納付が遅れたときの罰則・対処方法について解説します。

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1. 社会保険料とは?

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社会保険とは、広義でみると「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つです。一方、狭義でみると「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つになります。この記事では「健康保険」「年金保険」「介護保険」を社会保険とみなして解説します。

社会保険料とは、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料のことです。社会保険料は労働者と企業の双方で負担します。なお、負担割合は同じです。

1-1. 社会保険料の計算方法

社会保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけて計算されます。標準報酬月額とは、月々に支払われる給与を一定の幅で区分したものです。健康保険の場合は1~50の等級、厚生年金保険の場合は1~32の等級に区分されます。計算された社会保険料を2分の1すると、事業主と従業員が負担する社会保険料を求めることが可能です。

引用:保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)|日本年金機構

関連記事:標準報酬月額とは?決め方や計算方法を解説!等級表も紹介!

1-2. 社会保険料の納付先

社会保険料の納付先は「日本年金機構」です。従業員の健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料については、日本年金機構がまとめて徴収しています。健康保険料は「健康保険組合」、介護保険料は「市区町村」、厚生年金保険料は「日本年金機構」と、納付先はそれぞれ異なると勘違いしやすいので注意が必要です。

健康保険・厚生年金保険の保険料の徴収は、日本年金機構(年金事務所)が行っており、事業主は毎月の給料および賞与から被保険者負担分の保険料を差し引いて、事業主負担分の保険料とあわせて、納付期限までに納めます。

引用:厚生年金保険料等の納付|日本年金機構

関連記事:社会保険料とは?|計算方法や注意点、法改正の内容などを徹底解説

1-2. 社会保険料の納付期限

社会保険料の納付期限は、翌月末日です。ただし、末日が休日となる場合、納付期限は次の営業日になります。

たとえば、6月分の社会保険料の納付告知書は、7月20日前後に送付され、7月31日が納付期限となります。ただし、7月31日が土日や祝日だった場合の納付期限は翌日以降の最初の営業日となります。

保険料の納付期限は、納付対象月の翌月末日※です。納付期限までに保険料を納付していない場合は、後日、年金事務所より指定期限を設けた督促状が送付されることとなりますので、納付期限内の納付をお願いします。(例えば、4月分保険料の納付期限は5月末日です。)
※末日が休日にあたる場合は、翌日以降の最初の営業日です。

引用:納付期限|日本年金機構

関連記事:社会保険料の支払い方法や納付期限、滞納するリスクをわかりやすく解説

2. 社会保険料の納付方法

窓口でお金を支払っている

社会保険料は、企業が社員に代わって日本年金機構に納付します。社会保険料には、さまざまな納付方法があります。ここでは、社会保険料の納付方法について詳しく紹介します。

2-1. 金融機関の窓口で納付する

毎月20日前後に日本年金機構から保険料納入告知書(納付書)が送付されます。各金融機関の窓口に納付書を持って行けば、現金で直接納付することができます。納付書は3枚綴り(領収済通知書、領収控、納付書・領収証書)になっているため、切り離さずに手続きをするよう注意が必要です。

納入告知書(納付書)

引用:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構

金融機関の窓口で社会保険料を納付する場合、事前の手続きなどは必要ありません。しかし、毎月窓口で納付しなければならないので、時間や手間がかかります。業務負担を減らしたいと考えている人は、他の方法を検討しましょう。

2-2. 口座振替で納付する

指定した口座から振替で社会保険料を納付することもできます。この場合、事前に「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」に必要事項を記入し、事業所を管轄する事務センターもしくは年金事務所への提出が必要です。この申出書には、金融機関の確認印が必要となるため、記入済みの申出書を金融機関に持参します。金融機関で口座の照合がおこなわれたのち、年金事務所用の1枚が金融機関から年金事務所に送付されます。

口座振替を利用すれば、毎月窓口に出向かなくても、自動で社会保険料を引き落とすことが可能です。また、口座振替の手数料はかかりません。ただし、利用している金融機関が口座振替に対応しているかを事前に確認しておくことが大切です。

2-3. 電子納付する

「Pay-easy(ペイジー)」を使って社会保険料を電子納付することもできます。電子納付する場合、納付書に記載された「収納機関番号(00500)」「納付番号(16桁)」「確認番号(6桁)」が必要になるので、きちんと管理しておくことが大切です。電子納付の場合、次の4つの納付方法があります。

電子納付の方法

利用手段

メリット・デメリット

インターネットバンキング

インターネット

・端末とネット環境があれば場所を問わず納付ができる
・あらかじめ金融機関との契約が必要

モバイルバンキング

携帯電話

・スマートフォンで振込ができる
・あらかじめ金融機関との契約が必要

テレフォンバンキング

電話の音声案内

・音声に従って手続きができる
・あらかじめ金融機関との契約が必要

ATM

金融機関のATM

・金融機関との契約が不要
・ATMに行く時間や手間がかかる

なお、電子納付の場合、領収書が発行されません。領収書が必要な場合は、金融機関の窓口で発行してもらいましょう。また、日本年金機構のシステムは、基本的に24時間365日運転していますが、メンテナンスやトラブルにより利用できない可能性もあります。そのような場合の対策も検討しておくと、安心して納付手続きをおこなうことが可能です。

2-4. 【注意】法人はクレジットカード払いが不可

国民年金保険料や国民健康保険料はクレジットカード払いできるケースがあります。しかし、法人が社会保険料を納付する場合、クレジットカードは利用できません。

なお、所得税の納付ではクレジットカード払いを選択することができます。今後はキャッシュレス化がさらに推進され、社会保険料にもクレジットカード払いができるようになる可能性もあるので、最新の情報をきちんと収集することが大切です。

関連記事:法人による所得税の納付方法は?納付先・期限についてもおさらい

3. 社会保険料を徴収する際の注意点

ビックリマークが注意喚起をしている

社会保険料を納付する際、従業員負担分と事業主負担分を合算する必要があります。従業員負担分については、原則として、従業員の給与から天引きします。ここでは、社会保険料を徴収する際の注意点について詳しく紹介します。

3-1. 社会保険料は月割りで計算される

社会保険料は、日割りでなく月割りで計算されます。原則として、月末まで在籍している場合、その月の社会保険料が発生します。また、資格喪失日は、退職日の翌日です。

たとえば、6月20日に入社した従業員を考えてみましょう。6月は途中入社になりますが、月割り計算となるので6月分の社会保険料は発生します。

その後、8月30日に退職したとします。資格喪失日は翌日「8月31日」となるため、8月分の社会保険料は発生しません。一方、8月31日に退職した場合、資格喪失日は翌日「9月1日」になるので、8月分の社会保険料は発生することになります。

このように、社会保険料の発生タイミングと、資格喪失タイミングをきちんと理解しておくことが大切です。

前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。

引用:健康保険法第156条一部抜粋|e-Gov

第三十六条 被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に前条に該当するに至ったときは、その日)から、被保険者の資格を喪失する。
二 その事業所に使用されなくなったとき。

引用:健康保険法第36条一部抜粋|e-Gov

関連記事:社会保険料の入社月の取り扱い方とは?控除のタイミングや注意点を徹底解説

3-2. 当月の社会保険料は翌月の給与から控除される

当月分の社会保険料は、原則として、翌月の給与から控除されます。たとえば、15日締めの20日支給で、6月1日に入社した社員がいた場合、社会保険料は6月分から発生し、7月20日の給与から6月分の社会保険料が控除されます。6月20日の給与支給時には控除されないので注意が必要です。

(保険料の源泉控除)
第百六十七条 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。

引用:健康保険法第167条一部抜粋|e-Gov

関連記事:社会保険料の改定タイミング!いつの給与から控除するのかも解説

3-3. 賞与からも社会保険料は控除される

社会保険における賞与の定義は、「労働の対価であり、3カ月を超える期間に対して支払われるもの」とされています。賞与にも社会保険料がかかります。賞与にかかる社会保険料の計算方法は、「標準賞与額 × 保険料率」です。なお、標準報酬月額と標準賞与額は異なるので注意が必要です。賞与から控除した社会保険料の納付期限は、賞与の支給をおこなった月の翌月末です。

この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

引用:健康保険法第3条一部抜粋|e-Gov

関連記事:社会保険料をボーナスから控除するのはなぜ?計算例や育休・産休中の対処法

4. 社会保険料の納付が遅れたときの対処方法

社会保険料の納付が遅れてしまったというケースもあるかもしれません。ここでは、社会保険料の納付が遅れた場合の罰則と対処方法について詳しく紹介します。

4-1. 社会保険料の納付が遅れた場合の罰則

社会保険料の納付が遅れると、督促状が届きます。督促状に書かれている納付期限を過ぎると、最初の納付告知書に記載されている納付期限の翌日から、納付するまでの期間に対して延滞金が発生します。また、督促状を受け取ったにもかかわらず納付をおこなわない場合、財産調査や財産の差押などのリスクもあるので注意が必要です。

このように、社会保険料の納付が遅れると、会社の信用にも影響を及ぼし、大きなリスクへとつながります。そのため、社会保険料の納付に関するスケジュール管理をきちんとおこなうようにしましょう。

4-2. 社会保険料の納付が遅れた場合の対処方法

社会保険料の納付が遅れ督促状が届いたら、速やかに納付をおこないましょう。なお、災害などが発生し、期限通りに社会保険料を納付することが難しい場合もあるかもしれません。やむを得ない事情がある場合、納付が遅れても、延滞金などを支払わなくてもすむ可能性があります。どうしても期限内に納付することができないと判断した場合、速やかに管轄の事務センターもしくは年金事務所に出向いて相談し、納付計画を立てるようにしましょう。

関連記事:社会保険の滞納により発生する問題や対策を詳しく解説

5. 社会保険料の納付に関してよくある質問

クレジットカードと電卓が置かれている

ここからは、社会保険料に関してよくある質問について解説します。社会保険料の納付書が届かない場合の対処方法や、社会保険料納付の証明書のもらい方をあわせて確認しましょう。

5-1. 社会保険料の納付書が届かない場合はどうする?

社会保険料の納付書(納入告知書)は毎月20日を目処に送付されますが、郵便事情によって遅れる可能性もあります。納付書が届かない場合には、まず管轄の年金事務所へ連絡してみましょう。なお、納付書の再発行を依頼することもできます。

5-2. 社会保険料納付の証明書はどこでもらえる?

「社会保険料納入証明書」は、事業所が社会保険料をきちんと納付していることを証明する書類です。「社会保険料納入証明申請書」を作成し、管轄の年金事務所に提出することで、社会保険料納入証明書を受け取ることができます。申請書を郵送する場合、社会保険料納入証明書は受付後3営業日程度で発行されます。なお、「社会保険料納入確認書」が必要な場合は、「社会保険料納入確認(申請)書」を管轄の年金事務所に提出しましょう。

6. 社会保険料は納付期限を必ず守ろう

メガホンを持つ女性が注意喚起している

社会保険料を毎月スムーズに支払えるよう、必ず事前の準備をおこなっておきましょう。会社の信頼に関わりますので、必ず期限内に納付することを心がけてください。口座振替であれば、納付忘れを防げます。万が一納付が遅れそうな場合は、早めに管轄の事務センターもしくは年金事務所に足を運んで相談するようにしましょう。

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