社会保険料の納付方法は?納付期限や納付時の注意点をわかりやすく解説 |HR NOTE

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社会保険料の納付方法は?納付期限や納付時の注意点をわかりやすく解説

社会保険を表している

社会保険料は社員負担分を給与から天引きした額と会社負担分を合わせて、会社が社員に代わって納付する必要があります。納付期限までに正しく納付するため、社会保険料に関する概要や納付方法をしっかり把握しておくことが重要です。

そこで今回は社会保険料の納付方法や納付期限、納付が遅れたときの対応について解説します。この記事を参考にして、正しい社会保険料の納付方法を把握しましょう。

1. 社会保険とは?

書類のうえに聴診器が置かれている

社会保険には2つの解釈があり、広義では「健康保険」「年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つです。一方、狭義では「健康保険」「年金保険」「介護保険」の3つを社会保険とみなします。

この記事では狭義での社会保険に当たる「健康保険」「年金保険」「介護保険」の納付方法や納付期限、納付が遅れたときの対応を説明します。

2. 社会保険料の納付方法

窓口でお金を支払っている

社会保険料は、企業が社員に代わって日本年金機構に納付します。納付の方法は大きく分けて3つです。

2-1. 金融機関の窓口で納付する

毎月20日前後に日本年金機構から納付告知書が送付されます。この納付告知書を持って各金融機関の窓口に行き、現金で直接納付するのが一つ目の方法です。納付告知書は3枚綴りになっているため、切り離さずに手続きをするよう注意が必要です。

事前の手続きなどは必要ありませんが、毎月窓口で納付しなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。

2-2. 口座振替で納付する

指定した口座から振替で社会保険料を納付することもできます。この場合、事前に「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」に必要事項を記入し、事業所を管轄する事務センターもしくは年金事務所への提出が必要です。この申出書には、金融機関の確認印が必要となるため、記入済みの申出書を金融機関に持参します。金融機関で口座の照合がおこなわれたのち、年金事務所用の1枚が金融機関から年金事務所に送付されます。

ただし、金融機関から書類が差し戻された場合は、年金事務所用と金融機関用の書類を持って、管轄の事務センターもしくは年金事務所に持参しなければなりません。

健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書は、以下の日本年金機構によるページからダウンロードできます。

参考:9 3 2 5 保険料口座振替納付(変更)申出書|日本年金機構

2-3. 電子納付を行う

「Pay-easy(ペイジー)」を使って電子納付することも可能です。電子納付をおこなう場合は、事前に金融機関との契約を結ぶ必要があります。事前契約のための手続きの詳細は、各金融機関でご確認ください。また、電子納付は領収書が発行されないため、領収書が必要な場合は金融機関の窓口で発行してもらいましょう。

電子納付の場合は4つの納付方法があります。

① インターネットバンキングを利用する

普段使用しているインターネットバンキングを利用すれば、金融機関の営業時間を気にすることなく、いつでも納付ができます。窓口やATMに行く手間もかかりません。インターネットバンキングはほとんどの金融機関が対応していますが、利用している金融機関が対応しているか確認しておきましょう。

② モバイルバンキングを利用する

携帯電話やスマートフォンを使ったモバイルバンキングで納付することも可能です。パソコンを必要としないため、どこからでもスムーズに納付できます。モバイルバンキングも営業時間を気にする必要がないほか、窓口やATMに行く手間もかかりません。

③ テレフォンバンキングを行う

金融機関の多くは、インターネットバンキングを利用しているユーザーに対して、テレフォンバンキングでの納付にも対応しています。これは、金融機関の専門スタッフが電話で対応してくれるものです。パソコンや携帯電話・スマートフォンの操作が苦手な方でも、簡単に電子納付ができます。

④ 電子納付「Pay-easy」対応のATMで納付する

Pay-easyに対応したATMを利用すれば、ATMからでも社会保険料が納付できます。この場合は、ATMで「税金・各種料金払込」を選択し、納付告知書に記載されている収納機関番号・納付番号・確認番号を入力するだけです。キャッシュカードや現金を使って簡単に納付できます。Pay-easyに対応しているATMには、Pay-easyマークが表示されています。

【注意】法人はクレジットカード払いが不可

国民保険料や国民年金保険料はクレジットカード払いができますが、法人が社会保険料を納付する際にはクレジットカードは利用できません。2022年12月時点で法人が社会保険料を納付する方法は、窓口での納付・口座振替・電子納付のいずれかになるため、自社にとって最適な方法を選びましょう。

4. 社会保険料の納付期限について

カレンダーと青い砂時計が置かれている

社会保険料の納付期限は、翌月末日です。例えば6月分の社会保険料の納付告知書は、7月20日前後に送付され、7月31日が納付期限となります。7月31日が土日や祝日だった場合は、各金融機関の翌営業日が期限です。

5. 社会保険料を徴収する際の注意点

ビックリマークが注意喚起をしているここからは、社会保険料を徴収する際に注意しておくべき点を紹介します。

スムーズに納付手続きがおこなえるよう、以下の3点をおさえておきましょう。

5-1. 社会保険料の納付が遅れたときの対応

社会保険料の納付が遅れると、1週間程度で督促状が送付されます。督促状を受け取ったら、速やかに社会保険料を納付しましょう。

督促状に書かれている納付期限を過ぎると、最初の納付告知書に記載されている納付期限の翌日から、納付するまでの期間に対して延滞金が発生します。また、督促状を受け取ったにもかかわらず納付をおこなわない場合は、財産調査や財産の差押などのリスクがありますので、十分注意してください。財産調査は預金、有価証券、売掛金、不動産など現金化できる財産の有無を調査するものです。

納付が遅れると会社の信用にも関わってきます。どうしても期限内に納付することができないと判断した場合は、速やかに管轄の事務センターもしくは年金事務所に出向いて相談し、納付計画を立てるようにしましょう。

5-2. 社会保険料は月割りで計算される

社会保険料は日割りではなく月割りで計算されます。例えば、6月30日に入社した社員は、6月は1日しか出社していませんが、その場合でも6月分の社会保険料が丸々1カ月はかかるため、注意しておきましょう。

5-3. 入社したら翌月の給与支給から控除される

当月分の社会保険料は翌月の給与支給から控除されます。例えば、15日締めの20日支給で、6月1日に入社した社員がいた場合、社会保険料は6月分から発生し、7月20日の給与支給から控除する仕組みです。6月20日の給与支給時には控除されませんので、注意してください。ただし、会社の規定で「社会保険料を当月の給与から控除する」となっている場合は、6月20日から控除されます。

6. 社会保険料の納付に関してよくある質問

クレジットカードと電卓が置かれている

ここからは、社会保険料に関してよくある質問について解説します。

社会保険料の納付書が届かない場合の対処方法や、社会保険料納付の証明書のもらい方をあわせて確認しましょう。

6-1. 社会保険料の納付書が届かない場合はどうする?

社会保険料の納付書(納入告知書)は毎月20日を目処に送付されますが、全国健康保険協会の公式サイトによると、郵便事情によっては遅れる可能性もあります。

納付書が届かない場合には、管轄の年金事務所へ連絡の上、再発行を依頼するなどの手続きをおこないましょう。

参考:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年機構

6-2. 社会保険料納付の証明書はどこでもらえる?

「社会保険料納入証明書」は、事業所が納入していることを証明する書類です。

申請書のテンプレートと記載例は、以下公式サイトよりダウンロードが可能です。

参考:納入証明書・納入確認書|日本年金機構

申請をおこなうには、事業所から所轄の年金事務所に上記の公式サイトから入手した社会保険料納入証明申請書を提出する必要があります。

7. 社会保険料は納付期限を必ず守ろう

メガホンを持つ女性が注意喚起している

社会保険料を毎月スムーズに支払えるよう、必ず事前の準備をおこなっておきましょう。会社の信頼に関わりますので、必ず期限内に納付することを心がけてください。口座振替であれば、納付忘れを防げます。万が一納付が遅れそうな場合は、早めに管轄の事務センターもしくは年金事務所に足を運んで相談するようにしましょう。

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