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社会保険料とは?|社会保険料の種類と計算方法を徹底解説

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給与明細を見たときに「意外と社会保険料って大きい金額が引かれているなあ」と感じたことはありませんか。

社会保険はその仕組みから計算まで非常複雑なものですが、「実は知らないで損をしていた」なんてこともあるかもしれません。

そこで今回は、社会保険料の概要や社会保険料の種類についてご紹介します。

1.社会保険料はなぜ必要なのか?

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会社勤めをしている方は、社会保険料が毎月の給料から引かれています。そもそもなぜ、社会保険料を納めなければいけないのでしょうか?

社会保険にはいくつか種類がありますが、社会保険料を納めることで、国民が病気や介護、失業といった困った状況に陥った際に給付するお金の財源になります。たとえば、みなさんが病院にかかった際の医療費の負担は、健康保険料が財源となっています。

このように、どういった状況で社会保険が役に立つのか、その種類ごとにまとめてみました。

2.社会保険料の種類にはどのようなものがあるのか?

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社会保険は大きく分けて「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の5種類があります。その中でも、雇用保険・労災保険はまとめて「労働保険」と呼ばれることがあります。

本記事では、社会保険のうち、労働保険以外の3保険を「狭義の社会保険」として扱います。
まずは、それぞれの保険料に関して説明していきます。

2-1:健康保険料

病気で治療を行う際の医療費を一部肩代わりするための財源になる、公的な医療保険料です。

対象者は、雇用期間の定めのない正社員。パートタイマーでも下記の要件にあてはまる労働者が対象になります。

  • 2ヵ月超の雇用見込み
  • 週所定労働時間が正社員の4分の3以上
  • 1ヵ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上

労働時間に関しては、一般的には週30時間以上であれば対象になります。雇用期間については、日雇いの場合は1カ月超、季節的事業に携わる労働者の場合は、4カ月超継続して使用されるのであれば加入対象となります。

なお、501人以上の事業所に関しては、下記のパートタイマー労働者(学生は除く)も対象となります。

  • 1年以上の雇用見込み
  • 1週間の所定労働時間20時間以上
  • 月収88,000円以上

法人役員については、代表者も含め対象です。家族従業者も対象ですが、自営業者の個人事業主自身は対象にはなりません。75歳以上は後期高齢者医療保険に加入しますので、75歳未満が対象です。

2-2:介護保険料

介護施設や自宅で介護サービスを受ける際の費用を、一部肩代わりするための財源となる保険料です。
企業勤めであれば、40歳~64歳の従業員が対象です。その他の対象要件は、健康保険と同様になります。

2-3:厚生年金保険料

老後もしくは障害・死亡の際に給付する、老齢・障害・遺族厚生年金の財源とするための保険料です。
70歳未満が加入対象となり、その他の対象要件は健康保険と同じです。

2-4:雇用保険料

失業者の他、育児・介護休業をとった労働者や、60歳以上で企業勤めしている一部の労働者に給付するための財源になります。

下記に該当する場合(労働基準法上の労働者にあたらない者)は、原則として雇用保険の対象外です。

  • 個人事業主
  • 法人役員(取締役・執行役・監査役など)
  • 家族従業員(個人事業主や法人の代表者と同居している親族)

学生も対象外になります。失業に対する保障をおこなうのにふさわしくないためです。

またそれ以外の労働者では、労働時間週20時間以上・31日以上の雇用見込みを満たす方が、雇用保険の対象者となります。季節的に雇用される場合は、週30時間以上・4カ月超の雇用見込みを満たす者が対象です。

2-5:労災保険料

従業員が業務上、もしくは通勤途中に事故(災害)にあった際に、企業が従業員に補償すべきお金を肩代わりしてもらうために支払う保険料です。労基法上の労働者にあたる方は、労働時間や雇用期間に関わらず、全て補償の対象者となります。

また原則補償対象外である経営者なども、特別加入の形で対象となります。

3.社会保険の手続・計算はどのようになっているのか?

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3-1:狭義の社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)

社会保険(狭義)の計算ですが、保険料額については企業側が計算するのではなく、日本年金機構などの保険者が計算をして納付額を通知してきます。

ただし計算根拠については手続きが必要で、毎年「算定基礎届」と呼ばれるものを保険者に提出します。これは4~6月の給与額(厳密には「報酬月額」と呼ばれる額)を記載し、7月10日までに提出します。

これをもとに、従業員ごとに「等級」(4~6月の3カ月平均の報酬月額をもとに厚生年金では31等級、健康保険・介護保険では50等級)が決まり、等級ごとに「標準報酬月額」が定められています。その年の9月分~翌年8月分の保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけた形で計算します。

保険料率は、厚生年金保険料率は平成28年9月分~平成29年8月分は18.182%、平成29年9月分以降は18.3%で固定されます。平成29年9月までは毎年9月に引き上げられてきました。

健康保険料率・介護保険料率は保険者ごとに、保険者が全国健康保険協会の場合は都道府県ごとにも異なりますが、健康保険料率は概ね10%前後、介護保険料率は概ね1.5%前後です。

上記は、企業と労働者をあわせた保険料率であり、折半して負担します

3-2:労働保険(雇用保険、労災保険)

最初に給与天引きの保険料から触れますが、こちらは比較的単純です。労災保険料は全額企業負担のため給与天引きは無く、雇用保険料は給与額面額に雇用保険料率を乗じて計算します。

企業負担を含めた保険料計算ですが、実務上は設立時の年度に概算保険料を支払った後は、毎年7月10日までに前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を計算し、申告・納付する方式をとっています。

保険料額は、給与額に乗ずる方式が原則ですが、建設業では請負額を元に計算する方式もあります。また労災保険の特別加入の場合は、異なる計算方式で保険料を求めます。

労災保険料率は、平成27~29年度は2.5/1,000~88/1,000の幅で業種ごとに異なります

平成29年度の雇用保険料率は、従業員負担分は建設業・農林水産・清酒製造業が4/1,000、それ以外の事業は3/1,000です。事業主(企業)負担分は、建設業が8/1,000、農林水産・清酒製造業が7/1,000、それ以外の事業は6/1,000です。

まとめ

給与から大きく引かれている社会保険料が、公助を必要とする様々な制度を支えています。そして保険料率は種類によって様々ですが、事故に備えた形の労災保険は低め、高齢化社会を支える厚生年金は高めとなっています。

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