企業がパートタイマーを雇用する際には雇用契約書を作成するケースが多いです。雇用契約書を作成する際はどんな点に注意すればいいのか、何を記載すればいいのかなどについて解説します。
違法行為に抵触しないように注意して、雇用契約書を正しく作成しましょう。
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従業員を雇い入れる際は、雇用(労働)契約を締結し、労働条件通知書を交付する必要がありますが、法規定に沿って正しく進めなくてはなりません。
当サイトでは、雇用契約の手順や労働条件通知書に必要な項目などをまとめた資料「雇用契約手続きマニュアル」を無料で配布しておりますので、「雇用契約のルールをいつでも確認できるようにしたい」「適切に雇用契約の対応を進めたい」という方は、是非こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
目次
1. パートタイム労働者と雇用契約する前に確認しておきたいこと
パートタイマーと雇用契約をする前に確認しておきたいことを解説します。
契約書の内容や労働時間について、休暇についてなどは事前に確認しておきましょう。
1-1. 雇用契約書の内容が事実に反する場合は契約の解除が可能
労働基準法では労働者を守るためのさまざまな決まりがあります。
その中には、企業が提示した労働条件が事実に反する場合は即座に契約を解除できるという法律があります。
業務内容や賃金、労働時間などを企業の都合で勝手にパートタイマーに提示しが条件を変えると契約違反になるので注意してください。
本来勤務するはずだった時間を勝手に短縮することも契約違反です。企業の都合でパートタイマーの勤務時間を短縮する際は、割増した休業手当を支払わなければならないので注意してください。
1-2. 変動の可能性がある条件は記載しておく
勤務時間など、企業の都合によって条件が変動する可能性がある項目は、その旨を記載してください。
勤務時間や賃金、勤務地など、変動する可能性がある項目がないかを雇用契約書作成前によく確認しておく必要ああります。
また、正社員とパートタイマーで待遇が違う、優先順位を決めるなども禁止されています。
1-3. パートタイマーも有給取得の権利がある
休暇は労働者に与えられた権利の一つです。
パートタイマーであっても有給休暇を取得する権利はあります。
労働基準法では、パートタイマーは雇用開始から6か月以上経過していること、その中の出勤日の8割以上出勤していることという2つの条件を満たしていれば有給休暇が付与されます。
パートタイマーの場合付与される日数は変動します。所定の労働日、労働時間から適切な日数を算出してください。
2. 雇用契約書に記載すべき内容とは
企業がパートタイマーと契約する際は雇用契約書を発行します。
雇用契約書には記載しなければならない事項と任意で記載できる事項があります。
記載が必須の事項に漏れがあってはなりません。あらかじめ、どんな内容を記載しなければならないのかを確認しましょう。当サイトでは、記載事項とあわせて、雇用契約の締結方法をわかりやすく解説したマニュアルを無料で配布しています。法律に則った方法で雇用契約を結びたい方は、こちらから資料をダウンロードして、ご活用ください。
2-1. 絶対的明示事項を確認
パートタイマーと契約をする際に発行する雇用契約書には必ず記載しなければならない事項があります。これを絶対的明示事項と呼びます。
絶対的明示事項には、労働契約期間、就業場所、業務内容、始業時刻、終業時刻、時間外労働があるかどうか、休憩時間や休日、休暇に関連する事項、交代制の業務がある場合はその順序や期日、賃金の計算方法、支払い方法、支払う日にち、そして退職や昇給があります。
これらは必ず雇用契約書に記載しなければならず、実際の業務でこの内容に反することはできません。
2-2. 相対的明示事項を確認
企業によっては相対的明示事項を記載しなければならないケースもあります。
相対的明示事項の記載は任意ですので、記載していなかったとしても罰せられることはありません。
ですが、業務内容に疑問を感じた労働者がいつでも労働条件を確認できるように相対的明示事項も記載しておくことで、トラブルを未然に防げます。
退職手当がある場合は退職手当の計算方法や支払い方法について、臨時の賃金や最低賃金について、労働者が食費や作業用品を支払わなければならない場合は何を負担するのかについてを記載します。
他にも、安全面、衛生面の事項、職業訓練の事項、表彰や制裁の事項、休職についても記載します。
2-3. 勤務時間についての記載
契約するパートタイマーの始業時間、就業時間が決まっている場合は勤務時間を雇用契約書に記載します。このとき休憩時間についても記載しましょう。
シフト制などで勤務時間に変動がある場合、パートタイマーの1週間の労働時間や労働日数を合計した上で実際のシフトの時間帯を占めるなどして勤務時間を記載します。
雇用契約書には休日についての記載も必要ですが、シフトなどで休日が決まっていない場合は労働基準法が定める範囲内での休日の設定を記載しましょう。
2-4. フレックスタイム制や裁量労働制の場合
フレックスタイム制や裁量労働制でパートタイマーと契約する場合、雇用契約書にその形態についてかならず記載しなければなりません。
フレックスタイム制には、一定の時間のみ出社を義務付けるコアタイムが存在する企業もあります。コアタイムについても事前に雇用契約書に明記してください。
3. パートタイマーの雇用契約書を発行する際のポイント
パートタイマーの雇用契約書を発行する際のポイントを3つ紹介します。
3-1. 労働条件を明確に記載する
企業が雇用契約を結ぶ際は、労働者に対して労働条件をきちんと明示しなければなりません。これは労働基準法で定められています。
上記で紹介した絶対的明示事項に漏れやミスがないかを確認してください。
厚生労働省が配布しているテンプレートを利用して雇用契約書を作成する方法もあります。
3-2. 契約期間の期限を選択する
パートタイマーの雇用契約書を作成する場合、期限を決めて雇用するか、期限を決めずに雇用するかを選択しなければなりません。
期限を決めてパートタイマーを雇用する場合はその期限を記載し、契約期間満了になったらどう対応するかについての記載も必要です。
期限の最長は3年です。契約を3回以上更新した、または雇用期間が1年以上あるパートタイマーには、契約を更新しない場合30日前までに通知しなければなりません。
期限を設けずに雇用する場合は労働者からの申告や企業側からの正当な理由がない限りは契約を解除できません。
3-3. 正社員との格差に注意する
パートタイマーと正社員の間に不当な格差が生じていないかを確認してください。
正社員の雇用契約書には手当や昇給についての記載があるのにパートタイマーの雇用契約書にはこれらの項目がないことが判明した場合、就業規則違反としてトラブルに発展する可能性もあります。
最低賃金は法律が改定される度に変更されます。最低賃金ギリギリでパートタイマーと契約している場合、最新の法律に則ったああ額かどうかをその都度確認する必要もあります。
正社員とパートタイマーとの待遇の格差に対して、国はさまざまな是正案を導入しています。新しい制度が導入された場合は雇用契約書を見直し、必要であれば修正、追加をおこなってください。
4. パートタイマーの雇用契約書を作成する前に
パートタイマーの雇用契約書に記載しなければならない事項や雇用契約書を発行する際のポイントなどについて解説しました。
雇用契約書は正社員以外の、パートタイマーや契約社員などと契約する場合でも必要です。
記載することが義務付けられている項目もあり、正社員とパートタイマーでは違う点も多々あります。正しく作成しなければトラブルに発展する可能性もあります。
雇用契約書を作成する前にきちんと確認しましょう。
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