雇用契約書が持つ法的効力とは?労働条件通知書との違いを詳しく紹介 |HR NOTE

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雇用契約書が持つ法的効力とは?労働条件通知書との違いを詳しく紹介

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雇用契約書の写真

雇用契約書とは、企業が従業員を雇う際に結ぶ際に取り交わす契約書です。。労働契約の成立を証明できる書類であるため、作成することで労使トラブルを防ぐことにつながるでしょう。

この記事では、雇用契約書が持つ法的効力や労働条件通知書との違いについて詳しく解説していきます。ポイントや注意点を理解し、不備のない雇用契約書を作成しましょう。

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雇用契約は法律に則った方法で対応しなければ、従業員とのトラブルになりかねません。

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1. 雇用契約書が持つ法的効力

雇用契約書の法的効力

企業は法律に則った雇用契約を締結しなければなりません。雇用契約書は内容が法律に則っていれば法的効力がありますが、作成義務があるわけではありません。

労働基準法では、雇用契約の労働条件が法律で定める内容を下回る場合や、労働者にとって不利な内容だった場合、無効となると定めています。

無効になった部分においては、労働基準法の内容が適用されるので、企業が自由に条件を決められるわけではありません。

例えば、雇い入れから半年経過し、全労働日の8割以上出勤した従業員には、年10日の有給休暇を付与することが労働基準法で義務付けられているため、10日未満の付与は違反になります。

雇用契約自体は口頭でも可とされていますが、書面を交わさない契約は後々トラブルが起きる可能性があり、法的効力もありません。また、署名・捺印については、特に義務付けられておらず、ない場合でも契約上問題はありません。

雇用契約を結ぶ際は、書面で同意を得た方が双方ともに安心でしょう。一般的に雇用契約書は、2部作成して企業側と労働者それぞれで保管します。

1-1. 雇用契約書がないのは違法?

雇用契約とは、労働者が労働に従事すること、雇用者が労働に対し報酬を支払うことについて、民法623条で定義された労働供給契約です。しかし、雇用契約書は法律で交付することが特に義務づけられていません。そのため、雇用契約書がないからといって違法とはなりません。

ただし、労使間でトラブルが発生する可能性もあるため、雇用契約を結んだ証拠となる雇用契約書を作成しておくことが望ましいです。

関連記事:雇用契約書がない!生じるトラブルと作成するべき理由

1-2. パート・アルバイトも雇用契約書は必要?

パートやアルバイトも雇用契約の書面での締結は義務付けられていませんが、労使間のトラブルを未然に防ぐためにも、雇用契約書を作成するのが望ましいです。雇用契約書は、正社員やアルバイトなどで内容が異なるため、雇用形態別に作成する必要があります。 

また、数日しか雇用しないような短期バイトの場合も、雇用契約書を交付をするのが望ましいです。

関連記事:パートタイム労働者の雇用契約書を作成する際に押さえておきたいポイント

2. 雇用契約書と労働条件通知書との違い

雇用契約書と労働通知書の違い

雇用契約書と間違われやすい書類に、「労働条件通知書」というものがあります。両者は似た意味を持ちますが、明確な違いがあります。

雇用契約書は、雇用契約を労使間で取り交わす書面ですが、労働条件通知書は、一方的に労働条件を明示するために雇用契約時に交付しなければならない書面です。

労働条件通知書の交付による労働条件の明示は労働基準法で義務付けられているため、作成しなかった場合は違法となり、罰則が科せられる可能性があります。労働条件の明示義務の違反に関しては労働基準法に「30万円以下の罰金」(労働基準法120条)が科されると定められています。

また、労働条件通知書は「通知書」なので契約書ではありません。そのため、署名や捺印欄もなく、会社が一方的に交付するものである点が大きな違いです。

労働条件通知書を交付しただけでは、労働者から労働条件の同意を得た証拠にはならないため、雇用契約書も同時に交付するか、労働条件通知書兼雇用契約書を作成すると良いでしょう。

2019年4月からは労働条件通知書の電子化が認められているので、雇用契約書とあわせて電子化し、書類作成にかかる手間や時間を削減することができるようになりました。

このように雇用契約書を交付するにあたって理解しておくべきことは労働条件通知書との違い以外にも存在します。当サイトでは、雇い入れの手続き方法や雇用契約の基本を解説した資料を無料でお配りしています。

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関連記事:雇用契約書と労働条件通知書の違いについて電子化の可否もあわせて徹底解説
関連記事:労働条件通知書とは?雇用契約書との違いやそれぞれの役目と必要な理由を解説

3. 雇用契約書の書き方と記載事項

雇用契約書に書くべき3つの項目

雇用契約書を作成する際は、記載すべき事項があります。法律で明示が義務付けられているのは労働条件通知書ですが、両者を兼ねた労働条件通知書兼雇用契約書を作成する企業も多いので、記載事項は把握しておきましょう。

関連記事:雇用契約書の書き方とは?明示しておくべき事項を詳しく紹介

3-1. 絶対的明示事項の記載は必須 

労働条件通知書に必ず記載するべき事項を、絶対的明示事項とよびます。2019年までは絶対的明示事項は必ず書面で交付する必要がありましたが、2019年4月の労働基準法改正によって、メールやファックスでの交付が可能となりました。

  • 労働契約期間
  • 就業場所
  • 従事する業務内容
  • 始業時刻・終業時刻
  • 休憩時間
  • 休日・休暇
  • 交替制勤務におけるルール
  • 賃金に関する事項
  • 退職や解雇に関する事項

雇用形態がアルバイトやパートの場合は、昇給・賞与・退職金の有無と、雇用管理の相談窓口に関する記載が必要です。

ただし、メールやファックスで絶対的明示事項を交付する場合は、以下の条件を満たす必要があります。

① 従業員がメールやファックスでの交付を希望している

② 特定の受信者宛ての電気通信であること(第三者が見られる場で公開しないこと)

③交付されたデータを出力して書面を作成できること

④到達を確認すること

以上の条件を満たしていなければ、法改正後でも書面での交付が必須となるので、注意しましょう。

3-2. 相対的明示事項は口頭でも可

相対的明示事項は、口頭で伝えても問題ないとされていますが、以下にあてはまる制度を取り入れている場合は、書面で交付した方が良いでしょう。

  • 昇給に関する事項
  • 退職手当に関する事項
  • 臨時に支払われる賃金に関する事項
  • 最低賃金
  • 労働者が負担する食費や作業用品に関する事項
  • 安全衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償や傷病扶助に関する事項
  • 表彰や制裁に関する事項
  • 休職に関する事項

3-3. 法的効力を持たせるために必要な事項

先ほど述べたように、雇用契約書に法的効力を持たせるためには、労働者に署名捺印をしてもらう必要があります。

多くの場合、インターネットなどからテンプレートをダウンロードして使用するかもしれませんが、企業が独自に作成する場合は必ず署名捺印欄を設けるようにしてください。

また、法的に必要な明示事項以外にも、就業規則で定める重要な社内ルールを記載しておいても良いでしょう。

4. 雇用契約書を作成する際のポイントを解説

雇用契約書について解説

労働条件を記載する際は、必須事項を忘れず、なるべく細かく記載することが大切です。ここでは、雇用契約書を作成する際のポイントを解説します。

4-1. 手当がある場合は詳しく記載すること 

手当にはさまざまな種類があるため、手当名や金額、計算方法まで詳細に記載しましょう。例えば通勤手当の場合は支給の有無だけでなく、実費なのか、上限を設けるのかについても記載する必要があります。

支給額が変動する手当の場合は、「詳細は就業規則による」として、就業規則に支給額についてのルールを定めておくと良いでしょう。

4-2. 固定残業代を導入している場合は時間を記載すること 

固定残業代制度を導入している企業は、何時間分が固定残業代なのか、その時間が金額としていくらに相当するのかを明確に記載しておかなければなりません。

固定残業時間を超える労働をおこなった場合は、別途残業代を支給することも忘れず記載しておきましょう。

4-3. 試用期間について記載すること

試用期間を設けて本採用する場合は、期間や賃金について明記しましょう。しかし、本採用後と賃金や条件が異なる場合は、あらかじめその旨を記載しておく必要があります。

もしくは、試用期間終了後に改めて雇用契約を結んでも構いません。試用期間の長さは、就業規則で定める範囲内で設定しましょう。

5. 雇用契約書を電子化することで手続きが大幅に削減できる

注意点を再確認

労働者と雇用契約書を取り交わす際、署名をすることがほとんどでしょう。雇用契約書が紙の場合、「提出のためだけに出社しなければならない」、「郵送代と書類準備の手間がかかる」、「不備があった際に差し戻しのやり取りが発生する」などといったことがあります。

雇用契約書を電子化することで、メールなどで書類を労働者に送信して、労働者が必要事項を記入することで締結が完了します。労使間の合意があれば、署名捺印は特に義務付けられていません。雇用契約書を準備する手間と時間、郵送代などが削減できるため、電子化を進める企業が増えています。

電子化によって、このような人事周りの業務を削減して、その分優秀な人材の採用に注力するなどといったことも可能になります。

6. 法的効力を持つ雇用契約書を交わしてトラブルを未然に防ごう

トラブルを防ぐ

雇用契約書の法的効力を高めるためには、労働条件に同意した上で、従業員から署名捺印をもらう必要があります。

契約書には必ず記載しなければならない事項と、なるべく書面で明示した方が良い事項があり、トラブルを避けるためにはできる限り詳細に記載するべきでしょう。

労働条件通知書は雇用契約書と異なり、雇用者側が労働者に一方的に通知する署名捺印のない通知書です。しかし、法律で交付が義務付けられているものなので必ず作成しなければなりません。

従業員が労働条件に同意したことが認められる書面は雇用契約書なので、交付義務のある労働条件通知書と兼用した、労働条件通知書兼雇用契約書を交付することをおすすめします。

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