36協定の本社一括について電子申請やメリット・デメリットを解説 |HR NOTE

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36協定の本社一括について電子申請やメリット・デメリットを解説

  • 労務
  • 勤怠管理

36協定の本社一括届出を利用すると、本社を管轄する労働基準監督署に各事業場の分もまとめて申請できます。そもそも36協定は労働基準法に基づく労使協定であり、以前は事業場ごとに毎年所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要がありました。基本的な条件が変更されたため、現在は電子申請でも手続き可能です。本社一括届出の内容、電子申請のやり方、メリットとデメリットを解説します。

関連記事:36協定について、わかりやすく解説!|特別条項や新様式の届出記入方法も紹介! 

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1. 36協定の本社一括届出とは

36協定の一括電子申請とはいくつもの事業場(支店や営業所など)がある企業でも本社を管轄する労働基準監督署にまとめて労使間で結んだ協定内容を申請できるのが36協定の本社一括届出です。2021年3月末から提出できる条件が変更されました。
まずは36協定の基礎知識を再度確認しておきましょう。

1-1. 36協定は時間外・休日労働に関する協定

36協定は労働基準法で定められた時間を超えての労働や、休日労働を可能にするため労働者と使用者(企業側)が結ぶ協定です。労働者の代表と使用者が合意の上で書面により協定を結びますが、労働者の代表は以下のどちらかを満たしている必要があります。

  1. 労働組合(労働者の過半数で組織)
  2. すべての労働者の過半数を代表するもの(労働組合がないケース)

2.のように労働組合がないケースでは以下のとおり、さらに条件が設けられています。使用者側の意向で労働者の代表選出はできません。

  • 正社員や非正規社員のすべての労働者の過半数の代表者である
  • 36協定の代表者選出であることを明確にして投票や挙手などで行う
  • 労働基準法第41条2号の管理監督者以外であること

上記の条件を満たした上で協定を結び、事業場ごと労働基準監督署に届け出る決まりです。

関連記事:36協定における残業時間の上限を罰則と合わせて正しくチェック

1-2. 本社一括届出は電子申請(e-Gov)で手続きできる

事業場ごとの労働者代表が同一ではなくても、電子申請であれば本社一括届出が認められています。2021年3月末に申請の条件が変更されたからです。
これまでは労働組合がない企業の多くは本社一括届出の条件が満たせず、本社でまとめて申請ができませんでした。
毎年3月末から4月初めに受付窓口が混雑するため、労働基準監督署を管轄する厚生労働省も電子申請の利用を勧めています。

関連記事:36協定の提出方法を電子申請と合わせて最新のやり方を詳しく解説

2. 36協定の本社一括届出(電子申請)のやり方

人が書類を書いている様子電子申請はインターネットを利用して24時間どこからでも申請が可能です。テレワーク中でも利用できます。電子申請手続きの流れを解説しますのでお役立てください。

関連記事:36協定の届出について提出方法や注意点を徹底解説

手順1. e-Govにアクセスし、アカウント登録

e-Govは行政機関への申請や届出の手続きができるオンラインサービスです。WindowsとMacのどちらにも対応しています。初めて利用する場合にはアカウントの登録の作業が必要です。画面表示を適切に行うためのブラウザの設定をし、e-Gov電子申請のアプリケーションをインストールしましょう。アプリケーションを起動しマイページにログインします。

手順2. 手続き検索から本社一括を検索

手続き検索でキーワード検索が可能です。本社一括と入力し、時間外労働・休日労働に関する協定届(本社一括届)を選びます。(一般条項のみ)(特別条項付き)などの種類があるので、使用したい項目を選びましょう。選択すると手続概要で詳細が確認できます。

手順3. 一括届出事業場一覧作成ツールを選択し入力

添付資料用のデータを作成するため一括届出事業場一覧作成ツールをダウンロードします。ダウンロードしたExcelファイルに事業の種類、事業の名称、事業場の所在地などの情報を入力すると事業場一覧(CSV形式)が作成できます。パソコンに保存しておきましょう。

手順4. 申請書の入力

申請書の入力の項目で法人名や住所などの申請者の情報や必要な事項を入力しましょう。36協定の様式には、各事業場に共通する内容のみを入力します。入力が済んでも、そのまま提出しないようにしましょう。手順3.で作成しパソコンに保存していた事業場一覧(CSV形式)のファイルを添付します。

手順5. 提出先を設定して申請

必須項目である提出先の設定をします。提出先を選択の項目をクリックして該当する労働基準監督署を選びましょう。その後、内容確認の項目をクリックして申請内容の確認をします。未入力や不具合がある場合は赤文字でエラーメッセージが表示されるので修正が必要です。
問題がなければ再度、内容確認をクリックすると申請内容確認の画面に移ります。提出をクリックして完了です。

手順6. マイページから手続き終了の確認が可能

マイページの申請案件一覧から、申請書提出後の状況が確認可能です。到達番号をクリックして確認しましょう。申請した手続きの処理状況はパソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。
e-Govの設定を変えると進捗状況のメール受信も可能です。

厚生労働省では本社一括届出の記入例を使って手続きの流れを説明する動画も公開しています。また厚生労働省の公式ホームページからも電子申請の流れを解説したパンフレットをダウンロードして確認できるため参考にしてください。

3. 36協定を本社一括届出する際のメリット・デメリット

一括申請のメリットとデメリット36協定届を本社一括届出するメリットは毎年の労務手続きの負担が減る可能性があることです。しかし事務処理の手間が減らせる一方で、電子申請を利用しなければいけない点はデメリットにもなり得ます。

3-1. メリットは労務手続きを削減できる

数十カ所以上の事業場がある企業にとっては、労務手続きの工数や費用が大幅に減らせる可能性があります。事業場ごとに内容に不備がないか、届け出漏れがないかなど確認をする必要がなくなるからです。また申請書の印刷費や郵送にかかる費用、直接出向いて届け出る時間も減らせます。
事業場の数が多い企業ほど業務効率化やコスト削減のメリットが得られるでしょう。

3-2. デメリットは電子申請に限られる点

電子申請はパソコンやインターネットの使い方に慣れていない担当者にとってはデメリットになる可能性があります。電子申請専用サイトのe-Govへのアクセスや、初めて利用する際にはアカウント登録が必要だからです。さらに電子申請画面の操作が分からないと入力作業だけでも時間を要してしまう可能性も否定できません。
また申請が不受理だったときには、予定していた起算日から協定が締結できない状態になるケースもあります。余裕をもって申請手続きを行いましょう。

4. 36協定を本社一括届出する際の注意ポイント

本社で一括申請するポイント36協定の本社一括届出は労使協定を結んだ内容を届け出る際の条件が一部緩和されただけです。36協定書と協定届は別に考える必要があります。

4-1. 協定の締結は事業場ごと行う

誤解してはいけないポイントは36協定の締結自体に変わりはない点です。今までと同じように、すべての事業場ごとに労働者の代表を選出し協定を結ぶ必要があります。本社でまとめて行うことはできません。電子申請で可能になったのは届出手続きのみです。

またこれまで協定届に押印、署名をして協定書としていたケースでも、電子申請の協定届とは別に協定書を作成する必要があります。協定書に関しては、労働者と使用者が双方合意のもとに締結したと分かるように押印、署名をして書面にて作る必要があるからです。
事前に作成していた協定書を見ながら電子申請を行うとスムーズに手続きが行えます。

本社一括での締結でも大まかな流れ自体は通常と同じため、締結までの手順や36協定の内容をしっかりと把握しておきましょう。 手続きを始めるうえで、「働き方改革関連法」による36協定の改定内容や、締結までの具体的な手順がわからないという方に向け、当サイトでは、法改正に対応した36協定の結び方や、具体的な手順から記入例まで解説した資料を無料で配布しております。 必要な手順を明確にし、スムーズに36協定を締結したい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

4-2. 36協定の本社一括届出の条件

本社一括届出をするには他にも決まりがあります。本社と各事業場で以下の事項を除く協定内容が同じであることも条件です。

  • 労働保険番号
  • 事業の種類
  • 事業の名称
  • 事業の所在地(電話番号)
  • 労働者数(満18歳以上の者)
  • 協定成立年月日

事務機能メインの本社と、製造機能をメインとする工場などでは業務の種類や就業規則の協定内容が異なるでしょう。36協定の本社一括届出での基本的な条件には当てはまらないため注意が必要です。

5. 36協定の本社一括届出を利用して業務効率化を目指そう

一括申請で業務効率化を目指そう協定届の労働者代表が事業場ごとに同じではなくても電子申請を利用すると本社で一括して手続きが可能です。つまり労働組合がない企業でも利用できます。事業場数の多い企業にとっても事務負担が減る可能性があるでしょう。ただし36協定自体は事業場ごとに結ぶのを忘れてはいけません。企業の現状を考慮した上で電子申請を活用して業務効率化を進めましょう。

 

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