目標設定シートの書き方は?職種別の記入例やフレームワークを解説 |HR NOTE

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目標設定シートの書き方は?職種別の記入例やフレームワークを解説

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現代のビジネスシーンでは、明確な目標設定が個人やチームの成果を左右します。従業員一人ひとりが効率的に業務に取り組むためには、「目標設定シート」が欠かせません。

しかし、多くのビジネスパーソンが目標設定シートの記入に苦労しています。実際に「従業員に目標設定シートを提出してもらっても実際の成果に結びつかない」などの課題に直面している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、目標管理シートの基本構成や書き方、職種別の記入例を解説します。目標設定シートを記入する際に活用できるフレームワークも紹介するので、ぜひ役立ててください。

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1. 目標設定シートの基本構成

目標達成シートは、目標を体系的に整理し、進捗管理するためのシートです。一般的に、以下の構成で作成します。

  • 目標設定
  • 達成の基準
  • 達成の期限
  • 行動プロセスの明確化
  • 結果と対策

1-1. 目標設定

まず、具体的な目標を設定します。できるだけ数値目標を設定することが重要です。数値化できる目標を設定すれば、可視化しやすく、適正に評価しやすくなります。

また、なぜその目標を達成したいのか、理由や目的も書き出してもらいましょう。

1-2. 達成の基準

目標が達成されたかどうかを客観的に評価する基準を設定します。評価基準を明確にしておくことで、従業員が目標に向けて取り組みやすくなるためです。具体的には、以下のような方法があります。

  • 1.0~10.0のスコア評価
  • A~Eのアルファベット評価

従業員も目標の達成度を把握できるため、モチベーションの強化につながります。

1-3. 達成の期限

目標達成までの期限を設定しましょう。期限を設けなければ、目標を先延ばしにする可能性があるためです。

期限の設定方法は企業によって異なりますが、一般的に以下のような基準で設けられます。

  • 月単位
  • 年単位
  • 上期・下期・四半期
  • 目標ごとに日付を指定

従業員の実力や、目標に合った適切な期限を設定しましょう。

1-4. 行動プロセスの明確化

目標と達成基準・期限を決めたら、どのように行動すれば目標を達成できるのか、行動プロセスを明確にしましょう。

最終目標に至るまでのプロセスとして、メルクマール(中間目標)を設定することも有効です。小さな成功体験を積み重ねることで、従業員の自信やモチベーションアップにつながります。

1-5. 結果と対策

目標達成に向けて取り組んだ結果、どのような成果を得られたのか、最終的な結果も記載してもらいます。目標達成に至らなかった場合でも、その理由を明確にすることが重要です。

成功要因や失敗要因を振り返り、反省点や課題点を整理することで、従業員の成長や業務の改善につながります。

また、上司がフィードバックをおこなえば客観的な評価がわかるので、従業員は今後の目標設定に役立てられるでしょう。

2. 目標設定シートの書き方

目標達成シートを書く際は、達成したい目標と、それに伴う行動を明確にすることが重要です。現時点での課題や問題点を洗い出し、具体的な目標を構成に沿って作成してもらいましょう。

なお、目標とする課題や問題が「個人」なのか「チーム単位」のものなのかで内容は大きく変わります。

目標設定シートに記入する内容は業種によって異なるので、後ほど職種別に紹介します。

3. 目標設定シートの書き方のコツ

画像

目標設定シートを書く際は、以下のポイントを意識してもらいましょう。

  • 目標だけではなくプロセスも明確にする
  • 目標の数を絞り込む
  • チームの目標と擦り合わせる
  • 定量評価できる目標を設定する
  • 努力次第で達成できる目標も設定する

3-1. 目標だけではなくプロセスも明確にする

目標を設定するだけではなく、目標を達成するまでのプロセスも明確にしましょう。プロセスを明確にすると、どのように努力すればよいのか、方向性が定まりやすくなるためです。

また、トラブルが発生した場合、問題点を迅速に把握できます。ただ単に目標を設定するのではなく、具体的で現実的なプロセスを明確にすることが重要です。

3-2. 目標の数を絞り込む

多くの目標を設定すると、それぞれの目標が中途半端になる可能性があるため、目標の数を絞り込むことも大切です。反対に、目標が少なすぎると、達成感がなく従業員の不満が溜まるリスクがあります。

従業員と面談をおこない、一人ひとりに合わせた目標の数を設定することが重要です。目標の設定と達成のサイクルに慣れたら、少しずつ目標の数を増やしてもよいでしょう。

3-3. チームの目標と擦り合わせる

チームの目標と、個人の目標を擦り合わせた目標を設定しましょう。従業員の個人的な目標が、チーム全体の成長には結びつかない可能性があるためです。

また、従業員個人の目標がチームの目標と関係性がなければ、評価をしづらくなります。従業員が目標設定シートを作成する際は、上司が必要に応じてアドバイスすることが大切です。

3-4. 定量評価できる目標を設定する

目標を設定する際は、定量的(数値的)な部分が組み込まれているかチェックしましょう。できるだけ数値化した方が、従業員は目標の達成具合を把握しやすくなり、上司は適正かつ公正な評価をしやすくなります

数値化できない目標もあるので、状況に応じて定性的な部分も取り入れるとよいでしょう。

3-5. 努力次第で達成できる目標も設定する

努力をすれば達成できる「小さな目標」を織り交ぜることも大切です。目標の内容に問題がなくても、難易度が適切でなければ従業員のモチベーションの低下につながるリスクがあります。

目標を達成した成功体験が従業員の成長につながるので、従業員の実力を踏まえ、全体のバランスを見て目標を設定しましょう。

4. 職種別|目標設定シートの記入例

目標設定シートの記入例を、以下の業種を例に紹介します。

  • 営業職
  • 管理職
  • 事務職
  • サービス職
  • エンジニア職
  • 企画・マーケティング職
  • クリエイティブ職

4-1. 営業職

営業職は、月の売上や成約件数など、数値目標を設定することが一般的です。

目標

年間売上を15%増加させる

行動

・毎月5件の新規顧客、5件の既存顧客を目標として契約件数を増やす

・商談を15%増やす

・上司に週1回、進捗状況を報告する

営業職は、業績を数値で評価されやすいため、現実的かつ具体的な目標設定をすることが重要です。

4-2. 管理職

管理職は、チーム全体のパフォーマンスの向上や、戦略的な目標達成に焦点を当てた目標設定が求められます。

目標

チーム全体の売上を10%向上させる

行動

・毎月1回、部下と1on1ミーティングを実施する

・成果を上げている従業員の知見をチーム内で共有する

部下の育成や業務の効率化、成果の向上などを目標設定に含めることが一般的です。

4-3. 事務職

事務職は、数値目標を立てにくい職種です。例として、コピー用紙やインクなど事務用品のコスト削減を目標として設定できます。

目標

6ヵ月以内に書類の電子化を20%向上させる

行動

・書類のスキャンをおこない重要書類を電子化する

・必要なデータを一元管理する

数値目標以外に、業務の効率化や正確性、コミュニケーションの向上などを目標に設定できます

4-4. サービス職

サービス職は、売上や顧客数、顧客満足度など、数値目標の多い職種です。そのため、目標を精査する必要があります

目標

担当売場の売上を前年比の20%アップさせる

行動

・1日15人の見込み客に声をかける

・商品知識を深めるために月1回勉強会に参加する

・接客のロールプレイを週に1回実施する

サービス職は、顧客対応やチームの働きやすさ、顧客満足度を中心とした目標設定が重要です。

4-5. エンジニア職

エンジニア職は、売上ベースなどで目標を設定することが難しい職種です。

目標

クライアントが希望する納期を遵守する

行動

・スケジュール管理を徹底する

・タスク完了までの所要時間を明確にする

・プロジェクトに取り組む前にリスクを洗い出し対策をおこなう

エンジニア職は、技術スキルの向上やプロジェクト達成などを目標設定できます

4-6. 企画・マーケティング職

企画・マーケティング職は、数値目標を設定することが多い職種です。

目標

6ヵ月以内にSNSのフォロワー数を50%増加させる

行動

・週に3回コンテンツを投稿し、フォロワーのエンゲージメントを高める

・ライブ動画を毎月1回配信する

企画・マーケティング職は、フォロワー数だけではなく、エンゲージメント率やコンバージョン率などで目標設定ができます

4-7. クリエイティブ職

クリエイティブ職は、数値目標を立てにくい職種です。納期や修正回数などで目標設定をするとよいでしょう。

目標

3ヵ月以内に5つのクライアントのプロジェクトを納期通りに完了させる

行動

・1つの案件で修正回数を1回にする

・新たなツールを学び、クリエイティブの質を向上させる

クリエイティブ職では、作品のクオリティや納期を守ることなどを目標にできます。

5. 目標設定シートに活用できる3つのフレームワーク

目標設定シートを書く際に活用できるフレームワークを3つ紹介します。

  • SMARTの法則
  • PDCAサイクル
  • SWOT分析

5-1. SMARTの法則

SMARTの法則は、具体的かつ達成可能な目標を設定するために活用できるフレームワークです。

SMARTの法則

意味

ポイント

S:Specific

具体的に

具体的な目標を設定する

M:Measurable

測定可能な

目標の進捗状況や達成度を数値や基準で把握する

A:Achievable

達成可能な

現実的で達成しやすい目標を設定する

R:Relevant

関連性のある

個人とチーム全体の目標を擦り合わせる

T:Time-bound

期限がある

目標達成するまでの期限を明確にする

SMARTの法則を意識すれば、だれが見てもわかりやすく、目標達成に向けた道筋が明確になります

5-2. PDCAサイクル

目標設定をするうえで、PDCAサイクルも欠かせないフレームワークの一つです。

PDCAサイクル

意味

ポイント

P:Plan

計画

目標を設定し達成までの計画を立てる

D:Do

実行

計画を実行に移す

C:Check

確認

結果を評価し、進捗度や達成度を確認する

A:Act

改善

必要に応じて改善策を講じ、次の業務に反映させる

PDCAサイクルを回すことで、目標達成までのスピードや確実性が高まります。計画から改善までの流れが体系的に整理されるので、目標達成まで効果的に進められる仕組みの構築が可能です。

5-3. SWOT分析

SWOT分析は、目標達成に向けた内部や外部の状況を分析するフレームワークです。SWOT分析を取り入れることで、個人やチームの強みや弱みを明確に認識できます。

現状を客観的に把握し、強みを活かしつつ、弱みを克服するための具体的な目標設定ができるでしょう。

SWOT分析

意味

ポイント

S:Strength

強み

目標達成に役立つ個人やチームの強み

W:Weaknness

弱み

目標達成を阻害する可能性のある弱み

O:Opportunities

機会

目標達成に向けた外部からのチャンス

T:Threats

脅威

目標達成に対してのリスク

SWOT分析は、主に経営戦略やマーケティング戦略のフレームワークとして使用されますが、目標設定の際にも活用できます。

目標達成シートを書く際に活用できるフレームワークは、目標達成に向けたプロセスを体系的に整理し、行動する際に役立つでしょう。目標達成が現実的かつ効率的なものになり、成功に近づける確率が高まります。

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