労働基準法による年間休日とは?規定や最低ラインを徹底解説 |HR NOTE

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労働基準法による年間休日とは?規定や最低ラインを徹底解説

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休日

2018年の働き方改革関連法の公布や新型コロナウイルス感染拡大を受けたテレワークの増加など、働き方が多様化している現在では、従業員が働きやすい環境を今まで以上に整えることが求められています。とくに休日を整備して従業員の働きすぎを防ぐ必要があります。

今回は労働基準法における年間休日や規定、休日の最低ラインなどを解説します。

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1. 労働基準法による年間休日の規定

カレンダーと時計

労働基準法における年間休日は105日です。同法第32条では労働時間を次のとおり定めています。[注1]

  • 1日の上限:8時間
  • 1週間の上限:40時間

この規定に沿うと、週に5日間勤務すると上限40時間に達します。年に換算すると1年は52週なので、260日勤務することになり、休日は365日-260日で105日となります。

1-1. 法定休日だけでは105日に達しない

労働基準法第35条では、毎週少なくとも1回、もしくは4週間に4回の休日を設けることを定めています。[注1]

たとえば毎週1日休んだ場合、年間の休日は約52日で105日の半分ほどです。このように年間休日と大きな乖離が生まれてしまうのは、法定休日のみを休日としているためです。

一般的に日曜日が法定休日として扱われますが、日曜日だけ休んでいては、年間105日の休日には届かないため、法定外休日として他で休日を設ける必要があります。

[注1]労働基準法|e-Gov法令検索

2. 労働基準法による年間休日を守るためのポイント

仕事と私生活の両立

105日の年間休日を守るためには、法定休日以外の曜日を法定外休日に設定して週休2日制を徹底しましょう。また、祝日やGW、夏季・冬季休業といったような休みを設けることで年間105日以上の休日がある環境に整えられます。

2-1. 年間105日は休日数が少ない

労働基準法32条に基づけば年間の休日は105日になりますが、この場合、GWや夏季休業、冬季休業は計算されていません。そのため、一般的には休日は少ない傾向にあるといえるでしょう。

厚生労働省による「令和3年就労条件総合調査の概況」では、令和2年1年間の年間休日総数の企業平均は110.5日となっており、105日よりも多い結果でした。労働者1人あたりの平均では116.1日で、さらに多い結果となっています。[注2]

また、企業規模(従業員数)別にみると従業員100人以上の企業では、年間休日を120~129日設けている企業の割合が最多で、1,000人以上の企業では50%の企業が120~129日の年間休日を設けています。

昨今はワーク・ライフ・バランスの充実を求める従業員、求職者も多い傾向にあるため、休日日数を増やすことは企業イメージの向上につながるでしょう。

[注2]令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省

2-2. 独自の休暇制度の導入

年間休日を増やす方法として、独自の休暇制度導入があります。代表的な例としてリフレッシュ休暇が挙げられます。リフレッシュ休暇では勤続3年ごとに5日といったように、勤続年数に応じた休日を付与します。

リフレッシュ休暇以外にもボランティアに参加する際に休日を付与するボランティア休暇や、結婚記念日や子どもの卒業式などの記念日に休暇を取得できるメモリアル休暇など独自の休暇制度を導入して、従業員が働きやすい環境を整えましょう。

3. 労働基準法による年間休日の最低ラインに関する例外

勤怠 法律

105日の年間休日は労働基準法に定められた最低ラインで、違反すると6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。ですが、一定の条件を満たすことで年間休日105日を下回ることが例外的に認められます。

3-1. 労働時間が1日8時間以下と短い

年間休日が最低でも105日必要になる条件は、1日の労働時間が8時間で週40時間勤務している場合です。一方、1日6時間の労働であれば、週に6日勤務しても36時間で週の上限にも達しません。そのため、第35条で定められた毎週少なくとも1回もしくは4週間に4回の休日、年間約52日の休日を設けることが認められます。

3-2. 36協定を従業員と結んでいる

労働基準法の第36条で定められているのが36協定です。36協定とは時間外労働や休日労働についての協定で、企業と従業員とが締結することで月間であれば45時間、年間であれば360時間を超える時間外労働が可能になります。そのため、36協定を結んでいることで、休日が105日を下回っても違法とはなりません。

ただし、36協定を結んでいるからといって時間外労働、休日労働の上限がなくなるわけではありません。36協定には一般的な労働者と変形労働時間制の労働者の時間外労働、休日労働の上限が設けられていて、たとえば一般的な労働者の上限は次のとおりです。

  • 1ヵ月:45時間
  • 1年:360時間

また、厚生労働省では36協定の指針として休日労働の日数、時間を可能な限り少なくすることを掲げていることから、休日労働の削減に努める必要があるでしょう。

3-3. 有給を年間休日に組み込む

年間休日は有給を含みませんが、有給を年間休日に盛り込んで計算することは問題がないとされています。そのため、年間休日を100日に設定して、残り5日を有給の消化にあてることで、年間105日の休日を設けられます。

労働基準法が改正されたことで、2019年4月1日より有給が10日以上の従業員は、1年で5日消化することが義務化されました。そのため、年間休日105日に足りない5日分を有給にあてることになるのです。

ただし、この方法は36協定を結んでいることが条件となるため、締結済みかどうかを確認する必要があります。

4. 年間休日は105日以上を目指す

休日を楽しむ

労働基準法では年間休日を最低105日設けることが定められています。105日以下の休日の場合、6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。ですが、この年間休日は労働時間が短い場合や36協定を結んでいる場合などは下回ることが認められています。

ただ、厚生労働省の調査で労働者1人あたりの平均休日が約116日であったことから、105日の年間休日は少ない傾向にあるといえます。そのため、祝日や夏季・冬季休業、自社独自の休日制度を導入してみましょう。休日に関するルールが整い、十分な日数を用意することで、従業員の自社への満足度や求職者からの応募増加につながることが期待できます。

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