出勤簿とは?手書きでの作り方や保存期間・罰則内容をあわせて解説! |HR NOTE

出勤簿とは?手書きでの作り方や保存期間・罰則内容をあわせて解説! |HR NOTE

出勤簿とは?手書きでの作り方や保存期間・罰則内容をあわせて解説!

  • 労務
  • 勤怠管理

出勤簿とは、従業員の労務管理をおこなうのに必要な帳簿です。出勤日や出勤日数などの項目が記載されており、過剰な残業がおこなわれていないか、割増賃金の未払いがないかなどを確認することができます。労働時間を客観的に把握できる仕組みを用いて運用することを心がけましょう。

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1.出勤簿とは

出勤簿とは、従業員の出退勤の時刻を記録することで、一人ひとりの労働時間を管理するために作成される帳簿を指します。出勤簿は給与計算の元となるほか、過剰な残業がおこなわれていないか、割増賃金の未払いがないかなどの確認に使うことができます。

1-1.法定三帳簿のうちの一つ

出勤簿は、法律により作成・保管が義務付けられている法定三帳簿のうちの一つに該当します。

法定三帳簿とは、「出勤簿」「賃金台帳」「労働者名簿」を指します。

「賃金台帳」とは、従業員の賃金や賞与の支払い状況、源泉徴収税額などを記入するものです。

「労働者名簿」とは、従業員の氏名、生年月日、住所、雇用年月日などの情報を記入するものです。

1-2.出勤簿の対象者とは

出勤簿の対象者は、従業員全員です。以前は管理監督者に該当する者に限り、対象外としてされていました。しかし2019年4月の働き方改革関連法による労働安全衛生法の改正にともない、管理監督者であっても勤怠管理が義務化されました。

そのため、出勤簿は原則役職、雇用形態問わず、従業員全員が対象となります。

1-3.出勤簿のフォーマットは自由

出勤簿のフォーマットに関しては、法律による規定はありません。

そのため記載が必須である項目を満たしている場合は、ある程度自由に記録することが可能です。

1-4.出勤簿とタイムカードの違いとは

タイムカードと出勤簿はどちらも従業員の出退勤の時間を記した記録であることに変わりはありませんが、一般的にタイムカードは打刻機(タイムレコーダー)に差し込んで時刻を印字した紙を指し、出勤簿は従業員が手書きで自身の出退勤の時間を記した帳簿を指します。

出勤簿とタイムカードは二つとも労働基準法第109条にある「労働関係に関する重要な書類」に該当する書類であり、一定期間の保管が義務付けられています。

2.出勤簿の書き方・記載すべき項目とは

出勤簿は従業員の勤怠情報を管理するものであるため、従業員の出退勤の時刻は必ず記載する必要があります。それ以外の項目については、規定のフォーマットが定められていないため、各企業にゆだねられています。

ただし、賃金台帳に記載する事項にあわせ、以下の項目を追加で設けておくとよいでしょう。

  • 出勤日および出勤日数
  • 日別の労働時間数
  • 休憩時間
  • 時間外労働をおこなった日付・時刻・時間数
  • 休日出勤をおこなった日付・時刻・時間数
  • 深夜労働をおこなった日付・時刻・時間数

2-1.手書き用出勤簿の記載例

手書きで出勤簿を記録する際には、厚生労働省が公開している記載例を参考にするとよいでしょう。必要に応じてご活用ください。

またネット上では、出勤簿用のテンプレートもダウンロードして入手することも可能のため、必須項目が含まれていることを確認したうえで活用することも手段の一つでしょう。

3.出勤簿の作り方

ここからは、出勤簿の一般的な出勤簿の作り方について3種類解説します。

出勤簿の運用には、客観的に労働時間を把握できる仕組みが必要になります。法律に沿った管理方法をおこなうことを前提に、自社において最も効率的な作成方法を採用しましょう。

3-1.手書きで管理する

従業員数が少ない企業においては、出勤簿を手書きで管理することも手段の一つでしょう。

手書きの出勤簿であっても必須項目を満たしていれば、違法となりません。

とはいえ、従業員の増加にともない工数が増加することや、人為的記入ミスが生じやすいことから、一時的な管理方法としておこなうことをおすすめします。

3-2.エクセルを活用する

エクセルを使い、出勤簿を作成することも可能です。従業員の勤怠データを反映することで記入・計算ミスを防ぐことができるでしょう。

ただし法改正にともない仕様を変更するなどの必要性も生じるため、随時確認を徹底するようにしましょう。

3-3.勤怠管理システムを導入する

勤怠管理システムを導入すると、従業員の打刻データから自動反映されるため、労働時間を集計する際に改めて出勤簿の情報を打ち込む工数が発生しません。

特にクラウドサービスの場合は、法改正にも自動で対応するため担当者の負担削減が見込めるでしょう。

4.出勤簿の保存期間とは

出勤簿の保存期間は、2020年4月の労働基準法の改正により「5年間」へと延長されました(ただし、当分の猶予期間の間は3年)。

誤って破棄することのないよう注意しましょう。

出勤簿の保存期間や、誤って破棄しないための注意点を確認したい方は下記記事をご確認ください。

4-1.出勤簿を保存できていない場合に科される罰則とは

出勤簿を保存できていない場合には、労働基準法109条の違反に該当するため、120条によって定められた罰則が発生します。

具体的な罰則内容としては、30万円以下の罰金が科される可能性が生じます。

また悪質だと判断された場合など、一部では社名が公表されるなどのケースも存在します。

無自覚にこのような事態に陥ることのないよう、法律に沿った出勤簿の作成・管理を徹底しましょう。

出勤簿を運用するためには、客観的に労働時間を把握できる仕組みが必要になります。
使用者自身が各従業員の始業・終業時刻を把握するという方法でも対応できるのですが、ある程度以上の規模の会社の場合、この方法は現実的ではないでしょう。

従業員自身の自己申告などでは、客観的なデータとはならないので、ICカードやスマートフォン・タブレットなどを用いて打刻を行うシステムを採用して運用するのが望ましいです。

5.適正に出勤簿を運用するうえで注意すべき点

出勤簿を運用するにあたって、従業員の自己申告によって始業・終業時刻を把握することは原則として禁止ですが、場合によってはそのような形で把握せざるを得ないこともあります。

そのようなケースでは、以下に挙げるような点は特に注意しておく必要があります。

  • 対象となる従業員に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告をおこなうことなどについて十分な説明をおこなう
  • 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査をおこない、所要の労働時間の補正をおこなう
  • 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定しない

5-1.「客観的記録」がおこなえているか確認

従業員の自己申告によって労働時間の把握をおこなう場合、どの部分を労働時間として扱い、申告するかは、従業員の認識次第になってしまいます。

そのため、対象となる従業員に対して適正に自己申告をおこなってもらえるように、労働時間の定義や申告の方法などをしっかりと説明しましょう。

5-2.自己申告制の勤怠管理をおこなう場合は、実態調査をおこなう

従業員からの自己申告によって労働時間の把握をおこなう場合でも、使用者側で労働時間に関して、ある程度客観的なデータを有している場合もあります。

例えば、オフィスのある建物への入退館記録や、パソコンのログイン・ログアウト履歴のようなデータです。

こういったデータから把握できる労働時間と、従業員自身が申告している労働時間に大きな乖離がある場合は、必要に応じて実態調査をおこない、場合によっては労働時間の補正をおこなう必要があります。

また従業員自身による自己申告で労働時間を管理する場合、上述したように、従業員自身に適正に自己申告をおこなってもらわなければ、適切に管理することはできません。

そのため、労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するようなことは、認められません。

会社によっては、時間外労働を削減するために社内通達を出しているようなケースもあるでしょう。

そういった措置が従業員による適正な申告を阻害する要因になっていないかを確認し、要因となっていると認められる場合は、改善措置を講じる必要があります。

5-3.出勤簿は印鑑・押印のみでは認められない

出勤簿は出退勤の時刻や労働日数をはじめとする勤怠情報を記載する必要があるため、出勤した日に押印するだけでは労働時間が把握できず、不適切な運用となります。

一方で出勤簿作成にあたり、印鑑や押印を押す規定は存在せず、押さなくても問題ありません。印鑑・押印のみならず、必要事項の記載をするようにしましょう。

6.出勤簿は適切な労務管理を行うのに必ず必要な書類

出勤簿は従業員の労務管理をおこなうのに必要な書類で、出退勤の時刻や出勤日および出勤日数、時間外労働をおこなった日付・時刻・時間数などの項目が記載されます。

出勤簿の運用にあたっては客観的に労働時間を把握できる仕組みが必要なので、従業員の自己申告によって始業・終業時刻を把握することは原則として禁止です。

どうしてもそのような形で把握せざるを得ない場合は、従業員に対して適正な自己申告をおこなうことを説明するなどして、対処するようにしましょう。

出勤簿は自社のスタイルに合った方法で管理し続けていく必要があります。例えば、エクセルなどで作成しても構いません。より正確性を求めるのであれば、出勤簿を出力できる勤怠管理システムなどを活用するのもおすすめです。

インターネット上のテンプレートや、勤怠管理システムをいくつか使用してみるなどして、最適な方法で作成・管理しましょう。

【監修者】涌井好文(社会保険労務士)

涌井社会保険労務士事務所代表。就職氷河期に大学を卒業し、非正規を経験したことで、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。 その後、平成26年に社会保険労務士として開業登録し、現在は従来の社会保険労務士の業務だけでなく、インターネット上でも活発に活動を行っている。

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