時短勤務とは?|短時間勤務制度はいつまで適用?メリットやデメリットについて詳しく解説!

時短勤務とは?|短時間勤務制度はいつまで適用?メリットやデメリットについて詳しく解説!

時短勤務とは?いつまでが適用期間?条件や給与、メリット・デメリットなどを詳しく解説!

近年、働き方改革により日本人の働き方が多様化し、ワークライフバランスへの関心が高まっています。そのため、時短勤務の制度を見直すことで、「仕事と家庭の両立ができる仕組みをつくり、より良い労働環境をつくろう」という企業の動きが増えています。

しかし、時短勤務者の業務内容や給与をどのように対応すべきか、不安に感じている人事担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、時短勤務の適用期間や対象者、導入事例などをご紹介します。

「時短勤務のルールブック」を無料配布中!

「時短勤務制度ってなに?」「導入すると、どんな運用方法になるの?」とお考えではありませんか?

当サイトでは、時短勤務の概要から法的なルール、社内で導入にあたって整備すべきことまで、時短勤務についてまとめた「時短勤務のルールブック」を無料で配布しております。

「時短勤務制度について詳しく知りたい」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

ダウンロード

1. 時短勤務とは

短時間勤務(短時間勤務)とは、1日の労働時間を短縮して勤務することをいいます。

時短勤務制度は、厚生労働省が定めた育児・介護休業法により、労働者が仕事と育児や介護などを両立できるように策定されました。時短勤務制度は1日の所定労働時間を原則として6時間とするものです。

特定の1日の労働時間を7時間とする措置や、隔日勤務にするなどの措置を合わせておこなうこともできます。このように時短勤務制度は柔軟に対応できるため、導入後の運用体制を整えておく必要があります。

当サイトでは、時短勤務の導入方法や適用する際の注意点、給与計算方法などを解説した資料を無料で配布しております。

法律に則って時短勤務制度を運用していきたいご担当者様は、こちらから「時短勤務のルールブック」をダウンロードしてご確認ください。

2. 時短勤務制度が注目されている背景

時計 白黒 動く

近年、時短勤務の期間を拡大する企業が登場するなど、時短勤務への注目が高まっています。ここでは、なぜ時短勤務制度が注目されているのかについて解説します。

2-1. 時短勤務と「少子高齢化」

時短勤務制度が設けられた背景として、少子高齢化問題があります。それまでは社会全体として、仕事と家庭を両立できる環境が整っていませんでした。そのため、結婚や出産を経て、豊かな家庭生活を送りたいと考える人が男女ともに多かったにもかかわらず、就労か家庭かを選ばざるを得ない状況でした。

しかし、昨今では働き方改革により仕事と家庭の両立を勧める動きが活性化しています。その中で、改めて時短勤務制度が注目されています。

2-2. 厚生労働省の育児・介護休業法改正

また、厚生労働省が2021年に育児・介護休業法を大きく改正したことも時短勤務が注目されている背景として挙げられます。今回の法改正により、育児や介護と生活の両立を目指した施策が段階的に実施されます。実施される時期と施策は以下の通りです。

【2022年4月1日から実施】
・雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
③ 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④ 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
 ・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

【2022年10月1日から実施】
産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
育児休業の分割取得が可能に

【2023年4月1日から実施】
育児休業取得状況の公表の義務化

3. 時短勤務はいつまで?適用期間と対象者

カレンダー 赤い画鋲

ここからは、「時短勤務制度はいつまで適用されるのか」「時短勤務制度の対象者」について、くわしく解説します。

時短勤務の適用期間は育児なのか介護なのかによって、適用される期間が異なります。

3-1. 育児による時短勤務の適用期間と対象者

育児・介護休業法では、3歳未満の子どもを育てている従業員がいる場合、時短勤務制度を設けなけれならないとしています。そのため、育児による時短勤務の適用は「子供が3歳になるまで」となります。子供が3歳以上の場合はあくまで企業努力となります。

3-2. 介護による短時間勤務の適用期間

介護が理由で時短勤務を利用する場合は、「利用開始日から連続する3年以上の期間」取得が可能です。また、この期間内に2回まで利用することができます。介護による時短勤務の適用期間は、明確に定められていないため、企業と従業員の話し合いによって決定されます。

関連記事:時短勤務はいつまで取れるのか?就業規則を決める際のポイント

4. 労使協定により時短勤務の適用外にできる人

前述のとおり時短勤務の対象者は決められていますが、労使協定によって以下の労働者は時短勤務の適用外とすることが可能です。

  • 雇用期間が1年未満の労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
  • 時短勤務制度の適用が困難な業務に従事している労働者

つまり、短期間や短時間しか勤務していない労働者は、時短勤務の対象になりにくいといえるでしょう。

5. 時短勤務制度に該当しない人への措置

黒い人5人

時短勤務の制度の対象とならない労働者に対しても、企業は次のような代替措置をとる必要があります。

  • フレックス制度
  • 時差出勤の制度
  • 事業所内保育施設の設置運営

以下でそれぞれ解説します。

5-1. フレックス制度

フレックス制度とは企業が定めたコアタイムと呼ばれる「必ず会社にいなければならない時間」を守れば、労働者が自由に出社と退社の時刻を決めることができる制度です。

多くの企業がこのコアタイムを設けていますが、必ず設ける必要はありません。

【関連記事】フレックス制度の仕組みがわかる|残業と労働時間の給与計算とは

5-2. 時差出勤の制度

時差出勤制度とは、9時から18時の勤務時間帯を10時から19時に変更するように通常と少しずらして勤務することができる制度です。これにより、子どもの登下校などに合わせて出社時間を調整できます。

5-3. 事業所内保育施設の設置運営

会社の中に託児所を設けることで負担を減らすなども代替措置として可能です。また、労働者から時短勤務の希望があり、合意が得られた場合は、時短勤務が可能な業務に配置替えもできます。

ただし、時短勤務が終了したときに元の職場に戻すなどの予定がある場合は、事前に合意を得ておくことで将来のトラブル防止に繋がります。

6. 時短勤務中の給与はどうなる?

育児や介護の必要がある人とって、時短勤務は非常に便利な制度ですが、気になるのは給与がどうなるかという点です。

基本給については、フルタイムの勤務時間をベースに考えられ、実労働時間が少なくなるため、その分基本給の金額も少なくなります。基本的に時短勤務中の給与は次の計算式で求めることができます。

時短勤務注の給与=基本給(月額)×実労働時間÷所定労働時間

なお、実労働時間とは「1日の実労働時間×1カ月間で実際に出勤した日数」、所定労働時間とは「事業主が所定する1日の勤務時間×事業主が所定する1カ月の勤務日数」です。

6-1. 時短勤務中の賞与はどうなる?

時短勤務中の賞与(ボーナス)に関しては、労働基準法による定めはありません。そのため、各事業主が金額を決定します。一般的には、給与と同様に勤務時間に比例して、減額となるケースが多いようです。

さらに、賞与の査定期間のすべてが育児休業や介護休業と重なってしまった場合は、復職後すぐに賞与が支給される可能性は低いでしょう。賞与について気になる場合は、就業規則などで確認してみることをおすすめします。

6-2. 時短勤務中の残業はどうなる?

時短勤務短時間勤務中であっても従業員は36協定の範囲内で残業することが出来ます。
また、時短勤務短時間勤務者は以下の3つの場合、残業の免除を請求することが出来ます。

① 所定外労働の制限(育児により時短勤務短時間勤務制度を利用している場合のみ)
所定労働時間を超えて労働する義務の免除

② 時間外労働の制限
36協定に基づく時間外労働を「月24時間、年150時間以内」に制限するように請求

③ 深夜業の制限
午後10時から午前5時までの労働義務を免除するように請求

関連記事:時短勤務中の残業は違法?計算式や具体例で詳しく解説

6-3. 時短勤務中の休憩時間はどうなる?

時短勤務短時間勤務制度を用いて、所定労働時間が6時間未満の場合は従業員に休憩時間を与える必要はありません。ただし、6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与える必要があります。

関連記事:時短勤務中の休憩時間はどうする?気をつけたいポイントについて

6-4. 時短勤務中の有給はどうなる?

時短勤務短時間勤務制度を用いた上で、週5日出勤している場合は通常正社員と同じ有給日数を付与する必要があります。ただし、週4日以下の出勤かつ30時間未満の労働の場合は、出勤日数に応じて有給を比例付与します。

関連記事:時短勤務者に対する有給取得の考え方や賃金の決定方法

6-5. 時短勤務中の社会保険料はどうなる?

時短勤務短時間勤務制度を利用する前から社会保険に加入していた従業員が時短勤務短時間勤務制度を申請した場合、引き続き社会保険は適用対象となります。ただし、時短勤務短時間勤務制度を利用している社員が社会保険加入の申請を行った場合、「所定労働時間が通常正社員の3/4以上」でなければ加入することができません。

なお、例外として、この基準を満たしていない時短労働者でも以下5つの要件を満たせば社会保険の適用が認められます。

● 週の所定労働時間が20時間以上

● 雇用期間が1年以上
● 賃金の月額が8.8万円以上
● 学生ではないこと
● 特定適用事業所(※)に勤務していること
※被保険者数の合計が1年のうち6カ月以上500人を超えることが見込まれる事業所。

関連記事:時短勤務時の社会保険料は据え置き!減額する手続きや間違いやすいポイントについて

6-6. 時短勤務は延長できる?

時短勤務制度においては、介護のための時短勤務は適用期間が3年以上と定められています。そのため、上限はなく、延長が可能です。

一方、育児のための時短勤務については、育児・介護休業法の定めにおいては3歳未満の子どもがいる労働者が対象です。ただし、これはあくまでも「努力義務」であるため、法的な強制力があるわけではありません。子どもが3歳を超えても時短勤務ができるかどうかは事業者によって異なります。

7. 時短勤務制度のメリット

時短勤務制度は、育児や介護をする人にとっては便利な制度ですが、メリットだけではなくデメリットもあります。ここではまず、時短勤務制度のメリットについて解説します。

プラス 手

ここでは、短時間勤務制度のメリットについて解説します。

7-1. 生活に余裕が生まれる

時短勤務により、生活に時間的な余裕が生まれます。時短勤務によって、ワークライフバランスを実現しやすくなり、従業員の生活満足度を引き上げることに繋がります。

7-2. 優秀な人材の確保

近年、フレックスタイム制度やテレワークの普及などによって、多様な働き方に対する関心は高まりつつあります。時短勤務によって、育児や介護と仕事の両立をかなえることが出来る職場は求職者に魅力的に映ります。そのため、優秀な人材を確保する事に繋がると考えられます。

7-3. 既存正社員の定着率向上

日本では少子高齢化が深刻な問題となっています。そのため、介護に従事する従業員も少なくありません。そんな中、育児や介護に適応できていない職場だと離職という選択肢を取らざるを得ません。しかし、時短勤務制度を導入しており、育児や介護に適応した職場であれば、社員の離職率を抑えることが出来るでしょう。

8. 時短勤務制度のデメリット、課題

木 デメリット 黒い

時短勤務の適応の手続きは基本的に企業が定めることができますそのため、内容は企業によって違いがあります。

また、新しい制度であるため、導入後に企業と労働者との間や労働者間でトラブルが起こるケースがあります。そんなトラブルを未然に防ぐために、ここからは時短勤務のデメリットを紹介します。

8-1. 給料が少なくなる

給料の計算については企業によってさまざまですが、育児・介護休業法には不利益取り扱いを禁止する条例があります。不利益取扱いとは、育児休業を申請した労働者を降格や解雇することを指します。時短勤務制度を利用したことにより、単純に業務時間が短縮した分の給料については減額することは法律違反ではありません。しかし、それ以上に給料を下げることは法律違反になります。

また、企業は時短勤務の制度について就業規則などに記載し、社内に周知する義務があります。新人研修のときなどに時短勤務制度があることや、その内容を周知することでトラブルを防ぐことができます。また、労働者からの要望があった際に改めて説明するなどの工夫をしましょう。

関連記事:時短勤務によって減額される給料について計算方法と併せて解説

8-2. キャリアにおける課題

時短勤務の労働者は時間が限られている分、負担になることを避けるために業務量を配慮する必要があります。しかし、時短勤務を利用する労働者は、時間がないだけでやる気がないわけではありません。

業務量を減らした結果、労働者自身の経験や成長機会を奪ってしまうということがあります。本人や周りとよく相談して、適切な業務量を決めましょう。

8-3. 社内の人間関係における課題

最後は労働者間の人間関係におけるトラブルです。時短勤務を利用することで、どうしても周囲の労働者の負担は増えてしまいます。

また、時短勤務をおこなっている労働者の態度が横柄では周りの労働者は不公平感を抱いてしまい、それが関係性を悪化させてしまいます。時短勤務をおこなう労働者本人だけでなく、その周りの労働者も気持ちよく働ける環境を意識しましょう。

これらのトラブルはどの企業でも起こりうるものです。そのため、ほんの少しの思い違いがトラブルに繋がってしまいます。これらを防ぐには本人はもちろん、周りにも理解が求められます。

お互いがお互いを思いやることができるような環境をつくることが必要です。

9. 時短勤務制度を導入する場合の流れ

ここまで紹介してきたとおり、時短勤務制度はメリットもあればデメリットもあります。従業員が納得してスムーズに利用できるようにするためには、時短勤務制度の導入は適切な流れでおこなうことが大切です。

そこでここからは時短勤務制度を導入する場合の流れを解説します。

9-1. 目的や目標を明確にする

導入時には、まず時短勤務制度を導入する目的や目標を定めることが大切です。時短勤務を単純に義務だからといって導入すると、従業員が働きやすい制度にならない可能性があります。

  • 育児や介護による離職を避け、従業員の定着を促進したい
  • 職場復帰をスムーズにしたい
  • 従業員のワークライフバランスを整えて生産性を向上させたい

上記のように、企業が抱える問題を明確にしてから次のステップへと移りましょう。

9-2.手続き方法を決定する 

時短勤務制度を利用する際にどのような手続きをとるかを就業規則に定めます。手続きが複雑になると、従業員が制度の利用を躊躇してしまう可能性があります。

時短勤務の利用手続きは事業主が決定できるため、できるだけ従業員の負担にならない手続きがとれるように心がけましょう。

申請書の見本を作成しておけば、従業員の手続きがスムーズになる可能性があります。実際に従業員の意見を聞きながらフォーマットを作成する方法も良いでしょう。

9-3.業務内容や評価方法を決定する 

原則として、時短勤務をする場合であっても、仕事の質はフルタイムの従業員と同等であるべきです。ただし、仕事の量は時間に見合ったものにする必要があります。業務内容は、将来的にフルタイムへ復帰することを想定したものにしましょう。

ただし、上司が一方的に決めるのではなく、対象となる従業員と面談の時間を設けるなどして、従業員の意向を汲み取ることを忘れてはいけません。

さらに、時短勤務をする従業員の評価方法が明確に定まっていない場合、時短勤務を利用したい従業員が不安を覚える可能性があります。評価の方法としては、成果に対しての達成度や、能力や行動を見るなどの方法が挙げられるでしょう。

9-4. 就業規則に規定し従業員に周知する

時短勤務制度の内容がまとまったら、それらの内容を就業規則に規定し、従業員に周知しましょう。就業規則にきちんと定めておくことで、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。

時短勤務の適用範囲、労働時間や休憩時間、給与や賞与、社会保険についてなど、時短勤務に関係する内容はすべて就業規則に規定しましょう。

周知の方法としては、全社員会議や朝礼などの場で経営者や管理職から時短勤務制度について話す方法や、パンフレットや社内報を利用して周知する方法があります。

9-5.時短勤務を実施する

就業規則への規定と従業員への周知ができたら、実際に時短勤務を実施します。時短勤務を利用する従業員は、周りの従業員に過剰に気を遣ってしまったり、評価に対する不安を覚えたりしやすいものです。

定期的に面談を実施するなど、時短勤務を利用する従業員が上司や先輩に相談をしやすい環境を整えましょう。

9-6. 効果測定と問題点の改善を図る

時短勤務制度を導入したら、問題点や改善点がないかを確認しましょう。ありがちな例として次のようなケースが挙げられます。

  • 労働時間は短縮しているのに仕事量が以前と変わらない
  • 補助的な仕事しか任されず、今後のキャリアが不安になる
  • 時短勤務をしているというだけで適切な評価が受けられていない

このような問題点や改善点があった場合は、人事部門が主体となり、管理職に対して必要な支援を行います。また、管理職だけではなく従業員も時短勤務を利用する従業員に対しての理解を深める必要があるでしょう。

10. 時短勤務制度における注意点

時短勤務制度を導入する場合、従業員に不利益が生じるような内容は避ける必要があります。ここからは、時短勤務制度における注意点について解説します。

10-1.対象者への不利益取り扱いに注意する

事業主は時短勤務制度の利用を申請した従業員に対して、不利益な扱いをしてはいけません。具体的には、短時間勤務制度の利用を申請したことで、解雇や雇止め、減給、昇進などをおこなうことです。

事業主には時短勤務制度の対象となる従業員が不安を感じないよう、あらかじめ不利益取り扱いを禁止する事項を就業規則に明記し、周知することが求められます。

10-2. 手続きが負担にならないように注意する

時短勤務制度の手続きの内容は、基本的に事業主側で決めることができます。しかし、手続きが煩雑なものであると、従業員が時短勤務制度を利用することを躊躇してしまう可能性があるでしょう。そのため、事業主は従業員が負担に感じることが少ないような手続きの方法を考える必要があります。

また、育児休業や残業免除といった手続きなど、ほかの手続きとセットで手続きができる仕組みを作ったり、ほかの手続きがあることを事業者側から案内する方法も良いでしょう。

10-3. 就業規則などに明記し内容を周知徹底する

短時間制度を導入していても、そのことを知らない従業員がいる場合トラブルを招く可能性があります。たとえば、フルタイムの社員が時短勤務の社員よりも業務の負担を感じて不満に思うなどの例が挙げられるでしょう。

時短勤務制度を利用できるすべての従業員が、必要なときに制度を利用できるよう、就業規則に明記することや、説明会を実施するなど周知の場を設けることが大切です。

11. 時短勤務制度を支援する助成金

短時間勤務や育児休業といった整備をおこなう事業主が申請できる助成金に、「両立支援助成金」があります。この制度を受けるためには雇用保険適用事業所の事業主であることや、支給に向けた審査に協力するなどの規定がありますが、助成金を受けることができれば社内の働き方改革に大きく役立てることができるでしょう。

なお、両立支援助成金には、次のような取り組みの目的や対象に沿ったコースが設けられています。

  • 出生時両立支援コース:男性の育児休暇取得促進を目的とする
  • 介護離職防止支援コース:育児と介護の両立支援を目的とする
  • 育児休業等支援コース:仕事と育児の両立を支援する事業所を対象とする

それぞれの内容を理解し、活用できるものは積極的に活用しましょう。

12. 時短勤務制度を導入している企業の事例

ファイル 付箋 

多くの企業で実際に時短勤務は導入されており、その制度の内容は企業によってさまざまです。ここでは、時短勤務を導入している企業とその制度の内容を紹介します。

12-1. トヨタ

トヨタ自動車では、子供が小学校4年生になるまでの間、勤務時間を4時間、6時間、6時間半、7時間の中から選び、時短勤務をすることができます。

介護の場合も、この時間から選ぶことになりますが、要介護状態の家族1人につき3年を越さない範囲で取得できるという規定が設けられています。

12-2. ソニー

ソニーでは仕事と家庭の両立を支援するため、さまざまな取り組みが実施されています。

テレワークのような在宅での勤務を可能とする制度や、より柔軟な勤務を可能とするための育児期フレックスタイム勤務などもおこなっています。また、男女共に取得可能な柔軟な両立支援制度の導入と職場の環境整備にも取り組んでいます。

他にもベビーシッター利用時の費用補助制度、会社にいながら配偶者の赴任同行や修学のために休職する制度なども整備されています。

12-3. サントリー

サントリーでは、育児休職のほか、妊娠期〜育児期まで利用できる短時間・時差勤務制度を導入しています。また、子供の年齢制限を設けないフレックス勤務やテレワーク勤務制度があります。

さらに育児理由の特別有給休暇として、キッズサポート休暇などを設けています。1日1,700円のベビーシッターの利用補助の支給などもおこなっています。

13. まとめ

ペン 黒い線 白

現在、多くの企業が労働者に対して、柔軟な勤務を認めています。今回ご紹介した時短勤務をはじめ、時間差勤務やテレワーク、フレックス制度など、その取り組みはさまざまです。また、柔軟に勤務時間を選択できる制度を整えたりするなど、より働きやすい環境づくりのためにそれぞれの企業が工夫をおこなっています。

現代では人材を獲得するのに苦戦している企業が多く、こういった制度を整えることで、人材確保に繋げたいという狙いもあるようです。時短勤務をはじめとするさまざまな制度を導入しながら、働きやすく働き続けやすい環境づくりを目指しましょう。

「時短勤務のルールブック」を無料配布中!

「短時間勤務制度ってなに?」「導入すると、どんな運用方法になるの?」とお考えではありませんか?

当サイトでは、時短勤務の概要から法的なルール、社内で導入にあたって整備すべきことまで、時短勤務についてまとめた「時短勤務のルールブック」を無料で配布しております。

「短時間勤務制度について詳しく知りたい」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

ダウンロード

公式アカウントをフォローして毎日記事をチェック!

関連記事

ストレスケア専門家が語る、職場のメンタルケアで身につけたい「なんとかなる」と思える感覚の持ち方

ストレスケア専門家が語る、職場のメンタルケアで身につけたい「なんとかなる」と思える感覚の持ち方

2023.12.04
HR NOTE編集部
「残業に応じてくれない社員がいる」社員の働き方に関する悩みを解説!『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

「残業に応じてくれない社員がいる」社員の働き方に関する悩みを解説!『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

2023.11.07
HR NOTE編集部
ー昇進に応じてもらえなかったー キャリアに関する社員の悩みを解説!『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

ー昇進に応じてもらえなかったー キャリアに関する社員の悩みを解説!『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

2023.11.01
HR NOTE編集部
就業管理システムとは?種類や導入するメリット・デメリットを解説

就業管理システムとは?種類や導入するメリット・デメリットを解説

2023.09.10
HR NOTE編集部
Web給与明細システムとは?タイプと選び方&導入メリットを解説

Web給与明細システムとは?タイプと選び方&導入メリットを解説

2023.09.09
HR NOTE編集部
従業員の「ファイナンシャル・ウェルビーイング」を預かることも人事の仕事

従業員の「ファイナンシャル・ウェルビーイング」を預かることも人事の仕事

2023.09.08
松野天音
健康管理システムとは?機能と導入メリットを解説

健康管理システムとは?機能と導入メリットを解説

2023.09.08
HR NOTE編集部
企業の不祥事からみる、組織が団結することの重要性と危うさ|Smart相談室 藤田 康男

企業の不祥事からみる、組織が団結することの重要性と危うさ|Smart相談室 藤田 康男

2023.09.05
HR NOTE編集部
パートタイム・有期雇用労働法をわかりやすく解説!改正内容やメリットを紹介

パートタイム・有期雇用労働法をわかりやすく解説!改正内容やメリットを紹介

2023.08.29
HR NOTE編集部