「フラットよりも情報のオープン化」4社の経営陣が語る”新しい組織”づくり | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

「フラットよりも情報のオープン化」4社の経営陣が語る”新しい組織”づくり | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

「フラットよりも情報のオープン化」4社の経営陣が語る”新しい組織”づくり

  • 組織
  • 企業文化・組織風土

※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

近年、ティール、ホラクラシーなど、「新しい組織」の形が注目されています。

実際に取り組んでいる会社は、どんな背景から導入したのか、何をしているのか、どんな課題に直面し、どのような効果を生み出しているのか。

今回は、そんな「新しい組織づくり」について研究している社団法人『自然(じねん)経営研究会』主催のイベントの内容をご紹介。

①実践企業(25社)への実態調査の結果報告
②実践企業4社の経営陣とのパネルディスカッション

などなど、「新しい組織づくり」のリアルについて、学びとなる内容が満載です。

実践企業25社への調査から見えてきた傾向

山田 裕嗣 | 一般社団法人 自然経営研究会 発起人/代表理事

人材育成・組織開発のコンサルティング、大手IT企業の人事を経て、B2BのITベンチャーの創業に参画。2017年12月にEnFlow株式会社を設立し、組織戦略の立案・実行や、新規事業の立ち上げ等を支援。2018年7月に一般社団法人自然経営研究会の立ち上げに参画し、代表理事に就任。

山田さん本日は、「新しい組織の形」に取り組んでいる25社の調査結果とその考察についてご紹介します。

まず、25社の内訳はこのようになっています。

従業員規模 社数 従業員数平均:96人
100人以上 6社 中央値:43人
30~99人 10社 上場企業:4社
10~29人 6社 25社の内訳
1~9人 3社

 

この25社に対してアンケートを取って回答していただきました。それでは、調査結果や実態について、大きく以下の4つに分けてご紹介していきます。

【新しい組織づくりを実践している25社の実態】

  • 1、全社に対してどこまで情報公開しているのか?
  • 2、権力・権限はどうなっているのか?
  • 3、組織の階層はどうなっているのか?
  • 4、いつから現在の組織づくりを開始したのか?

1、全社に対してどこまで情報公開しているのか?

  • 社内コミュニケーション、財務情報については、どの企業も公開している
  • 経費関連の情報に関しては17社が全公開、8社が一部公開
  • 給与情報は6割が何かしらの形で公開しているが、公開している割合が比較的少ない

山田さん「新しい組織の形」に力を入れている25社のうち、どの会社も社内のコミュニケーションや財務情報を何かしら公開しています。8割は全公開。オープンな環境づくりに積極的に動いています。

さらに、経費に関しても7割の17社が全部公開、8社が一部公開となっています。

公開している割合が比較的少ないのが給与情報です。25社のうち4割が給与情報を全公開しており、2割が何かしらの形で一部公開しているという結果でした。

2、権力・権限はどうなっているのか?

  • 「アドバイス・プロセス」「プロジェクト型」など、自律性を高めた働き方が多い
  • 25社中11社が「肩書」「部署」を持っていないと回答

山田さん良くあるのは、ピラミッド型のヒエラルキー組織で、上の階層いくにつれて権力・権限が大きくなっていくケースです。

一方で、「新しい組織の形」に力を入れている会社は、階層をなくそうという動きが強いです。いわゆる部署制ではなく、プロジェクトとして業務を進めている会社が大半でした。

そのために、セルフマネジメントが浸透しており、「アドバイス・プロセス」といったトップダウンでの意思決定ではなく、ボトムアップでの意志決定が多く見られます。

アドバイス・プロセス:その意思決定によって影響を受ける全社員と、その問題の専門家にアドバイスを求めなくてはならないというルール。意思決定する社員は、そのアドバイスを真剣に考慮するが、最終的な意思決定は自分でおこなってかまわないという仕組み。

参照:https://www.recruit-ms.co.jp/research/2030/opinion/detail38.html

さらに、他社にあまりないなと感じたのが、25社中13社が「給与に関して当事者が自ら決める何かしらの仕組みがある」という部分です。

また、「権限を伴う肩書がある・ない」「部署がある・ない」という質問に関しては、25社中11社が肩書・部署を持っていないという傾向が見られました。

3、組織の階層はどうなっているのか?

  • 半数以上が1階層=フラットな組織を形成している
  • 3階層以上と回答した4社は、そもそも従業員数が多い

山田さん組織の階層に関する質問では、25社中14社が1階層という回答でした。これは完全にフラットな組織ですね。2階層が5社、3階層以上が4社。「流動的なのでわかりません」という回答もありました。

3階層は、社長・役員、マネージャー、現場となったら3階層なので、わりと普通の階層という感じですが、逆に今回は23社中4社しかないという結果でした。

かつこの4社の平均社員数は266名なので、わりと規模の大きい会社です。3階層あるのは当然のような気もしています。

全体の傾向としては、階層というものは基本的に存在しない会社が多いですね。

4、いつから現在の組織づくりを開始したのか?

  • 創業当初から取り組んでいる会社は25社中9社
  • 1980年代、1990年代から取り組んでいる企業もある

山田さん:「創業時から現在の組織体系だったんですか?」と聞くと、「最初からやっていた」と答えたのは25社中9社でした。

この9社を紐解くと、比較的若い会社が多いですが、1980年代、1990年代から取り組む企業も含まれており、最近のトレンドのようになっていますが、昔からやっている会社もあるということがわかります。

今後はさらに、このような組織づくりにチャレンジしていく企業が増え、顕在化してくるように感じていますし、そういう動きがより活発になれば良いなと思っております。

まとめ
【25社の経営スタイルの特徴】
  • IT活用に裏付けられた「情報の透明性」に基づく権限委譲でフラット化した組織が、社員の自律性を増進させる
  • 社員の自律性と理念経営に基づき暗黙知化(共有)されたビジョンが、組織の自己組織化を生じさせ、さらなる権限委譲と自律化を促進させる。

実践企業に聞く【1】「組織運営スタイルは途中で変えることができますか?」

株式会社ISAOの中村さんと、ネットプロテクションズ株式会社の秋山さんが登壇し、「組織運営スタイルは途中で変えることができるか」をテーマに、それぞれの取り組みや、組織づくりで重視していることについてお話されています。

ISAOとネットプロテクションズの組織運営スタイルとは?

中村さん:株式会社ISAOの中村と申します。よろしくお願いします。

【登壇者紹介】中村 圭志 | 株式会社ISAO 代表取締役

1993年、豊田通商株式会社に入社。輸入ハードディスクやベンチャー事業を経験後、欧州の支店で一部門を別会社化・代表を務める。2010年にISAO代表取締役に就任し、マイナス6億円の赤字企業だったISAOを黒字企業へと回復させる。徐々に組織の在り方を変えながら、2015年に役職・階層・部署・情報格差ゼロの「バリフラットモデル」を導入。

ISAOは役職・階層・部署・情報格差ゼロの『バリフラットモデル』というスーパーフラットでスーパーオープンな組織をつくっていて、評価・給料はもちろん、その評価プロセスもオープンにしています。

その中で「何かモデルとなるものがあったんですか?」と良く聞かれますが、自分たちにとって適した働き方を模索していくうちに、自然とオープンでフラットな組織へと変化していきました。

どうしたら我々のビジョンに近づくのか、そのためにどんな組織にすべきかを突き詰めていった結果です。そのあたりを本日はお話できればと思います。

秋山さんネットプロテクションズの秋山と申します。よろしくお願いします。

【登壇者紹介】秋山 瞬 | 株式会社ネットプロテクションズ 執行役員

慶應義塾大学卒業後、人材系スタートアップ企業に新卒1期生として入社。ベンチャー企業の経営幹部層に特化したヘッドハンティング・人材紹介に従事。新規事業の立上げや関西支社設立にも携わった後、2009年にネットプロテクションズの人事として参画。2013年、主事業である「NP後払い」決済のセールスグループゼネラルマネージャーを経て、2017年に執行役員に就任。2018年には、マネージャー職を廃止した人事評価制度『Natura』をリリース。

私たちは、会社と人、事業と組織に対して、完全にフラットな関係、パートナーシップで対等であるということを根底の概念に掲げてやっています。

その結果、制度としていくつか特徴的なものが生まれてきています。たとえば『Natura(ナチュラ)』という人事評価制度。マネージャー職の廃止など、フラットな組織づくりのためにつくった制度です。

また、「メンバーがやりたいことに手を挙げれば何でもチャレンジできる」という、『ワーキンググループ制度』というものもあります。

新卒採用、研修、理念浸透、予算策定、中期ビジョン策定など、あらゆる面においてすべてがプロジェクト制で、やりたい人が立候補してできるというような形で取り組んでいます。

人事部は一応ありますが、全員が人事として携われますし、全員が経営企画みたいな形で、会社づくりに当事者意識を持って携われることも特徴的な部分ですね。

組織スタイルを変えるきっかけは何だったのか?

中村さんISAOはもともと170人ぐらいいて、5~6階層ある会社でした。そうすると、社内の意思決定のスピードが遅くなる。

また、「マネージャーインフレ」のような状態で、肩書のある人がたくさんいました。

そのため、意思決定を早めるために2~3年かけて徐々に階層をフラットにしていきました。一気にやるとハレーションが起きるので徐々にですね。


秋山さん
一番のきっかけは2013年ですね。そのときに当時社員が50人ぐらいいたのですが、「全員で会社のミッション・ビジョン・バリューをつくろう」となったんです。

そのメンバーが「自分が社長だったらどんな会社にしたいのか」を本気で当事者として考えていくんです。

その結果、『つぎのアタリマエをつくる』というミッションができ、さまざまな制度が生まれて、それに合うメンバーは残って、合わないメンバーは卒業していきました。

このような背景があって、人の入れ替わりもあり、再スタートを切ってググっと進んだ感じになります。

「フラット」よりも「オープン」が重要である

中村さん私は、「フラット」よりも、「情報のオープン化」が重要だと思っています。

フラットかどうかは、意思決定が早い、円滑なコミュニケーションがとれる体系であれば、そこまでこだわる必要はないと思います。

しかし、オープンは譲れないですね。情報の透明性は非常に重要です。


秋山さん
今のすごくしっくりきました。確かにフラットにして変化があったかと聞かれるとそんなにないんですよ。


中村さん
情報の透明性でいうと、情報にはトップダウン」と「ボトムアップの2種類があると思っています。

トップダウンの情報は、会社から提供する情報です。経営、事業、人事といった側面の情報ですね。

会社から提供する情報の透明性は意外と簡単で、トップの決めの問題です。上がやると決めて、良いことも悪いことも含め情報を公開すれば良いだけです。

徐々にやっていく地ならしは必要ですが、決めればやれます。

それよりも重要だと思ってるのは、ボトムアップの情報公開です。ボトムアップの情報とは、個々の社員がどんな目標を持って、日々どんな活動をしているのかをシェアすることです。

この基盤があってコミュニケーションをしていくことで、企業文化が醸成されやすくなると思っています。ただ、これにはサイレントレジスタンス(=情報を公開しない)という抵抗があり、難しい。

まとめると、トップダウンの情報公開は自分が決めればできますが、ボトムアップの情報公開はまわりを巻き込まないとできないんです。これをいかにやってもらうかがオープンな環境をつくる難しいところですね。


秋山さん
私たちの会社も、情報のオープンは非常に意識していますが、まさにその2種類の情報のオープン性が重要ですね。

逆に、「オープンにしちゃいけない情報は何か」を結構議論していたこともあります。それで1個だけ行き着いたのが、「人の機微な情報だけは積極的にオープンにするものじゃない」ということです。

そして、「それ以外の情報は基本オープンにしていこう」というスタンスですね。

目的、覚悟が決まればあとはなんとかなる

中村さん私も今の組織をつくろうとしたときに、オープン&フラットな組織に変えることは、怖いと感じました。

ただ、「どこに進みたいのか」という覚悟さえ持てれば、意外とできると思います。目的が明確だと強いです。


秋山さん
私たちも多くのチャレンジをしてきていますが、良いことだけでなく痛い目にも遭いながらPDCAを回してきています。今後はそういった経緯の情報も他社様向けにオープンにしていきたいですね。

その情報を見て「意外といけそうだ」と、新しい組織の形にチャレンジしていく企業が増え、またそこで我々と同じ轍を踏まないようにサポートできることもあるのではないかと思います。

すでに取り組んでいる企業、これから取り組む企業、さまざまな方と情報交換をしていき、みんなで最適な組織づくりに取り組めていけたら良いですね。

実践企業に聞く【2】「今の組織づくりは事業グロースに貢献していますか?」

株式会社ソニックガーデンの倉貫さんと、ダイヤモンドメディア株式会社の武井さんが「今の組織づくりは事業グロースに貢献していますか?」をテーマに、2社の取り組み内容や、重要な考え方についてお話しています。

ソニックガーデン、ダイヤモンドメディアの組織運営スタイルとは?

倉貫さんソニックガーデンの倉貫と申します。よろしくお願いします。

倉貫 義人 | 株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長

大手SIerにて経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げる。2011年にMBOをおこない、株式会社ソニックガーデンを設立。月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する「納品のない受託開発」を展開。全社員リモートワーク、オフィスの撤廃、管理のない会社経営など新しい取り組みも実施。著書に『管理ゼロで成果はあがる』『「納品」をなくせばうまくいく』など。

当社は今年で8期目で36人の社員がいますが、基本的に全社員がリモートワークなんです。それぞれの地方で在宅勤務をしており、16都道府県にまたがっています。2016年には渋谷にあった本社オフィスも撤廃しました。

なぜそういったことができるかというと、月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する『納品のない受託開発』を展開しているからです。

月額・定額で顧問なのに、お客様先には一切行きません。どうしてるのかというと、基本的にはテレビ会議で毎週打ち合わせをさせていただいております。

ただ、孤独に働くのは寂しいですし、毎日顔を合わせることも大事ですよね。ということで、Web上の仮想空間に「仮想オフィス」をつくりました。

そこでワイワイ集まって、夕方になると「お疲れ様でした」ってシュッっと消えるという仕事のスタイルになっています。

「リモートワークで管理はできるのですか?」と良く聞かれるのですが、そもそも管理はしていません。「管理のない会社経営」をしています。上司部下なし、管理職なし、指示・命令もありません。

「経費、有給などの決裁はどうするのか?」。これも良く聞かれますが、承認決裁はありません。すべて自分の判断で実行できます。

さらに言えば、評価、売上目標・ノルマもないです。「それでうまくいくの?」と思われるかもしれませんが、このスタイルで8年間やってきて、実績としてはうまくいっています。

ここで一番大事なのは、「成果が出るかどうか」です。成果を出すから自由にできる。ここが重要です。成果出さないで自由にすることは、ただの無責任になってしまうので。ここが大きなポイントだと思います。


武井さん
ダイヤモンドメディアの武井です。よろしくお願いします。

武井 浩三 | ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役

2007年にダイヤモンドメディアを創業。「給与・経費・財務諸表を全て公開」「役職・肩書を廃止」「働く時間・場所・休みは自分で決める」「起業・副業を推奨」「社長・役員は選挙と話し合いで決める」といった独自の企業文化が、「管理しない」マネジメント手法を用いた次世代型企業として注目される。ティール組織・ホラクラシー経営など、自律分散型経営の日本における第一人者としてメディアへの寄稿・講演・組織支援なども実施。

当社は、創業当初の12年前から全く変わってないことがあって、「誰が偉い、偉くない」という考えを持たないようにしています。「権力で物事を決めたくない」ということが根本的にあり、「できる人が決める」というスタイルにしています。

なので肩書きは自由ですし、情報の格差があるとそもそもフェアじゃないので、情報格差をなくすために、たとえば給料を全部オ―プンにして話し合って決めたりしています。

さらには、「役員て何だ?」という議論が出てきたので、毎年、社長・役員を決め直す選挙を実施しています。あとは働き方だと、働く時間・場所・休みは基本的に自由にしています。

現在の組織スタイルは、事業グロースにどんなインパクトを与えているのか?

倉貫さん成果がでる、ということでいえば、大きく2つの観点で事業に良いインパクトを与えていると思います。

まず1つ目は、コスト削減ですね。コストが下がった分だけ多くの利益が出ます。無駄なくやることが大事だと思っていて、セルフマネジメントしたほうが管理職が入らないので、管理コストが下がるんですよね。

また、セルフマネジメントだと、無駄な会議も減りますので、それもコスト削減につながっています。

2つ目は、クリエイティブな観点です。私たちは再現性が少ない仕事のことをクリエイティブな仕事だと思っています。ライティング、デザイン、コンサルティング、新規事業企画、マーケティング、PRなどです。

「じゃあ、クリエイティブな仕事って、指示・命令されて管理されて生産性上がりますか?」と考えたときに、良く「飴と鞭」と言いますが、飴と鞭ではクリエイティブな仕事の生産性はそこまで上がらないと思っています。

一番重要なのは、「やりたい、楽しいな」という気持ちで、内発的動機だと思います。であれば、飴と鞭で管理する人はむしろ邪魔になっているのではないか。

管理をなくすことで、クリエイティブな人たちが本来の力を発揮できるのではないかという発想ですね。


武井さん
私が考える、今の組織が事業にもたらすインパクトとしては、当社に関していうと「事業がたくさん生まれること」だと思います。

今は30名規模の会社ですが、不動産系のプロダクトが3つあり人材事業もやっています。悪くいうと節操がない。でも、事業が生まれちゃうんですよね。

それはなぜかというと、「全部を透明にしていこう」という組織運営を長年やってきていると、社会の課題や不合理なことに、違和感を持ちやすいからかもしれません。

今の組織づくりで意識していることは?

武井さん 「社内メンバーを大切にしすぎてもいけない」と思っています。人は完璧ではないので、メンバー第一を突き詰めすぎると、結果的に会社にとって良くない、お客様・パートナーにとって良くないということにつながることもあります。

顧客・パートナー企業、自分たち、家族も、社会、全てがハッピーになることが理想ですが、そのバランスがすごく難しいですね。


倉貫さん
私が気をつけていることは、「人を数字で見るマネジメントをしないこと」ですね。それをされたら、自分はモチベーションが下がります。

経営をしている限りは、利益が出て黒字化して安定して成長していくことが大前提としてあり、そこにビジョンが加わり、それを目指して突き進んでいくことは大事です。

ただ、その際に数字だけをみた確率論で経営をしそうになるときがあるんです。

社内をみると、できるメンバーもいるし、できないメンバーもいるし、忙しくて大変なメンバーもいる。でも「なんだかんだトータルの数字で見たら今期の会社の成績良かったね」って言ってしまうと、辛かった人は辛いままなんですよ。

理想論でキレイごとなのですが、誰一人不幸にならないような経営にしたいと思っています。

二人が考える、組織づくりで重要なこと

倉貫さん今までお話させていただいた中で何が一番大事かというと、「成果出すこと」だと思っています。

私たちのような業種では、成果出すためにはセルフマネジメントが適していると感じています。セルフマネジメントができれば、管理職がいても評価があっても良いと思います。

ただ本質としては忘れてはいけないのは、何をやるにも、メンバーが気持ち良く、生産性高くパフォーマンスを発揮できていて、成果に結びついているかどうかです。

マネジメントは、成果を出すことが本来の仕事だとすると、マネジメントの本質とは何かを突き詰めていくことが大事だと思います。

私たちは、成果を出すために「要らないものは外す」という引き算の発想を持っていて、「楽に成果をあげるためにどうすればいいか」を突き詰めていった結果、今の組織スタイルが生まれ、それが企業の成長にもつながっていると考えています。


武井さん
そもそも会社は「一人だとできないことをみんなで集まってやろうよ」となってできるものだと思います。

そうすると、本来は事業成長を考える文脈で、組織のことも語られるべきです。人という側面と事業の側面が一緒に語られないと意味がない。それがないと、会議の時間が2倍になるんですよ。

また、一番言いたいのは「情報の透明性」です。それが組織の中でインフラとして整っていないとフェアなコミュニケーションがとれません。

誰かが生殺与奪権を持っている状態で、本当に言いたいことは言いにくいですよね。

生殺与奪権とは、決裁権、人事権などに紐づく権力です。対等な状態をつくった上で対話していくことが組織づくりでは重要だと思っています。

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