人事部門や人材育成のDXへのチャレンジを応援!JAPAN HR DX AWARDSイベントレポート |HR NOTE

人事部門や人材育成のDXへのチャレンジを応援!JAPAN HR DX AWARDSイベントレポート |HR NOTE

人事部門や人材育成のDXへのチャレンジを応援!JAPAN HR DX AWARDSイベントレポート

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※本記事は、主催企業や登壇者/登壇企業に内容を確認のうえ、掲載しております。

持続可能な経営と組織成長のためには、採用、定着、リスキリングなど人事部門や人材育成の革新が必要です。

そんな人事部門や人材育成のDXへのチャレンジを加速させることを目的に、各領域で先進的な取り組みをおこなう企業を表彰する「JAPAN HR DX AWARDS」が2024年2月27日に一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会によって開催されました。

本記事では、当日のイベントの様子や各部門で最優秀賞を受賞した企業の講演の概要をご紹介します。

「JAPAN HR DX AWARDS」とは

一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会は、2024年2月27日に「JAPAN HR DX AWARDS」の最終審査をおこない受賞企業・団体を発表しました。

JAPAN HR DX AWARDSは人事分野の革新における先進事例の表彰によって、人事部門や人材育成のDXへのチャレンジを加速させることを目的に開催されています。

審査部門は「採用部門」「エンゲージメント部門」「リスキリング部門」の3部門で、事前応募の中から書面審査を勝ち抜いた企業・団体がファイナリストとしてステージに登壇し、その場でプレゼンテーション審査がおこなわれました。

2024年度は全32件の応募の中から、各部門3社のファイナリストが選出され、計9社がプレゼンテーション審査に参加しました。

JAPAN HR DX AWARDS 受賞企業一覧

最終的な受賞企業は下記の通りです。

採用部門 最優秀賞 

テクノロジーを活用した面接改革による採用プロセス改善 ~定量・定性分析で面接品質向上の仕組みを構築~

株式会社大塚商会 人材開発部人事採用課・係長 大橋 藍子氏

エンゲージメント部門 最優秀賞

「ありがとう」を風化させない組織づくりでまた明日も来たい保育園を目指す

株式会社ハイフライヤーズ 保育運営本部・本部長 日向美奈子氏

リスキリング部門 最優秀賞

田舎企業の一歩を社会の希望にする

松本興産株式会社 取締役 松本 めぐみ氏

その他の受賞企業

【採用部門 優秀賞】
株式会社ハイフライヤーズ 保育運営本部・本部長 日向美奈子氏

【エンゲージメント部門 優秀賞】 
株式会社 Massive Act 代表取締役 高萩 遼介氏

【リスキリング部門 優秀賞】 
キリンホールディングス株式会社 デジタルICT戦略部・主幹 山本 光彦氏

【ハウスコム賞】
社会福祉法人 太陽の家 ICT推進担当 曽川 稔氏

【特別賞】
株式会社ROXX 上級執行役員 CHRO / SVP of HR 西村 宏登氏
三菱UFJ信託銀行株式会社 大瀧 昌之 経営企画部インターナルコミュニケーション室長 大瀧 昌之氏

「その他の受賞企業」のプレゼンテーションテーマや、当日のプレゼンテーションの動画はJAPAN HR DX AWARDS公式HPからご確認いただけます。

ここからは、各部門で最優秀賞を受賞された企業のプレゼンテーション内容や審査員からの質疑応答の様子をご紹介します。

【採用部門 最優秀賞】プレゼンテーション

テクノロジーを活用した面接改革による採用プロセス改善 ~定量・定性分析で面接品質向上の仕組みを構築~
|株式会社大塚商会 人材開発部人事採用課・係長 大橋 藍子氏

概要

  • 新型コロナ禍で発生した「応募者の絞り込み」と「採用工数の拡大」の課題解消のため、株式会社ZENKIGENの採用DXサービス「harutaka」を導入したことをきっかけに、面接データを可視化し面接の改善を実現。

  • 面接官ごとのスキルのばらつきや候補者の面接体験の改善などの課題に対し、「表情」「発話内容」などから面接官のタイプを分類し、面接官のタイプ別に改善要素をフィードバックすることで、求職者の面接離脱率が4%、内定承諾率が18%改善した。

  • 学生のSNSからのレピュテーションリスクの回避や、面接官の採用意欲の向上による採用の質の向上で、より良い組織の醸成も期待できる。

質疑応答

Q面接官へのフィードバックの様子はどうだったか、伝え方や面接改善のフォローアップの方法を教えてください

数字データで面接データをフィードバックしていますが、元々数字で評価する企業風土があるため、面接官にも想定していたよりも抵抗なく受け入れてもらえたと思います。データのフィードバックの他にデータに基づいた具体的な改善方法の講習も実施しています。

 

Qコロナが空けてオフラインでの面接が可能になっていく中でもオンラインでの面接を続けていきますか?

データを継続的に取得し分析していくためにも、複数段階の面接のうち一番最初の面接は今後もオンラインで実施する予定です。2回目以降は魅力訴求のためにもオフラインでの面接をおこなっています。

 

Qツールを導入し面接を実施した世代の採用者に何か変化がありましたか?

録画しながら面接を実施して採用活動をおこなった最初の世代がちょうど今1年勤務した状態なので、現在進行形で採用した学生の傾向の分析にも取り組んでいこうとしている状態です。

単なるツール活用に留まらない真のDXへの挑戦と、面接プロセスそのものの改善に注力している姿勢が評価されての受賞となりました。

【エンゲージメント部門最優秀賞】プレゼンテーション

「ありがとう」を風化させない組織づくりでまた明日も来たい保育園を目指す
|株式会社ハイフライヤーズ 保育運営本部・本部長 日向美奈子氏

概要

  • 職場環境や組織の改革を通して保育士の離職率の改善に着手。具体的には下記の取り組みを実施し、特に「組織づくり」の部分にデジタルツールを導入している

【安定】
・業界高水準の給与
・年間休日130日以上
・完全週休2日
・家賃負担0円

【組織づくり】
・日々の努力に対する認識 ( 「Unipos」+「ありがとうを先生に」を導入 )

  • エンゲージメントの可視化と組織の一体感
    →従業員コミュニケーションに「Unipos」を活用し、保育士同士の感謝の伝え合いを習慣化。保育士のボリュームゾーンが20代のSNS世代であることから、社内SNSの活用で承認欲求を満たしエンゲージメントの向上を実現した。
  • 組織向上とモチベーションアップ
    →Uniposを参考に保護者から保育士に感謝を伝える「ありがとうを先生に」というツールを自社開発。保護者からの感謝の可視化によって従業員の業務に対する意欲や意識が向上し、更なるサービスの向上が実現できる仕組みを生み出せるようになった。

質疑応答

Qこうした取り組みを通して子どもたちにも何か変化がありましたか?

子どもが保護者に園での出来事を伝え、保護者が保育士にありがとうを伝えるという三者のコミュニケーションが活発化したことで、お迎えの際の会話に3者全員が参加するようになり保護者、子ども、保育士の3者の関係性がより深くなりました。

 

Qエンゲージメントにおいて社内だけではなく社外(保護者)との繋がりも非常に重要だと感じているのですが、保護者からのフィードバックを貰うという着想に至った背景はありますか?

保護者との関係に悩む保育士は実は結構多くいます。中には直接だったり、お便り帳だったりで「ありがとう」を伝えてくださる保護者の方もいらっしゃるんですが、保護者に認めてもらえたという実感が増えると保育士の大きな自信に繋がるので、この「ありがとう」を伝えて頂ける機会が増えることで離職率を抑えられるのではと考えました。

ツールの導入に留まらずツールから着想を得た新たな挑戦や、社員やステークホルダーとの関係性の強化に取り組んでいる様子が評価されての受賞となりました。

【リスキリング部門 最優秀賞】プレゼンテーション

田舎企業の一歩を社会の希望にする
| 松本興産株式会社 取締役 松本 めぐみ氏

概要

  • 都心の1/1600の労働人口である埼玉県秩父郡に拠点を持つことから、IT人材の不足を「採用」ではなく「リスキリング」によって補填する戦略をとり、計50名以上のIT人材の確保に成功。
  • リスキリングを会社側から押し付けるのではなく、自発的なリスキリングを促すための経営戦略を立案。

【パーパス】
企業のパーパスである「削りで人を幸せに」を軸に、顧客のみならず従業員の幸せを重視。性格診断に基づく従業員の特性に合ったDXを実施。

【数値戦略】
固定費4,000万円を削減を目指し、既存システムを解約してアプリを自社開発した。
 (例) ・紙で記録しエクセルに転記していた製品の検査記録の入力をおこなえる検査アプリを作成(1,500万円/年 の削減)

【会計思考】
全社員が決算書をベースとした会計思考を軸として「なぜDXが必要なのか」を自覚し行動するような風土を醸成。専門知識がなくても決算書を読み解けるような会計アプリを自社開発し、全社員が誰でも決算書を分析できる基盤を整備した。

質疑応答

Qどのようにして社員を巻き込んでいったのか?

以前DXに失敗した際は、ガンチャートを作り、ガチガチに計画を組んでDXを進めようとしていました。しかし、今回はまず従業員の性格診断をおこなったことで計画を組んだ方が良い従業員は計画に則った進め方を、遊び心をもってやる従業員には未来のことなどで動機付けをして実施していきました。

 

Qリスキリングをおこなっていく中で世代間のギャップはありましたか?

意外にも世代間のギャップはあまりありませんでした。それよりもやはり個人の性格によるギャップの方が大きかったと思います。

社員が自発的にリスキリングに取り組む仕組みづくりや、リスキリングによる新しい価値創造に取り組んでいる点が評価されての受賞となりました。

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