社会保険料の支払い方法や納付期限、滞納するリスクをわかりやすく解説 |HR NOTE

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社会保険料の支払い方法や納付期限、滞納するリスクをわかりやすく解説

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社会保険料の支払い方法や納付期限をわかりやすく紹介

各事業所では、毎月「社会保険料」を納付する必要があります。納付手段としては、金融機関の窓口で直接支払う、口座振替を利用する、電子納付をおこなうなどの方法が挙げられます。

本記事では、社会保険料の支払い先や支払い方法、納付期限についてわかりやすく解説しますので、チェックしておきましょう。

関連記事:社会保険料とは?|計算方法や注意点、法改正の内容などを徹底解説

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1. 社会保険料の支払い方法

お金の袋 二本の腕

社会保険は「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つから構成されます。この記事では、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」を狭義の社会保険として解説します。

ここでは、社会保険料にはどのような支払い方法があるのかを詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1-1. 金融機関の窓口で直接支払う

1つ目の支払い方法は、金融機関の窓口で直接支払う方法です。管轄となる年金事務所から送られてきた納付書を持っていけば、近くの金融機関で現金の支払いが可能です。

社会保険料の支払いは、基本的に毎月実施します。また、金融機関が時間外で空いてなかったり、混んでいて時間がかかったりするケースもあるため、ほかの支払い方法を検討することを推奨します。

1-2. 指定口座からの振替で支払いをする

2つ目の支払い方法は、指定口座から振込をおこなう方法です。支払い用の口座を準備して事前に手続きしておけば、毎月の支払い手続きの負担を軽減できるだけでなく、払い忘れを防ぐこともできます。
指定口座からの社会保険料の支払いをする場合は、「保険料口座振替納付(変更)申出書」に必要事項を記入して、所管轄の事務センターまたは年金事務所に郵送するか、年金事務所の窓口に出向いて提出する必要があります。

申出書には、口座振替として利用したい金融機関の確認印が必要なため、事前に金融機関の窓口へ行き、準備しておくことが得策です。なお、金融機関によっては口座振替に対応していなので、あらかじめきちんと確認しておきましょう。

金融機関では、預(貯)金口座の照合確認が実施され、問題がない場合は1枚目の年金事務所用が金融機関からそのまま年金事務所へ送られます。何かしらの問題があり届出書を返戻された場合は、1枚目と2枚目を修正・確認したうえで、年金事務所または事務センターで申請をしましょう。

1-3. 電子納付「Pay-easy(ペイジー)」を利用して支払う

3つ目の支払う方法は、電子納付「Pay-easy(ペイジー)」を利用して支払う方法です。

電子納付は、下記4つの方法から選択できます。

  • インターネットバンキング(インターネットを利用する)
  • モバイルバンキング(携帯電話を利用する)
  • Pay-easyの表示があるATM(金融機関に設置されているATMを利用する)
  • テレフォンバンキング(電話の音声案内などを利用する)

以下、それぞれの方法について簡単に解説します。

インターネットバンキングを利用する

通信環境さえ整っていれば、インターネットバンキングを利用して納付できます。金融機関の窓口に行く必要がなく、営業時間を気にする必要もありません。

ただし、利用しているサービスが社会保険料の納付に対応しているかどうか確認しておきましょう。

モバイルバンキングを利用する

携帯電話やスマートフォンを使って、モバイルバンキングで納付することも可能です。インターネットバンキングと同様、家にいながら24時間いつでも納付できます。

Pay-easyの表示があるATMを利用する

Pay-easyの表示があるATMであれば、ATMから電子納付することができます。金融機関のATMにて、保険料納入告知書に記載された「収納機関番号(0500)」、「納付番号(16桁)」、「確認番号(6桁)」を入力しましょう。

現金での支払いはもちろん、キャッシュカードによる支払いも可能です。

テレフォンバンキングを利用する

金融機関によるテレフォンバンキングを利用して、社会保険料を電子納付することもできます。電話の音声案内に従って納付の手続きを進めましょう。

2. 社会保険料の仕組みと納付期限

カレンダー 赤いまる

社会保険料の支払い方法は理解できても、「いつまでに」「いくら」支払えばよいかわからないという人もいるかもしれません。ここでは、社会保険料の仕組みと納付期限について詳しく紹介します。

2-1. 社会保険料の発生タイミング

社会保険料は、資格の取得月から喪失月の前月分までを、月単位で負担しなければなりません。そのため、社会保険料は社会保険に加入したその月から発生することになります。なお、社会保険料(健康保険・厚生年金保険・介護保険)は労使折半となります。

2-2. 社会保険料の給与天引きタイミング

その月に発生した社会保険料は、その翌月の給与から控除するのが基本です。たとえば、4月1日に入社した場合、4月分の社会保険料は5月の給与から控除されます。

第百六十七条 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。

引用:健康保険法第167条一部抜粋|e-Gov

ただし、給与の締め日や支払日の関係で2カ月分控除するケースもあります。たとえば、「20日締め翌月25日払い」という給与払いの仕組みを採用している会社では、6月26日に入社した場合、6月から社会保険料は発生しますが、6月・7月に給与は支払われません。そのため、例外的に8月に支払われる給与から6月分と7月分を控除することになります。

このように、適切に社会保険料を徴収するために、会社の給与払いの仕組みをきちんと把握しておくことが大切です。

2-3. 社会保険料の計算方法

社会保険料を計算するには、まず標準報酬月額を算出しなければなりません。標準報酬月額とは、従業員の月額給与を基に一定の範囲ごとに区分したもの(健康保険の場合は50の等級、厚生年金保険の場合は32の等級)で、社会保険料の計算の負担を軽減するために利用されます。

標準報酬月額に決められた保険料率を掛けることで、支払うべき社会保険料を計算することができます。この社会保険料を2で割ることで、従業員と事業主それぞれが負担すべき社会保険料を算出することが可能です。

関連記事:【2023年度版】社会保険料の計算方法とは?事例や注意点もあわせて解説

2-4. 社会保険料の支払い先

社会保険料の支払い先は、「日本年金機構」です。日本年金機構は、毎月20日前後に「保険料納入告知書」を各事業所に郵送し、納付期日までに金融機関で納付するのが一般的です。

保険料納入告知書

引用:社会保険料の納入告知書(納付書)について|日本年金機構

様式の1枚目は「領収済通知書」と記載されていますが、「社会保険料がすでに領収された」という意味の通知書ではないため注意が必要です。

2-5. 社会保険料の納付期限

社会保険料の納付期限は「翌月末日」となっています。翌月の末日が、土曜・日曜・祝日の場合は、金融機関の翌営業日となるため、事前に確認しておきましょう。

基本的に、翌月の20日前後に「保険料納入告知書」が送付され、その月の末日までに支払います。

たとえば、9月分の社会保険料を支払う場合、10月10日頃に支払い金額が確定します。そして、10月20日頃に「保険料納入告知書」が送付されて、10月31日が納付期限となります。

また、保険料納付告知書は機械処理の都合上、以下の3枚綴りになっています。

  1. 領収済通知書
  2. 領収控
  3. 納入告知書(納付書)・領収証書

上記3枚は「1枚ずつ切り離さないで」金融機関の窓口へ持っていく必要があるので注意しましょう。電子納付(Pay-easy)を利用する場合は、「保険料納入告知書」に記載された「収納機関番号」や「納付番号」、「確認番号」の情報を使用するため、支払い時にわかるようにしておきましょう。

3. 社会保険料支払いにおける注意点

めくれている赤いカレンダー

社会保険料を支払うときは、退職日や免除制度に注意しましょう。以下、それぞれの注意点について詳しく解説します。

3-1. 退職日によって社会保険料の支払いは異なる

社会保険の資格喪失日は、退職日の翌日になります。そのため、退職日が月末か月末以外かで、退職月の社会保険料を支払う必要があるかどうかが異なります。

たとえば、12月30日が退職日の場合、12月31日が社会保険の資格喪失日です。社会保険料は喪失月の前月分までを納めるため、12月分の社会保険料を負担する必要はありません。一方、12月31日が退職日の場合、1月1日が社会保険の資格喪失日になります。この場合、12月分の社会保険料の負担も必要です。

このように、退職日によって社会保険料の負担の必要性が変わるので、社会保険料の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

関連記事:退職月の社会保険料はどう計算する?月中、月末などパターン別に解説

3-2. 産休中や育休中は社会保険料が免除される

産休中や育休中は、一定の要件を満たしていれば、従業員と事業主ともに社会保険料が免除されます。ただし、自動的に適用されるわけではなく、手続きをしなければなりません。

事業主が「産前産後休業取得者申出書」や「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構に提出することで、手続きすることが可能です。社会保険料を支払わなくても、社会保険料を支払ったとして社会保険の資格期間に含まれるので、きちんと手続きをおこなうことが大切です。

関連記事:産休による社会保険免除の申請方法や対象期間を紹介

3-3. 社会保険料の支払いを滞納した場合はどうなる?

社会保険料の支払いを期限までに支払えずに滞納となった場合、「延滞金」が課せられるケースもあります。また、年金事務所からの支払い催促に応じず「支払いの意志がない」と判断されると、最終的に財産の調査や差し押さえをされることもあるため注意しましょう。

社会保険料の支払い期限を過ぎてしまうと、1週間前後の期間で催促状が届きます。その後、督促状の「催促期日」まで支払いに応じない場合は、本来の支払い期限であった翌日から納付されるまでの期間、「延滞金」が継続的に発生します。さらに、その後も納付対応をしない場合は、「財産調査」が開始される可能性があります。財産調査は、社会保険料の納付に充当する資金を確保できるような資産があるかを調べる調査です。
支払いができないからと放置しておくと、財産の差し押さえにつながる可能性もあるので、すぐに行動することが大切です。「どうしても納付できない」場合の対処法として、管轄となる年金事務所へ行き、納付できない理由を伝え、納付計画を立てると良いでしょう。

関連記事:社会保険の滞納により発生する問題や対策を詳しく解説

4. 社会保険料の支払いに関してよくある質問

ここでは、社会保険料の支払い方法に関するよくある質問へ回答します。

4-1. 法人クレジットカードによる納付はできる?

社会保険料は、日本年金機構によって定められた方法で支払う必要があります。間違いやすい点として、「国民年金保険料」はクレジットカードやスマートフォンアプリでの支払いが可能ですが、会社が納付する「社会保険料」はクレジットカード払いやQRコード払いが認められていないので注意しましょう。

以上から、法人クレジットカードによる社会保険料の納付はできません。

4-2. 社会保険の電子申請義務化とは?

2020年4月より、特定の法人に該当する場合、一部の社会保険の手続きにおいて電子申請が義務化されています。これまでは紙の申請で問題ありませんでしたが、該当する企業は電子申請により手続きをおこなわなければなりません。今後も行政手続きのコスト削減のため、電子申請が拡大していく可能性が考えられます。

このように、社会保険の手続きも電子化が進められています。この機会に、社会保険料の支払いについても口座振替や電子納付を採用して、電子化を推進してみてはいかがでしょうか。

関連記事:社会保険手続きの電子申請のやり方を徹底解説!義務化の対象者とは?

4-3. 雇用保険料や労災保険料の支払いは?

雇用保険と労災保険をあわせて「労働保険」と呼ばれることがあります。労働保険料の支払い方法は、「現金納付」「口座振替納付」「電子納付」の3種類があります。現金納付には紛失・盗難のリスクや、管理の負担があるので、口座振替や電子納付を採用するのがおすすめです。

関連記事:労働保険の納付方法は?期限・場所・納付書の書き方まで解説!

4-4. 社会保険料は日割計算して支払う?

雇用保険以外の社会保険料は、日割計算をおこないません。必ず1カ月分の社会保険料を支払う必要があるため注意しましょう。

たとえば、月末に入社して1日しか勤務していない場合であっても、その月分の社会保険料が発生します。従業員に質問された場合は、丁寧に説明しておくことが大切です。

4-5. 新入社員の社会保険料はどう支払う?

前述の通り、社会保険料は翌月の給与から天引きするのが基本です。たとえば、4月1日に新しく入社した従業員の場合、5月分の給与から社会保険料を天引きします。

ただし、会社によっては社会保険料の天引きについて独自のルールを設定していることもあるため、事前に確認しておきましょう。

5. 社会保険料の支払い方法や納付期限を正しく理解しよう

大量のはてな

社会保険料は、日本年金機構によって定められた方法で支払う必要があります。社会保険料の支払い方法は大きく分けて下記3つとなっています。

  • 金融機関の窓口での直接支払う
  • 指定口座からの振替で支払う
  • 電子納付「Pay-easy(ペイジー)」を利用して支払う

社会保険料の納付期限は「翌月末日」です。社会保険料の支払いは、「保険料納入告知書」が送付されてから10日程度しかないため、つい忘れがちになってしまいます。滞納を防ぐためにも、社会保険料の効率的な支払い方法を活用して、毎月の社会保険料をスムーズに支払える体制を整備することが大切です。

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