【2022年度版】社会保険料の計算方法とは?事例や注意点もあわせて解説 |HR NOTE

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【2022年度版】社会保険料の計算方法とは?事例や注意点もあわせて解説

人事・総務の給与計算担当であれば、どのように社会保険料を計算するのかを知っておかなければなりません。「給与からどれくらいの社会保険料が天引きされているのか?」と聞かれた際に、計算方法を理解しておかないと上手く伝えることができません。

今回は、社会保険料の計算方法やその具体的な事例、社会保険料の計算時の注意点などを詳しくご紹介します。

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1. 社会保険料とは

社会保険

社会保険とは、加入者の病気や怪我、出産、失業、障害、老齢、死亡などの生活を困難にする様々なリスクが生じた場合に、必要な給付を行う公的な保険制度です。

1-1. 広義の社会保険と狭義の社会保険の違い

社会保険料の定義には2種類の考え方があり、広義と狭義に分けられます。

広義の社会保険は、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つを指しています。

狭義の社会保険は、広義の社会保険の中の健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つのことを指しています。また、一般的な社会保険は狭義の社会保険として考えることが多いです。

より詳しく社会保険の定義を押さえておきたい方は、以下の関連記事をご確認ください。

2. 各社会保険料の計算方法

計算する様子

社会保険料の計算方法は、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料と雇用保険料・労災保険料で計算式が異なります。

それでは、細かい計算方法をご紹介します。

2-1. 健康保険料の計算方法

健康保険料の計算式は次の通りです。

健康保険料(会社負担額)= 標準報酬月額 × 健康保険料率 ÷ 2

健康保険の運営主体は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と「健康保険組合」があり、協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なるので、計算が必要になった場合は正しい保険料率を確認しましょう。

2-2. 厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料の計算式は次の通りです。

厚生年金保険料(会社負担額)= 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率 ÷ 2

厚生年金保険料率は、私学教職員共済制度の加入者(第4号厚生年金被保険者)を除いて、平成29年9月を最後に引き上げが終了し、18.3%で固定されています。

万が一、再度引き上げになる可能性もあるので、保険料率の変更がないか都度確認するようにしましょう。

2-3. 介護保険料の計算方法

40歳~64歳の従業員がいる場合は、健康保険料に上乗せする形で介護保険料を納める必要があるので、忘れずに対応しましょう。

65歳以上になると、会社勤めであったとしても従業員が居住している市区町村に納付する形になります。具体的な計算式は以下の通りです。

介護保険料(会社負担額)= 標準報酬月額 × 介護保険料率 ÷ 2

2-4. 雇用保険料の計算方法

雇用保険料の計算では、狭義の社会保険の計算とは異なり、標準報酬月額ではなく賃金総額を用いて保険料を算出します。具体的な計算式は以下の通りです。

雇用保険料 = 総支給額 × 雇用保険料率

雇用保険料の計算で気を付けるべきポイントは、会社負担の割合が狭義の社会保険の折半とは異なるという点になります。

保険料率の計算時に、あらかじめ企業側と従業員側で分けられており、令和4年4月分からの雇用保険料率は以下の通りです。

・労働者負担:3/1,000
・事業主負担:6.5/1,000

また、雇用保険料率が令和3年度から引き上げされているので注意が必要です。引き上げは2回を予定しており、令和4年4月からと令和4年10月になるので、忘れずに覚えておきましょう。

参考:令和4年度の雇用保険料率について|厚生労働省

2-5. 労災保険料の計算方法

労災保険料に関しても、雇用保険料と同様に賃金総額を用いて、保険料を算出します。計算式は以下の通りです。

労災保険料 = 従業員に支払う賃金総額 × 労災保険料率

労災保険料に関して、全額会社側が支払うという点がほかの保険料とは考え方が異なるため、給与計算時に必ず全額会社負担として算出しましょう。

また、従業員が100名以上、または20人以上100名未満の事業所では、メリット制と呼ばれる、労災利用率に応じて労災保険料が変更になる制度もあるので、自社が対象の場合はこのような制度があることも押さえておきましょう。

3. 社会保険料の計算で用いる標準報酬月額とは

社会保険を計算する様子

先ほどからでてきている「標準報酬月額」とは、狭義の社会保険料を算出する際に用いるもので、給与等報酬の平均額をキリが良くなるように区分した等級表にあてこんだものです。

毎年、4月から6月の3か月間の給与(手当含む)をベースとして決定し、毎年9月に新しい保険料に改定される仕組みがあり、これを定時決定と呼びます。原則1年間は同じ標準報酬月額で社会保険料を計算しますが、昇降格などにより給与が大きく増減する場合などは標準報酬月額が変わるというケースもあります。

3-1. 新入社員の標準報酬月額の決め方

標準報酬月額を考える上で、4月から6月までの給与をベースにすると先ほど解説しましたが、新入社員にはその基準となる給与実績がないため、定時決定では標準報酬月額を算出できません。

そのため新入社員のケースのみ、残業手当などの変動的給与を見積りで出し、その見積もり給与を標準報酬月額に入れ込み社会保険料を計算する資格取得時決定という方法が使われます。

例えば、新卒入社の社員の場合は、定時決定は利用できないため、4月から8月までは資格取得時決定で計算された社会保険料を使い、9月からは実際の算出方法で標準報酬月額を計算するような流れになります。

3-2. 標準報酬月額が年度途中で変わる場合

また、標準報酬月額の決め方には、先ほどの定時決定とは別に随時改定という決め方があります。

随時改定は、年度の途中において基本給や手当などにより固定的賃金に変動が起き、その月から3か月間の賃金平均が、適用されている標準報酬月額の等級よりも2等級以上の差が生じた場合に、その都度標準報酬月額を改定するという内容になります。

随時改定の際には、「被保険者標準報酬月額変更届」を提出する必要があるので、忘れずに対応しましょう。

4. 社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)の手続・計算事例

保険計算640

従業員給与から天引きする社会保険料は、企業側が「保険料額表」をみて計算しなければいけません。

健康保険・介護保険が協会けんぽで事業所が東京都の場合を考えてみましょう。 【参照】令和3年年度協会けんぽ保険料額表(令和2年9月分)|東京都版

事業所によって健康保険組合はさまざまかと思いますが、上記リンク先のようにそれぞれ地域ごとに異なった保険料になっています。

たとえば、令和2年の4月から6月の収入が以下のような場合

・4月:21万円 ・5月:25万円 ・6月:23万円

平均の報酬月額は23万円ですので、上記リンク先の表で照らし合わせてみると、令和2年9月~令和3年8月の等級は18(※15)であり、39歳以下であれば健康保険料は10,824円、厚生年金保険料は20,130円となります。

※( )内の数字は、厚生年金保険の標準報酬月額等級です。

40歳以上であれば健康保険料は、介護保険も含めて12,804円です。

なお7月以降に、ある従業員の3カ月の平均報酬月額が2等級以上変わる場合は、月額変更届を提出し、その3カ月経過後に等級を変えることになります

5. 労働保険(雇用保険、労災保険)の計算事例

保険計算2

続けて、労働保険についても具体的な計算例を確認しておきましょう。

5-1. 給与額をもとにした方法

労働保険料の計算ですが、年度ごとに保険料額が変動します。

  • 飲食店業の場合 令和2年度及び令和3年度労災保険料率:3.5/1000 令和2年度雇用保険料率:11/1,000 令和3年度雇用保険料率:9/1,000
  • 労災保険料の対象賃金が1,000万円(令和2年4月1日~令和3年3月31日)
  • 雇用保険料の対象賃金が1,000万円(同上)

上記の場合、令和2年度の労働保険料は以下のように計算をします。

1,000万円×3.5/1,000+1,000万円×11/1,000=145,000円

更に詳しく見ていきましょう。

実務上は、毎年7月10日までに前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を計算し申告・納付する方式をとっています。

上記の事例では令和2年度確定保険料が145,000円ですが、令和3年度概算保険料は雇用保険料率だけ令和3年度のものに替えて(11/1,000→9/1,000)、125,000円となります。

令和3年7月10日までに納付する額ですが、令和2年度概算保険料が10万円であった場合は、一般拠出金:1,000万円×0.02/1,000=200円を加えて

145,000円(令和2年度確定保険料) -100,000円(令和2年度概算保険料) +107,000円(令和3年度概算保険料) +200円(令和2年度一般拠出金) =152,200円

を納めます。

なお一般拠出金とは、石綿(アスベスト)による被災労働者救済のための保険料になります。

5-2. 請負額をもとにした方法や特別加入保険料

労災保険料率や一般拠出金率をかける対象が、建設業においては請負額をもとにした方法があります。

以下の事例をご覧ください。

たとえば、業種が建設業(建築事業)で、令和2年度の請負金額が1億円(消費税別)のケースを考えます。

労務費率は事業(道路新設事業など)の種類に応じて、18%~40%の数値を取ります。建築事業の労務費率は23%ですので、1億円×23%=2,300万円を給与額とみなして、労災保険料率や一般拠出金率をかけます。

また、特別加入保険料は、特別加入の際に決めた給付基礎日額に365をかけたものに対して、労災保険料率や一般拠出金率をかけます。

たとえば、給付基礎日額10,000円であれば、3,650,000円に労災保険料率や一般拠出金率をかけて労災保険料を求めます

【参照】労災保険 特別加入制度のしおり<中小事業主用>|厚生労働省

5-3. 従業員給与から差し引く雇用保険料額

たとえば、建設業の従業員で、平成29年4月の給与額が30万円で5月が28万円であれば、4月給与から差し引く雇用保険料は、30万円×4/1,000=1,200円、5月給与分は同様の計算で1,120円です。単純に月ごとに計算していけばよいのです

6. 社会保険料の計算で気を付けたいこと

注意

ここまで社会保険料の計算方法について、実際の事例を用いながら解説してきましたが、理解していただけましたでしょうか。

ここからは、残業時間によって保険料が変わるということや、賞与の社会保険料はどうなるのかなど、社会保険料の計算業務を行う上で注意しなければならない点をご紹介します。

6-1. 4月から6月の残業によって社会保険料が異なる

先述しましたが、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料に関しては、毎年4~6月の「報酬月額」をもとに等級が決まり、その年の9月~翌年8月の保険料を左右します。

そのため4~6月分に従業員の残業時間が伸びてしまう場合は、時間外手当が発生し、前年よりも保険料が高くなってしまう可能性があります。

3月決算企業の経理・総務部門などは4~6月が忙しい時期で難しいところがありますが、7月以降に2等級以上下がれば、月額変更届により保険料引き下げが可能なので、この点もあわせて覚えておきましょう。

6-2. 社会保険料率の改定

社会保険料の計算で用いる社会保険料率は、定期的に改定をしているものもあれば、固定化されているものもあるので、忘れずに確認しておきましょう。

  • 健康保険料率:都道府県ごとで改定
  • 厚生年金保険料率:都道府県ごとで改定
  • 介護保険料率:都道府県ごとで改定
  • 雇用保険料率:令和4年4月に引き上げられ、令和4年10月に更に引き上げ予定
  • 労災保険料率:原則として3年ごとに改定

6-3. 賞与も社会保険の対象

ここまで基本給にかかる保険料の計算を解説してきましたが、狭義の社会保険に関しては、賞与(ボーナス)が発生した際に社会保険料の対象になります。具体的な計算式は以下の通りです。

社会保険料 = 標準賞与額 × 各保険料率

標準賞与額とは、税引前の賞与総額から千円未満を切り捨てたものになり、上限が定められています。健康保険は年度累計で573万円、厚生年金保険は月間で150万円となっています。

賞与にかかる社会保険料の計算について、より詳しく確認したい方は以下の関連記事をご確認ください。

6-4. パート・アルバイトの社会保険料

パートやアルバイト従業員である場合においても、社会保険の加入条件を満たした上で加入していれば、正社員と同様の計算式で保険料を払う必要があります。

パート・アルバイト従業員の社会保険への加入条件は以下の通りです。

  1. 従業員数が501人以上
  2. 週の所定労働時間が20時間以上
  3. 年収106万円以上(賃金月額が約8.8万円以上)
  4. 継続して1年を超える雇用の見込みあり
  5. 学生ではないこと(夜学や定時制、休学中の者を除く)

また、2022年10月の法改正において、社会保険の適用範囲が拡大され、「従業員数が101人以上」の企業が対象になり、雇用期間の見込みも現行の1年から2ヶ月になります。続けて、2024年10月に再度法改正され、適用範囲が「従業員数が51人以上」の企業にまで拡大されます。

余裕がある方は上記の内容まで頭の片隅に置いておきましょう。

7. 社会保険料の手続きや計算をミスなく効率的に

効率

社会保険料は多い時は年2回程度保険料改定があり、また給与・手当のどこまでが算定の対象となるのか、どの労働者が各種保険の対象になるかに関して理解しておかないと間違えてしまうことがあります。

今では給与計算システムを導入する企業もかなり増えてきており、今まで以上に計算ミスや手間を減らすことが可能になってきております。

給与計算業務におけるミスの低減や効率化に課題を感じるご担当者様は、一度システムのご導入を考えてみてはいかがでしょうか。

保険料計算の手間とミスから解放されたい方へ

給与計算業務でミスが起きやすい社会保険料。
保険料率の見直しが毎年あるため、更新をし損ねてしまうと支払いの過不足が生じ、従業員の信頼を損なうことにもつながります。

当サイトでは、社会保険4種類の概要や計算方法から、ミス低減と効率化が期待できる方法までを解説した資料を、無料で配布しております。

「保険料率変更の対応を自動化したい」
「保険料の計算が合っているか不安」
「給与計算をミスする不安から解放されたい」
という担当の方は、「社会保険料の給与計算マニュアル」をご覧ください。

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