月の労働時間上限とは?月平均所定労働時間や残業代計算について解説!!

長時間労働が問題視されている日本において、月の労働時間の上限を理解することは法律を守った勤怠管理をするうえで不可欠です。

本記事では、月労働時間の上限から特別条項付き36協定まで、幅広く解説します。

1. 月の労働時間平均は200時間前後

時計と人間

日本における月の平均労働時間は約200時間とされています。また、日本企業の労働時間は他国の企業と比べ、長いと言われています。ただ、日本企業の中には長時間労働が当たり前になっていて、労働時間の長さに疑問を持たない人もいるかもしれません。

1-1. 時間外労働が月80時間を超えると過労死ラインに

長時間労働は従業員の心身を疲弊させ、中には過労死に繋がってしまうケースもあります。時間外労働が月80時間を超えると、過労死のリスクが高まるといわれています。このような時間労働を防ぐためには、従業員の労働時間を把握する事、正しい労働時間の目安を知ることが大切です。

ここからは、法定労働時間や時間外労働の適切な時間について解説します。

2. 法定労働時間を超える場合は36協定が必要

36協定を確認する人事社員

労働時間について理解するうえで、36協定の理解は必要不可欠です。ここでは法定労働時間や36協定といった労働時間に関する基礎的な知識を解説します。

2-1. そもそも法定労働時間とは?

そもそも法定労働時間とは何でしょうか?労働時間は「所定労働時間」と「法定労働時間」の二種類があります。所定労働時間とは各企業の就業規則により定められた労働時間のことをいいます。一方で、法定労働時間とは労働基準法によって定められた労働時間の上限のことです。
労働基準法により、法定労働時間は「1日8時間、週に40時間まで」と定められています。

また、労働基準法は労働時間だけでなく、休憩時間にも規則を設けています。
労働基準法によると、労働時間が6時間以上、8時間以下の場合は少なくとも45分の休憩時間、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも8時間以上の休憩時間を与えなければならないと定めています。

法定労働時間に関しても、休憩時間に関しても8時間は一定の基準になっています。
各企業は法定労働時間従業員を超えて、従業員に労働させる場合は36協定を締結する必要があります。

2-2. 36協定とは?

36協定とは時間外労働に関する協定です。36協定を締結すると、企業は法定労働時間を超えて、従業員に労働させることが可能になります。ただし、法定労働時間を超えた労働すなわち時間外労働は原則として「月45時間・年360時間まで」と定められています。

そのため、法定労働時間と時間外労働を合わせると、「月85時間、年2,440時間」が労働時間の上限となります。臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできません。また、法定労働時間を超えた労働には割増賃金が発生します。

2-3. 特別条項付き36協定の上限

上記で、36協定を締結すると従業員に「月45時間・年360時間まで」の時間外労働をさせることが出来ると解説しました。この「月45時間・年360時間」以上に従業員に労働させる場合は、労使間で36協定の特別条項を締結する必要があります。従来の36協定であれば、この特別条項を締結していれば、無制限に従業員に労働させることが出来ました。しかし、長時間労働や過労死が社会的に問題になりました。これを機に36協定が見直され、特別な事情があっても、時間外労働は「月100時間未満、年720時間以内」と定められました。

この他にも、

  • 2~6か月の平均残業時間が全て月80時間以内であること
  • 月45時間以上の残業は、年に6回以上行ってはいけない

など、法改正により時間外労働にも厳しく上限が設けられました。

近年改正された法律であるため、勤怠管理担当者様の中には自社の残業時間が適切なのかどうか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
当サイトでは、法改正に対応した残業の上限時間についてわかりやすく解説した資料を無料で配布しております。残業時間が法律に則っているのかをすぐ確認できるため、こちらからダウンロードしてご活用ください。

3. 残業代の計算方法

電卓で計算する人

法定労働時間を超えた労働には割増賃金が発生すると解説しました。
次章では、残業代の計算方法について、詳しくご紹介します。

そもそも、時間外労働とは法定労働時間を超えた労働のことを指します。
労働基準法により、時間外労働は25%の割増率が適用される事が定められています。
また、残業代にかかる割増賃金の計算式は以下の通りです。

「割増賃金=1時間あたりの賃金×割増率×残業時間」

3-1. 月平均所定労働時間の計算方法

月給制の場合、割増賃金を算出する際に利用する1時間あたりの賃金は『月給÷月の労働時間』で算出します。しかし、月によって営業日数は異なり、単月で計算してしまうと、毎月1時間あたりの賃金が変動してしまいます。そのため、単純にその月の労働時間で割るのではなく、「月平均所定労働時間」を用いて1時間あたりの賃金を算出します。

月平均所定労働時間とは、その名の通り、1か月あたりの平均所定労働時間のことです。

例えば、所定労働時間が8時間の企業だと、営業日数が20日の月は「160時間(8時間×20日)」、18日の月は「144時間(8時間×18日)」の月所定労働時間になります。

このままだと同じだけ残業したとしても月によって給与が変動してしまいます。このような事態を防ぐために所定労働時間から月平均所定労働時間を算出して平均を出します。実際に月平均所定労働時間は、下記の計算式で算出することができます。

月平均所定労働時間=(365日-年間休日)×1日の所定労働時間÷12か月

例えば、年間休日が125日、一日の所定労働時間が8時間の従業員の場合、下記の計算ができます。

月平均所定労働時間=(365日-125日)×8時間÷12か月=160時間

従業員の月給が40万円だとすると、

40万円(月給)÷160(月平均所定労働時間)=2,500円

となり、その従業員の1時間当たりの基礎賃金は2,500円であることが分かります。
(時間外労働・深夜労働・休日労働の具体的な計算はこちら URL)

4. 月の労働時間を減らす取り組み

月の労働時間の削減

上記で、残業代には、それぞれ割増賃金が発生することを解説しました。
割増賃金が発生するとはいえ、残業は長時間労働を誘発し、従業員の健康を損ないかねません。。
ここでは、月の労働時間を減らす取り組みについて解説します。

4-1. 人事評価制度の見直し

企業によっては、「残業をしている=仕事熱心な人」であるという印象や「残業してでも成果を残せば、評価される」という風潮が社員の間に広まっている事があります。こういった風潮が根強い企業は、残業が長時間になりがちです。
この場合、大切になるのは人事評価基準に「短い時間で成果を上げる事」や「生産性」といった項目を加えることです。これにより、従業員は限られた時間の中で最大限の成果を残そうと考え、試行錯誤します。その結果、企業全体として残業時間の短縮に繋がるでしょう。

4-2. ノー残業デーの導入

「ノー残業デー」とは残業をせず、定時で帰る日を設定する取り組みです。ノー残業デーを設定することにより、定時に帰るために仕事を終わらせなくてはいけないという意識が生まれ、結果として社員の生産性が上がり、残業時間の短縮に繋がります。

4-3. 勤怠管理システムの導入

勤怠管理システムの導入も業務時間の短縮に繋がります。勤怠管理や給与計算を紙やExcelで行っていると、打刻ミスがあった際の対応や集計作業、法改正があった際に、長時間労働が発生しがちです。勤怠管理システムを導入していると、勤怠情報を自動で記録し、法改正にも自動で対応できるため、大幅な労働時間短縮を実現することができます。また、勤怠管理システムによって、「何にどれだけ時間を使っているのか」を可視化することができます。そのため、企業全体として時間に対する意識が芽生え、結果として残業時間の削減に繋がります。

5. 月の労働時間を正しく管理し、働きやすい職場づくりを

働きやすい職場

本記事では、月の労働時間上限や36協定、月の労働時間を減らす取り組みについて解説しました。月の労働時間を正しく把握することは、企業全体として業務効率化を進めることや、法律に則った勤怠管理につながります。また、「ノー残業デー」や勤怠管理システムの導入など、企業にあった取り組みを通じて、働きやすい職場づくりを心掛けましょう。

公式アカウントをフォローして毎日記事をチェック!

関連記事