配置転換とは?目的や企業側のメリットやデメリットも解説 |HR NOTE

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配置転換とは?目的や企業側のメリットやデメリットも解説

  • 組織
  • タレントマネジメント

「配置転換の意味が知りたい」

「配置転換をするメリットとデメリットは?」

上記の疑問をお持ちではありませんか。

配置転換は業務内容や勤務地を変更することです。企業にとってメリットがある一方で、デメリットを被るおそれもあるので実施には注意が必要です。

今回は、配置転換の概要や目的、メリットやデメリットを解説します。社内人材を有効活用できる方法の一つであるため、ぜひ参考にしてください。

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1. 配置転換は業務内容や勤務地の変更を指す

配置転換とは、業務内容や勤務地の変更のことです。企業によっては略して配転、もしくは英語でローテーションと呼ぶこともあります。

配置転換は同一組織の中でおこなわれ、職種やポジションを変更するケースも少なくありません。

また、配置転換は人事権の範囲で行使が可能です。原則として就業規則の範囲内で実施し、雇用契約に反しない必要があります。

就業の範囲外や雇用契約に反する配置転換の場合、配置転換そのものが無効になるので注意しましょう。

2. 配置転換の目的は複数挙げられる

配置転換の目的は、次の通りです。

  1. 適切な人材配置の実現
  2. 組織変化によるモチベーション低下の防止
  3. 社内ネットワークの活性化
  4. 新しい適性の発見
  5. 人材の効果的な育成

それぞれ詳しく解説します。

2-1. 適切な人材配置の実現

配置転換の目的の一つは、適材適所の人材配置を実現させることです。

配置転換によって、従業員のスキルに合わせた適材適所の人材配置の実現が期待できます。適切な人材配置を実現できれば、従業員ごとの生産性が向上するメリットを得られるでしょう。

生産性が向上した従業員が多いほど、企業全体の成長にもつながります。

2-2. 組織変化によるモチベーション低下の防止

配置転換は、組織を変化させて従業員のモチベーション低下を防ぐ目的があります。

同じ部署に長く所属していると、業務がルーチンワーク化してモチベーションの低下が起こりやすいです。配置転換で組織に変化を与えれば業務に新鮮さが生まれ、従業員の仕事に対する意欲も増すでしょう。

2-3. 社内ネットワークの活性化

配置転換には、社内ネットワークを活性化させる効果もあります。配置転換がきっかけで、従業員がさまざまな部署と交流できるためです。

交流した部署との関係を深められれば、仲間意識の向上や情報共有による業務効率化が期待できます。従業員それぞれがさまざまな業務をスムーズに進められるようになるでしょう。

2-4. 新しい適性の発見

配置転換は、新しい適性を発見することも目的です。配置転換を定期的に実施することで、それまで見出されていなかった従業員の新しい適性の発見につながります。

従業員が今までとは異なる業務に従事する機会となるためです。

新たに得意・不得意な業務を発見できるため、適切な業務の割り振りを実現できます。それぞれの業務に対して適した人材を割り振ることで、業務効率の向上にもつなげられるでしょう。

2-5. 人材の効果的な育成

配置転換は、人材の効果的な育成を図ることも目的の一つです。配置転換をするとほかの業務を担うケースも多く、苦手な業務に対応することでスキルの向上につながります。

苦手分野の克服に成功することで、従業員が対応できる業務の幅が広がるはずです。しかし、必ずしも克服できるとは限らない点に注意しましょう。

一方で従業員が得意とする業務を任せるケースでも、その業務に対するスキルをさらに高められます。

3. 配置転換がおこなわれる一般的な時期

配置転換がおこなわれる一般的な時期は、以下が挙げられます。

  • 決算時期
  • 1年ごとなど一定の周囲
  • ジョブローテーション

ジョブローテーションは、職務経験を積ませるための定期的な配置転換です。期間は制度により異なり、短いと1ヵ月、長いと数年が設けられるケースもあります。

配置転換がおこなわれる時期には決まりがありません。会社の状況や従業員のスキルなどを確認し、適切な時期に実施するのが効果的です。

4. 配置転換により企業側が得られる3つのメリット

配置転換により企業側が得られるメリットは、次の通りです。

  1. アイデアやイノベーションの創出につながる
  2. 人員構成を最適化できる
  3. 職場環境の改善を図れる

それぞれ詳しく解説します。

4-1. アイデアやイノベーションの創出につながる

配置転換は、新しいアイデアやイノベーションの創出につながります。新しい人材が組織に配置されることで、これまでにない知見や考え方が共有されて刺激を受けるためです。

職場に新しい動き方や考え方の人材が現れることをきっかけに、従業員の創造力も増すでしょう。

4-2. 人員構成を最適化できる

配置転換は、人員構成を最適化できることがメリットです。社員の適性や能力を考慮して社内の配置を決めることで、よりパフォーマンスが高い体制を整えられます

入社や退職などの社内人材の変化に対しても、柔軟に対応できるでしょう。それぞれの従業員に合わせた人材配置をすることで、従業員がより力を発揮できるようになります。

4-3. 職場環境の改善を図れる

配置転換には、職場環境を改善できるメリットもあります。特に同じ部署で人間関係の問題が発生したとき、当事者同士をそれぞれ別の部署に移すことで解決が可能です。

当事者同士もトラブルの元がいなくなることで、精神的にも快適に働けるようになるでしょう。結果として、人材の定着率や業務に対するパフォーマンス向上も期待できます。

5. 配置転換により企業側が被る3つのデメリット

配置転換により企業側が被るデメリットは、次の通りです。

  1. 一時的に生産性が下がる
  2. 専門性の向上を妨げる
  3. 不満により意欲が低下する

それぞれ詳しく解説します。

5-1. 一時的に生産性が下がる

配置転換をすると、一時的に生産性が下がります。新しい部署で一から仕事を覚える必要があり、円滑に業務を進められなくなるためです。

新しい仕事に慣れるまで、ある程度の期間が必要であると考慮しなければなりません。環境を整えたり円滑に引き継ぎできるようにしたりするなど、従業員の負担を軽減できるよう前もって準備しましょう。

5-2. 専門性の向上を妨げる

配置転換をすると、専門性の向上を妨げる可能性があります。業務内容が変わることで、従業員が特定のスキルや経験を積み重ねにくいためです。

専門性の高い業務に適した人材がいなくなるため、従業員だけでなく企業にとってもデメリットになります。入社してから年数が浅い従業員を対象とする、本人のキャリアプランや希望する分野を考慮するなど、問題が起こらないよう工夫しましょう。

5-3. 不満により意欲が低下する

配置転換の結果、従業員が不満を覚えて意欲が低下するおそれがあります。今までとは違う環境や業務が負担になるおそれがあるためです。

従業員が配置転換に不満を抱かないように、素早い通知や丁寧な説明を事前におこないましょう。配置転換後も、指導やフォローにより従業員の不満を軽減できるよう工夫することが大切です。

6. 配置転換を実施するための手順

配置転換を実施するための手順は、次のとおりです。

  1. 候補者をリストアップする
  2. 内示を実施する
  3. 辞令を交付する

それぞれ詳しく解説します。

6-1. 候補者をリストアップする

まずは候補者のリストアップから始めます。次の要素をもとに、複数名をリストアップしましょう。

  • 別のポジションで能力を発揮できそうな社員
  • 希望のキャリアと現状にミスマッチがある社員
  • 周囲に好影響を与えられる社員

候補者を絞りすぎると業務に適した人材を見逃すおそれがあるので、やや余裕を持ったリストアップが大切です。

6-2. 内示を実施する

リストアップした中から最も優れた人材を決定し、内示を実施します。内示とは、社内の人事異動が確定したあと、全従業員へ通知する前に本人に対して異動を知らせることです。

内示の時期は状況によって異なります。転居を伴わない配置転換であれば、異動2週間前に内示をおこないましょう。家族も含めた転居が必要な場合は、3〜6ヵ月前に内示を実施します。

6-3. 辞令を交付する

配置転換を任命する社員に対し、辞令を交付します。辞令とは、配置転換を公式に通知する文書です。

辞令を交付する際、社員の同意は不要となります。ただし、異動先部署への異動日と現所属部署の解任日が同じ日になるようにしてください。

7. 配置転換の3つの注意点

配置転換の注意点は、次の通りです。

  1. 業務上不必要な配置転換は認められない
  2. 成果が出るまでには時間がかかる
  3. 社員への大きな不利益がないようにする

それぞれ詳しく解説します。

7-1. 業務上不必要な配置転換は認められない

業務上不必要な配置転換は認められません。配置転換は、実施するべき正当な理由が必要であるためです。

具体的には、労働力の適正配置や能率増進、能力開発が目的の場合に認められます。不必要な配置転換は不当性を指摘され、配転命令が無効になるおそれがあるので注意しましょう。

7-2. 成果が出るまでには時間がかかる

配置転換による成果が出るまでには時間がかかります。従業員は新しい環境で新たな業務をすることになるため、配置転換直後に成果が生まれることはほとんどありません

一定期間が経過しても成果が生まれないケースもあるので、長い目で待ち続けるのが基本です。成果の発揮を急ぎたい場合は、従業員が新しい場所に慣れる期間を作ったり、スキルを発揮できる環境を整えたりするなど工夫しましょう。

7-3. 社員への大きな不利益がないようにする

配置転換をする際は、社員に大きな不利益が起きないようにします。配置転換の目的が正当でも、不満によって従業員のモチベーション低下や定着率の低下を招くおそれがあるからです。

社員が不利益を被る例として、「表向きは正当な理由だが本当は嫌がらせで配置転換をする」などが挙げられます。正当な目的と動機から外れないよう、適切な配置転換を心がけてください。

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