「OJTで新入社員が放置されているのではないかと心配している」
「OJTを放置するとどのような影響があるのか知りたい」
「OJTを効果的に進める方法がわからない」
上記のような悩みや疑問をお持ちではありませんか?
OJTは、新入社員が実際の業務を通じて必要なスキルを習得し、職場に早く適応するための重要な教育プロセスです。
しかし、OJTが適切に実施されない場合、新入社員は「自分が放置されている」と感じることがあります。こうした状況が続くと、成長が妨げられるだけでなく、早期退職のリスクも高まるでしょう。
本記事では、新入社員が「放置されている」と感じる理由や放置される原因、そしてOJTを効果的に進めるためのポイントを、労務の担当者向けにわかりやすく解説します。
本記事を参考に、新入社員が安心して成長できるOJT環境を整備し、組織全体の成長をサポートしましょう。
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1. OJTで新入社員が「放置されている」と感じる理由
OJTで新入社員が放置されていると感じるときは、次のとおりです。
- 教育担当者とのコミュニケーションが不足している
- 指導計画やマニュアルがない
- 「やっておいて」という指示が増加する
1-1. 教育担当者とのコミュニケーションが不足している
新入社員が「放置されている」と感じる最も一般的な要因は、教育担当者が不在になるなど、コミュニケーションが不足している状況です。
新入社員は業務に不慣れで疑問や不安を抱えることが多いため、教育担当者にすぐに質問や相談ができない環境は孤立感を助長します。
教育担当者が忙しそうにしている場合も、新入社員が声をかけづらくなり、結果として放置されたと感じることが多くなるでしょう。
1-2. 指導計画やマニュアルがない
指導計画やマニュアルなどがなく、何を身につけるべきか具体的にわからない場合、新入社員が放置されていると感じやすいでしょう。
明確な指導計画やマニュアルがないと、新入社員は業務の全体像や必要な知識が理解できず、不安を抱えることが多くなります。教育担当者からの指導も、場当たり的な内容や作業の繰り返しが増えるため、理解が浅くなるでしょう。
必要なスキルや知識を身につけられていないと、職場で孤立感を強める原因となります。
1-3. 「やっておいて」という指示が増加する
教育担当者から「やっておいて」と一方的に指示されることは、新入社員が放置されたと感じる原因の一つです。新入社員にとっては、「一人でやれ」という意味に受け取られ、途中で困難に直面しても相談できず、不安感が増します。
例えば、「やってみよう」という言葉を使えば、一緒に進められるという安心感を得られ、積極的に取り組む姿勢をもてるでしょう。ちょっとした表現の違いが、新入社員の印象に大きく影響を与えることを理解することが重要です。
2. OJTで新入社員の放置が発生する原因
OJTで企業が新入社員を放置する主な原因は以下の4つです。
- 育成する時間と余裕がない
- 教育体制が整っていない
- 教育担当者の育成スキルが不足している
- 「見て学べ」の価値観が根強い
2-1. 育成する時間と余裕がない
OJTで企業が新入社員を放置する主な原因の一つは、教育担当者が新入社員の育成に十分な時間と余裕を持てないことです。
よくあるパターンとして、OJTの教育担当者が自らの業務をこなすだけで精一杯になり、新入社員に割く時間がなくなることがあげられます。結果として、OJTの本来の目的である新人教育が疎かになり、放置された状態が生まれるのです。
2-2. 教育体制が整っていない
企業内でOJTの体制が十分に整っていない場合も、OJTの放置が発生しやすくなります。
教育マニュアルや指導ガイドラインが不十分であるなど、教育担当者へのサポート体制が欠けていると、新入社員は適切に指導を受けられず放置されがちです。
また、育成スケジュールがあいまいな場合も、担当者による教育のバラツキが生じ、新入社員が計画的に成長する機会を失う可能性があります。
2-3. 教育担当者の育成スキルが不足している
OJTを担当する教育担当者のスキルや経験が不足していることも、原因の一つです。
育成スキルが未熟な教育担当者は、新入社員に対して適切な指導やフィードバックを提供することが難しくなり、結果として放置が発生しやすくなります。
教育担当者の経験不足のために、個別対応や問題解決に自信を持てず、教育を後回しにすることもあるでしょう。
2-4. 「見て学べ」の価値観が根強い
一部の企業では「見て学べ」という価値観が根強く残っているため、新入社員への直接的な指導がなされず、放置されるケースがあります。
このような考え方では、新入社員が自ら学び取ることが重視される一方で、具体的な指導やサポートが不足しがちです。新入社員が業務に適応できず、不安や孤立感を抱えるリスクが高まるでしょう。
3. OJTで新入社員を放置するリスク
OJTを放置すると、3つのリスクを引き起こす可能性があります。
- 新入社員の成長が停滞する
- 早期退職につながる
- トラブルが増加する
3-1. 新入社員の成長が停滞する
OJTで放置が発生すると、新入社員の成長が停滞します。適切な指導がない状態では業務の進め方を学ぶ機会がなく、必要なスキルや知識を習得できないためです。
さらに、仕事のパフォーマンスが向上せず、職場での自信を失いやすくなるでしょう。チーム全体の生産性にも悪影響がおよび、組織全体の効率が低下するおそれがあります。
3-2. 早期退職につながる
OJTで新入社員を放置すると、モチベーションが低下し早期退職のリスクが増加します。会社から適切なサポートを受けられない場合、自分の成長が見込めず将来への不安が増大するためです。
放置される状況が続くと、職場への帰属意識が希薄になり、結果的に職場を去る選択をすることが多くなるでしょう。
企業にとって高い離職率は、採用や教育にかかるコストを増大させ、持続的な成長を阻害する要因となりえます。
3-3. トラブルが増加する
新入社員を放置すると、業務に対する理解が不十分なまま業務をすることになり、トラブルが増加するリスクが高まります。
例えば、重要な社内情報を誤って外部に漏洩したり、社内ルールを無視した行動を取ったりする可能性が生じるのです。結果として、企業の信頼が損なわれ重大な損失を被ることがあるでしょう。
OJTは新入社員に業務の基本を教える重要なプロセスです。十分に指導できないことで、組織全体に不測の事態を招くリスクが高まります。
4. OJTで新入社員を放置させないための進め方
OJTで新入社員を放置させない進め方として、OJTトレーナーに「4段階職業指導法」の4ステップを活用してもらう方法があります。具体的には以下の4つのステップで進めましょう。
- やってみせる(Show)
- 言って聞かせる(Tell)
- させてみる(Do)
- ほめる・フィードバックする(Check)
4-1. やってみせる(Show)
新入社員に業務を教える際は、まず教育担当者が手本を示しましょう。教育担当者が正しいやり方を見せることで、新入社員は仕事の全体像や手順を具体的に理解できます。
業務の流れを視覚的に学び取れるため、新入社員が実践する際のイメージがつかみやすくなるでしょう。また、仕事の流れを見せることで、新入社員が何を学ぶべきかを明確にする効果もあります。
4-2. 言って聞かせる(Tell)
次に、業務の背景や手順の詳細を口頭で説明し、新入社員に理解を深めてもらいます。特に、業務の目的や重要なポイント、注意すべき点など要点を具体的に伝えましょう。
単に作業をおこなうだけでなく、その仕事がなぜ必要なのか、どのようにおこなうべきかをしっかりと説明することにより、新入社員は業務の意義を理解できます。
4-3. させてみる(Do)
新入社員に自分自身で業務を実行してもらいます。教育担当者は新入社員が業務を進める様子を見守り、必要に応じてサポートしましょう。
しかし、新入社員に任せきりにしてはいけません。判断に迷いが生じたときなどにはアドバイスしながら、実際の業務に取り組んでもらうことが大切です。
4-4. ほめる・フィードバックする(Check)
新入社員が業務をした後は、結果に対して適切なフィードバックをしましょう。
特に、できた部分をしっかりとほめることで、新入社員の自信を高め、次の業務への意欲を引き出せます。
改善が必要な点については、具体的なアドバイスを与え、次にどうすべきかを明確にすることが重要です。
5. OJTで新入社員を放置させないポイント
OJTで新入社員を放置させないポイントは次のとおりです。
- 教育の目的と実施計画を明確にする
- 教育内容のマニュアルをつくる
- 定期的にフィードバックができる環境づくりをする
- 教育担当者を育成する
5-1. 教育の目的と実施計画を明確にする
OJTで新入社員を放置させないためには、まず目的を明確に設定し、具体的な実施計画を策定します。OJTを通じて新入社員にどのようなスキルや知識を習得させたいのかを定義し、その上で進行スケジュールを作成しましょう。
また、OJT計画を全社的に共有することで、教育担当者以外の社員も新入社員の学習内容を把握できるため、社内で指導内容を統一できます。
5-2. 教育内容のマニュアルをつくる
新入社員の放置を防ぐためには、教育内容をマニュアル化することも効果的です。
マニュアルにもとづく指導では、学習内容や達成すべき目標が明確になります。新入社員は、自分が何を学び、どのように成長すべきかを理解できるため、迷わずに業務に取り組めるでしょう。
目標が明確であればあるほど、新入社員は自己管理がしやすくなり、放置されているという感覚を持たずに、積極的に学習に取り組めるのです。
さらに、教育マニュアルは教育担当者にとっても指導のガイドラインとなり、何を教えるべきか迷うことがなくなります。教育担当者の負担が軽減され、新入社員への指導により集中できるため、放置されるリスクがさらに低くなるでしょう。
5-3. 定期的にフィードバックができる環境づくりをする
教育担当者が新入社員に定期的にフィードバックできる環境づくりをすることで、放置を防げます。
例えば、下記のような環境づくりが効果的です。
- 定期的な個別ミーティングの実施
- フィードバックシートの活用
- フォローアップ研修の実施
ただし、企業としても教育担当者がフィードバックや研修に十分な時間を割けるよう、業務負担を適切に調整することが必要でしょう。
5-4. 教育担当者を育成する
OJTで放置を発生させないためには、教育担当者の育成が欠かせません。
教育担当者は社歴が浅い社員が務めることが多く、指導経験が不足している場合があります。新入社員に適切な指導をするためには、教育担当者の指導力を高めることが必要です。
具体的には、教育担当者向けの研修を実施することで、指導方法やフィードバックの仕方を学ばせることが効果的でしょう。例えば、新入社員に対して効果的に指導するためのコミュニケーションスキルや、内容を構造的に伝える力を養う内容などが挙げられます。
教育担当者が抱える不安や疑問を解消する場を設け、指導に対する自信をつけさせることも重要です。
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本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
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