従業員の打刻管理を分単位でおこない、給与の算出に追われている人事・労務担当の方は多いのではないでしょうか。打刻まるめは、給与計算業務を効率化できる手段である一方で、適切なルールを定めないと、労働基準法の違反を招きやすいです。本記事ではルール設定の仕方や、現在の勤怠管理方法から打刻まるめをおこなう方法をあわせて解説します。
関連記事:打刻を行う意味とは?打刻忘れが起きた際のリスクや対応などを徹底解説
「打刻まるめの労働時間集計ってどうやるの?」「そもそも打刻まるめは問題ない?」という疑問をおもちではありませんか?
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1.打刻まるめとは
打刻まるめとは、打刻時刻の端数を切り上げ、切り捨てをすることです。まるめる単位は、5分、15分、30分など企業によってさまざまです。例えば、15分単位でまるめをおこなう企業では、退勤打刻を18時11分におこなった場合、18時として扱われます。
なかには、始業時間と終業時間でまるめる単位が異なる企業も存在します。
2.打刻まるめのメリットとデメリット
打刻まるめには勤怠管理の担当者にとってメリットが大きい反面、正しいルールを理解していないいと、デメリットのほうが大きくなる可能性があります。打刻まるめを検討している場合は、メリットとデメリットを知ったうえで、ルールに沿った運用が不可欠です。
メリット①:給与計算業務を簡略化できる
打刻時間の端数をなくすことで、従業員の給与計算を簡易化させることができます。またタイムカードで打刻し手作業で給与を算出している場合や、従業員が多い場合などには、計算が簡単になり効率向上が見込めるでしょう。
メリット②:より実労働時間に近い打刻が可能となる場合がある
例えば、従業員が始業時刻前に一杯コーヒーを飲むなど、業務や業務に必要な準備とは関係のない時間を設けていた場合、適切な打刻情報であるとは言えません。
数分まるめた打刻記録をおこなうことで、より実労働時間に近い時刻を残すことができ、適切な勤怠管理がおこなえます。
デメリット①:打刻時間を不当に短くまるめると違法になる
打刻時間は、労働基準法により1分単位で記録することが義務付けられています。そのため、不当に日々の労働時間をまるめて、従業員の業務時間を短縮化することは違法にあたります。労働者にとって不利となる打刻まるめが発生しない勤怠管理をおこないましょう。
デメリット②:働き方に応じた設定・管理をおこなう必要がある
働き方改革の影響により、フレックスタイム制や裁量労働制といった多様な働き方が増えています。そのため、業務形態が異なる従業員に対応したルールを作成して対応をする必要があります。
そのため、業務形態が異なる従業員に対応したルールを作成して対応をする必要があります。
打刻のまるめは、給与計算業務を簡易化できる側面がある一方で、正しい労働時間の集計方法や、給与の計算方法を知らない場合、労働基準法に違反してしまうため、注意が必要です。
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3.打刻をまるめる際の計算方法
タイムカードや手書きでの打刻管理をおこなう場合、給与計算時に労働時間の端数まで手動で計算することは大変な作業です。給与計算は複雑ですが、ミスが許されない重要な業務です。計算方法を確認し、適切な打刻管理をおこないましょう。
3-1. エクセルの関数で切り上げ、切り捨てをおこなう
エクセルの関数の機能を使うと、記録された時間を自動で切り上げることができます。
エクセルでまるめたほうが給与計算の効率化が図れるでしょう。
打刻記録の端数を切り上げたい場合は「CEILING関数」、切り捨てたい場合には「FLOOR関数」を使用します。
例えば、5分単位でまるめて切り上げたい場合には、エクセルに打刻時間を入力したあと、下記関数を入力します。
=CEILING(時刻を入力したセル,”0:05″)
逆に、10分単位で端数を切り捨てたい場合は、打刻時間を入力した後に、下記関数を入力しましょう。
=FLOOR(時刻を入力したセル,”0:010″)
3-2. 勤怠管理システムの設定で自動処理をする
打刻記録から給与計算までの一連の流れをより効率化させるためには、勤怠管理システムを導入することが最も効果的です。打刻データのまるめを設定すると、自動で端数処理をおこなったあとのデータを記録することができます。
また、給与計算も自動で算出できるため、数値の入力や計算ミスのチェックなどをおこなう手間が省けます。
4.労働基準法に違反しないルール設定の仕方
打刻まるめは、このように給与計算業務を効率化してくれる便利な手段ですが、ルールを理解しないまま運用してしまうと、労働基準法に違反しかねません。労働基準法に沿ったルールの作り方を知り、正しく勤怠管理をおこないましょう。
4-1. 業務時間のまるめ処理のルール
出勤打刻の切り上げや、退勤時刻の切り捨てにおいて、労働者が不利益を被るようなまるめ処理をおこなうことは労働基準法に違反することとなります。また遅刻した労働者の出勤時刻においても端数をまるめて、実出勤時刻よりも遅く記録してしまうことは違反にあたります。
上記対応が発生しないようなルール設定をするように注意しましょう。
4-2.残業時間をまるめ処理する場合のルール
月間の総残業時間においては、30分未満を0分に切り捨て、また30分以上を1時間に切り上げるというまるめ処理は、行政通達の例外規定により認められています。そのため、月間の時間外労働の打刻まるめは、30分単位の切り捨てと切り上げが必要となります。
5.打刻まるめの適切なルールをつくり効率的な勤怠管理をおこなおう
今回は、打刻まるめの概要や、まるめることにより起きるメリットやデメリット、実際にまるめをおこなう際の端数処理方法などを紹介しました。労働基準法により認められているルールをしっかりと理解したうえで、打刻まるめをおこない、より効率的な勤怠管理を実現しましょう。
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