アルバイトのシフト作成や勤怠管理に課題を感じている企業の担当者も多いでしょう。アルバイトのシフトや勤怠の管理を紙でおこなっている場合、個人によって勤務時間がバラバラなため、フルタイム労働者の労働時間の管理よりも管理が複雑になります。
本記事では、アルバイトのシフト管理を含んだ勤怠管理における課題と、それを解決できるシフト管理システムについてわかりやすく解説します。
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント ・社労士のお客様のシステム導入失敗談 ・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
目次
1. アルバイトの勤怠管理に関するよくある課題
アルバイトの毎月のシフト作成や勤怠管理業務には、多くの時間がかかります。
また、実際の勤務時間や休憩時間など勤怠データを集計し、給与計算に結びつける作業も面倒だと感じている担当者も多いでしょう。
ここでは、シフト制の従業員の勤怠管理をするときの課題を、現場の担当者の声からまとめてみました。
1-1. 「勤務時間・時給が個人によってバラバラで給与計算が大変」
アルバイトの給与計算は大変です。シフト制を利用する理由は、必要な時間に必要な労働力を確保するためですが、飲食店などでは、必要な労働力が月・週・日によって異なるので、その都度集計して計算する必要があります。
多店舗経営であれば、それぞれの店舗から給与計算期間の締め日以降にバラバラのデータが本部に送られてくるケースもあるかと思います。
その場合、担当者は支払日までの定められた期間内に、アルバイトごとに異なる勤務時間や時給のデータを集計しなければなりません。手作業であれば、非常に煩雑な作業となるのではないでしょうか。
1-2.「パソコンを利用したいが設置する場所は?」
パソコンを設置してエクセルなどを利用すれば、アルバイトの勤怠管理から給与計算まで、比較的スムーズにすることができます。
しかし、アルバイトの比率が高い飲食店などではお客様が利用するスペースがほとんどのため、パソコンを置いたり管理作業をしたりするには物理的な限界があるのが現状かと思います。
パソコンを設置してアルバイトの勤怠管理をしたいと思っても、スペース的に無理だと判断されるケースも多いようです。
1-3. 「勤務時間に不正がないだろうか?」
多店舗を運営している場合、全ての店舗でアルバイトによる勤務時間に関する不正対策を強化をすることは難しいでしょう。
たとえば、アルバイトが遅刻する際、同じアルバイトの仲間に自分の分も一緒に打刻するようにお願いするなど、タイムレコーダーへ不正に打刻するような場合です。
勤怠を管理する担当がいなければ、このような問題が山積みの現場もあるかと思います。最悪の場合「知らないのは管理者だけ」ということもあるでしょう。
不正打刻を管理できていないという状況は、人件費が無駄に支払われることにつながります。またそれだけではなく、従業員のモラルの低下、モチベーションの低下にもつながりかねません。
1-4. 「シフト作成に膨大な時間を費やしていないだろうか?」
アルバイトのシフト作成が頭痛の種だという担当者も多いかと思います。
適切な人員配置のもと、日々の売上目標に合わせた営業がおこなえるように、管理者は従業員を確保しなければいけません。学生アルバイトが多い飲食業界などでは、学生の希望に合わせたシフトを作成しなければいけないので、その確認作業にも手間がかかってしまうのではないでしょうか。
当然、給与として支払うことのできる人件費には限りがあります。アルバイトの能力によって異なる時給を支払っている店舗のシフト管理者にとっては、シフト作成業務はまさにジグゾーパズルのように複雑で、時間のかかる作業かもしれません。
1-5. 「サービス残業があるようだけど大丈夫?」
サービス残業が常態化している現場も多いのではないでしょうか。各店舗の店長クラスのなかには、労働基準法よりも店舗の利益を優先する人もいるようです。
利益優先の考え方は、「サービス残業をしてでも会社に貢献するのは当たり前のこと」という錯覚につながりかねません。
一般的に多店舗の場合、勤怠管理は本部で一括するケースが多いので、専門知識を持った担当者が各店舗での残業の実態を監視することが難しいのです。
2. アルバイトの勤怠管理を効率化する方法
アルバイトの勤怠管理を効率化するためには、エクセルを活用したり勤怠管理システムを導入したりすることが大切です。それぞれの方法について順番に見ていきましょう。
2-1. エクセルを活用する
コストをかけずにアルバイトの勤怠管理をおこないたい場合は、エクセルを活用するのがおすすめです。すでに職場のパソコンにインストールされているケースも多く、費用をかけずに管理することができます。
関数を設定しておけば、数値を入力するだけ合計数値などをすぐに算出可能です。ただし、手作業で数値を入力する必要があるため、入力ミスなどのヒューマンエラーが発生する可能性はあります。
2-2. 勤怠管理システムを導入する
アルバイトの勤怠管理を効率化したい場合は、勤怠管理システムを導入するのがおすすめです。勤怠管理システムを活用すれば、従業員の出勤時刻・退勤時刻から労働時間を自動的に算出できるのはもちろん、給与計算システムと連携することで毎月の給与も計算できます。
スマートフォンやタブレットから打刻できるシステムもあるため、直行直帰が多い従業員でも打刻漏れが発生することはありません。勤怠管理から給与計算までの作業を大幅に効率化できるため、ぜひ導入を検討しましょう。
3. アルバイトの勤怠管理に役立つ勤怠管理システムとは
勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理や給与管理といった人事領域に関する幅広い業務を一元管理し、より簡単におこなうことができます。現在では、1人当たり月額200円など、非常に低価格で導入できる勤怠管理システムも増えてきました。
ここでは、一般的な勤怠管理システムの機能や特徴を紹介します。
2-1. 勤怠管理から給与計算ソフトへの接続機能
勤怠管理システムが自動的にデータを集計して、給与計算ソフトへの連携をおこなってくれます。
これまで時間をかけていた、実労働時間や休憩時間などの集計業務をおこなう必要がなくなり、手間を省くことが可能です。さらに、出勤簿などの法定帳簿まで作成します。
2-2. パソコンがなくても運用できる省スペース機能
大きなパソコンを設置するスペースがなくても大丈夫です。場所をとらないタブレット端末などで打刻から管理業務をおこなうことも可能です。
2-3. 不正防止機能
顔認証や指紋認証などの機能が備わっている勤怠管理システムも増えてきており、不正打刻を未然に防止することができます。
これらの不正防止に役立つ機能が備わっている勤怠管理システムを活用すれば、遅刻をした従業員がいた場合などに、他のアルバイトに打刻を頼むなどの不正がなくなります。
2-4. 自動でシフト作成する機能
シフト作成時の予想される人件費を手計算する必要はありません。
1営業日に必要な人数や、その人の能力などをあらかじめ勤怠管理システムに登録しておくことで、従業員のスマートフォンなどから送られてきた希望シフトを自動で読み込み、シフト作成をおこなってくれます。
2-5. サービス残業に対応する機能
各店舗の勤怠管理を本店の担当者が把握できるため、法律遵守を各店舗に徹底するきっかけにもなります。
違法なサービス残業の減少につながるのではないでしょうか。
3. アルバイトの勤怠管理システムの選び方
アルバイトの勤怠管理システムを選ぶときは、以下のような点に注目しましょう。
3-1. 幅広い勤務形態に対応できるか
幅広い勤務形態に対応できるかどうかは、勤怠管理システムを選ぶときの重要なポイントです。出勤する時間や曜日はアルバイト従業員によって異なります。シフト制で毎週違った曜日に出勤する人もいれば、土日に必ず出勤する人もいるでしょう。
さまざまな勤務形態に合わせて柔軟に設定できる勤怠管理システムを導入すれば、管理の手間を減らせるでしょう。
3-2. 給与計算システムと連携できるか
給与計算システムと連携できるかどうかもチェックしておきましょう。既存のシステムと連携できるものを選べば、必要なデータを自動的に共有し、給与計算などを自動化できます。
手入力する手間を省きつつ、入力ミスなどのヒューマンエラーを防止できるでしょう。
3-3. 従業員が使いやすいか
管理者側が使いやすいことも重要ですが、従業員が使いこなせるかどうかも大切なチェックポイントです。とくにアルバイトの場合、シフトを提出する場面が多いため、希望日を入力しやすいかどうかなど使い勝手をチェックしておきましょう。
4. アルバイトの勤怠管理に役立つシステムおすすめ8選
アルバイトの勤怠管理の煩雑さを解消するため、とくにシフト管理機能が充実した8つのシステムを紹介します。導入するシステムで悩んでいる場合はぜひ参考にしてください。
ジンジャー勤怠
関連記事:シフト表テンプレ付|シフト作成のポイントや役立つサービスを紹介
ビズプラシフト
ビズプラシフト(bizplaシフト)は、パズルゲーム感覚で直観的にシフトが作成できるのでシフト作成者の生産性が大幅に向上できます。また、スタッフの希望とのマッチング精度が上がり、スタッフの定着率が向上する画期的なシステムです。
バイバイタイムカード
特徴として、豊富な打刻方法が挙げられます。iPadやQRコードによる打刻から、ICカード・スマートフォンによる打刻、さらに指静脈認証まで、さまざまな打刻方法に対応します。また、システムの反応も早く、サクサク仕事をしてくれます。
followスマートタッチ
NTTグループの提供する勤怠管理システムで、セキュリティに関しては、国内最高レベルといえます。
初期設定は簡単で高価な打刻機も必要とせず、担当者の負担軽減につながるような機能も豊富にそろえています。
ジョブカン勤怠管理
豊富な打刻方法やシフト管理機能において、業界でも高いレベルの勤怠管理システムです。飲食業界や小売業界で広く活用されています。また、サポート面も充実しており、サポート完全無料も安心して使える理由だといえるでしょう。
OBCの勤怠管理サービス
勤怠管理に必要な要素を「業務の効率化」「従業員が使える仕組み」「リスクマネジメントの実現」「多様な働き方への対応」「環境変化への対応」に分け、その要素のすべてに対応している勤怠管理システムです。
シフオプ
シフト管理に特化したシステムであれば、シフオプも低価格で利用できます。シフト管理は、業務の効率化はもちろんのこと、人件費の最適化やシフト作成時の負担の軽減にも大いに役立ちます。
勤労の獅子
豊富な勤務シフトが用意されていて、さまざまな勤務体系に対応できる勤怠管理システムです。また、出退勤の情報を集計し、帳票作成に利用できるシステムをワンストップで提供できる体制を持っています。
5. アルバイトの勤怠管理はシステムで効率化しよう!
アルバイトの勤怠管理に負担を感じるのであれば、エクセル表での管理から脱却し、本記事で紹介したような「勤怠管理システム」の導入を検討してみるのも良いかもしれません。
対策を講じることで、アルバイトについても効率的かつ正確な勤怠管理を実現できるでしょう。