シフト表はスタッフやアルバイトの勤怠管理に必須のツールです。
人事担当者にとっては、誰しも、「使いやすく、人件費を管理しやすいシフト表があれば・・・」と何度も思ったことがあるでしょう。
今回はそんなシフト表作成のコツや人事担当者にとって使いやすいシフト管理ツールもご紹介いたします。これで、煩雑なシフト表作成を簡略化していきましょう!
関連記事:シフト管理の不満はシフト管理システムで解決|特徴や金額を徹底比較
数多くある勤怠管理システムの中から、自社に見合うシステムを探す際、何を基準にして選べばいいのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために今回、社労士監修のもと、「勤怠管理システムの比較表」をご用意いたしました。資料には以下のことがまとめられています。
・勤怠管理システムの5つの選定ポイント
・社労士のお客様のシステム導入失敗談
・法対応の観点において、システム選定で注意すべきこと
お客様の声をもとに作成した、比較表も付属しています。これから勤怠管理システムの導入を検討されている方はぜひご活用ください。
1. 使いやすいシフト表の作成の仕方とは?
まず、使いやすいシフト表の特徴を作成・運用・見やすさ・人件費の調整・配置といった観点から紹介していきます。
それぞれの観点を確実に押さえることで、今までの闇雲に集計しがちだったシフト表作成からの脱却をはかりましょう。
「できる限り、シフト作成の工数を減らしたい」「シフト管理を自動化して楽にしたい」とお考えの方は、以下の記事もぜひご覧ください。
※参考:『シフト表自動作成』をもっと詳しく! ▶︎シフト表自動作成システム比較|短時間で効率的に人員配置を最適化
1-1. シフト表作成時に意識をしたいこと
スタッフ・アルバイトの雇用条件・職務を把握
シフト表を作る前に、それぞれの事業所に所属しているスタッフ・アルバイトがどのような条件下で働いているかを可視化しましょう。
全員が一様に働いているわけではなく、時短者やパートタイム勤務、更には複雑な人間関係も存在しているので、シフトを作る際の条件として整理しておくとよいでしょう。
【従業員の条件・特性整理の一例】 あるアパレルショップの勤怠条件や特性を例示してみました。これらの条件が可視化されていれば、効率的にシフト表を作成することができます。
各シフトの定義・条件は明確になっているか
シフト表を作成する前に、早番・遅番・夜勤といった時間帯の定義が明確になっているかどうかも重要です。
これらの時間帯に応じた特別給の支給や「アルバイトは一ヶ月何時間まで勤務」といったレギュレーションも定めておかないと、知らぬうちにスタッフやアルバイトを過重労働させてしまい、ブラック企業と烙印を押されてしまう危険性もあるので注意が必要です。
【時間帯・特別時給の定義の例】
1-2. シフト表を作成する前に抑えておきたいポイント
勤怠条件に応じた必要人員を明示
事業の形態にも寄りますが、曜日ごとに人員配置や必要人員が異なるケースも出てきます。
祝日やお盆などの季節にもよって休日シフトや配置が変わってきます。シフト作成にあたってはこの予想も明確に定めておきましょう。
【従業員の必要人員例】 以下の例のように、曜日によって何人必要なのかを明示しましょう。下記表は、先述したアパレルショップを例としたものと同様になります。
早番、遅番をあわせて何名必要なのか、また夜勤が必要な日程を明示することによって、スタッフもどれくらいの頻度で入ればいいのか、イメージしやすくなるので、勤務区分に応じて設定してみましょう。
見やすさ、作りやすさを重視
シフト表を作る際には、見やすさと作りやすさを重視しましょう。
この2つを押さえるだけでも、各スタッフ・アルバイトが分かりやすくなるようなシフトを作ることができるようになり、集計も楽になります。
そのためにも、勤務シフトの名称を明確に定義するとともに、シフト入力のルールも徹底しましょう。
事業所単位でシフトを把握しやすくするために、簡易記号(○:早番、●:遅番、×:休み)を用いてみるとよいでしょう。
勤務時間帯の設定も重要な要素になるので、シフト入力の際には誤解が生じないように定義づけをしましょう。
これらの事柄に注意しながらシフト表を作成することで見やすさと作りやすさが大幅に改善されるでしょう。
2. シフト表の作成時に知っておくべきこと
シフト表をつくる際にも人事視点で徹底しなければいけない点を紹介します。
2-1. 習熟度の高い社員がシフトにいるかどうか
シフト表を作成する際に、業務の習熟度が低いスタッフだけが同じ日に集中して出勤してしまうと、万が一の事態に対応ができなくなってしまい、分からないことやできないことに関して、解決できなくなってしまいます。
したがって、スタッフの熟練度を等級や年数などで把握して、各シフトに必ず1人はベテランが配置されているように組むのが良いでしょう。
関連記事:アルバイトのシフト作成が面倒!手間をかけないシフト管理・勤怠管理システム
2-2. 人件費の調整
人件費に関して把握しておくことも重要になってきます。たとえば、1日の人件費が5万円だったものが、シフトの偏りなどで1日7万円になってしまったら、正確な予算管理ができなくなってしまいます。
そうならないためにも、1日あたりの人件費に制限を設けて、ベテランと新人を組ませてコストを平準化しつつ、業務に支障が出ないようなシフト表を作成していくことが大切です。
2-3. 人員配置に偏りがないか
人員配置に偏りがないかチェックすることもスタッフの負担を減らすことになるので重要です。
ある時間帯にだけ人員が過剰になってしまうと別の時間帯に勤務しているスタッフへの業務負荷がかさんでしまいます。
したがって、時間帯や曜日に応じて何人のスタッフが必要なのかをあらかじめ明示するとともに、各シフトごとのルールを定めて、時間や曜日によるスタッフの偏りを未然に防止しましょう。
【(例)勤怠時間・待遇ごとのルール】
2-4. 混雑が予想される時間帯のシフトに余裕はあるか
混雑時にもかかわらず、スタッフが足りていないとなると、現場では業務が回らなくなってしまう可能性があります。
繁忙時間や混雑状況を見極めて、週次で何名必要なのかを季節に応じた形で予想しておく必要があります。
新規出店の場合は似た業態の店舗や事業所を回ってみて、他社がどのような時間帯に混んでいるのかを把握してみるようにしましょう。
その上で繁忙期を予想してみれば、実際に業務が始まった時との乖離が少なくて済むでしょう。
2-5. 人間関係を考慮したものになっているか
仕方がないことなのかもしれませんが、人間が介在すれば人間関係が生じて、性格や志向の「合う・合わない」が明確に出てしまうケースも出てきます。
「たかが人間関係で・・・」と思う方も多いかもしれませんが、職場の人間関係で離職してしまうスタッフは意外と多くいます。
しかし、新たなスタッフを雇用する手間を考えると、人間関係に関しても事前に対策を練っておいたほうが良いでしょう。
あからじめスタッフからヒアリングをして「合う人・合わない人」「相性が良い人・悪い人」であらかじめグルーピングをおこない、シフト表を作成したほうがよいでしょう。
3. 便利なシフト表作成ツールまとめ
続いて、シフト表を作るためのテンプレートと勤怠管理もあわせてできるシフト管理ツールをご紹介します。
それぞれに特徴があるので、目的に応じて使い分ければ効率的なシフト表作成が可能になるでしょう。
※参考:『シフト管理の効率化』をもっと詳しく! ▶︎シフト管理業務の効率化|3つのシフト管理システムをご紹介
ジンジャー勤怠
【特長】
- アプリからの操作が可能で、使いやすさを重視した管理画面で誰でも簡単にシフトを作成。
- 従業員からの希望シフトがアプリ上で集計でき、イレギュラーな人員不足もアプリ上でヘルプ申請ができるので、効率的なシフト作成が可能。
- シフト上の従業員の過不足を能力別や時間帯別で管理でき、同一サービスで勤怠管理もできる。
【料金】 初期導入費:300,000円 1ユーザーあたり:400円/月 無料トライアル実施中
関連記事:シフト表自動作成システム比較|短時間で効率的に人員配置を最適化
シフオプ
【特長】
- スタッフからの申請シフトが管理者の画面に自動反映され、申請状況が一目で確認可能
- 日別・週別・月別など、いろいろな切り口の画面でシフト作成ができる
- シフト調整、シフト共有も容易に可能
【料金】 初期導入費:0円 1ユーザー300円/月 従業員数が1,000名を超える場合は、月額料金固定のパッケージプランも提供
見やすくきれいなパターン登録型シフト表
分類別されたパターンでの入力が可能な事業所向けのシフト表テンプレートです。
18パターンのシフト形態が登録されているので、遅番・早番・夜勤・休日出勤などの勤務形態や、従業員属性でも分類することが可能です。
勤務時間の集計もできる仕様となっております。
Excelで作るA4一枚のタイムシフト表
Excelでシフト表を作成しながらもA4一枚で要点がまとまるので、印刷も便利にできるフォーマットになっています。
役割や時間併記によって進捗状況も把握しやすく、Excel上で文章の編集やフォントを切り替えることができるので運用も容易です。
1時間ごとシフトを把握できるので、簡単に稼働スタッフ人数の可視化ができます。
1週間を表示するガントチャート式のシフト表
目盛が15分単位で設定されており、勤務時間さえ入力してしまえばガントチャートを引いて誰がどれくらいシフトに入るかを一週間単位で可視化してくれます。
ガントチャートで分けることによって見やすくなっているのが特徴です。
24時間営業に対応するガントチャート式のシフト表
「残業代・深夜手当」といった緻密な時給計算ができる仕様となっています。
シフト作成時にリアルタイムで自動的に入力したシフトにもとづいた労務費をアナウンスしてくれるため、人件費コントロールに適したフォーマットとなっています。
しかも、一人のシフトを組むのに2つの数字を入力してしまえば済むので、簡単にシフト表が作成できます。
参照:多機能 勤務シフト表|こだわりEXCEL(エクセル)テンプレート
本記事では一部のみのご紹介になりましたが、現在では多くの種類のシフト管理ツール、シフト管理システムが登場しています。
実際に比較検討をおこなう方は、以下の記事もご参照ください。
※参考:『シフト管理システム』をもっとたくさん知りたい! ▶︎【全26選】シフト管理システムの価格・特徴を徹底比較 | 2024年完全版
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
シフト表を作成している担当者は、事前に勤怠の定義や所属しているスタッフ、アルバイトの属性を把握し、作りやすさと見やすさを兼ね備え、抜けなく、もれなく実際の業務に不備が出ないようなシフト表を作る必要があります。
Excelタイプの手入力をおこなうテンプレートから、PCやスマホなどからシフト表が作成できる、勤怠管理システムまでありますが、事業所の状況に応じて使い分ければ、シフト表にかけていた時間の削減につながるのではないでしょうか。
重要なのは、どれだけ工数を掛けずに効率化できるかどうかを考え、事業所の実態に合わせたシフト表の作成方法を選択できるかどうかです。本記事が効率的なシフト表作りの参考になれば幸いです。
また現在では、シフト管理以外の勤怠管理も効率化できる勤怠管理システムは国内で数えきれないほど存在します。
中には、無料で始められるものや機能別で業界に特化したものなどさまざまな勤怠管理システムが登場してきました。
勤怠管理にお悩みの人事担当者の方は、以下の記事なども参考にしながら導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。