『残業対策』をあなたの会社ではおこなっていますか?従業員が会社へ抱く不満の内容として、「残業の多さ」がよくあげられます。
残業による過労死や自殺などの事件が後を絶たないようになってきたなかで、あなたの会社では残業を減らすために何かしらの取り組みはしているでしょうか?
今回は、残業削減に役立つ取り組みを紹介していきます。
関連記事:残業とは|残業の割増賃金の計算方法や残業規制による対策法も
そもそも残業時間が各従業員でどれくらいあるのかが分からなければ、削減しなければならない残業時間数や、対象の従業員が誰かが分からないためです。
現在、残業時間を正確に把握できていないなら、勤怠管理システムを導入して残業時間を可視化することをおすすめします。
具体的な残業時間数が把握できるようになったことで、残業の多い従業員とそうでない従業員を比較して長時間労働の原因をつきとめ、残業時間を削減した事例もあります。
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1. 残業削減の取り組みが重要視されている背景
残業を削減する取り組みは、社会全体で重要視されています。ここでは残業削減が求められている背景を紹介しますので、チェックしておきましょう。
1-1. 残業時間の上限が定められた
2019年4月に労働基準法が改正されたことにより、残業時間の上限が定められました。36協定を締結した場合でも、残業時間の上限は月45時間・年360時間です。特別条項付きの36協定を結ぶことで上記の時間を超えて働かせることは可能ですが、以下の基準を守る必要があります。
- 時間外労働は年720時間以内とする
- 時間外労働と休日労働時間の合計は月100時間未満とする
- 時間外労働と休日労働時間の2〜6カ月平均は全て80時間以内とする
- 時間外労働が月45時間を超えるのは年6回までとする
上限を超えると、30万円以下の罰金、または6カ月以下の懲役が科せられるため、企業としてはしっかりと対策して残業を削減しなければなりません。
1-2. 残業に対する割増率が引き上げられた
従業員に残業をさせた場合、企業はその時間に応じた割増賃金を支払わなければなりません。とくに残業が月60時間を超えると、割増率が通常の25%から50%になるため、より多くの人件費が発生します。中小企業においては、割増率を50%にする措置に対する猶予期間が設けられていましたが、2023年4月以降は50%の割増率で計算しなければなりません。残業が増えすぎると経営状況に大きな影響を与えるため、適切な対策を講じることが重要です。
2. 残業を削減する5つの方法
主な残業削減の取り組みとして、以下の5つを紹介します。
2-1. ノー残業デーの導入
ノー残業デーとは、毎週水曜日など、会社が定めた曜日に従業員を一斉に退社させることで残業を減らし、業務の効率化を進める取り組みです。
残業対策として、かなり知名度のある取り組みです。従業員にとっては、残業が減ることや、早く帰れるためモチベーションのアップにつながるなどのメリットがあり、会社にとっては人件費の削減のメリットがあります。
関連記事:ノー残業デーを設けるメリットとデメリット
2-2. 残業を事前申請制にする
残業をおこなう際に本人が上長や管理職へ残業申請をおこない、それが認められた場合のみ残業をおこなうことができる制度です。
これにより不要な残業が削減されるだけでなく、どの部門で、どのような理由により、どの程度の残業が発生しているかといった実態を把握できます。さらに、残業削減のために、従業員に指導をおこなって業務の効率化を進めることもできるでしょう。
2-3. 人事評価制度と残業時間の連動
管理職の人事考課の項目に「部下の残業時間」を組み込むことにより、残業時間の管理についても考慮に入れて管理職の評価を決めるという制度です。
部下の残業時間が多すぎると管理職の評価にも影響するので、管理職は部下の残業時間に気を配るようになり、一人ひとりの残業時間の削減に取り組むようになることを期待できます。
また、管理職だけでなく、一般社員の人事考課にも「自分の残業時間」を組み込んでいる会社もあります。
2-4. 業務のローテーション化
従業員一人ひとりが特定の仕事を受け持つのではなく、各従業員がさまざまな業務に携われるように担当の仕事をローテーション化します。
その結果、分かる範囲であれば自分の担当以外の仕事をフォローできるようになり、特定の従業員に残業が偏ることを防止できます。
また、従業員同士のコミュニケーションが活発になるので、チームワークが向上し、業務の効率化を図れるでしょう。
2-5. 業務の一部をアウトソーシングする
業務の一部をアウトソーシングすることも、残業を削減する方法のひとつです。なかなか残業が減らない場合、従業員が不足していることも考えられます。ただ、新しい人材を採用するためにはコストや時間がかかるため、業務の一部を外部の企業に委託することで、コストを抑えつつ業務負担を軽減することができます。
3. 残業削減の取り組みを進めるメリット
残業を削減することには、従業員のワークライフバランスの確保、人件費の削減などのメリットがあります。以下、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
3-1. ワークライフバランスの確保
従業員のワークライフバランスを確保できることは、残業削減を進める大きなメリットです。過度な残業を抑制することで、従業員はプライベートの時間を充実させることができます。しっかりとした休息を取ることでリフレッシュできるのはもちろん、心身の健康とモチベーションを保ちながら効率よく働くことも期待できるでしょう。
3-2. 人件費の削減
残業を減らすことは、人件費の削減につながります。法定労働時間を超えて働かせる場合は割増賃金が発生するため、通常の労働よりも多くのコストがかかります。さらに光熱費なども増えてしまうため、企業全体の利益がなかなか上がらないケースもあるでしょう。無駄な業務を排除したり、DX化を促進したりして、できるだけ残業を減らすことが大切です。
3-3. 離職率の低下
残業を削減すれば、離職率が低下することも期待できます。過度な残業が続くと心身の健康状態が悪化するだけではなく、モチベーションやエンゲージメントの低下につながる可能性もあります。働く意欲が低下することで転職を考える従業員も出てくるため、しっかりと対策を講じましょう。
4. 残業削減に失敗した取り組み
残業を減らすことには多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。ここでは、残業削減の失敗例を紹介しますのでチェックしておきましょう。
4-1. ノー残業デーのしわ寄せ
ノー残業デーを設けて週1日だけ残業を削減しても、仕事の総量は減りません。
むしろ、ノー残業デーに残業できない分の仕事を別の日に残業したり、持ち帰って仕事をしたりすることになってしまい、ノー残業デーのしわ寄せが発生してしまう場合もあります。
これは、残業の根本的な原因を見極めずに場当たり的な残業対策をおこなってしまった結果です。残業そのものを減らすためには、根本的な原因を見極めて業務の効率化を図ることが必要です。
4-2. 正確な勤怠管理をせずに対策をおこなう
正確な勤怠管理がおこなわれていないと、残業の根本的な原因を見つけることはできません。
従業員一人ひとりの出勤時間、退勤時間が本当に正しいものなのかをしっかりと把握するとともに、必要であれば勤怠管理システムの導入などを検討するべきです。
勤怠管理システムを活用すれば各従業員や各部署の残業時間を正確に把握できるため、状況を見極めたうえで、業務の再配分や人員の補充といった適切な対策を検討することができます。
関連記事:残業時間の適切な管理方法を企業が抱える課題とあわせて解説
4-3. 残業削減が従業員のストレスになってしまった
残業削減の取り組みを進めることで、従業員がストレスを感じるケースもあるため注意が必要です。たとえば、業務量は変わらないにもかかわらず、時間内に仕事を終えるように指示されることで、疲労感が増してしまうケースもあります。残業削減を図るときは、業務プロセスの改善や無駄な事務作業の排除など、従業員の負担を減らすような取り組みを一緒に考えることが必要です。
5.適切な残業削減方法により生産性を高めよう!
残業対策は、正しくおこなえば従業員の負担を減らし、人件費の削減もできる一石二鳥な手段です。
残業対策にはノー残業デーや残業の事前申請化など、さまざまな手段がありますが、残業を減らすために共通して必要なことは、残業の根本的な原因を突き止め解決することです。そのためには従業員の勤務状況を正確に把握することが必要ですので、便利なシステムなどを活用して効率的に勤怠管理を実施しましょう。
そもそも残業時間が各従業員でどれくらいあるのかが分からなければ、削減しなければならない残業時間数や、対象の従業員が誰かが分からないためです。
現在、残業時間を正確に把握できていないなら、勤怠管理システムを導入して残業時間を可視化することをおすすめします。
具体的な残業時間数が把握できるようになったことで、残業の多い従業員とそうでない従業員を比較して長時間労働の原因をつきとめ、残業時間を削減した事例もあります。
システムが便利なのは分かったけど、実際に効果があるのか知りたい」という方に向け、当サイトでは勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」を例に、システムでは残業管理をどのように行えるかをまとめた資料を無料で配布しておりますので、ぜひダウンロードしてご確認ください。