社内研修の設計方法を解説|人材の育成に効果的なコンテンツの作り方とは? | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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社内研修の設計方法を解説|人材の育成に効果的なコンテンツの作り方とは?

  • 組織
  • 人材育成・研修

企業が成長し業績を向上させるために、社員が成長することはとても重要であり、社員を育成する手法として『社内研修』を実施している企業も多いのではないでしょうか。

しかし、「社内研修を担当することになったが、どのように企画すれば良いのかわからない」「人材育成に効果的な研修内容とは?」といった悩みを抱えている担当者の方も多くいらっしゃるかと思います。

研修は、ただ実施するだけでは意味がありません。

その目的や必要性を認識し、自社の課題解決の有効な手段の1つとして活用することが重要となります。

本記事では、社員の育成に効果的な社内研修の企画・設計方法からコンテンツ内容の具体例、実施の際のポイントまで詳しく解説・ご紹介いたします。

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テレワークやリモートワークが続く中で、オンライン研修の実施を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、画面越しでは社員の表情が読み取れず、効果的な研修を実施できたかわからない場合も多くあるでしょう。

schooは、社員の受講状況をリアルタイムで見ることができるなど、社員に寄り添ったオンライン研修を実現することができます。

1. そもそも社内研修とは

研修とは「業務に必要な知識やスキルを習得するために、勉強会や講座に参加して学ぶこと」ですが、その中でも社内研修は「外部に委託せず社内で実施する研修」のことを指します。

しかし、「そもそも社内研修は必要なのか?」「社内研修を実施するメリットはあるのか?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

本章では、まず社内研修の目的やメリット・デメリットから、社内研修を実施する必要性や重要性について解説します。

1-1. 社内研修を実施する目的

社内研修とは、一定の期間内で社員に仕事で必要なスキルや知識・能力を社員に身に付けてもらうために実施するものです。

社員が業界や職種に特化した知識やスキルを習得することで社員自身が成長し、仕事や業務での成果につなげることができます。

また、社内研修を実施することで組織に必要な人材を計画的に育成することできれば、企業の成長につなげることができます。

1-2. 社内研修のメリット・デメリット

社内研修を実施するメリット・デメリットは、次の通りです。

メリット
  • 業界や仕事内容に合わせて独自の育成方法を自由に実施できる
  • 企業の社風や理念、仕事の進め方や考え方などを社員に効果的に伝えることができる
  • 研修内容の確認やフィードバックを継続的に実施できる
  • 研修の開催時期を社内の都合に合わせることができる
デメリット
  • 受講する側の社員のやる気を上げるのが難しい
  • 研修を実施するために多くの人手が必要となる
  • 毎年同じようなコンテンツになりがちで、新鮮味が無くなってしまう
  • 研修の効果をすぐに示すことが難しい

社内研修は、実施する側(企業や人事部)/受講者側(社員)双方にとって大きなメリットがあります。

社内研修を実施する側は、社員に多くの学習機会を提供することで、企業のビジョンに沿った行動を取り、利益を生むことができる社員を育成することができます。

受講者側は、学習によってパフォーマンスが向上すればビジネスパーソンとしての知見や社会人としての評価も向上し、報酬が上がることも期待できるでしょう。

ITエンジニアなど一部の職種では、社員研修の充実度が社員の成長実感や働く満足度を大きく左右することもあります。

一方で、社内研修で得た知識やスキルは、実際に企業の業績や仕事のパフォーマンス向上に寄与しなければ意味がありません。悪い社内研修とは、デメリットを上回るだけのプラスの効果をもたらすことができない研修ということになります。

そうならないためにも、社内研修の内容や社員の育成計画の設計は重要です。

1-3. 社外研修・外部研修との違い

社内研修が社外研修・外部研修と異なる点は、以下の3点です。

  • 自社の社風に合わせた研修内容を社員に提供しやすい
  • 研修した内容に対するフィードバックやフォローがしやすい
  • 開催期間や日時を自由に設定することができる

社内で実施することで、社外研修や外部研修と比較して、より自社の実態に沿ったオリジナルなコンテンツを企画することができます。

そのため、自社の経営理念やビジョンを浸透させる「理念教育」を社内研修のコンテンツとして取り入れることも多くなっています。

組織を構成する源としての「ヒト」は最も大事であり、効果的な社内研修をおこなうことによる人材育成の重要性は高まっています。

社内研修に対する「受講者側(社員)」と「実施側(企業/人事部)」の思惑は異なります。実施側としては、受講者側に対して実施する目的を明確に示し、社内研修を実施している重要性を認識してもらうことが大切になります。

2. 社内研修の種類

社内研修には大きく分けて、以下の3つの種類があります。

また、前述のように社内研修の目的は「社員の成長を企業の成長に結びつけること」ですが、それを達成するためのコンテンツはさまざまです。

社内研修を実施する目的に応じて、最適な手法を選択することが大事になります。

2-1. OJT(On the job training)

実際に業務を進めながら、各場面ごとでフィードバックをおこなう研修方法が「OJT」です。

現場研修や職場研修とも呼ばれており、職種別で実施される研修でよく用いられます。

後述するOff-JTとは「現場での学び」を中心にしている点が異なり、何か起こった際や疑問点があった場合など、その場ですぐに上司に確認したり、修正したりすることができます。

業務に必要な経験をスムーズに積むことができる点が、大きなメリットです。

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2-2. Off-JT(Off the job training)

業務から離れた場所で、業務に関連する知識やスキルを習得することを「Off-JT」と呼びます。

内容によっては外部の講師に研修を依頼することもありますが、基本的には社内研修を担当する人事担当者が中心となって企画・運営する、社内研修の典型的な形式になります。

研修例 具体的なコンテンツ
新入社員研修
  • 企業の経営理念について(Vision・Mission・Valueなど)
  • 就業規則やコンプライアンス等の諸規則について
  • マナー研修/コミュニケーション研修など
管理職研修
  • 管理職(リーダー)としての立ち位置や役割について
  • 部下育成・マネジメントについて
  • リーダーシップ研修
  • ハラスメントやSNS活用などを含めた就業管理について
職種別研修
  • 専門的な知識やスキルの習得
  • プレゼン力や信頼関係構築の方法(営業担当者)
  • 広告運用や戦略マネジメント(マーケティング担当者)

座学研修、外部セミナー、講義形式、ワークショップ、eラーニングといったように研修形態はさまざまですが、上記のように、主に階層別(新入社員研修/管理職研修)または職種別に分かれておこなわれてることが多くなっています。

2-3. 自己啓発(SD/Self development)

知識・スキル・メンタルなどの向上を図るために、受講者本人が自身の意思で取り組む学習を自己啓発と呼びます。

自己啓発は、あくまで個人で実施するものですが、内容が業務に関連している場合などは企業がその受講費の一部または全額を負担するケースも増えています。

前述したように、社内研修では受講者のやる気を上げることがとても難しいですが、自己啓発は各個人の興味関心をもとにしているため、社員の学習意欲が高くなることがメリットとなります。

3. 社内研修の企画・設計方法と進め方

それでは、具体的な社内研修の企画・設計方法について、詳しく解説いたします。

実施して意味のある社内研修を作成するには、まず、研修の目的に合わせた計画を立てることが最も重要になります。

「何から着手すべきなのか?」「どのような進め方をしたら良いのか?」といった悩みを抱えている方は、以下の4つのステップに沿って、全体的な流れを確認しながら研修計画を作成してください。

ステップ①:現状の課題調査・抽出と分析

経営層、現場管理者(マネージャー、課長等)、社員からのヒアリングをベースに、自社の現状の課題を抽出・分析します。

その際は、

  • 自社の社員にどういったスキルや知識が足りていないのか
  • 自社の社員はどういった能力を持つことができるようになるべきか
  • 職種や役職によって異なる課題や抱える悩みがあるか

というような観点に注目し、抽出した課題を分析するようにしてください。

実際に現場で働いている社員の声やニーズ・課題を洗い出し、彼らの意見を汲み取った研修コンテンツを作成することがとても大切になります。

どのような研修内容が良いか、研修コンテンツのネタとなる題材を現場から吸い上げることは難しいかもしれませんが、この作業をすることで、社内研修の対象者やコンテンツ内容、そもそもの目的が明確になっていきます。

ステップ②:研修の目標(ゴール)を設定

研修を実施する対象者が明確になった後、対象者を想定した社内研修の目標(ゴール)を設定します。

目標(ゴール)を設定することで、社内研修の結果を振り返り、次回以降の社内研修に生かすことができるので、明確に定義するようにしましょう。

明確になっていない目標を立てしまうと、振り返りが難しくなり、研修の意味があったのか否かの検証もできなくなってしまいます。

目標設定は、下記の「SMART」を基本に設定すると良いでしょう。

「SMART」目標
  • Specific(具体的であるか?)
  • Measurable(測定可能か?)
  • Achievable(達成可能か?)
  • Related(上位目標と関連しているか?)
  • Time-bound(期限が決められているか?)

ステップ③:研修計画の策定

社内研修の目的や目標(ゴール)が決まったら、それを達成するための研修計画の詳細を詰めていきます。

具体的には、以下のようなことを決めることになります。

  1. 研修方法
  2. 研修テーマ
  3. 各研修における目標
  4. 実施時期
  5. 実施日数/時間/場所
  6. 実施人数(人数が多い場合の人数振り分け)
  7. 研修終了後の提出物
  8. 後追いフォロー/補講の基準

また、もし社内研修を外部に委託する場合は、講師(研修機関)の選定やプログラム内容の提案、予算や日程の調整、講師との顔合わせなどが別途必要となります。

ステップ④:運用ルールの作成と研修後の対応

作成した研修計画に基づき、研修を実施する上での基本的な運用ルールも定めておきましょう。

  • 従業員(対象者)への研修告知をどうするか
  • 研修の実施前の準備を誰がどのようにおこなうか
  • 実施に当たるスケジュールや金銭等の管理をどのようにするか
  • 実施後のフォローアップを誰がおこなうか

といったように、社内研修が継続的かつ体系的に実施できるように組み立てることが大事になります。

また、研修後のフォロー対応にまで目を向け、研修した内容が実際に身に付いているのか確認する体制を整えることも忘れないように準備しましょう。

4. 社内研修の内容と具体的なプログラム・コンテンツ例

前述したように、実際のプログラムの内容は自社が抱える社内の課題解決につながるものになっているかどうかが最も重要ですが、その手段としてのコンテンツはさまざまです。

また、実施にあたっては社員が実際の業務に活かすためのイメージを持ち帰ることができ、かつ楽しみながら自発的に参加してもらえるような、満足度を上げる工夫も重要になります。

ここでは研修のタイプ別に、具体的なプログラムやコンテンツ例をご紹介します。

4-1. 新入社員研修の事例

①会社の理念やビジョンの説明

新入社員には、自社のことをより知ってもらうために、企業の理念やビジョン、目指す方向性をしっかり伝える研修内容を実施すると良いでしょう。

新入社員が理念やビジョンに共感し、自分の役割を認識することができれば、働く意欲の向上や早期離職防止にもつながります。

これらは人事担当者ではなく、経営者から伝えることが最も効果的です。

②ビジネスマナー研修

新入社員には、社会人として最低限必要なビジネスマナーを教える必要があります。

お辞儀の仕方言葉遣い電話応対名刺交換といったビジネスマナーの基本を、ロールプレイなどで実践もしながら学ぶことが効果的です。

③コミュニケーションの取り方(「報・連・相」)

どんな仕事であっても、上司や顧客など年齢や立場の違う相手とコミュニケーションを取ることになります。

そのため、「報・連・相」の仕方や相手の立場を考えた発言の仕方など、社会人として求められるコミュニケーションの取り方を教える必要があります。

これらは、グループワークを通して体系的に学ぶことが効果的です。

④PCスキル研修

社会人になると、PCを使用することが格段に増えるため、タイピングや資料作成方法など、ある程度のPCスキルは身につける必要があるでしょう。

PCスキルに関しては個人差が大きいため、スキルレベルを事前に把握し、OJTで確認していくことが効果的です。

4-2. リーダー・管理職研修の事例

①新任管理職研修

新任管理職研修とは、役職を与えられたばかりの管理職に対して、仕事の始め方や役割、業務遂行に必要なスキルを身につけてもらうためにおこなう研修です。

「所属している従業員の能力を向上させて、業績を上げることが自身の役割である」という意識を持ってもらうきっかけにすることが重要になります。

②チームビルディング研修

リーダーや管理職になるとチームマネジメントをおこなう必要がありるため、チームビルディングは欠かせない要素の1つでしょう。

チームビルディング研修では、チームワーク力をアップさせるため、さまざまな手法があります。

中には、ゲームを用いた研修形式などでチーム力を身につけるための方法を学ぶことができるものもあります。

③上級管理職研修

上級管理職研修では、「リスクマネジメント」「業績に対する経営数字の捉え方」といったことから、「組織の新しい事業考案や変革」 「組織デザイン/組織マネジメント」といったことまで、経営者視点に立って学ぶ研修です。

今まで担ってきた自身の役割と今後の役割の違いを認識することで、より経営層に近い観点から役職の責任を認識してもらう目的があります。

4-3. 職種別研修の事例

より専門的な知識やスキルは、階層別で実施するよりその職種ごとに実施することが効率的です。

現場でないと身に付けられないことも多いため、OJTで実施されることが多いかもしれません。

ここでは、イメージしやすい営業職の研修内容の事例をご紹介します。

営業職研修の事例
  • 営業としての数字の作り方
  • テレアポ練習や営業ロープレ
  • プレゼン資料の作り方

各職種ごとに必要な能力やスキルは異なりますので、必要となるスキルを洗い出し、研修内容に取り入れるようにしてください。

5. 社内研修を実施する際のポイント

本章では、社内研修の実施に際してよく聞かれる悩みに関して、実施のポイントとしてまとめたいと思います。

5-1. 社内研修の講師はどう選定するのが良い?

「社内研修を社内講師で実施すべきか」「外部講師に委託した方が良いか」という点にお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

社内研修を実施できるリソースがあるのであれば、基本的に社内研修は内製で実施する方が自社にノウハウが蓄積/継承され、中長期的にアップデートできる可能性が高まります。

しかし、社内研修を実施できるリソースが無い場合は、外部講師に研修を依頼することになるでしょう。

ここで、大事なポイントは、研修内容によって社内講師の方が良い場合もあれば、社外講師の方が良い場合もあることです。

社内講師の方が良い研修 社外講師の方が良い研修
  • 企業のビジョンや諸規則に関するもの
  • 業界や業務に関するもの
  • 自社にノウハウがある基本研修(営業手法、技術等)
  • 自社にないノウハウのテーマ
  • トレンドや最新動向に関するもの
  • ビジネス知識を体系手金学ぶもの(MBA、マーケティング等)

研修内容に合わせて、社員に効果的な伝え方のできる講師の選定をおこなうことが大切になります。

「社内講師を育成する」「担当者として講師ができるようになる」ことも大事です!

研修を内製で完結することを考える場合、社内講師に育成することも想定して動く必要があるでしょう。

しかし、仕事のパフォーマンスが高い人材が講師としても優秀であるとは限りません。また、企業規模が大きくなればなるほど「いつも社内講師をお願いしていた人が忙しい、またはいない」といったことも想定できます。

講師のできる人材は、トレーニングによって育成することができます。研修担当者は、社内講師を限定せず、自らは講師を育成するトレーナーとしてのスキルを磨くことも大切になります。

5-2. 社内研修の効果的な振り返り方法とは?

社内研修は、実施しただけで終了するものではありません。研修内容が実務に反映されているか、実際に身に付いているのか、その効果を検証することが必要になります。

研修後には、アンケートなどで受講者の反応を必ず調査するようにしましょう。

アンケートの結果は、担当者の最大の成果物にもなるので、webで検索できるテンプレートをそのまま使用するのではなく、講習毎にヒアリング項目を設定するなど、しっかり作り込むようにしましょう。

また、ここでは新入社員研修を例に、研修担当者が社内研修後にも押さえておくべき振り返り項目をご紹介します。

① 社員同士の関係構築

新入社員研修の実施後は、社員が企業から受け入れられていることを実感できる体制を整えることが大事になります。

新入社員同士や上司・部下との関係構築が進んでいるのか職場内で新入社員が自らアクションを起こしやすい環境になっているか、などをチェックしてみましょう。

社員同士での会話が増えるように「歓迎会を開催する/一緒にランチに行く」「社員の自己紹介シートを渡す」などといった施策を実施することも効果的です。

② メンタルケア

自分が関与する問題を自分の中に囲い込んで、社員が1人で悩んで鬱になってしまうケースが近年よく見られます。

新入社員が職場で孤立していないか社員が相談しやすい雰囲気を作ることができているか、チェックしてみましょう。

また、業務の進捗が上司や同僚にしっかり伝わる体制になっているか、日常の報告方法や有事の際の連絡導線を決め、新入社員へ明示することも大事になります。

③ 業務の振り返り

研修後、業務をする中で自分の現状の立ち位置や役割、今後の課題について意識させる必要性も出てくるでしょう。

新入社員研修時に使用したワークシートなどを使用して定期的に面談を実施するなど、社員が業務について振り返る機会を作ることも大事になります。

今、できていること/できていないことを整理し、新入社員研修を実施した時とのギャップを埋めることで、社員自身が次に何をしたら良いか目標を立てやすくなります。

社内研修の効果的な振り返りは、社内研修の準備の段階からしっかり準備しておくことが大事になります。
アンケートで問いかける質問内容も、「どういう反応が想定されるか」「今後どうったことに生かせるか」「いかに社員の本音を引き出すか」ということに考慮しつつ、作成してみてください。

5-3. 社内研修資料の作成のコツは?

「社内研修で使用する資料の作り方がわからない/難しい」という声も、よく耳にします。

社内に限らず、研修で使用する資料を作成する際には、次の3つの鉄則を守るように作るようにしましょう。

資料作成の3つの鉄則
①わかりやすく
②簡潔に
③飽きさせない

人によって、わかりやすい資料の基準は異なります。

  • 数値があることによって理解が促進される人
  • ほかの人がどう感じているかで理解しようとする人
  • 詳細を必要とぜず、概要でなんとなく理解する人
  • ロジックが通っていないと理解しない人

といったようにペルソナをしっかりイメージし、各ペルソナがわかりやすいような資料になっているか確認しながら、作り込むことが大事になるでしょう。

また、投影した際の状況を想定したスライド作りをすることも心掛けるようにしてください。

「文字が細かすぎる」「字ばかりのスライド」「文字や装飾が妙に大きく中身がない」「過度なアニメーションが付いている」といったようなスライドになっていないか、作成した後に再度確認するようにしましょう。

起承転結がしっかりしており、相手に伝えたいことが簡潔かつ明確に伝わることが大切です。

また、「関連する動画を張り付けて視聴させる」「受講者を指名してしゃべってもらう」など、受講者が眠くならないようにする工夫や仕掛けもあると良いかもしれません。

5-4. 社内研修のコストはどのように抑えることができるか?

社内研修のコストは、意外とかかってしまうものです。

特に受講者・社内講師や教育係も、業務として研修を実施している間は給与や報酬が発生しているのでコストとなりますが、こういった人材の工数コストを抑えることは難しい面もあるでしょう。

しかし、資料代や外部講師の委託費、会場を借りる場合の会場費、宿泊費や懇親会費とその移動費など、目に見えるコストに関しては体制づくりや計画次第で圧縮することが可能です。

また、コロナ禍においては、会場費や宿泊費などが掛からないオンライン研修にも注目が集まっています。

社内研修の費用をどれだけ掛けられるのか念頭に置いた上で、社内研修の計画を立てるようにしましょう。

最大のコストとして注目したい人件費ですが、まず何よりも大事なことは研修担当者自身の生産性を向上させることです。「計画や振り返り等の中枢は担当者が実施し、実務作業レベルはアウトソーシングなどで賄う」といった効率化も想定し、何に担当者自身のリソースを割くか考えることも大切です。

5-5. 面白い研修を作るには?

「せっかく社内研修を実施するのに、受講者のやる気が上がらない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

受講者の意欲を高めるためには、受講者にとってメリットとなる点を明確に伝え、社内研修に対する動機付けをしっかりおこなう必要があります。

以下の「ARCS」モデルを参考にして、より魅力的な研修だと伝えることが大事になります。

「ARCS」モデル
  • Attention(注意)
    社員が興味を引きそうなキーワードを入れるなど、社員の関心を引き付けて、参加したくなるような打ち出し方をする。
  • Relevance(関連性)
    事前に社員に課題のヒアリングをおこない、研修内容に課題解決の糸口となるコンテンツを組み込むことで、社員が当事者意識を持って研修に参加することができる。
  • Confidence(自信)
    明確なゴールを設定し、それを達成してもらうことで、研修後の社員が業務に戻った際の自信につながるような研修内容を設計する。
  • Satisfaction(満足感)
    コンテンツの質や社員同士での交流を促進させることで、研修後も社内研修を受講した満足感を感じてもらう

受講者の中には「社内研修を仕方なく受けさせられている」と感じる方が少なからずいることと思います。

特に、受講者数が多くなればなるほど個別対応が難しくなるため、社員のやる気は上げにくい状況になりがちです。

しかし、毎回の研修内容を手を抜かずに考えていくことで、次第に研修をするノウハウも溜まり、研修内容の引き出しも増えていきます。

また、受講者からのフィードバックを次回の社内研修に生かしていくことで、より面白い研修を実施することができるようになるでしょう。

6. 新型コロナウイルスの影響と社内研修 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、これまで集合型の研修を実施していた多くの企業が社内研修をオンライン化せざるを得ない状況が続いています。

本章では、コロナ禍の社内研修のあり方と、注目の集まる「オンライン研修」についてご紹介します。

6-1. ニーズの高まる「オンライン研修」

新型コロナウイルス感染症の拡散防策として注目が集まるオンライン研修ですが、以前から集合型と並行して実施する企業は多く、地方で働く社員にも同様の研修を実施したいとするニーズから導入する企業が増えていました。

オンライン研修には、「社員とのコミュニケーションを取ることが難しいのではないか」という懸念もある一方で、「社員の交通費や宿泊費などがかからない」ことが魅力です。

また、オンライン研修では、コンテンツ配信業者が提供するクラウドを使用して受講させるのが一般的で、受講状況などはリアルタイムで可視化されるようになっていることが多いです。

現在はコンテンツ制作も容易になり、自社内で制作した各種コンテンツを視聴受講させる形式も増えてきています。

6-2. おすすめのオンライン研修サービス「schoo」をご紹介

schooは、20万人のビジネスパーソンに支持された、国内最大級の定額制オンライン研修サービスです。

昨今のリモートワーク浸透への対応や、地方で働く従業員への人材育成への観点から、社内研修をオンラインで実施するニーズが高まっていますが、こうしたオンライン研修サービスを活用することで、費用を抑えながらも簡単に社内研修を実施することができます。

特徴
  • 5,500本以上の研修動画が受け放題の国内最大級のオンライン研修サービス
  • 新入社員研修・階層別研修・職種別研修、ビジネススキルからITスキルまで、多様な研修に対応可能
  • 業界の第一線で活躍するプロフェッショナルたちが講師だから、受講者からの評判が高い
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  • 社員の受講状況はリアルタイムで可視化でき、結果のCSVダウンロードなども可能

無料デモアカウントの発行も可能です!

サービス名:schoo
提供企業:株式会社スクー
URL:https://schoo.jp/biz/

7. まとめ

社内研修が関与する人たちは受講者と研修担当者だけではありません。

社内講師や現場教育係を担う従業員やその育成に企業の未来を託す上層部も深く関与しています。

今まで、もしくは現在の研修スタイルは今後もベストなスタイルとは限りません。研修担当者は社員を介していかに効率的に課題解決するかの仕組みを企てることが大事になるでしょう。

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