MBBとは?注目されている背景や導入時のポイントを解説 |HR NOTE

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MBBとは?注目されている背景や導入時のポイントを解説

  • 組織
  • タレントマネジメント

価値観の共有

「MBBとはどういう意味?」

「MBBはなぜ注目されている?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

MBBとは、従業員の思いや価値観を重んじる目標管理制度の一つです。従業員のモチベーションを高めながら、成長も促すマネジメント方法として注目を集めています。

ただし、MBBの本質を理解していなければ、本来の目的を見失いルールを維持することだけが目的になるため注意しなければいけません。

本記事では、MBBの特徴や注目される背景、導入手順について解説します。MBBの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。


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1. MBB(思いのマネジメント)とは

みんなで考えを共有

MBBとは「Management By Belief」の略で、目標管理制度の一つです。「思いのマネジメント」ともよばれます。

従業員が仕事に対して持つ思いや価値観を組織全体に共有し、組織や従業員個人の成長を促すことが目的です。MBBは、個々の能力や長所を発揮できる目標設定ができるため、従業員の成長と成果の実現につなげやすいことが特徴です。

従業員の思いを反映させた目標設定をすることで、従業員は自主的に業務に取り組めます。モチベーションの向上や、パフォーマンスを最大限に発揮する効果も期待できるでしょう。

2. MBBとMBOの違い

異なる方向性で、違うことをする

MBBとMBOの違いは、従業員個人の価値観や思いが色濃く反映されているかどうかにあります。MBOとは、設定目標の達成度を評価する目標管理制度のことです。

一般的に、従業員が決めた目標を上司と話し合い設定します。MBBは、MBOの目標設定過程に従業員一人ひとりの個人的な価値観や考え方を加えられることが特徴です。

3. MBBが注目される背景

背景

MBBが注目される背景として、以下の3つの理由が考えられます。

  • 終身雇用制度や年功序列制度が崩壊した
  • 成果主義が主流になりつつある
  • 人材のグローバル化が進んでいる

3-1. 終身雇用や年功序列制度が崩壊した

MBBが注目される背景の一つとして、終身雇用や年功序列制度が崩壊したことが挙げられます。時代の変化とともに生涯を通して同じ企業で働くケースは減少傾向にあり、転職をすることが一般的な考え方になっているのです。

総務省の統計によると、2023年の転職率は4.8%で、6期連続で上昇しています。また、転職希望者は15.3%で、10期連続上昇、過去最高の数値となりました。

MBBは、時代の変化に対応できる目標管理制度として注目を集めているのです。

参考:直近の転職者及び転職等希望者の動向について|総務省統計局労働力人口統計室

3-2. 成果主義が主流になりつつある

成果主義が主流になりつつあることも、MBBが注目される理由の一つです。成果主義とは、年齢や勤続年数・学歴などに関係なく、従業員の成果や成績に基づいて、人事評価をおこなう制度のことを指します。

成果主義は、1990年代のバブル崩壊による業績の悪化に伴い、人件費などのコスト削減から注目されるようになりました。従業員一人ひとりに対する尊重と、人材の有効活用の両面に重きを置いた経営方法といえます。

MBBは、従業員の想いや価値観を尊重してマネジメントするため、成果主義にマッチしやすい手法として注目されているのです。

3-3. 人材のグローバル化が進んでいる

人材のグローバル化が進んでいることもMBBが注目されている背景の一つです。国内の外国人労働者は、年々増加傾向にあります。2023年には200万人を超え、過去最高の人数を記録しました。

グローバルな人材を活用するためには、個人を尊重するマネジメントが求められます。仕事に対する意欲を削がないよう、従業員一人ひとりの文化や価値観などの多様性を尊重しなければいけません

一人ひとりの思いを尊重するMBBは、人材のグローバル化が進む中でも有効なマネジメント方法の一つといえるのです。

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)|厚生労働省

4. MBBを導入する3つのメリット

メリット

MBBを導入するメリットは以下のとおりです。

  1. MBO(目標管理制度)との併用で相乗効果を狙える
  2. 組織力の強化を期待できる
  3. 従業員のモチベーションを高められる

4-1. MBO(目標管理制度)との併用で相乗効果を狙える

MBBとMBOを併用すれば、MBOの弱みを補填できるため相乗効果を狙えます。MBOは、組織の目標達成度が重視される目標管理制度です。

結果が明確なため、評価をしやすいことがメリットですが、従業員が「目標を押しつけられている」と感じるデメリットがあります。

MBOの「設定目標を達成する評価」の視点に、MBBの「従業員の思いや価値観の尊重」を加えることで、MBOのデメリットを解消できるのです。

相乗効果を期待できるだけではなく、目標達成がより現実的になります。

4-2. 組織力の強化を期待できる

MBBを導入することで組織力の強化を期待できます。MBBは、信頼関係の構築やビジョンの共有を重視したマネジメント方法です。

互いの思いを尊重することで組織の風通しもよくなり、共通の意識を持って行動できます。従業員の価値観や思いが尊重されれば、さまざまな価値観が共有され、新たなアイディアも生まれやすくなるでしょう。

4-3. 従業員のモチベーションを高められる

MBBを導入することで、従業員一人ひとりのモチベーションを高められます。MBBは、自分の意思で目標を決めるため、納得感を持って業務に取り組めます。目標達成までのビジョンが見えやすいため、自主的に行動しやすくなるでしょう。

また、組織のリーダーは部下の自主性を引き出しやすくなります。リーダーとしての役割も果たしやすくなるため、さまざまな立場の従業員のモチベーションを高められる効果を期待できるでしょう。

5. MBBを導入する2つのデメリット

デメリット

MBBを導入するデメリットは以下のとおりです。

  1. 組織のビジョンが明確でなければ効果が発揮されない
  2. チームメンバーの意見が統一されていないと機能しない

5-1. 組織のビジョンが明確でなければ効果が発揮されない

組織のビジョンが明確でなければ方向性を見失い、MBBの効果が発揮されません。従業員がどのように行動すべきか、指標が定まっていないことが原因です。

組織の思いと従業員の思いがすれ違うことで組織の一体感が失われ、目標達成できなくなる可能性があります。

5-2. チームメンバーの意見が統一されていないと機能しない

チームメンバーの意見が統一されていなければ、組織としてまとまりがなくなり、目標達成が困難になります。

後から軌道修正しようとしても、時間と労力が必要になるでしょう。結果として、組織全体のモチベーションやパフォーマンスが低下するリスクが考えられます。

目標達成のために、事前にチーム全体の足並みを揃えておくことが重要です。

6. MBBを導入する際のポイント

ポイントの確認

MBBを導入する際のポイントは以下のとおりです。

  1. はっきりとした目的意識を持つ
  2. ワークライフインテグレーションを大切にする
  3. シャドウ・ワークを承認する

6-1. はっきりとした目的意識を持つ

企業と従業員の間で、明確な目的意識を持つことが重要です。「何を実現したいのか」をはっきりさせることで、積極的に目標に取り組めるでしょう。

自主性を保つために、軌道修正ができる柔軟性を残しておくことも重要です。目標に縛りつけず、従業員が自主性を持って行動できるようにしておきましょう。

6-2. ワークライフインテグレーションを大切にする

仕事とプライベートを結合して充実させる、ワークライフインテグレーションを大切にすることも重要です。両者を完全に分けずに融合させることで、経験や学びを仕事に活かせます。

仕事とプライベートの時間や意識などの棲み分けは必要ですが、どちらかに偏らないようバランスを取りながら、つながりを意識することがポイントです。

6-3. シャドウ・ワークを尊重する

MBBの目的である、従業員の「思い」を引き出し、シャドウ・ワークを尊重することも大切です。シャドウ・ワークとは、報酬の発生しない、従業員が自主的に取り組む業務のことを指します。

従業員が自主的に考え行動するため、成果や成長につながりやすいことが特徴です。シャドウ・ワークを通じて得たスキルや成果が、新たなイノベーションを生み出す可能性も考えられます。

7. MBBの導入手順

手順

MBBの導入手順は以下のとおりです。

  1. MBBを導入するための環境を整える
  2. 目標を設定する
  3. フレームワークを活用して行動を具体的にする
  4. PDCAサイクルを導入する

7-1. MBBを導入するための環境を整える

まずは、従業員のモチベーションを向上させ、積極的に仕事に取り組める環境を整えることから始めましょう。第一に環境を整えなければ、MBBを導入しても機能しない可能性があるためです。

例として、成果を出した従業員への表彰や、インセンティブの支給などが挙げられます。導入するシステムによって、就業規則の改定などが必要になるケースもあるため注意が必要です。

7-2. 目標を設定する

企業と従業員それぞれの目標をリンクさせた目標を設定しましょう。双方をリンクさせることで、従業員のモチベーションを向上させる効果を期待できます。

従業員が掲げる目標は、「社会の役に立ちたい」「優しい人でありたい」など、漠然とした内容でも問題ありません。従業員個人の目標と、企業の目標を一部分でもリンクさせることが重要です。

7-3. フレームワークを活用して行動を具体的にする

目標を達成するためのプロセスを洗い出し、どのように行動するかフレームワークを活用して明確にしましょう。目標を細分化し具体的にすることで、どのように行動すべきかわかりやすくなるためです。

活用できるフレームワークの例として、思考を整理する「マンダラチャート」や、思考や情報の流れを可視化する「マインドマップ」などがあります。

7-4. PDCAサイクルを導入する

目標を達成するための進捗管理には、PDCAサイクルの導入が有効です。PDCAサイクルでは、以下の手順を繰り返し実行します。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(検証)
  • Action(改善)

MBBは、従業員一人ひとりの価値観や思いに紐づいているため、日常的にポジティブに行動しやすくなります。日頃の行動に、目標を落とし込めているかどうかが重要です。

MBBがうまく機能していない場合は、問題点を洗い出し、早い段階で修正しましょう。

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