経費で税金はどれくらい節税できる?経費計上のポイントをわかりやすく解説

自社の利益が増えれば、その分だけ税金も高くなります。しかし、経費を適切に計上すると、税金を低く抑えやすくなります。節税するためには、経理担当者が経費や節税の知識を正しく理解しておくことが大切です。この記事では、経費の基本的な知識とともに、節税対策のポイントをくわしく解説します。自社での節税を実現するため、ぜひ参考にしてください。

1.経費とは

経費とは
経費とは、事業活動において利益を得るためにかかった費用のことです。そのため、利益を目的とせずに支払った費用は、経費として認められません。ただし、経費にできるかどうかについては線引きが曖昧な部分もあり、判断が難しいのが実際のところです。企業によっても経費に関する取り決めはそれぞれ異なります。

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経費とは?経費に計上できる費用、計上できない費用など経費の基礎をわかりやすく解説

2.経費で税金はどれくらい減らすことができるのか

経費 疑問
経費を計上すれば、税金をどの程度減らせるのでしょうか。ここでは、企業が支払う税金の種類とともにくわしく解説します。

2-1.企業が支払うべき税金

企業が支払わなければならない税金の種類は、たくさんあります。それぞれ個別に税率が設定されていますが、法改正により変更される頻度も高めです。そのため、税理士に確認や相談をしながら納税する必要があります。

2-1-1.法人税

法人税とは、法人として得た利益に対してかかる税金です。法人税の税率は企業の規模や利益に応じて変化します。法人税の具体的な税率は以下のとおりです。

税率

資本金1億円以下

年間800万円以下の利益

15%

年間800万円超の利益

23.2%

資本金1億円超

23.2%

2-1-2.法人住民税

法人住民税とは、法人の所在地の自治体に対して支払う税金です。地方税にあたり、自治体が住民へ提供するサービスの運営費として利用されています。法人住民税は、均等割と法人税割にわかれています。均等割はどの法人に対しても一律で課税されますが、法人税割は法人税の金額に応じて決定される仕組みです。そのため、法人税が低いほど法人住民税も低くなります。

2-1-3.地方法人税

地方法人税は、法人として得た利益に対して課税される国税です。地方法人税は、国から各都道府県へ分配されます。そのため、国に納税しますが、最終的には地方で利用されます。令和元年10月1日以降の地方法人税は、法人税に10.3%をかけた金額です。そのため、地方法人税を計算するには、あらかじめ法人税を計算しておく必要があります。

2-1-4.法人事業税

法人事業税とは、自治体のサービスを受けている個人や法人の事業に対して課される地方税です。利益に応じて税額が決定します。税率は事業所得によって変化する仕組みです。具体的な税率は以下のとおりとなっています。

事業所得

税率

年間400万円以下の利益

3.5%

年間400万円超から800万円以下の利益

5.3%

年間800万円超の利益

7%

2-1-5.消費税

法人は、自社の売上として受け取った消費税と、仕入や経費で支払った消費税の差額を納税する必要があります。ただし、設立から1年未満の企業の場合、資本金または出資金が1,000万円未満なら消費税は免除されます。また、課税対象となる売上高が1,000万円を超えていない場合も免税の対象です。

2-2.経費を計上すると納税額は少なくなる

自社の利益が増えれば、その分だけ支払うべき税額も多くなります。しかし、利益を得るために支払った経費があれば、利益から差し引いて申告できます。かかった経費を正しく計上すると申告時の利益を減らせるため、税額も低く抑えることが可能です。少しでも節税するには、かかった経費を正確に把握して計上する必要があります。

2-2-1.納税額が少なくなる具体例

たとえば、自社の年間の利益が200万円発生したとしましょう。資本金1億円以下なら、この場合の法人税の税率は15%です。

経費の支払いが一切なかった場合、法人税は「200万円×15%=30万円」となります。しかし、経費として10万円を支払っていた場合、利益から差し引いて税金を計算できます。この場合の法人税は「(200万円-10万円)×15%=28万5,000円」です。経費を計上しなかったケースと比較して、1万5,000円も節税できます。

かかった経費をきちんと計上すれば、このように税金を低く抑えることが可能です。

3.経費を計上することのメリット・デメリット

経費 条件
経費を計上すると、メリットとデメリットの両方があります。ここでは、それぞれについて解説します。

3-1.メリット

すでに触れたとおり、経費を計上すれば節税効果を期待できます。自社の利益が増えればその分だけ税額も高くなりますが、実際にかかった費用を計上すると利益から差し引くことが可能です。かかった経費が多ければ、その分だけ税金を安くできます。少しでも利益を手元に残すためには、すべての経費を忘れずに計上する必要があります。

3-2.デメリット

経費がたくさんかかっている場合、利益よりも経費が多くなります。その結果、帳簿上は赤字となる可能性があります。経費が多すぎれば意図的な脱税を疑われる恐れもあるため、注意が必要です。

また、本来は経費として認められないものを経費として計上すると、後から追徴課税や遅延税が発生するリスクもあります。

4.経費で計上できる項目とは

出張経費 種類
経費にはさまざまな種類があります。幅広い項目を経費として計上できるため、節税のためには漏れなく申請することが大切です。経費として計上できる項目の具体例をあげると、以下のとおりです。

・旅費交通費
・接待交際費
・諸会費
・会議費
・消耗品費
・通信費
・福利厚生費
・広告宣伝費
・新聞図書費
・租税公課
・寄附金
・地代家賃
・水道光熱費
・損害保険料
・修繕費
・荷造運賃
・支払手数料

経費が発生した際は、それぞれの用途に応じて正しく分類したうえで計上する必要があります。

5.経費で計上できない事柄とは

経費 条件
企業が費用を支払った場合でも、経費として計上できない項目もあります。ここでは、経費として計上できない項目について解説します。

5-1.借入金の返済

企業として借入金がある場合、元本を返済しても経費としては計上できません。ただし、利息部分の支払いについては経費として計上できます。返済のために支払った費用については、内訳をよく確認したうえで計上しましょう。

5-2.固定資産

固定資産とは高額な資産のことであり、たとえば不動産や車両などが該当します。高額な資産は経費として一括の計上ができません。売却する際や原価償却の際などに計上します。ただし、固定資産のであっても10万円以下の少額なものは、購入時に一括で経費として計上可能です。

5-3.旅行代金

通常、旅費交通費は経費として計上可能ですが、役員のみの旅行にかかった費用は、経費として計上できません。ただし、役員と社員がともに旅行に行くなら、かかった費用を経費として計上できます。また、利益を生むための業務の一貫として出張した場合も、移動や宿泊にかかった費用を経費として計上できます。

5-4.衣服や鞄などの費用

従業員が業務を進める際に使用する衣服や鞄などの購入費用は、経費として認められません。業務のために新しくスーツを購入した場合も同様です。衣服や鞄などの購入費用は従業員の給与からそれぞれ支払われており、給与はすでに企業の経費として計上されているためです。あらためて経費として計上すると、二重計上になります。

5-5.会社に課せられた税金

租税公課は経費として計上できますが、なかには経費として計上できない税金もあります。また、延滞税や罰金などを支払った場合も経費には含められません。経費として計上できない税金の種類を具体的にあげると、以下のとおりです。

・法人税
・都道府県民税
・市町村民税
・加算税・加算金
・延滞税・延滞金
・過怠税
・罰金・科料・過料
・所得税
・外国法人税

租税公課を計上する際は、経費として認められるかどうか必ず確認しましょう。

6.経費を計上するときの注意点

出張経費 注意
経費を計上する際は注意すべきことがあります。ここでは、注意点について具体的に解説します。

6-1.計上時期に注意する

経費の計上においては、計上した日付と領収書の日付にずれが生じるケースもあります。しかし、基本的には、商品やサービスを購入した日付で計上するようにしましょう。計上時期がずれていると、税務調査を受けた際に指摘される恐れがあります。実際には問題がないとしても、不正を疑われる原因になるため注意が必要です。

6-2.領収書やレシートを残す

経費を計上するには、領収書やレシートなどの根拠資料が必要です。電車の運賃を支払ったときなど領収書やレシートが発行されない場合は、出金伝票を作成して経費の金額について記録を残しましょう。

領収書、レシート、出金伝票などは、経費の支払いから7年間はそのまま保管しておく必要があります。

7.経費の計上以外で税金を減らす方法とは

疑問
税金を減らす方法は、経費の計上以外にもあります。ここでは、具体的にどのような方法があるのか解説します。

7-1.含み損を計上する

企業が抱える含み損を計上すると、税金を減らす効果を期待できます。含み損とは、所有している資産を売却した場合の価格が購入時の価格を下回っている状態を表しています。たとえば、不良在庫や価値が下がった固定資産などを売却すると、固定資産売却損という勘定科目で含み損を計上可能です。

7-2.少額減価償却資産を所有する

中小企業の場合、一定の条件を満たすと少額減価償却資産の特例を活用できます。固定資産であっても、10万円以上30万円未満のものなら一括で経費として計上可能です。購入した固定資産をその年にそのまま経費として計上できるため、利益からまとまった金額を差し引けます。なお、少額減価償却資産の適用を受けるには、別途明細の添付が必要です。

7-3.優遇税制を活用する

中小企業に対しては、さまざまな優遇税制が用意されています。たとえば、中小企業経営強化税制、所得拡大促進税制、雇用促進税制など幅広い制度があります。これらを有効活用すれば、税金を安く抑えることが可能です。ただし、期間が限定されている制度も多いため、利用を希望する際は内容をよく確認しましょう。国税庁のWebサイトで詳細がまとめられています。

No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

8.まとめ

計算 紙
経費にはさまざまな種類があり、正しく計上すれば高い節税効果を期待できます。利益が増えるほど税金も高くなるため、経費の計上により節税を行いましょう。

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