「定着率とは?」
「定着率の計算方法とは?」
「定着率を向上させる取り組みを知りたい!」
定着率とは、入社してから所定期間を超えて働いている従業員の割合です。
定着率が低いと人材を確保できなかったり、採用コストが増加したりするなど企業側に大きな影響がおよびます。さまざまな損失を回避するために、定着率向上の取り組みを実施することが大切です。
本記事では、定着率の平均値や計算方法などについて詳しく解説します。また人事・採用担当者が実施できる定着率向上の取り組みについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
福利厚生を充実させることは採用・定着にもつながるため重要ですが、よく手段としてとられる賃上げよりも低コストで従業員満足度をあげられる福利厚生サービスがあることをご存知でしょうか。
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1. 定着率とは
定着率とは、入社してから所定期間を超えて働いている従業員の割合のことです。定着率の数字が高いほど離職する従業員が少なく、働きやすい職場であると判断できます。
働きやすさを重視する求職者の場合、定着率を確認したうえで企業へ応募しているケースも多いです。採用計画に基づいた人数を確保するために、定着率向上の取り組みをおこなう企業が増えています。
2. 定着率と離職率の違い
定着率と離職率の違いは、割合を算出する際に用いる従業員のステータスです。それぞれの違いについて以下の表にまとめました。
定着率 |
入社してから所定期間を超えて働いている従業員の割合 |
離職率 |
入社してから所定期間までに離職した従業員の割合 |
定着率は所定期間を超えて働いている従業員の割合である一方、離職率は所定期間に離職した従業員の割合を算出します。
3. 定着率の平均値
定着率の平均値は以下のとおりです。
- 国内企業の定着率は85%
- 大卒の入社3年以内の定着率は67.7%
それぞれの概要について詳しく解説します。
3-1. 国内企業の定着率は85%
令和4年度雇用動向調査によると、国内企業の定着率は85%でした。令和3年度の定着率は86.1%だったため、1年間で1.1%低下しています。
就業形態で比較すると、正社員などを含む一般労働者の定着率が88.1%に対し、パート労働者は76.9%です。パートタイム労働者は、国内企業の平均値より約8%も定着率が低いことが確認できます。
3-2. 大卒の入社3年以内の定着率は67.7%
令和2年3月に大学を卒業した人の場合、入社3年以内の定着率は67.7%でした。また高卒の場合は63%、短大卒などの場合は57.4%の定着率です。国内企業と比較すると、約2割も定着率が低いことが確認できます。
参考:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)|厚生労働省
新卒を採用している企業が定着率の向上を図る際は、新卒に対するフォローを充実しなければなりません。以下の記事では若手社員向けの離職防止策について解説しているため、併せて参考にしてください。
【関連記事】「若手社員向けの離職防止策とは?定着率を向上させる取り組み事例を紹介」(今回作成記事)
4. 定着率の計算方法
定着率の算出方法は以下の2つです。
- 所定期間の在籍人数で算出する方法
- 離職率から算出する方法
それぞれの計算方法について詳しく解説します。
4-1. 所定期間の在籍人数で算出する方法
所定期間の在籍人数で算出する方法は以下のとおりです。算出例として2021年4月入社の人数が120名、2024年3月時点の在籍人数が75名である場合の定着率を算出しました。
計算式 |
所定期間の在籍人数÷所定期間の開始時点の在籍人数×100 |
算出例 |
75名÷120名×100=62.5% |
定着率を算出する際は、中途入社した人数を含まないようにご注意ください。
4-2. 離職率から算出する方法
定着率の算出は、離職率から算出することも可能です。算出例として2020年4月から2023年4月までの離職率が12%である場合の定着率を算出しました。
計算式 |
100(%)−離職率 |
算出例 |
100%−12%=88% |
定着率と離職率は対となる指標のため、上記の計算式を用いて算出可能です。
5. 定着率を高めるメリット
定着率を高めるメリットは以下の2つです。
- 人材を確保しやすくなる
- 採用コストを軽減できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
5-1. 人材を確保しやすくなる
定着率を高めるメリットとして、人材を確保しやすくなる点が挙げられます。従業員が働きやすい環境や福利厚生が整っていると外部から認識されるため、求人に対する応募数が高まるからです。
採用計画に基づいた人数を採用できると、人手不足の解消につながります。人手不足が解消すると既存従業員の業務負担が軽減し、優秀な人材の離職防止も可能です。
5-2. 採用コストを軽減できる
採用コストを軽減できることも、定着率を高めるメリットです。定着率が高いと離職する従業員が少ないため、新たな人材を採用するためのコストを抑えられます。また採用にかかる時間も削減できるため、別の業務に人員を配置することも可能です。
採用コストを軽減できると従業員の福利厚生を充実でき、従業員満足度の向上も期待できます。また別事業に予算を充てることで、企業の成長につなげることも可能です。
6. 定着率が低いことによる企業への影響
定着率が低いことによる企業への影響は以下のとおりです。
- 人材不足による業務効率の悪化
- 既存従業員の業務意欲の低下
- 採用コストの増加
定着率が低いと離職する従業員が多いため、人材不足による業務効率が悪化する可能性があります。また人材不足により既存従業員への業務負荷が大きくなると、業務意欲の低下を招きます。
さらに従業員が離職するたびに求人広告や人材紹介サービスを利用すると、採用コストが増加します。採用時にコストをかけすぎると教育や研修に充てられず、十分な人材育成をおこなえません。
従業員が働きやすい環境を整えたり、余計なコストを発生させたりしないためにも、定着率の改善に取り組むことが大切です。
7. 人事・採用担当が取り組むべき定着率を上げる方法
人事・採用担当が取り組むべき定着率を上げる方法は以下の3つです。
- 採用プロセスを改善する
- 人事評価制度を見直す
- 従業員研修を充実させる
それぞれの方法について詳しく解説します。
7-1. 採用プロセスを改善する
従業員の定着率を上げる方法として、採用プロセスを改善する点が挙げられます。採用プロセスとは、採用活動から内定後のフォローまでの過程のことです。
厚生労働省による若年者雇用実態調査では、「労働時間・休日・休暇の条件が合わない」理由で離職した人が30.3%でした。また離職理由として、「人間関係がよくない」と回答した人は26.9%です。
離職を防ぐためには採用前に雇用条件について正しく伝え、内定後フォローの充実を図りましょう。以下の記事ではプロセス別の新卒採用方法についてまとめているため、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】【プロセス別】新卒採用を成功させる方法まとめ|失敗しない新卒採用とは
7-2. 人事評価制度を見直す
人事評価制度を見直すことも、従業員の定着率を上げる方法です。
従業員が出した成果に対して適切な評価がされていないと、業務意欲の低下を招き、離職する原因につながります。適切な評価をおこなえるように、自社に合う評価制度を取り入れることが大切です。
人事評価制度には業績や能力による評価だけでなく、さまざまな評価手法があります。以下の記事では人事評価制度の基準や導入手順についてまとめているため、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】人事評価制度とは?人事評価制度の仕組みや運用方法を徹底解説
7-3. 従業員研修を充実させる
従業員研修を充実させることも、従業員の定着率を上げる方法です。従業員研修を充実させることで業務に役立つスキルを習得し、業務意欲の向上につながります。
また研修を通して従業員同士の交流を図れるとコミュニケーションが円滑になり、良好な人間関係を構築しやすいです。新入社員・中堅社員などの立場に応じて、適切な研修内容を実施しましょう。
例えば新入社員の場合はOJTやメンター制度を活用し、先輩社員とコミュニケーションを図りながらスキルを身につけます。中堅社員の場合はOFF-JTを活用し、リーダーシップを身につける研修を取り入れるのがおすすめです。
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