eラーニングは意味ないと言われることもあります。しかし、eラーニングには反復学習がしやすいなどのメリットも多くあります。この記事では、なぜeラーニングが意味ないと言われるのか、その理由と解決策について解説します。また、eラーニングを効果的に導入するための注意点やコツについても紹介します。
目次
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1. eラーニングは意味ない?
eラーニングは意味ないと言われることもあります。eラーニングにはメリットがないのでしょうか。ここでは、eラーニングとは何かを説明したうえで、eラーニングの効果について詳しく紹介します。
1-1. eラーニングとは?
eラーニングとは、インターネット環境を活用して学習することです。従来は講習やセミナーに参加するなど、直接対面で学ぶことが一般的でした。しかし、PC・スマホ・タブレットといった情報機器の普及や通信技術の発達などにより、オンラインで学習することが容易になったことで、企業の研修の場でもeラーニングがよく用いられるようになっています。
関連記事:eラーニングとは?必要性やメリットとデメリットをわかりやすく解説
1-2. eラーニングのメリット
eラーニングを導入することで、自宅や通勤中など、時間や場所を問わず学習することができます。また、既設されているコンテンツであれば、繰り返し視聴できるため、反復学習にも向いています。さらに、紙テキストの印刷や会議室の予約、交通費の負担などをなくせるので、研修コストを削減することが可能です。このように、eラーニングには多くのメリットがあり、必ずしも意味ないとは言い切れません。
1-3. eラーニングは適切に導入すれば効果がある!
eラーニングには数多くのメリットがあります。しかし、eラーニングを導入する目的を明確にしていなかったり、従業員に配慮した仕組みにしなかったりすると、eラーニングが定着せず、意味ないものとなってしまいます。まずはなぜeラーニングを導入するのか明確にし、目的を達成できるようにeラーニングを導入・運用することが大切です。また、eラーニングを導入したら、定期的に見直し、改善を繰り返すことで、よりよいeラーニングが実施できるようになります。
2. 社員がeラーニングを意味ないと感じる理由
eラーニングの導入に失敗しないためにも、社員が「eラーニングは意味ない」と感じる理由をあらかじめ把握しておくことが大切です。ここでは、社員がeラーニングを意味ないと感じる理由について詳しく紹介します。
2-1. 内容が長すぎる
eラーニングでは、さまざまな教材を提供することができます。しかし、eラーニングは学ぶ内容によって長さが大きく異なります。1動画の長さが1時間、2時間などと設定されているケースもあり、途中で集中力が切れてしまい、業務と並行しながら取り組むなど、内容が頭に入ってこない可能性があります。このように、eラーニングの内容が長すぎるために、従業員の勉強への意欲が低下し、意味ないものとなる恐れがあります。
2-2. 受講できるデバイスが限定されている
会社の端末からでしかアクセスできなかったり、スマホやタブレットに対応していないためPCでしか受講できなかったりすると、eラーニングの利便性の高さが活かされません。このように、受講できるデバイスが限定的だと、eラーニングが意味ないものとなってしまう可能性があります。
2-3. 操作が複雑で使いにくい
PCやスマホ、タブレットなど、さまざまなデバイスに対応させることで、eラーニングの利便性は高まります。しかし、システムにログインするまでの手続きが複雑であったり、自分の学びたい教材を探すのが難しかったりすると、学習を始める前に時間と労力がかかり、eラーニングが定着せず、意味ないものとなります。
2-4. コミュニケーションが取りにくい
対面での研修の場合、不明点があったら、その場で講師に質問してすぐに解決することができます。しかし、eラーニングの場合、動画による講師からの一方的な配信になるので、疑問点があっても、その場で解決することが難しいです。また、コミュニケーションも取りにくく、他の受講者の進捗状況がわからないために、不安を感じる従業員もいるかもしれません。このように、コミュニケーションの取りづらさによって、eラーニングの利用率が低下し、意味ないものとなる可能性があります。
2-5. 労働時間外の受講を求められる
対面の研修の場合、労働時間の取り扱いとなることが多いです。一方、eラーニングの場合、一人で学習できることから、労働時間外に受講するよう求められることもよくあります。会社から言われたeラーニングをプライベートの時間に実施するのは、従業員からすると不満につながり、意欲が下がってしまいます。このように、労働時間外の受講を求められることにより、eラーニングが利用されなくなり、意味ないものとなってしまいます。
関連記事:労働時間とは?労働基準法が定める上限や休憩時間、計算方法を解説!
2-6. モチベーションの維持が難しい
eラーニングは自学自習を求められるため、自分でモチベーションを維持しなければなりません。従業員は業務で必要になる内容や、自分のスキルアップにつながる内容でなければ、自主的にeラーニングを利用したいと思えません。このように、モチベーションが維持できず、eラーニングの利用率が低下し、意味ないものとなってしまう恐れがあります。
2-7. 実際の業務に活用できない
eラーニングは動画での学習が基本となるため、アウトプットをする機会が少なくなりがちです。準備されているコンテンツを自身で進めていくeラーニングは、実践的なスキル獲得のための学習には向いていません。知識やスキルを身につけても実際に活かせる環境がなければ、eラーニングでの学習は意味がなかったと感じやすくなります。
3. eラーニングを効果的にするための解決策
eラーニングにはメリットも多くありますが、さまざまな要因で利用率が下がり意味ないものとなってしまう可能性があります。ここでは、eラーニングを効果的にするための解決策について詳しく紹介します。
3-1. 短時間で受講できる内容を取り入れる
eラーニングのコンテンツが長すぎると、従業員の集中力が切れてしまうので、短時間で受講できる内容を取り入れましょう。1時間の動画を5分や10分ごとに細かく分割することで、すきま時間を活用して効率よく学習することができるようになります。また、動画をスローにしたり、1.5倍や2.0倍にしたりできるよう再生速度を変更できる機能も搭載すると、従業員の状況や環境にあわせてeラーニングを効果的に活用することが可能になります。
3-2. さまざまなデバイスで受講できる環境を整える
通勤中や移動中などでも学習できるよう、PCだけでなく、スマホやタブレットでもeラーニングを利用できるようにしましょう。また、会社だけでなく、私用のデバイスからでも受講できると、eラーニングの利用率は高まるかもしれません。ただし、不正アクセスや情報漏えいのリスクも高まるので、セキュリティ対策をきちんと実施することが大切です。
3-3. サポート体制を整える
システムの操作が難しいと、eラーニングを利用することに躊躇してしまい、受講率が下がってしまいます。また、システムの使い方や学習の進め方がわからないまま始めると、学習効率が悪くなる恐れもあります。
初めて受講する社員に向けて操作ガイドを作成することで、ストレスなくeラーニングを受講することが可能です。また、エラーやトラブルがあったときの対処法もマニュアルなどで解説しておくと、万が一のことがあってもスムーズに対応することができます。このように、従業員に配慮してサポート体制を強化しましょう。
3-4. ITツールを活用する
eラーニングでは一人で学習を進めることが基本になるので、コミュニケーションが取りにくいという課題があります。Web会議システムやチャットツール、社内SNSなどのITツールを導入することで、eラーニングの取り組み状況を従業員同士で共有することが容易になります。ITツールにはさまざまな種類があるので、料金や機能、使いやすさ、サポートなどの観点から、自社のニーズにあったものを導入することが大切です。
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3-5. 受講ルールを明確に定める
会社から強制的に受講させる場合、eラーニングであっても労働時間にみなさなければなりません。労働時間外の取り扱いにすると、労働基準法違反として企業が懲役や罰金などの罰則を受ける恐れもあります。ただし、自己研鑽のために自主的に学習する場合、労働時間とみなさなくても問題ありません。
このように、eラーニングの労働時間の取り扱いは、会社からの強制かどうかで違いがあります。あらかじめeラーニングの受講ルールを明確にしておくことで、従業員は安心して気持ちよくeラーニングに取り組むことができるようになります。
3-6. 目標管理を実施する
eラーニングのデメリットとして、モチベーションの維持が困難なことが挙げられます。モチベーションを高められれば、それだけeラーニングの効果も向上します。まずはeラーニングを実施して達成したい目標を従業員に定めてもらいましょう。定期的に目標への達成状況を確認することで、モチベーションの維持につながります。また、進捗状況を可視化したり、理解度テストを実施したりすることもモチベーションを高めるために有効的です。
関連記事:目標設定とは?メリットや立て方のコツ、役立つフレームワーク、具体例を解説!
3-7. 学びを実践する場を設ける
eラーニングを実施しても、実践する場がなければ、ただ新たな知識・スキルを身に付けただけになり意味ないものとなってしまいます。そのため、eラーニングを実施した後、実際に学んだ内容を活かせる場を用意することが大切です。eラーニングでインプットするだけでなく、実際の業務でアウトプットもすることで、知識・スキルが実践に活かせるものとして定着し、効率よく人材育成ができるようになります。
4. eラーニングを導入する際の注意点
ここでは、eラーニングを導入する際の注意点について詳しく紹介します。
4-1. 不正受講が発生しやすい
eラーニングでは指導者の監視がない分、飛ばし見や流し見、代理受講などの不正受講が発生しやすくなります。不正受講に見抜けず、間違った評価をしてしまうと、人材育成に失敗してしまう恐れがあります。eラーニングの不正受講を防止するためには、次のような対策があります。
- 飛ばし見を防止する機能が搭載されたシステムを導入する
- 理解度テストをクリアしなければ次の課題に進めないようにする
- 本人確認やアクセス制限などの機能を強化する
まずは自社のeラーニングにおいてどのような課題があるか確認しましょう。直接従業員にヒアリングしてみるのも一つの手です。課題にあわせて適切な対策を検討・実行することで、効果的なeラーニングを実現することができるようになります。
4-2. 学習教材やシステム環境の整備が必要
eラーニングの導入後、学習教材やシステム環境をそのまま長期間放置してしまっているケースもあります。時代や社会の変化に伴い、情報はアップデートされます。たとえば、法改正があったのにもかかわらず、古い内容のまま放置していると、従業員が間違った知識を習得してしまう恐れがあります。定期的にeラーニングの学習教材やシステム環境を見直し、最適な状態に更新することが大切です。また、内容がアップデートされることで新しい学びが得られるため、従業員のモチベーション向上にもつながります。
4-3. 長期的に運用する必要がある
eラーニングを利用するには、初期費用や運用費用がかかります。eラーニングの効果がすぐに出ず、コストの負担から途中で運用をやめてしまうケースもあります。eラーニングの利用者やコンテンツを分析して改善を繰り返し、ノウハウが蓄積されていくことで、eラーニングの効果は徐々に表れはじめます。このように、eラーニングの効果が実感できないからといってすぐにやめるのでなく、根気よく改善に努めましょう。
5. eラーニングの効果を高めるコツ
ここでは、eラーニングの効果を高めるコツについて詳しく紹介します。
5-1. 成果を人事評価に反映させる
eラーニングの成果を人事評価に反映させることで、従業員のモチベーションをアップさせ、eラーニングの効果を高めることができます。たとえば、eラーニングにより資格取得した場合に手当を支給したり、eラーニングで身に付けたスキルで業務効率化を実現した場合にインセンティブを支給したりする方法があります。このように、自社のニーズにあわせてeラーニングの取り組みを人事評価に反映させることで、従業員の意欲を高めて、eラーニングの利用率を向上させることが可能です。
5-2. 他の研修と組み合わせる
eラーニングは、実践で身に付く知識やスキルの習得には不向きです。また、コミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。このようなデメリットを解消するため、集合研修やOJTなどの他の研修と組み合わせてeラーニングを導入するのがおすすめです。
集合研修 |
・受講者が複数人集まっておこなう研修 ・主にグループワークや講義形式での研修で用いられる |
OJT |
・業務に携わりながら仕事を身に付けていく研修 ・先輩社員が後輩に対して、業務に必要な知識やスキルを実践しながら教える |
他の研修と組み合わせることで、それぞれのメリットとデメリットを補い合い、効率よく人材育成をおこなうことができます。
関連記事:OJTとは?OJTの導入方法や成功させるポイントを解説
5-3. 学習管理システム(LMS)を導入する
学習管理システム(LMS:Learning Management System)とは、学習の進捗状況を管理し、効率化するためのシステムです。学習管理システムを導入すれば、従業員一人ひとりのeラーニングの利用状況を客観的に把握し、必要に応じてサポートを提供することができます。また、チャット機能や質問機能により、コミュニケーションを活性化し、eラーニングにおける従業員の悩みや疑問点を効率よく解決することが可能です。このように、eラーニングの管理を効率化したいと考えている場合、学習管理システムの導入を検討してみるのも一つの手です。
関連記事:LMS(学習管理システム)とは?メリット・機能・実現できることを紹介
6. eラーニングを効果的に導入して効率よく人材育成につなげよう!
eラーニングは従業員のモチベーションの維持が難しく、利用率が下がってしまえば意味ないものとなってしまいます。しかし、eラーニングには、リモートでも学習できることや、反復学習がしやすいことなど、メリットが多くあります。まずは自社のeラーニングの課題を洗い出して、それにあわせて適切な対策を実施しましょう。また、OJTや集合研修など他の研修と組み合わせたり、学習管理システムを導入したりしてみるのもおすすめです。
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