
こんにちは!HR NOTE編集部の須田絢香です。
会社で働くうえで、事業内容ややりがいなどはもちろん大切ですが、就活生として結構気になるのが福利厚生や人事制度ではないでしょうか。
少しでも良い環境で働きたいと考えている就活生は多いと思います。なかには、福利厚生などの環境だけで企業を選んでいる人もいるようです。
そんな福利厚生の中で、「社内通貨制度」というものがあるとのこと。これは、いったいどのような制度なのでしょうか。そこで今回は、社内通貨制度について調べてみました。
目次
社内通貨とは何か?その目的は?

社内通貨とは、企業が自社の社員向けに社内限定の通貨を発行する制度です。
日常に使っている紙幣のような形のものや、システムで管理されているものなど、形はさまざまあるようです。
- 正規の給与とは別に付与され、企業が用意した商品やサービスを購入するときに利用するのが多い。
- 社内コミュニケーションの活性化や社員のモチベーションアップを目的に取り入れられている。
社内通貨制度は2005年ごろから一部の企業で導入されたのがはじまりといわれています。導入当初は利用が限定的でしたが、ここ最近は制度運用の仕組みを支援するビジネスの登場により、利用しやすい環境が整ってきたため、取り入れる企業が増えているようです。
各社、どのような社内通貨があるのか調べてみた

では、企業はどのように取り入れているのでしょうか。ここでは6社の事例をご紹介します。
株式会社DISCO|社内通貨「will」
半導体切断装置の世界最大手のDISCO。今年の3月には、厚生労働省が選んだ「働きやすい企業」部門で最優秀賞を得ました。現在の好業績を支えたのは社内仮想通貨、「will」の存在だそうです。
DISCOは、2003年に仮想通貨の会計制度「will会計」を導入。2011年に個人単位で採算管理をする「個人will会計」としています。
【活用方法】
- willを活用したオークション形式で社内業務の受発注がおこなえる
- 月の収入と支出を仮想通貨で管理
- 社内プレゼンテーションの賞金としてwillが贈られる
- 半年ごとに換金、貯蓄をリセット
- will保有者の上位はホームページで公表される
社内コミュニケーションの促進というよりも、モチベーションアップや競争促進といったことが目的になっているようです。
【参考記事】
カブドットコム証券|社内通貨「OOIRI(オオイリ)」
三菱UFJフィナンシャル・グループのカブドットコム証券の社内通貨「OOIRI(オオイリ)」は、イスラエル発のフィンテックベンチャー企業ZEROBILLBANKと共同で開発した最新鋭の取り組みとのことです。
ブロックチェーンという仕組みを基盤に、ビットコインで有名な仮想通貨技術、位置情報を活用したインセンティブツールとして、働き方改革や健康経営の効果が期待されています。
【活用方法】
- 残業なしの場合、1日につき「10 OOIRI」が贈られる
- 1日で1万歩以上歩いた場合、「100 OOIRI」が贈られる
- 社内メンバーへの感謝として、OOIRIが贈られる
貯めたOOIRIは社内サービスだけでなく、近くの飲食店で利用できるよう計画が進められています。
導入されはじめたのは2016年からで、2017年にはカブドットコム証券の顧客にリリースされる予定とのこと。リリースにより、社内通貨制度の拡大が予想されています。
【参考記事】
株式会社オロ|社内通貨「Oron」
コミュニケーションデザイン事業とビジネスソリューション事業を展開するオロの社内通貨サービス「Oron」は、社内コミュニケーション促進のための取り組みです。
社員数の増大、支社の拡大とともに社員間のコミュニケーションツールとして2012年に導入されました。
【活用方法】
- 毎月3Oron支給される
- 感謝の気持ちを伝える手段として、WEBを介して社員間でやりとり
- 誰から送られたかはわからない仕組みになっている
- 貯まったOronはさまざまなアイテムと交換することができる
アイテムは、MacBookAirや会社でも履けるルームシューズやブランケットなどがあります。また、オロのロゴを使用したトランプやマウスパッドなども好評とのことです。
【参考記事】
株式会社リンクアンドモチベーション|社内通貨「LIMO」
モチベーションを軸にした組織変革コンサルティングの株式会社リンクアンドモチベーションの社内通貨の活用法は特徴的です。カジノに見立てた人事制度「カジノルール」のツールとして社内通貨「LIMO」を活用しています。
カジノルールとは、従業員のモチベーション向上と社内コミュニケーションの活性化を目的に、ビンゴやポーカーなどカジノで実施されているゲームに見立てた社内教育や報酬をルール化したものです。
【活用方法】
- 「カジノルール」の導入と同時に社内通貨単位「LIMO」を流通。「円」との交換が可能
- 各研修や自社理解テストの成績、社内表彰制度の報酬として「LIMO」を配布
- 内外環境によって為替相場が毎日変動する
カジノを参考にしているなんて非常に面白い仕組みですね。
【参考記事】
株式会社じげん|社内通貨「GAT」
IT会社であるじげんは、感謝の気持ちを示すコミュニケーションツールとして、社内通貨制度「GAT」を取り入れています。2008年から導入されました。
【活用方法】
- 月に1度、1人に感謝の気持ちとして手書きのメッセージと共に1,000GATを贈られる
- 社員間で直接手渡しする仕組み
- Amazonポイントなど、豪華景品に交換できる
贈られたGATを社内に掲示することにより、表には出づらい協力行動の可視化につながり、社員のモチベーションアップにもつながったそうです。手書きのメッセージもついてくるところが特徴的ですね。
【参考記事】
株式会社Wiz|社内通貨「Wizコイン」
ベストベンチャー100に4年連続で選出された、ベンチャー企業Wizでも社内通貨制度「Wizコイン」が取り入れられています。
その仕組みは、社内で「いいね!」と思われる行動をするとWizコインという社内通貨が贈られるというものです。仕事以外にも、挨拶、周辺の掃除など人間性や普段の行動も評価対象になっているそうです。
【活用方法】
- 全従業員対象。業務だけでなく、お互いの普段の良い行動を評価してWizコインを贈り合うことができる
- 1枚から交換可能
- コインの枚数に応じてWizのオリジナル商品やオーダーメイドスーツなど豪華景品と交換できる
Wizは他にも、美容手当やママ手当などユニークな制度が充実しています。Wizコインをはじめとした社員モチベーションの管理が、好業績につながっているんですね。
【参考記事】
まとめ
社内通貨により、仕事へのモチベーション向上やコミュニケーションの活性化につながり、結果として企業業績の向上につながっていることがわかりました。
カブドットコムの「OOIRI」のような制度運用の仕組みを支援するビジネスにより、今後は社内通貨制度が一般的になるのではないかと思います。
さまざまな効果が期待できる社内通貨制度を、取り入れてみてはいかがでしょうか。
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