【行政書士が回答(1)】外国人労働者の就労ビザ(在留資格)の種類など16の質問 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE

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【行政書士が回答】就労ビザ・外国人雇用に関する一問一答集

  • 採用
  • 外国人採用手法

こんにちは!HR NOTE編集部です。

今回は、外国人の雇用を検討している採用担当者や人事担当者向けに、「就労ビザとは?」「ビザ申請が不許可になった場合どうすればいい?」「5年の在留資格の取得条件はなに?」「コンビニでも外国人を採用できる?」など、就労ビザ周りのよくある16の質問をピックアップし、一問一答形式でまとめてみました!

就労ビザに詳しい現役行政書士の方に回答いただきましたので、ぜひご参考ください!

【監修】下川 輝 | 東京都行政書士会新宿支部所属 行政書士法人バタフライエフェクト社員

福岡県出身。早稲田大学、大阪大学大学院卒。
これまで台湾・韓国・中国・ベトナム・ネパール・インド・ミャンマー・ポーランド・イギリス・アメリカなど300人以上の外国人の就労やインターンシップのビザ手続支援を手掛ける。

目次

【就労ビザ】に関する質問集

Q1|就労ビザとは?

一般的に混同されてしまいがちなのですが、正確にお伝えすると、
【就労ビザ(査証)】
海外に在住している外国人が、現地の日本大使館・領事館で自身のパスポートに貼ってもらうものです。
一般的には、大使館に行く前に日本の地方出入国在留管理局に所定の申請をし、「在留資格認定証明書(COE)」を発行してもらいます。このCOEを大使館に持参すると、就労ビザ(査証)がスムーズに取得できます。
【在留資格】
一般的には、就労するための在留資格が「就労ビザ」と言われていることが多いです。
外国人が中長期で日本に滞在するためには何らかの在留資格が必要で、このうち就労ができる在留資格がいくつかあるのですが、これが「就労ビザ」と称されています。
就労できる代表的な在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で、一般的な企業で業務をおこなう際にはこの在留資格で問題ないケースが多いと言えます。(ただし、単純労働は除きます。)

「就労ビザとは?」について詳しく知りたい方はこちら>>就労ビザ申請|種類・申請方法・書類・外国人雇用【読めばわかる!】

Q2|在留資格の更新中に在留資格が期限切れになりそうな場合、不法滞在になりますか?

結論から言うと、不法滞在にはなりません
在留期限が切れる当日までに、在留資格の更新や変更の申請が管轄の地方出入国在留管理局に受理されていれば、その外国人の在留カードの裏面に「更新(変更)申請中」とのスタンプが押印されます。(オンライン申請の場合、スタンプの押印は無く、受理されたメールが該当します。)
このスタンプが押されていれば、在留カードの表面の在留期限が見かけ上は切れていたとしても、不法滞在にはなりません。
在留資格の更新について詳しく知りたい方はこちら>>就労ビザ・更新|わかりにくい手続きをパターン分け解説!|行政書士監修

Q3|外国人が転職で入社する場合、就労ビザの取得手続きはどういった流れでしょうか?

外国人が転職する場合には、前職を退職したことと新たな会社へ転職することを、その事実が生じた14日以内に地方出入国在留管理局へ届け出る法律上の義務があります。
ただし、転職前後で在留資格が異なる場合は、地方出入国在留管理局への「在留資格変更許可申請」が必要です。詳しくは専門家にご相談下さい。
参考:http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri10_00015.html

Q4|就労ビザが不許可になった場合、再度申請は可能でしょうか?

可能な場合と不可能な場合がありますが、一般論でお答えします。

(1)外国人が国外にいる場合(在留資格認定証明書交付申請)
原則として再度の申請は可能ですが、同じ企業が同じ内容でその外国人の申請をすることはできません。なぜ許可が下りなかったのか入国管理局から詳しく説明を受け、不交付の原因を知った上でその原因を除去するように申請をしないと、再申請しても許可を得られる見込みは低いでしょう。

(2)外国人が国内にいる場合(在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請)
就労の在留資格への変更・更新申請が不許可になった場合、特定活動(出国準備期間)への変更申請を促されます。
これは、「1ヶ月ぐらいの準備期間をあげるから、その間に日本を出る準備をしてください」という意味です。
付与された準備期間が31日以上の場合は、再度就労資格への変更申請ができますが、31日未満の場合はその変更が認めれられません。

Q5|行政書士にビザ取得代行を依頼した場合、本人/企業担当者が入国管理局に行く必要はありますか?

申請取次の資格を有する行政書士または弁護士に依頼した場合、制度上は外国人本人や企業担当者が入国管理局に行かなくても問題ありません。
ただし、どの業務までを代行してもらえるかは、それぞれの行政書士または弁護士と交わす契約の内容によって異なりますので、依頼時に確認が必要です。

Q6|専門学校卒業でも、通訳の仕事のための就労ビザを取れますか?

卒業して「専門士」という学位を取得できる専門学校(正確には専修学校)であれば、就労資格を得られる可能性はあります。ただし、実際に取得できるかどうかは個別の条件によって異なります。詳しくは専門家にご相談ください。

Q7|3年や5年の長めの就労ビザを取得したいのですが、どういう条件が必須なのでしょうか?

就労のための一般的な「技術・人文知識・国際業務」にかかる在留資格の許可期間は、1年・3年・5年のいずれかで、このうちどれを許可されるかは入国管理局の裁量によって決まります。理由が公表されるわけではないため、定かではありません。
もっとも、「就職先が上場企業」「業務がエンジニアなどの技術業務」など、「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であることが明白なケースでは、3年や5年の在留期間が許可される傾向にあるようです。

Q8|日本人と結婚した外国人を雇用する場合、就労ビザの申請は必要でしょうか?

結婚した後に当人が「日本人の配偶者等」という在留資格を得ていれば、就労用の在留資格に変更する必要性はないと思われます。

Q9|アルバイトは就労ビザが必要でしょうか?

保持している在留資格によって異なります。
「留学」「家族滞在」などの在留資格を保持している場合、その資格に付随して「資格外活動許可」を得ていれば、就労用の在留資格がなくてもアルバイトは可能です。ただし、原則として「1週間に28時間以内」という労働時間の制限があります。

Q10|海外の日本領事館などで在留資格の更新手続きはできますでしょうか?

海外の日本大使館や領事館で在留資格の更新・変更手続をすることはできません。なお、在留資格の更新や変更の申請を受理してもらうためには、外国人本人が日本に在留している必要があります。

Q11|観光ビザで入国した外国人を雇用することは可能でしょうか?

観光ビザで入国している短期滞在者の在留資格を、就労用の在留資格へと変更することは原則として認められていません。

Q12|起業後すぐに外国人を採用することはできますか?

会社設立からすぐの「前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」をまだ税務署に申告していない場合であっても、所定の資料をそろえて提出すれば就労ビザの許可がおりるケースもあります。
ただし、既に何年も活動している会社に比べて、事業の継続安定性・将来性などについての審査が厳格におこなわれる傾向があります。

Q13|飲食店やコンビニでも外国人を採用できますか?

従事する業務内容に応じて異なります。飲食店におけるホール・キッチン業務の場合、特定技能の取得の可能性が考えられます。
また、一般的な就労系在留資格である「技術・人文知識・国際業務」の場合、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務に従事することが必要であり、飲食店での接客や小売店の店頭における販売業務は該当しない可能性が高いと考えられます。他方で、採用当初等に“飲食店での接客や小売店の店頭における販売業務”を一定の実務研修として設けられている場合、それが日本人の大卒社員等に対しても同様に行われる実務研修の一環であって、在留期間中の活動を全体として捉えて、在留期間の大半を占めるようなものではないようなときは、その相当性を判断した上で当該活動を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格内で認められる場合があります。

Q14|最終学歴が高卒の外国人に働いてもらうことはできますか?

学歴要件が定められていない在留資格もありますが、就労用の一般的な「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の場合、おこなおうとする業務経験を相当有しない限りは、最終学歴が高卒だと要件を満たさず、働いてもらうことはできません。

Q15|海外の現地法人で働いている外国人を日本に呼び寄せるにはどうすればよいですか?

1つは「企業内転勤」の在留資格を得るための申請をすることです。
もう1つは、一般的ないわゆる就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格)を得るための申請をすることです。
いずれの申請をするかによって要件が異なります。
海外から外国人を呼び寄せる方法に関して詳しく知りたい方はこちら>>外国人の就労ビザ|申請手続や必要書類をゼロから解説【行政書士監修】

Q16|ワーキングホリデーで来日している外国人を正式に採用することはできますか?

ワーキングホリデーの期間中は「旅行・滞在資金を補うための付随的な」就労が認められており、その限りにおいて就労可能です。
なお、ワーキングホリデーは相手国との個別の取り決めの下、運用されている関係から、外国人本人の国籍に応じて就労系在留資格への変更の可否が定められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

初めて外国人採用やビザ更新をおこなう採用担当者や人事担当者の方は不安なことがたくさんあるかもしれません。

不安を解消するためには、事例や質問集を参考したり、行政書士に問い合わせたりするなど、法に関わる細かい部分についてはプロの意見を聞いてみることも有効です。

HR NOTEでは、実際に就労ビザ申請代行を実施している行政書士法人に監修いただき、記事を展開しております。

下記の記事に関しても、ぜひご参考いただければと思います。

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