採用において売り手市場が続いており、採用難易度は年々上がっているように感じています。
「求人を出しているのに、思ったような求職者が集まらない」「せっかく内定を出したのに、辞退されてしまった」といったお悩みはないでしょうか。
採用活動は、今後の会社の発展を支える仲間を探す大事な企業活動。何とかして立て直しをはかり、自社の求める優秀な人材の確保をしたいところですよね。
この記事では、採用活動の時系列順に沿って、採用活動がうまくいかない原因とその対策をご紹介。「自社の採用がうまくいかない」と思っている方は、ぜひ一度ご覧いただけたらヒントが見つかるかもしれません!
採用がうまくいかない原因とその対策
まず、うまくいかない事象の原因を考えてみましょう。以下時系列順に、採用がうまくいかない原因をご紹介します。
1.採用がうまくいかない原因|採用計画の設計時
建物で言えば土台作りにあたる、採用計画の設計。ここでうまくいかない場合、どういった原因があるのでしょうか?
1.1 求める人物像が明確になっていない
求める人物像が明確でないと、自社に合った求職者の見極めが難しくなります。例えば最終選考に残った候補が二人いるのに一人しか選べないといった場合、求める人物像が曖昧だと、最終ジャッジに時間がかかってしまいます。最近の採用市場では、こうしたちょっとした意思決定の遅れが機会損失になりかねません。
また曖昧な求める人物像は、求職者に不安を与えてしまうこともあります。具体性のない曖昧な情報では、入社後の自分をイメージできないため、興味を持ってもらうことができず、応募数そのものが減少してしまう可能性もあります。
求める人物像を明確にするために取り組んでおきたいこと
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▶人材要件フレームに!採用時のペルソナ設計に役立つ7つの考え方
1.2 採用計画と事業計画が結びついていない
人事・採用担当者と事業部の間で連携が取れていないと、今後の会社にとって適切な人材を確保するのが難しくなります。
また仮に入社しても、その新入社員が入社をするに至った自身の求める将来像と、事業側の求める役割の間でミスマッチが生じ、早期退職につながってしまいます。
事業部の窓口として採用成功させるために取り組んでおきたいこと
2.採用がうまくいかない原因|採用方法の検討時
採用計画が定まったら、採用方法の検討に移ります。どのようなツールを用いて情報発信をし、求職者とのリレーションをつくるのか、このツール選びと使い方が重要ポイントです。
2.1 適切な採用手法を選択できていない
一口に採用手法と言っても、様々な手段があります。以下は求職者集客手法の一例です。
- 紙媒体の求人本への掲載
- 求人ナビサイトへの掲載
- 自社サイトの採用ページ
- ダイレクトリクルーティング
それぞれの手法は一長一短であり、出会える求職者も違います。つまり採用手法の選択を誤ると、求める人材に全くアプローチできない、といったことも可能性として考えられるのです。
●対策はこれ!
求める人材とより多く出会うために取り組んでおきたいこと
2.2 自社といえばこれ!というイメージがない
求職者が就職先を探すとき、求職者は様々な企業を比較・検討します。このとき、「この企業はこういう企業なのか」というイメージを抱いてもらえないと、競合他社との差別化がしにくく、採用活動は難航してしまいます。
より働くイメージを持ってもらうために取り組んでおきたいこと
3.採用がうまくいかない原因|採用スタート時
いよいよ募集がスタートします。でも人が集まらない、集まっても求めている人材がいない。このような場合、どのような原因があるのでしょうか。
3.1 求職者に対する求人内容が適切でない
求職者にとって、働く魅力が伝わる求人内容でないと、興味は湧きづらいものです。例えば、単に高年収な数字を出しても、その数字が本当に高年収なのか、現実的な数字なのか、ぱっと見ただけでは求職者にはわかりません。
文法がおかしい、写真が暗い、写真に社員が少ない、など求人内容の魅力を半減してしまう要素は数多くあります。特に写真は第一印象となりうる影響度が高い要素です。求職者は「なんとなく暗そう」で応募をやめてしまう可能性もあります。
より魅力的な情報にするために取り組んでおきたいこと
3.2 母集団に量・質がともなっていない
母集団が小さいとそれだけ良い人材を十分に確保することは難しくなります。加えて、求職者が自社の求める人物像とマッチしているかどうかの質の担保も求められるのが母集団形成です。
数年前までは買い手市場だった背景もあり、母集団量さえあれば、確率論的に採用できていた時代もありました。ですが、現在は採用を成功させるのであれば、量と質のバランスが非常に重要です。どちらかが欠けていては、採用活動は難航します。
よりクオリティの高い母集団を形成するために取り組んでおきたいこと
3.3 採用競合の分析ができていない
新卒採用でも中途採用でも、求人倍率を見ると売り手市場であることを示しています。
例えば、ある調査では中途採用市場の求人倍率は2.35倍(2018年1月時)となっています。また2018年卒の新卒採用市場調査では、求人倍率は1.78倍でした。つまり現在は、少ない求職者を多くの企業で取り合っている状態です。こうした売り手市場では、採用競合相手を分析していないと、せっかく出会った求職者を他社に取られる可能性が高くなってしまいます。
採用競合に打ち勝つために取り組んでおきたいこと
- 福利厚生と年収帯
- 仕事の進め方や文化
この2つのポイントが求職者の入社決定理由になることが多いため、ぜひ競合他社の情報を収集してみましょう。事業競合に関しては、自社の営業担当に聞いてみるという選択肢もあります。
採用競合理解の大切さ・ノウハウを知りたい方は、こちらもチェック!
▶採用競合の理解が自社の採用力向上につながる|そのノウハウやメリット、差別化方法とは
4.採用がうまくいかない原因|選考時
続いて、選考時に採用がうまくいかない原因をご紹介します。
4.1 選考スピードが遅い
選考スピードが遅くなってしまう原因としては、応募から採用決定に至るまでのステップが多いこと、もしくはステップが少なくてもジャッジに時間がかかり次の選考までに時間が空いてしまっていることが考えられます。
こうしたスピードが遅くなってしまうと「連絡がこないとは、落ちたということ?」など求職者に不安を抱かせてしまい、求職者目線の採用フローにはなっていません。また、他の企業がその求職者にアプローチをかける隙を与えてしまいます。
選考のスピードを早め、求職者の心をつかむため取り組んでおきたいこと
4.2 採用担当者、面接官のスキルが低い
採用担当者や面接官の心構えがなく、スキルが足りないと、会社そのものにまで悪い印象を持たれてしまいます。
例えば説明会で採用担当者に頼りなさが目立ってしまうと、求職者の志望意欲は落ちてしまうかもしれません。また面接では、面接官だからと言って威圧的な態度をとってしまえば、これも悪印象につながりかねません。
最近では、候補者が「ひどい」と感じたことをSNSやネットの掲示板などで拡散されてしまうリスクもあります。「〇〇社はブラック企業である」という噂が流れてしまう可能性もあります。
企業として好印象を持ってもらえる選考をするために取り組んでおきたいこと
4.3 求職者の志向を見極められてない
候補者の見極めるべき点は、経験やスキルだけではありません。むしろ一緒にチームとして働く上では、その性格や仕事の傾向に目を向ける必要があります。ここを見落としてしまうと、入社しても周りと馴染めない、仕事の連携がうまくいかないということも起こりえます。
「自社で活躍できる候補者かどうか」を見極めるために取り組んでおきたいこと
5.採用がうまくいかない原因|内定オファー時
続いて、内定を出した時にうまくいかない原因と対策をご紹介します。
5.1 内定を出すまでの期間が長い
前述の選考スピードが遅い場合(4-2)と同様です。最終面接から内定通知までが長いと、候補者は企業に対する興味を失ってしまいます。「落とされた」と思い他社選考に積極的になってしまうかもしれません。
内定通知まで、候補者を惹き付けながら選考を進めるために取り組んでおきたいこと
5.2 内定を出した理由や企業の意向が伝わっていない
候補者が「内定をもらえた理由」を理解できていないときには、「内定ブルー」に陥ってしまったり、「入社前辞退」になってしまう可能性があります。もしかしたら知らず知らずのうちに「ブラック企業で、人手が足りなくて内定出したのでは」と考えてしまい、内定をもらった後も実は求職活動を続けていた、ということもあり得る話です。
候補者に納得感と満足感を持って入社してもらうために取り組んでおきたいこと
6.採用がうまくいかない原因|内定後フォロー
求職者が内定を承諾したから一安心、とはいかないのが就職・転職市場の現状です。ここでは内定承諾後の課題と原因・対策をご紹介します。
6.1 内定後のフォローが適切におこなわれていない
内定を取った後、候補者は「内定はもらえたものの、本当にこの企業が自分に合っているのか?」と不安に駆られます。また未経験採用だった場合は、「今の自分で本当にやっていけるのだろうか」と焦燥感に駆られてしまうこともあるかもしれません。
こうした候補者がいだきやすい不安感・焦燥感などを払拭してあげることも、とても重要な仕事です。
内定者に不安なく入社してもらうために取り組んでおきたいこと
求職者・候補者との円滑なコミュニケーションを取り続けるためのツールをチェック!
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▶採用管理システムの価格・特徴を徹底比較 | 2018年完全版
6.2 内定者同士の交流が少ない
「同期にどんな人がいるのか」は内定者にとって気になる点の一つです。同期の情報を知らないまま他社の情報が入ってくると、不安から「他にもっと合った会社があるのではないか」と思い始めることもあります。これは新卒採用はもちろん、中途採用でも同様です。
内定者の間もフォローし、不安なく入社してもらうために取り組んでおきたいこと
7.まとめ
時系列順に、採用がうまくいかない原因と対策をご紹介してきました。
採用活動は、情報発信から母集団形成、選考、内定者フォローまで、それぞれを点ではなく線としてつなげていくことが大切です。求める人材像の明確化、自社の強み・弱み分析などを通して、自社の採用の成功を見つけていくことも、企業発展のためには重要なファクターですね。
ここで列挙した原因と自社の採用活動の現状を照らし合わせて、ぜひ今一度内容を見直していただければと思います。採用活動を改善して、魅力的な仲間を採用できるよう、この記事がお力になれれば幸いです。