HR NOTEでは、これまでに「採用管理システム」や「LINE」を活用した採用について、さまざまな記事を公開してきました。
本記事は、これまでに公開した記事の総集版です。
本記事1つで、採用担当者の悩み、課題を一度に解決できる内容となっていますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
目次
1|採用を強化するために、まずは歩留まり改善から!
採用を強化していくために、まず考えなければならないことが「採用候補者の歩留まり改善」です。
以下のように、採用担当者の業務にはさまざまな課題があります。
- 採用人数を増やしたいが、現実的には難しい。
- 採用管理の工数が多く、労働時間外でも働かなければならない。
- 採用に掛かるコストが抑えられない。
採用担当者の中には、「採用候補者の歩留まりを改善したいと考えているが、多岐にわたる採用業務に追われてしまい、なかなか手が付けられない」といった方も多いのではないでしょうか。特に母集団形成にはパワーがかかり、歩留まり改善策まで手が回らないといった声もよく聞きます。
本章では、採用業務を少しでも効率化しながら、採用候補者の歩留まりを改善する方法を3つご紹介します。
採用候補者の歩留まりを改善する3つの方法
①応募者への対応を改善する
応募者への対応が遅いと、応募者は「せっかく応募したのにあまり興味をもってもらえていない」のだと判断し、応募を辞退することがあります。
応募者への対応には、特に「スピード」が要求されます。
応募者へのレスポンスを速くすることで、応募者の選考辞退を防ぐだけでなく、会社に対して良い印象を持ってもらうこともできます。対応スピードによって、志望度にも影響を与えることがありますので気を付けたいところです。
②採用管理システムの導入
LINEと連携している採用管理システムを使うことで、電話をしてもつながりにくい候補者との連絡や、メールの開封率が低い候補者とのコミュニケーションの課題をクリアにしてくれます。新卒採用なのか、中途採用なのかによっても選ぶ採用管理システムは異なるため、さまざまなツールを比較することをおすめします。
また、採用管理サービスはコミュニケーション手段以外にも、採用状態を自動で可視化し、一元管理するツールもあり、選考の日程を自動で調整するなど、採用担当者の負担軽減するサービスがたくさん組み込まれています。
③採用代行(RPO)サービスを使用
採用管理システムはあくまでもツールを購入して使う方法です。それでも時間が足りない場合は、採用代行サービス(RPO)といって、採用業務を委託してしまう方法もあります。
アウトソーシング(業務委託)するため、費用はかかりますが、その分自分たちの業務に専念でき、費用対効果を考えると結果的にはコスト削減にもつながります。また、採用の経験豊富な専門家チームによってサービスが運用されるので、採用効率が上がるメリットもあります。
2|LINEでの採用連絡がおすすめな理由とは?
「選考結果の連絡はなるべく早く」とはいっても、従来の連絡手法(メール、電話、就活サイトのメッセージなど)では、採用担当者の負担は計りしれず、なかなか難しいというのが現状です。
この問題点をまとめると、以下の通りです。
- 就活サイトからは応募した企業とは関係のないさまざま情報メールが毎日何件も送られてくるため、就活サイトからの通知だと応募者側がスルーしてしまう可能性が高くなる。
- そもそも就活中は普段にも増してさまざまな就活サイトから大量にメールを受信するため、埋もれてしまう可能性が高い。
- メール内のURLから就活サイトのリンクに飛ぶ際にも、ログインするためのIDパスワード入力が必要で、とにかく手間がかかる。
- 応募者側からすると、なにか質問したいことがあったときに気軽にメッセージを送れない。
そこでおすすめなのが、「LINE」での採用連絡です。
ここからは、「なぜLINEでの採用連絡がおすすめなのか」をご説明します。
▼なぜLINEでの採用連絡がおすすめなのか?
- 選考や採用結果の連絡だけではなく、面接の日程調整もLINE上でおこなえるため、圧倒的に採用担当者の工数を削減できすることができる。
- スマホの画面上に通知されるため、応募者がメッセージを見落としてしまう可能性を最小限に抑えるだけでなく、既読無視されている場合に、応募者の志望度を察したり、志望度が下がっているとわかったところで別のアプローチをしたりすることも可能になる。
- メールや電話よりも応募者が気軽に質問しやすく、採用担当者もその質問に対して素早い対応ができる。
- グループ化がスムーズになり、LINEでのやり取りを通して内定者同士をつなげることも簡単になる。
大事なのは「LINE」「メール」「電話」を上手く使い分けることです。
LINEは便利といえども、ちょっとした手違いでトーク履歴を消去してしまったり、スマホが予期せぬトラブルで壊れてしまった際に、データの復元が上手くいかない可能性もゼロではありません。
たとえば最終選考の通知や、内定通知など、応募者に印象付けるためにも、電話やメールなどの形式張った形でおこなう方が、かえって効果的な場合もあります。そのため、LINEの使い所とメールや電話の使い所は、慎重に議論した上で決定することをおすすめします。
3|LINE公式アカウント×採用
そもそもLINE公式アカウントをご存知ないという方もいるかもしれません。
情報発信やビジネスに利用できるサービスである「LINE公式アカウント」には、近年注目が集まっており、今では取り入れる企業や店舗数がかなり増えてきました。
集客や販売促進において、とてつもない可能性を秘めるLINE公式アカウント。最近では、採用活動にもLINE公式アカウントを活用させる事例もあります。
▼LINE公式アカウントの効果的な使い方
近年、飲食・小売業界を中心にどこも人手不足で、スタッフ募集のニーズは高まっています。
もし、すでに店舗やブランドなどでLINE公式アカウントを利用していたら、その登録者に向けて、求人情報を展開することができます。また、SNSアカウントを運用していたら、これを通して友達追加用のQRコードを貼り拡散させ、友達を増やすこともできます。
このように求職者を「集める」フェーズで活用することもでき、また一斉送信での求人情報展開を定期的に実施したり、就職希望者へ1:1のメッセージやり取りを実施するなどの「惹き付ける」フェーズまで、しっかり利用目的を明確にし運用することで効果を高めることができます。
▼LINE公式アカウントを活用した採用事例
アルバイト採用
- タイムラインで求人展開 アルバイト求人情報をタイムラインで公開。お得意様には、求人情報をシェアしてもらえるようにお願いしてみる。 現場も一体となった採用施策事例です。
- 1:1のメッセージで面接設定 友達登録一斉メール求人に応募したいと返信をくれた方に、面接日程のすり合わせをLINE上で実施。電話だとなかなかつながらないことも多いが、LINEだとスムーズに確認がとれた。
中途採用
- 1:1のメッセージで転職状況を都度確認 まずは、ファーストコンタクトで求職者と信頼関係をつくること(自社への入社だけではなく、転職活動の応援をするスタンスを伝えるなど)を実施。そのあとは、メールではなくLINE上でやり取りを実施。フォローの一貫として情報共有などもおこなうことでエンゲージメントを高める。
新卒採用
- エントリー者やイベント接触の学生へ友達登録を依頼、説明会情報をタイムラインで共有 3月のイベントなどにLINE公式アカウントの友達登録用のQRコードを持参。また名刺サイズにしてばらまく。自社の説明会情報や選考情報などの連絡ツールとして、希望者には登録をうながす。その後定期的に新規説明会情報をタイムラインや一斉メッセージ送信で展開。セミナー予約は就活ナビへ誘導。
- 内定者フォローで辞退予防 内定者への連絡や情報共有用にLINE公式アカウントを利用。タイムラインで情報共有や社内報などの魅力づけ情報を展開。 統計を利用しその反応率などを見て、必要であれば個別メッセージでのフォロー対応を実施。随時スマホでも対応ができるため、手に取るように状況を把握でき、採用活動と平行した繁忙期のフォローにも対応できた。
4|LINE×採用管理システムを徹底調査
ここでは、そんなLINE上での応募者とのコミュニケーション・応募管理ができる、ネオキャリアの『MOCHICA[モチカ]』を例に、LINEを活用した応募管理の全フローをご紹介します。
それでは、採用の時系列に沿って、実際にMOCHICAを使って応募者対応・応募管理を実践してみたいと思います。新卒採用、中途採用に関わらず、採用フローにおいての応募者とのコミュニケーションシーンでの活用を検証していきます。
ケース01|日程調整をおこなう
就活サイトにエントリーしている学生へ、MOCHICA登録を促す
就活サイトにエントリーしている学生への連絡は、そのまま就活サイト上でおこなうことが多いと思いますが、説明会や選考会の案内をLINEに直接送れると便利ですよね。
そんな時には、就活サイトのエントリー者データをエクスポートし、CSVでMOCHICAへインポートします。
インポートしたデータには、その場でタグを新規生成して付与することができますので、経由媒体やインポート日時を記録しておくと、あとあと絞り込みをおこなう際に便利です。
就活イベントで出会った学生と、LINEを通じて会社説明会へ動員する
就活イベントは、多くの学生に自社を知ってもらうのにとてもいい機会ですが、ブースで出会った学生とその後の連絡をとり続ける際に、すべて就活サイト経由だと、データの取り込みや定期的な連絡が億劫になってしまいがちです。
そこで、就活イベントに出展する際は、MOCHICAから生成した自社のQRコードを拡大印刷し、持参します。
学生はLINEなどのアプリを使用し、QRコードを読み取るだけ。MOCHICAとの連携が完了し、企業側はLINE経由で説明会や座談会などの参加日程案内を送ることができます。
学生はLINEに送られてきた説明会の案内から、提示された日程への参加予約をすることができます。
会社説明会へ出席した学生へ、LINEを通じて次回選考案内を送る
会社説明会後には選考案内を送ります。選考日程候補・予約枠数をMOCHICAで設定し、送りたい学生を選定してLINEで日程を送ります。
ケース02|選考の結果通知をおこなう
選考担当者が選考結果を直接MOCHICAに入力する
選考を実施したら、その場で選考結果をMOCHICAに入力できます。申し送り事項も自由記述として入力し、残しておくことができます。
選考に参加した学生へ、LINEを通じて結果通知を送る
選考に参加した学生の選考結果が確定したら、対象の学生へ次回の選考案内をおこなうことができます。次回の選考候補日をMOCHICAで設定し、学生へLINEで通知します。
この時、不合格であった学生への結果通知もLINEでおこなうことができます。
ケース03|応募者への直接連絡をLINEでおこなう
例えば、採用における「魅力づけ」の施策の一環として、応募者に定期的に社内ニュースを配信したり、説明会や選考前にリマインドのメールをLINEに届けたりすることができます。
「プライベートと就職活動は切り分けたい……」という学生の声もよく聞きますが、実際にLINEで企業からの選考情報をもらうことをどう思っているのでしょうか。
MOCHICAでは、学生が登録するときに「LINEでの連絡を希望する」か「メールでの連絡を希望する」か選択することができます。実際に学生に選んでもらうと、約8割が「LINEでの連絡」を選択する傾向にあります。
MOCHICAは、前述の通りメール機能もあります。日程調整機能などもメールでも実施可能ですので、メールでの連絡を希望する求職者にはメールでの連絡が可能です。
ちなみにMOCHICAであれば、学生に送られる合否などの重要な通知は、結果確認用ページのURLがLINE上に送られます。このURLから別ページにアクセスし、結果を確認する仕様になっています。
5|LINEと連携できる4つの採用管理システムを徹底比較!
ここでは、採用管理システムの中でも、LINEと連携できるものだけを4つ厳選いたしました。
「LINEと連携可能な採用管理システム」といっても、機能や料金体型はシステムによってさまざまです。
自社の採用に合わないシステムを選択してしまうと、操作方法や設定に工数だけが取られてしまい、あらゆるコストが無駄になってしまいます。
ぜひ、採用管理システムの比較検討にお役立て下さい。
【MOCHICA】
【特徴】
- LINE連携しており、自動で選考の日程が調整できるため、工数削減が可能
- 業界最安値の月額5,000円で利用も可能なため、初めての企業でも導入しやすい
- 採用支援会社の開発ツールのため、サポートに追加料金がかからず、サポート内容の手厚さが強み
◆月額:5,000円~ ◆無料お試し期間:あり ◆導入コンサル&サポート:あり※サポート体制に強みあり ◆セミナー開催:あり |
サービス名:MOCHICA 対応領域:新卒採用・中途採用 提供会社:株式会社ネオキャリア サービスURL:https://official.mochica.jp |
【sonar ATS】
【特徴】
- 月額2.2万円~のLINE連携サービスの中でも低価格で、ナビや合同企業説明会などさまざまな経路から応募した学生の一元管理が可能。
- 自動リマインドの設定により、LINE・ナビそれぞれの応募者に最適化されたメッセージの自動送付ができる。
- 応募者管理・日程管理・エントリーシートの提出・管理・マイページの作成など採用に必要な機能が充実。
- 応募から内定までの採用業務フローの作成やエントリー進捗もダッシュボード形式で共有することができる。
◆初期費用:0円 月額費用:22,000円~ 一台で新卒・中途を両方管理 ◆無料お試し期間:あり ◆無料デモ・無料トライアル:可能 |
サービス名:sonar ATS 対応領域:新卒採用・中途採用 提供会社:Thinkings株式会社 サービスURL:https://sonar-ats.jp/lp/media/hrnote/ |
【HR PRIME】
【特徴】
- LINEの活用で歩留まり率向上、人材のミスマッチも防止。
- 選考管理とコミュニケーションが一括管理で可能。エクセルや他システムでの二重管理を防止。
- 他システムとの連携も簡潔。インポート、エクスポート機能を搭載。エントリーした学生情報を全て集約可能。
- 現金書留や口座振込ではなくHR PRIME内のLINE Payから学生へ送金。その場で交通費精算が可能。
◆初期費用:0円~(12ヶ月プラン~) ◆月額:20,000円~ ※長期契約割引適用 ◆無料お試し期間:要お問い合わせ ◆導入コンサル:あり ※LINE公式アカウントの開設が別途必要です。 |
サービス名:HR PRIME |
【採用一括 かんりくん】
【特徴】
- 文章例を登録すれば、対象学生それぞれの名前などの情報が本文中に自動的に反映されアプリから個々人に文面を作成する煩わしさや、管理の手間を大幅に効率化できる。
- LINE@の専用アカウントを活用するので、従業員の個人アカウント使わずに、迅速な連絡と情報共有、対応漏れなどのミスなく運用できます。
- 年額固定費用のSaaSサービスなので、採用人数が多い企業様でも安心の低コストで利用可能。
※ 料金プラン改定に伴い、掲載準備中 ◆無料お試し期間:あり ◆導入コンサル:要問合せ |
サービス名:採用一括かんりくん 対応領域:新卒採用 提供会社:株式会社Roots サービスURL:https://www.career-cloud.asia/lp |
【ジョブカン採用管理】
【特徴】
- 月単位の従量課金制で、採用充足の際には1年間無料でデータ閲覧が可能な「採用停止プラン」に移行可能。
- 候補者毎にLINEメッセージの送受信を管理することができる。日程調整や内定者フォローもLINEを活用。
- 新卒向けの「イベント管理機能」を搭載。応募者が面接日時を選べる予約フォームで、説明会や面接の予約をスムーズに行える。
- 新卒・中途・アルバイト全ての採用形態を一つの画面で管理可能。 採用に纏わるレポートも1クリックで出力できる。
◆初期費用:無料 ◆月額:8,500円(税抜)~ ◆無料お試し期間:あり ◆導入コンサル:あり |
サービス名:ジョブカン採用管理 対応領域:新卒採用/中途採用/アルバイト採用 提供会社:株式会社Donuts サービスURL:https://ats.jobcan.ne.jp/ |
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- 採用活動における学生とのコミュニケーションが全てLINEで完結。従来よりもメッセージ開封率が高く、スピード感のある採用が実現。
- 学生情報をデータベースで管理しているため、学生との親密感あふれるコミュニケーションを可能に。
- 導入社数10万社を突破し、セキュリティ対策も万全なシステム設計。
◆初期費用:100,000円(税抜) ◆月額:39,800円(税抜)~ ◆導入コンサル:あり(有料) |
サービス名:next>> 対応領域:新卒採用/中途採用/アルバイト採用 提供会社:株式会社アローリンク サービスURL:https://line-next.com/ |
6|採用管理システム(ATS)の価格・特徴を徹底比較
そもそも採用管理システム(ATS)とは、応募から採用までの流れを一元管理するシステムのことを言います。
英語ではATS(Applicant Tracking System)と呼ばれ、直訳すると「応募者追跡システム」です。
一般的には、これまでエクセルなどで管理してきた応募から採用に至るまでの以下のようなプロセスを、ひとつのシステム上で一元管理できるシステムが、採用管理システム(ATS)と呼ばれます。
- 求人管理(求人案件):複数の求人をカンタンに作成
- 情報管理:応募者の履歴書や情報の管理
- 選考管理:面接の評価や進捗の管理
- 内定者管理:内定の通知やフォロー
▼採用管理システム(ATS)導入のメリット・デメリット
採用管理システム(ATS)を導入する最大のメリットは、求人から採用までを一元管理することによる人事工数の削減です。選考の進捗状況の可視化もシステム上でおこなえるため、PDCAを回すスピードも早くなり、攻めの採用戦略を実現することが可能です。
一方、自社の採用に合わないシステムを選択してしまうと、操作方法や設定に工数だけ取られてしまうことがデメリットです。
また、アナログな作業が絡むようなどうしても人の手を入れたほうが良いケースなどは、採用業務アウトソーシング(RPO)サービスを導入したほうが良いケースもあります。
▼採用管理システム総まとめ
以下4つのカテゴリーに分け、全国各地の採用管理システム(ATS)をすべて洗い出しました。ぜひ、比較検討の際に、ご参考いただけますと幸いです。
【カテゴリー】
- 中途はもちろん、幅広く活用できる採用管理システム
- 新卒採用に特化した採用管理システム
- アルバイト採用に特化した採用管理システム
- リファラル採用に特化した採用管理システム
7|まとめ
いかがでしたでしょうか。
採用活動は多くの業務をおこなわなければならず、いかに効率的に応募者管理や採用連絡をおこなうかが採用成功の鍵になってくるでしょう。
LINEの活用や採用管理システムの導入などを通じて、採用の歩留まりを改善することから始めてみてください。