テクニカルスキルとは、業務を遂行する上で欠かせない能力です。部署や業務によって必要なスキルが異なるため、本人のキャリアに応じて伸ばしていく必要があるでしょう。
本記事ではテクニカルスキルの概要やノンテクニカルスキルとの違い、向上させるメリットを解説します。また、スキルを効果的に高める方法を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。
1. テクニカルスキルとは?
テクニカルスキルは、職務遂行上で必要となる知識や能力のことで、業務遂行能力ともよばれています。テクニカルスキルには商品に関する知識や業界の理解、分析力などが当てはまります。
また、テクニカルスキルは業務や仕事内容によって異なる能力が必要になるため、職種や部署によりさまざまなものがその対象となります。例えば営業職の場合は商品知識や説明力、エンジニアであればプログラミングスキルやIT知識が当てはまります。
これらの能力は経営層や管理職の社員よりも、主に現場で業務を遂行する一般社員に求められることが多いスキルです。現場レベルに近づくほど重要性は高くなりますが、立場にかかわらず必要な能力であるため、社会人全員が意識すべきものであるということができます。
2. テクニカルスキルとノンテクニカルスキルとの違いは?
テクニカルスキルと対比的に用いられる言葉としてノンテクニカルスキルというものがあります。テクニカルスキルとノンテクニカルスキルには以下のような違いがあります。
テクニカルスキル |
ノンテクニカルスキル |
|
必要とする場面 |
特定の業務を遂行するとき |
業務の内容は問わない |
必要とする人 |
主に現場社員 |
すべての社員 |
専門性 |
高い |
低い |
応用性 |
低い |
高い |
例 |
商品知識、ITスキル |
コミュニケーション力、問題解決力 |
ノンテクニカルスキルはテクニカルスキルと違い、必要とされる場面はさまざまで、現場社員のみならず多くの人が身に着けるべき能力とされています。具体的には、業務内容によらず必要とされる能力が含まれ、円滑なコミュニケーションを可能とするヒューマンスキルや物事の本質を捉え柔軟に物事に取り組むコンセプチュアルスキルのようなものがあてはまります。
ノンテクニカルスキルは医療の現場でも注目されていて、チーム医療が重要視される病院や事故現場では医学知識だけでなく、的確な判断力などが求められていると考えられます。
ノンテクニカルスキルに対し、テクニカルスキルは業務内容が異なれば、異なる能力が求められ、時代が進むにつれ変化していきます。両者の違いを理解して効率的なスキルアップにつなげましょう。
3. テクニカルスキルを高める4つのメリット
テクニカルスキルを高めると以下の4つのようなメリットがあります。
- 業務効率が向上する
- 従業員の帰属意識上昇
- 顧客満足度が向上する
- 業界内での差別化につながる
順番に詳しく解説していきます。
3-1. 業務効率が向上する
1つ目のメリットは業務効率の向上です。
社員のテクニカルスキルを高めることで社員は効率よく業務に取り組むことができます。例えばPCスキルが向上することで、データ入力などPCを使った作業にかかる時間を減少させることにつながります。
また、高い能力を持つ社員が多くいることで、企業全体の効率が上昇し、業績向上につなげることが可能です。
3-2. 従業員の帰属意識上昇
2つ目のメリットは従業員の帰属意識が上昇することです。
テクニカルスキルが向上することで社員は自身の能力がアップし、以前よりも高レベルな業務に取り組むことが可能となります。そのようにすることで以前よりも意欲的に業務に取り組むことにつながると考えられます。
さらに、同じスキルを持つ同僚と業務に取り組むことで部署内で結束が生まれ、高いモチベーションを保つことができます。
3-3. 顧客満足度が向上する
3つ目のメリットは顧客満足度が向上するということです。
社員がテクニカルスキルを身に着けることで、変化する顧客ニーズに対応することができ、満足度向上につながります。
例として営業部の社員について考えると、豊富な商品知識や疑問に対する的確な回答によって信用を得ることができます。また、これを積み重ねることで、企業イメージを向上させることにつながります。
3-4. 業界内での差別化につながる
4つ目のメリットは業界内での差別化につながるということです。
企業の競争力には商品力や営業力などさまざまなものがあります。高い競争力を持つことで企業は差別化を図り、業績を向上させることができます。
社員一人ひとりの能力が向上し、そのノウハウを共有することで自社にしかない価値を生み出すことにつながります。
4. テクニカルスキルを高める方法
テクニカルスキルを高めることで、企業の業績を向上させることにつながると分かりました。
では、どのようにすればテクニカルスキルを高めることができるのでしょうか。
テクニカルスキルを高める方法として以下の4つが挙げられます。
- スキルマップの作成
- OJTの実施
- オンボーディングの導入
- e-learningの実施
それぞれ解説していきます。
4-1. スキルマップの作成
スキルマップとは、現在従事している仕事に関する社員の能力やスキルを数値などで一覧化して、評価したものです。
スキルマップを作成することで、社員のスキルレベルを可視化することができ、業務に必要な能力や知識をどの程度習得しているのか明確にすることが可能です。
作成したスキルマップをもとに、社員の得意分野を伸ばしたり、苦手なスキルを向上することができます。
4-2. OJTの実施
OJT(On-the-Job Training)とは新しく配属される社員に対して上司や先輩が指導役に付き、実務を通してスキルを向上させる研修方法です。
OJTを受けると、実際に業務に取り組む上司や先輩の姿を間近で見ることができるため、業務で求められるスキルが習得しやすくなり、目標の設定も比較的容易になります。
新しく配属される社員も実践的に取り組むことでモチベーションを維持しながらスキルアップを図ることができます。
関連記事:OJTとは?OJTの導入方法や成功させるポイントを解説
4-3. オンボーディングの導入
オンボーディングとは、新入社員や中途社員など新たに組織に加わった社員が早く職場環境に慣れることを目標にした人材育成の方法を指します。
部署への定着やチームの結束力向上に効果があるため、新入社員がいち早く業務に慣れ、実践的なスキル獲得に乗り出すことができます。
関連記事:オンボーディングとは?OJTとの違いや実施プロセス、プログラム事例を紹介
4-4. e-learningの実施
e-learningは、PCやタブレットを利用したオンライン学習方法のことで、学習者の好きなタイミングで学習できるなど多くのメリットがあります。
e-learningを利用することで、業務に関する知識のインプットを効率よくおこなうことができるため、社員のテクニカルスキル向上につながります。
関連記事:eラーニングとは?必要性やメリットとデメリットをわかりやすく解説
5. 効果的にテクニカルスキルを向上させるポイント
テクニカルスキルを高めるとき、ポイントとなるのは以下の2点です。
- 客観的な指標を用意する
- 定期的にフィードバックをおこなう
効果的なテクニカルスキル向上を目指すためにこの2点は押さえておきましょう。
5-1. 客観的な指標を用意する
感覚的な言葉や雰囲気だけではテクニカルスキルを計測することは困難です。客観的な指標を利用することで現時点でのスキルや目標が明確になります。
数値で表すことのできる指標を取り入れるなど客観的に評価できる項目を取り入れましょう。また、必要なスキルを明確に定めておくことで目標との距離を測り、客観的に評価することができます。
5-2. 定期的にフィードバックをおこなう
テクニカルスキルを正しく計測・評価するためには、当人の自己評価だけでは不足となる可能性が高いです。
上司や同僚からフィードバックを受ける機会を定期的に設けることで、継続してスキルを向上させることができます。グループワークをおこない、互いに評価し、改善できる点を指摘し合うことも効果的です。
6. テクニカルスキルを正しく理解し、向上させよう
テクニカルスキルは業務をこなす上で欠かすことのできない能力です。求められるスキルは社員によってさまざまで、適切に評価し、向上させる必要性があります。
効果的にテクニカルスキル向上を図るために、研修の実施や同僚からのフィードバックなどを積極的におこないましょう。
【豪華ゲスト多数登壇!】変化に負けない「強い組織」を育むためにHRが果たすべき役割を考える大型カンファレンス『HR NOTE CONFERENCE 2024』
「人的資本経営」「ウェルビーイング」「DEI」といったトレンドワードが、HR領域だけでなく社会全体に拡がり始めた昨今。自社組織に漠然と"停滞感"を感じ、「うちは取り残されていないだろうか?」「何かやらないといけないのでは・・・」といった不安や悩みを抱える人事・経営者の皆様も多いのではないでしょうか。
本カンファレンスでは、HR領域の有識者の皆様に、様々な組織課題を解決するためのアプローチ方法について解説いただきます。強い組織を育む企業が実践している事例には、組織強化に必要な考え方や人事が果たすべき役割について学べるポイントが多くあります。ぜひ有識者の皆様と一緒に、組織を強化する「共通原理」について考えてみていただければと思います。