福利厚生の保養所とは?種類やメリット・デメリットを詳しく解説 |HR NOTE

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福利厚生の保養所とは?種類やメリット・デメリットを詳しく解説

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「福利厚生の種類は?」

「福利厚生の保養所を活用するメリットとデメリットは?」

「保養所を経費計上するための条件を知りたい」

上記のような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

福利厚生の保養所とは、企業が従業員の満足度を高めることを目的とした施設です。従業員は心身のリフレッシュや研修などに保養所を利用できます。

企業が土地の購入から運営管理までおこなう直営保養所や、ホテルや旅館を借り上げて利用する契約保養所など形態はさまざまです。

今回は福利厚生の保養所の概要や種類、保養所を活用するメリット・デメリットなどを解説します。保養所を経費計上するための条件についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼そもそも福利厚生とは何かを知りたい方はこちら

福利厚生とは何か?種類や導入形態を簡単にわかりやすく解説!

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1. 福利厚生の保養所とは

福利厚生の保養所とは、企業が従業員のために保有する施設です。原則として営利目的ではなく、従業員の健康や保養のために運営し、従業員の満足度向上を目指します。

保養所は企業が土地を購入して建設したり、一般のホテルや旅館を借り上げたり、さまざまな形態で運営されています。通常より割安な価格で利用できるのが特徴です。

バブル期は保養所を保有することが企業の人気を左右する一つの要素で、多くの保養所が建設されました。ただ、バブルが崩壊してからは保養所を維持するのが難しく、廃止する企業も増えたため、保養所の数は減少傾向にあります。

1-1. 福利厚生としての保養所はいらない?

保養所があれば、従業員の満足度向上を図ることが可能ですが、建設や維持のためのコストがかかるため、いらないと考える企業も増えてきました。

また、従業員のニーズが多様化し、とくに保養所を利用したいと思わない従業員が増えてきたことも、保養所が減少傾向にある理由のひとつです。

実際のところ、保養所が必要かどうかは従業員のニーズによって異なるでしょう。従業員のニーズや実際の利用率、かかる費用などを含めて、必要かどうかを総合的に判断することが大切です。

2. 福利厚生における保養所の4つの種類

福利厚生の保養所は運営形態に応じて4つに分類できます。

種類

特徴

メリット

直営保養所

企業が土地や建物を購入し、運営管理もおこなう

利用用途の自由度が高い・節税対策になる

借上保養所

一般のホテルや旅館の一部を借上げる

購入費用や運営・管理費用を抑えられる

契約保養所

一般のホテルや旅館と法人契約を結ぶ

購入費用や運営・管理費用を抑えられる

共同利用保養所

保険組合が保有する保養所をほかの保険組合と共同して利用する

購入費用を抑えられる

直営保養所は、企業が土地の購入から運営・管理までおこなうため利用用途の自由度が高く、節税対策にもなることがメリットです。ただし、借上保養所や契約保養所など、ほかの形態よりコストがかさむため、維持するのが難しくなります。

保養所を設置するときは、従業員のニーズや予算に合わせて最適な形態を選択することが重要です。

3. 福利厚生として保養所を設置する3つのメリット

福利厚生として保養所を設置するメリットは以下の3つです。

  1. 従業員の満足度が高まる
  2. 企業の評判がよくなる
  3. 節税対策ができる

それぞれ詳しく解説していきましょう。

3-1. 従業員の満足度が高まる

福利厚生として保養所を導入することで、従業員の満足度を高められます。保養所は基本的にリゾート地や自然豊かな環境にあることが多く、心身ともにリフレッシュ効果が期待できるためです。

また、従業員は通常より割安な価格で保養所を利用できるので、経済的にも大きなメリットとなります。

従業員の満足度が高まると、業務やサービスの品質が向上し、結果的に企業の業績アップにつながります。離職率を低下させる効果も期待できるため、人材確保にかかるコストの削減も期待できるでしょう。

3-2. 企業の評判がよくなる

福利厚生として保養所を設置すれば、企業の評判がよくなる可能性が高まります。福利厚生が充実していると、従業員を大切にする企業と認識してもらえるためです。

企業の評判がよくなれば、採用活動において優秀な人材を確保しやすくなります。少子高齢化が進み、労働人口が減少するなか、福利厚生を充実させてほかの企業と差別化を図ることも重要な戦略です。

3-3. 節税対策ができる

福利厚生として保養所を設置すると、節税対策になります。企業が法人名義で保養所を取得して利用した場合、保養所の維持や管理にかかる費用を福利厚生費として計上できるためです。

福利厚生費とは、企業が従業員の健康や生活をサポートするために支払った費用のことで、法定福利費と法定外福利費に分けられます。

法定福利費

法律で義務付けられている法定福利厚生にかかる費用

健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険など

法定外福利費

企業が独自に実施する法定外福利厚生にかかる費用

保養所・社員旅行・社宅手当・家賃補助・健康診断・社員食堂など

福利厚生費として計上できれば所得額が減少し、法人税を節税できます。

ただし、福利厚生費として計上するためには条件があるので注意しましょう。詳しくは後ほど説明します。

関連記事:福利厚生は非課税?要件・事例・経理処理を詳しく解説

4. 福利厚生として保養所を設置する2つのデメリット

福利厚生として保養所を設置するデメリットは以下の2つです。

  1. 企業のコストが大きい
  2. 従業員のニーズに合わない

それぞれのデメリットについて順番に見ていきましょう。

4-1. 企業のコストが大きい

企業が保養所を維持・運営するには、多くのコストが発生します。建物の修繕費や光熱費、人員を配置することによる人件費などが必要となるためです。

企業の経営が良好な局面では節税効果を発揮できますが、企業の経営が悪化している局面では大きな負担になる恐れがあります。

4-2. 従業員のニーズに合わない

福利厚生の保養所が従業員のニーズに合わないケースが増加しています。保養所は場所が限定されるため選択の自由度が低く、従業員のニーズを十分に満たせないためです。

また、未婚を選択する人も増えており、家族旅行向けの施設が最適とは限らない時代に変化しています。

保養所はあくまでも従業員の満足度を向上させるための施設で、営利目的ではありません。保養所の利用者が極端に少ない場合はコストだけが発生する事態に陥るため、保養所の運営を見直す必要があります。

5. 保養所を福利厚生費として計上するための3つの条件

企業が従業員のために保養所を設置すると、福利厚生費として経費計上できます。保養所を福利厚生費として経費計上するための条件は以下の3つです。

  1. 全従業員が利用できる
  2. 利益が妥当である
  3. 利用状況を確認する書面が存在する

それぞれの条件について、詳しく解説していきます。

参考:福利厚生費|厚生労働省

5-1. 全従業員が利用できる

保養所を経費計上する条件として、全従業員が利用できる環境であることが挙げられます。福利厚生費として計上する条件のひとつに機会の平等性があるためです。

社長や役員など一部の従業員しか利用できない形態であれば、個人的な別荘とみなされ、経費計上できないので注意しましょう。

全従業員が利用できる環境であるにもかかわらず、結果的に一部の従業員しか利用していなかった場合は問題ありません。ただし、ほかの利用していない従業員にも保養所の利用をアナウンスするなどの働きかけは必要です。

5-2. 利益が妥当である

保養所を利用することで得る利益が妥当な金額でなければ、経費計上はできません。従業員は福利厚生の一環として保養所を通常よりも安く利用できますが、従業員側の利益が大きすぎると給与所得として課税されるためです。

利益に関する具体的な条件は定められておらず、企業の判断に委ねられています。判断が難しいですが、常識の範囲内で保養所の内容や利用価格を設定するようにしましょう。

5-3. 利用状況を確認する書面が存在する

保養所を経費計上するためには、保養所の利用状況を確認する書面が存在しなければいけません。福利厚生費として計上可能な条件で保養所を運営していても、書面がなければ税務調査などで事実を証明できないためです。

いつ、誰が保養所を利用したのか、利用状況を確認できる書面を残しておくようにしましょう。

6. 保養所を福利厚生費として計上できない2つのケース

保養所を福利厚生費として経費計上できないケースは以下の2つです。

  1. 一部の従業員しか利用できない
  2. 利用者が受ける利益が著しく大きい

それぞれのケースについて解説していきましょう。

6-1. 一部の従業員しか利用できない

一部の従業員しか保養所を利用できない規定の場合、福利厚生費として計上することはできません。

すべての従業員が利用できる旨を社内規定に記載し、平等な利用機会を与えるようにしましょう。

6-2. 利用者が受ける利益が著しく大きい

従業員にとって、通常より安価で保養所を利用できるのが最大の魅力です。ただし、受ける利益が著しく大きい場合は給与所得として課税される場合があります。

必要以上に豪華であったり過剰なサービスを受けられたりするような保養所は避けるようにしましょう。

7. 保養所以外で人気の福利厚生

ここでは、保養所以外で人気の福利厚生を紹介します。従業員のニーズによっては、以下ような福利厚生を導入したほうがよいケースもあるでしょう。

7-1. 食事補助

食事補助は一般的な企業において、従業員のニーズが高い福利厚生のひとつです。食事補助は、社員食堂の設置や食事補助チケットの配布といった形で導入されるケースが多いでしょう。

福利厚生として食事補助を導入する大きなメリットは、誰でも利用しやすいことです。利用率の差が出にくいことから、不満を感じる従業員が少なく、満足度を高めやすいといえるでしょう。

関連記事:福利厚生における食事補助とは?メリットや導入方法を解説

7-2. 住宅補助

住宅補助も人気の福利厚生のひとつです。社員寮を設置したり、家賃の一部を補助したりすることで、従業員の生活費をサポートすることができます。引っ越し費用を補助するという企業もあるでしょう。

福利厚生として住宅補助を導入する場合は、年齢や勤続年数、配偶者の有無などによって、支給の有無や支給金額を変えるようなルール設定をするのが一般的です。

関連記事:福利厚生の家賃補助とは?平均相場がいくらかやメリット・デメリットも紹介

7-3. 健康サポート

健康サポートも従業員のニーズが高い福利厚生です。企業に義務付けられている健康診断とは別に、心身の健康をサポートする福利厚生を導入すれば、従業員の健康意識が高まるでしょう。

具体的には、人間ドックの費用補助やカウンセリング窓口の紹介などが挙げられます。うまく活用することで、従業員が健康状態を維持しながら、高いモチベーションを保って働いてくれることを期待できます。

8. 福利厚生としての保養所をうまく活用しよう!

今回は、福利厚生としての保養所の必要性や、設置するメリット・デメリットなどを紹介しました。保養所を設置すれば、従業員の満足度向上につながりますが、建設や運営には多額の費用が発生します。また、従業員のニーズも変化しつつあるため、絶対に保養所が必要というわけではありません。

保養所の設置を検討するときは、従業員のニーズをしっかりと把握することが大切です。場合によっては、住宅補助や食事補助といった福利厚生が適しているケースもあるでしょう。無駄な費用を使わないよう、十分に検討したうえで最適な福利厚生を導入することが重要です。

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